ブリキのおもちゃ

花歌

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そうだったのです。

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 天才と云われた魔法使いがいた。


 魔法使いは自分の体が朽ち果てる事を知る。


 だから魔法使いは魂を別の物に移し替える事にした。


「という話を信じるかいベイべ!」



 隆志は自分の部屋にいた。


 広いわけでも、狭いわけでもない部屋だ。


 ちなみに二階の部屋だ。


 ごく普通の会社員の長男。


 一軒家はローンだって残っている。

 

「つまりはこういう事だぜベイべ」

 ツッタツッタと、ベッドの上に立つ目の前のそれがリズムを取り出す。

「お前のジイチャン魔法使い、イエィ! 天才魔法使い、イェ~ィ」

 ただ、隆志の目の前に玩具があるだけだ。

 ガラ……。

 隆志は自分の部屋の窓を開けた。

 其処には澄み切った青空があるだけだ。

 そしてーー。


「飛んでけボケが~~~」


 これが主人公の発した最初の一言であり、目の前のソレをお空へ向けて投げた、最初の投球だった。
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