ミックスド★バス～混浴フレンドは恋人になれる？

2.次の計画

遅刻を詫びる水川だが、私が早すぎただけだ。

「ううん、もう先に飲んでるから気にしないで。何を飲む？」

「とりあえずビールで」

「とりあえずビールって、なんかもっと飲みたいもの飲みなよ」

「あ、なんかオヤジくさかったですか？まぁいいんです、温子さんと同じビール飲みたいです」

「はいはい」

手早くビールと追加の食事を注文する。ここの居酒屋さんは何回か来ており、以前食べて美味しかった串カツや魚の煮付けを頼んだ。



◆◆◆



うん、ここの串カツはやっぱり美味しいなぁ。良い油使っているんだろう。

出てきた料理を食べながら、話は次の混浴の計画のことに。

「温子さん次行きたいところ、この前メールしてくれたじゃないですか」

「うん、B県の。あの旅館の温泉は濃い乳白色の温泉で肌がスベスベになるみたい。」

「確かに良い温泉みたいですけど。でも調べたらあそこ…」

「ん？」

「そこって、…タオルとか水着とか全部ダメみたい…ですけど」

「あーー、うんそうなんだよね。1人じゃ行けなくて」

「いや、僕と2人で行くのも大丈夫ですか？」

「え？まぁ恥ずかしいけど、お湯は白いから体は見えないし良いかなって思って。いやかな？」

「温子さんが構わないんなら、僕は問題ないですが。でもやめて下さいね、お風呂あがりに滑ったりするのは」

「っっ！もう転ばないから！」

そう、以前私は温泉の岩階段で滑り、タオルが取れて素っ裸で尻餅をついたのだ。
恥ずかしかった！水川に色んなところ見られた！

思い出して顔が真っ赤になり、うつむく。

すると水川も咳払いをして、あ、いやあの、あの時は不可抗力でとか慌てている。




その時

「お待たせしましたー！追加のビールです！」
と店員さんが引き戸を開ける。

すると、一方の男(水川)が慌てて、一方の女(私)が顔を赤くしうつむいていたせいか、

大丈夫ですか？と心配そうに顔を覗いてくる。

「だ、大丈夫です！本当に！もう転びませんから！」

「え？転ばない？」
店員さんが不思議そうにする。

水川が、ぷっと笑い

「大丈夫です。この人少し酔っているだけなので。ご心配かけました」

私は余計に顔を赤くした。



◆◆◆



「じゃあ店員さんにも転ばないと約束してくれたことなので、今回は大丈夫ですね」

「……意地わる」

水川は楽しそうだ。

「もう、早くどこ行くか決めて」

「じゃあご希望のB県の温泉にしましょうか。日帰りで行ける距離ですし」

「うん、ありがとう」

「こちらこそですよ」

「そこの温泉を管理している旅館は、時間帯によっては貸切の受け付けもしてるみたいですけど」

「あ、らしいね。でも当日受付に行って予約するみたい。休日だと難しいかもね」

「事前に予約ができないんですか。じゃあ行ってみて空いてたらお願いして、無理だったら普通に入りましょう」

「うん」

「…………温子さん」

急に真面目な顔して、なによ。

「僕の裸に見惚れても良いですからね」

ごほっ

「温子さんって筋肉フェチなところあるみたいだから、事前に言っておいてあげようかと。あ、でも温泉が白く濁ってるから見れないか。残念でしたね」

「わ、私を変態みたいに言わないでよ！」

「いやだってこの前も、その前も実は見てたんでしょ？」

「っ～～！」

「良かったです、水泳で鍛えておいて。でもいいですか、他のお客さんで僕よりも良い体の人がいても見つめたら駄目ですよ」

「見ないって」

「本当かな」

「そういう水川くんだって、可愛い女子大生とかがいても見たら駄目だからね」

「はい、見るのは温子さんだけにします」

「見なくていい！！」




そんなこんなで、来週の土曜に私たちはB県まで日帰りの温泉旅行に行くことにした。