18 / 24
私の 2
しおりを挟む
それに満足したのか、サラは離れました。しかしまだ、ミタマの心臓は早鐘のように動いています。
「息子ー、生きてるだろー?」
ひょっこり顔をのぞかせたのは、国人でした。ミタマが起きていると知るや否や、ささっと彼の元まで移ってきました。
「これ! なんで折れたんだ? 折れるまでに何人斬ったんだ? 切れ味はどうだった!?」
国人の手には、昨日ミタマが持っていた刀の柄が握られていました。
心拍数が一瞬で元に戻ったミタマは、めんどくさそうな表情を浮かべます。
ずいずい迫る国人を押しのけたのは、サラでした。サラが国人を睨む目つきには、殺気がこもっています。
「ミタマに近づかないでちょうだい」
「なぜだ? 俺はこいつの父親だぞ?」
「どの口が! ミタマ、あの集落が焼けたの、こいつのせいよ! こいつが武運を連れてきたからよ! それもなんで連れてきたか、分かる? あなたにその刀を試し斬りさせるためよ!」
「そうそう。武運様をここに連れてきたら、下の集落を宇土勢が家探しするだろうなあと思ってさ。そういうの、お前はほっとけないだろう?」
「あなたは黙ってなさいよ!」
喧嘩する2人を、ミタマは静かに眺めていました。
「まあそんなこったろうと思ってた」
何も読み取れない表情で言うミタマに、サラは呆然としました。
「息子ー、生きてるだろー?」
ひょっこり顔をのぞかせたのは、国人でした。ミタマが起きていると知るや否や、ささっと彼の元まで移ってきました。
「これ! なんで折れたんだ? 折れるまでに何人斬ったんだ? 切れ味はどうだった!?」
国人の手には、昨日ミタマが持っていた刀の柄が握られていました。
心拍数が一瞬で元に戻ったミタマは、めんどくさそうな表情を浮かべます。
ずいずい迫る国人を押しのけたのは、サラでした。サラが国人を睨む目つきには、殺気がこもっています。
「ミタマに近づかないでちょうだい」
「なぜだ? 俺はこいつの父親だぞ?」
「どの口が! ミタマ、あの集落が焼けたの、こいつのせいよ! こいつが武運を連れてきたからよ! それもなんで連れてきたか、分かる? あなたにその刀を試し斬りさせるためよ!」
「そうそう。武運様をここに連れてきたら、下の集落を宇土勢が家探しするだろうなあと思ってさ。そういうの、お前はほっとけないだろう?」
「あなたは黙ってなさいよ!」
喧嘩する2人を、ミタマは静かに眺めていました。
「まあそんなこったろうと思ってた」
何も読み取れない表情で言うミタマに、サラは呆然としました。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
今日の授業は保健体育
にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり)
僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。
その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。
ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
独裁者・武田信玄
いずもカリーシ
歴史・時代
歴史の本とは別の視点で武田信玄という人間を描きます!
平和な時代に、戦争の素人が娯楽[エンターテイメント]の一貫で歴史の本を書いたことで、歴史はただ暗記するだけの詰まらないものと化してしまいました。
『事実は小説よりも奇なり』
この言葉の通り、事実の方が好奇心をそそるものであるのに……
歴史の本が単純で薄い内容であるせいで、フィクションの方が面白く、深い内容になっていることが残念でなりません。
過去の出来事ではありますが、独裁国家が民主国家を数で上回り、戦争が相次いで起こる『現代』だからこそ、この歴史物語はどこかに通じるものがあるかもしれません。
【第壱章 独裁者への階段】 国を一つにできない弱く愚かな支配者は、必ず滅ぶのが戦国乱世の習い
【第弐章 川中島合戦】 戦争の勝利に必要な条件は第一に補給、第二に地形
【第参章 戦いの黒幕】 人の持つ欲を煽って争いの種を撒き、愚かな者を操って戦争へと発展させる武器商人
【第肆章 織田信長の愛娘】 人間の生きる価値は、誰かの役に立つ生き方のみにこそある
【最終章 西上作戦】 人々を一つにするには、敵が絶対に必要である
この小説は『大罪人の娘』を補完するものでもあります。
(前編が執筆終了していますが、後編の執筆に向けて修正中です)
ARIA(アリア)
残念パパいのっち
ミステリー
山内亮(やまうちとおる)は内見に出かけたアパートでAR越しに不思議な少女、西園寺雫(さいおんじしずく)と出会う。彼女は自分がAIでこのアパートに閉じ込められていると言うが……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる