私の本当の気持ち、彼は知らない

私の本当の気持ち、彼は知らない

澤樹さんは車で来ていた。
本社までは、確か、3時間くらいの距離だと思う。
前によく行っていた、ファミレスに行き、食事してから、
「じゃ、送ってくよ」
「え、もう帰るの？」
「遅くならないうちに帰らなきゃな」
「今日は泊まりじゃないんだ？」
「あぁ」
少し間が空いてから、
「こうやってさ、2人で会うのも、終わりにするよ」
「え、何で？」
「俺さ、もうすぐ結婚するんだ」
け、結婚？
言葉にならずにいると、
「そんな寂しそうな顔するなよ」
「え、別に」
必死に堪え、
「おめでとうございます」
と言った。
「ありがとう」
悲しいけど、もう、これで終わりなんだ。