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あの日 あの瞬間(とき) あの場所で・・・

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 毎日の、リハビリ、マッサージは欠かせない。
「彩萌も上手になったな」
徐々に、自分で着替えることすら出来なくなっていた。
家の中も、車いす生活に。
仕事も限られた事しか出来ない。それでも、続けられていた。
リハビリも、先生が週1で来てくれる。
週3で訪問医療も受けている。
いつもは身体を拭くだけだった。
「お兄ちゃん、お風呂入ろうか」
「風呂って、どうやって・・・」
「私も入る」
私は、水着に着替え、一緒に入ることにした。
車いすで、脱衣場まで行き、椅子に座らせた。
痩せて、私でも抱き上げられなくはない。
裸になって、後ろから抱きかかえたまま、一緒に浴槽に入った。
お風呂の中も、手すりを付け、浴槽も段差を作り、座れるようにしてある。
「大丈夫か?」
「気持ちいいでしょ?」
「まぁ、な」
体中、マッサージをした。
「なんか、恥ずかしいな」
「昔はいつも一緒に入ってたよね」
「彩萌は子供だったからな」
私ももうすぐ、20歳になる。
字は違うが、花のあやめの時期だから付けたようだ。
「ごめんな」
「謝らなくていいから」
泣いているように見えた。
一番辛いのは兄だ。
私は、出来る限りのことをしたい。
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