白鬼のミタマ

月並

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私の 2

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 それに満足したのか、サラは離れました。しかしまだ、ミタマの心臓は早鐘のように動いています。

「息子ー、生きてるだろー?」

 ひょっこり顔をのぞかせたのは、国人でした。ミタマが起きていると知るや否や、ささっと彼の元まで移ってきました。

「これ! なんで折れたんだ? 折れるまでに何人斬ったんだ? 切れ味はどうだった!?」

 国人の手には、昨日ミタマが持っていた刀の柄が握られていました。
 心拍数が一瞬で元に戻ったミタマは、めんどくさそうな表情を浮かべます。

 ずいずい迫る国人を押しのけたのは、サラでした。サラが国人を睨む目つきには、殺気がこもっています。

「ミタマに近づかないでちょうだい」
「なぜだ? 俺はこいつの父親だぞ?」
「どの口が! ミタマ、あの集落が焼けたの、こいつのせいよ! こいつが武運を連れてきたからよ! それもなんで連れてきたか、分かる? あなたにその刀を試し斬りさせるためよ!」
「そうそう。武運様をここに連れてきたら、下の集落を宇土勢が家探しするだろうなあと思ってさ。そういうの、お前はほっとけないだろう?」
「あなたは黙ってなさいよ!」

 喧嘩する2人を、ミタマは静かに眺めていました。

「まあそんなこったろうと思ってた」

 何も読み取れない表情で言うミタマに、サラは呆然としました。
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