剣神と魔神の息子

黒蓮

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第七章 公爵令嬢襲来

変化 4

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 翌日は入学式で、講堂には今年から新たにこの学院に入学してきた新一年生達が集まっている。壇上では去年同様に、学院長が長い挨拶の真っ最中だ。そんな様子を見ながら、僕は去年の事を少しだけ思い出していた。



(一年前の僕は、世間の事を何も知らなかったなぁ・・・)



同年代の友達が居なかった僕は、自分という存在の実力が世間から解離しているということも知らなかったし、ノアという存在自体も聞いたことがなかった。


この学院に来た事で世間を知ることができたし、大切な友人達も作ることが出来た。それに、自分の将来について色々と考える事ができる良い機会になったとも思っている。そんな事もあって、今年はもっと知識や情報を勉強するようしようと考えていた。


幸いにして、この学院には色々な知識を学べる書物もあるし、ティナからもたくさんの事を教えてもらえている。更には、商人であるジーアは情報通なので、およそ僕が知り得ないような事までも把握している頼りになる友人だ。



(まぁ、僕も商会の宣伝に利用されているようだけど、それはお互い様かな・・・)



何も買わなくても良いから定期的にフレメン商会を訪れるようお願いされているし、先日はどこから聞き付けたのか、正装やスーツのデザインの好みを聞かれた。後日学院の寮に届けると言われ、正装を準備しないといけないと思っていた僕の考えを見透かされていたようだった。


ちなみにその後、サンドルフ商会のカーリーさんの元を訪れたのだが、彼女はホクホク顔で、フレメン商会と提携したことについて僕に感謝してきた。彼女曰く、零細商会の自分の店が、まさか最大手とされるフレメン商会と提携出来るとは思っていなかったらしく、これで将来は安泰だと嬉しそうに騒いでいた。



 そんなことを考えている内に、入学式は3年生の学年首席の挨拶となっていた。魔術クラスの女性も、剣武クラスの男性も僕には面識がなく、1年生を激励する言葉を掛けている様子をボーッと見ながら入学式は終わった。



 その後、昼食を挟んでアッシュ達はフレック先生にコース選択の用紙を提出しに行き、僕はというと、何故か学院長からの呼び出しで学院長室へと向かっていた。



「入学式が終わって早々になんだろ?例の特別コースについての説明でもあるのかな?」



僕は学院長に呼ばれた理由を考えながら歩き、学院長室の扉の前で一呼吸入れて落ち着くと、扉をノックした。



「エイダ・ファンネルです」


『おぉ!入りなさい!!』



扉越しに来訪した旨を伝えると、部屋からは何故か弾んだ声の学院長の言葉が返ってきた。



「・・・失礼します」



疑問に思いながらも扉を開けると、部屋には応接用のソファーに座る学院長と金髪でショートカットの女の子が2人の騎士を背後に待機させて座っていた。


どこか見覚えのあるその女の子は、僕の姿を認めると急に立ち上がって、輝くような笑顔をしながら走りよってきた。



「お久しぶりですわ、エイダ様!お会いしたかったです!!」



学院の制服に身を包み、控えめな胸の前で手を組んで、熱に浮かされたような瞳を上目遣いに向けてきたのは、王女の依頼で遺跡に向かう際に野盗から助けた公爵家の令嬢、ミレア・キャンベルその人だった。



「お、おひさしぶりですキャンベル様」


「まぁ、エイダ様!私の事はミレアとお呼びください!」



満面の笑みでグイグイ来る彼女の押しに、若干引き気味になってしまう。そんな公爵令嬢の様子に、学院長も困ったような表情を浮かべていた。



「えっと・・・ミレア様?」


「どうぞミレアと、呼び捨てでお呼びください!」



彼女のニコニコとした笑顔の奥に、有無を言わせない迫力を感じ取った僕は、仕方なく彼女の言うことに従った。



「・・・ミレア?」


「はい!エイダ様!」



僕が彼女の名前を呼び捨てにすると、若干狂喜にも似た表情を向けられ、いつかの狂信的な様子を思い返してしまったのだった。



 それから応接用のソファーへと座り、僕とミレアはテーブルを挟んで対面に、学院長はその横の一人掛けのソファーに腰掛けたところで、まずは僕がここに呼ばれた理由を聞かされた。



「ファンネル君、急に呼び出してしまってすまないが、キャンベル公爵家のミレアさんから君にお願いがあるということだったので、少し時間をもらえるかな?」


「はぁ、分かりました」



この部屋に来る前に想像していた事と違う状況に戸惑いはあるものの、ここまできて拒絶はできないだろう。何せ相手は、王族に次ぐ公爵家の令嬢なのだ。下手な対応は、余計な面倒事が舞い込んでくるかもしれない。



「先ずはエイダ様に感謝を!以前、野盗に囚われていた私を救っていただいた事、改めてここに感謝申し上げます!」



そう言うと彼女は、先程までの興奮した様子とは打って変わって、深々と頭を下げ、淑女然とした様子で感謝を告げてきた。



「頭を上げてください。その件については、あの時にも感謝してもらっていますので、気にしなくて大丈夫ですよ?」



僕が笑顔でそう口にすると、彼女は微笑みを浮かべつつ、懐から個人証を取り出した。



「お父様から感謝の印として少しだけ持たされてきましたので、どうか受け取っていただけますか?」



彼女の口ぶりから、どうやら謝礼ということなのだろう。貰えるものは貰っておく主義なのだが、最近は金銭感覚が麻痺しそうな位のお金が懐にあり、大した苦労もしていない野盗退治だったので、貰わなくても良いかなと考えた。



(あの時に一番嫌な思いをしたのは、野盗に止めを刺してもらったセドリックさんの方だし、僕よりも彼に贈ってもらった方がいいよな・・・)



そう考えた僕は、彼女にお願いすることにした。



「ありがとうございます。ですが、あの時に頑張ったのは僕だけではありませんので、出来ればそれは近衛騎士のセドリックさんへ渡してあげてくれませんか?」



僕の言葉に彼女は、感激にうち震えるような表情をしていた。



「まぁ、エイダ様は何て謹み深い方なのでしょう!ですが、ご心配なく!既にあの時私達を救出していただいた近衛騎士のお二人はもちろんの事、アーメイ家の方にもお礼はお渡ししております。ここでエイダ様だけ受け取っていただかないと、私としても困ってしまいます」



最後は困り顔でそう言われてしまうと、これ以上は失礼になってしまうと考え、結局彼女の申し出を受けることにした。



「分かりました。そこまで言うのでしたら・・・」


「ありがとうございます!」



僕は自分の個人証を出すと、彼女は自分のものと重ねるようにして授受が終わった。その場で金額を確認するのは失礼かなと考え、後で見ようと懐に仕舞おうとした瞬間、僕の視界に映る金額の異様さに気がついた。



「っ!?えっ!?」


「どうかしましたでしょうか?」



驚きの声をあげる僕に、彼女は小首を傾げながら聞いてきた。



「い、いや、その、お礼としては金額が多過ぎませんか?」



そう、彼女からお礼として移された金額は、なんと5000万コルもあったのだ。



「多いですか?ですが、私の命の危機を救ってくれたのは勿論、私の、その・・・純潔もお守り頂きましたので、これはそれも含めてのお礼です」



彼女は顔を真っ赤にしながら、そんな事を言ってきた。僕には公爵家の懐事情など分からないので、これが公爵家にとっては何て事のない端金なのか、それなりに重い意味のある金額なのかの判断がつかない。その為、僕は確認することにした。



「・・・あ、あの、他の近衛騎士の方達も同じような金額なのですか?」


「そうですね、あの方達には執事が出向きましたので詳しくは分かりませんが、驚いておられたとは聞いていますよ?」


「・・・・・・」



近衛騎士の給料がどの程度かも分からないが、貴族である彼らは一般的な平民の給料よりは高いはずだろう。そんな2人が驚くとなると、やはり僕の貰った金額と同じくらいなのかもしれない。


これから貴族の常識を学んでいく上で、更に知っておかなければならない事が増えたと思いながら、小さく息を吐き出して個人証を懐に戻した。



 それから彼女は最近の僕の動向について、興奮した様子で延々と語りだし、いかに僕が素晴らしいのかを聞かせるという、本人にしてみれば穴があったら入りたくなるような恥ずかしくなる苦行を長時間に渡ってされてしまった。


そしてーーー



「ミレアお嬢様。そろそろ・・・」



背後に控えていた護衛の女性騎士が、さすがに痺れを切らしたのか、彼女の話しに割って入ってきてくれた。その様子に、学院長もほっと息を吐いていた。



「まぁ、私ったらエイダ様と話すのが楽しくて、肝心の内容をお伝えすることを忘れていましたわ!」



どうやらようやく僕をここに呼んだ本題に入るのだろう、彼女は女性騎士の言葉に居住まいを正してから口を開いた。



「実は私、エイダ様と出会ってから、何故ノアの皆様がこれほどまでに忌避の眼差しを向けられるのか調べておりましたの。そして、ようやくその原因を知ることができました」



彼女の言葉に僕は少し驚き、その原因について確認するように聞いた。



「原因ですか?それは、実力的に劣っているからではないのでしょうか?」



僕はアッシュ達からも聞いた実情を口にするも、彼女はゆっくりと首を振った。



「エイダ様、それは後付けの理由でしかありません。そもそも両方の能力が使えるなら、様々な場面で応用の効く人材として重宝されると思いませんか?」


「それは・・・確かに」



彼女の言葉に、僕は納得して頷いた。そして、ノアにまつわる話を彼女は語った。



曰く、ノアが差別的な待遇を受けるようになったのは、この国の誕生とも深い関わりがあるとの事だった。



 遥か昔、この大陸は一つの強大な国が支配していたのだという。その国の名は、セントワード大帝国。その国の政策の元、安定した政治が数百年と続いていたらしいが、当時は2つの能力を扱える者は存在しなかったらしい。


ある時、国の宰相の地位を巡って剣術師と魔術師が激しい権力争いを起こした。その影響は国の全土に渡り、いつしか闘氣を扱えるものを優遇せよという剣術師の派閥と、魔力を扱える魔術師を優遇せよという派閥が出来上がったのだという。


そして国は割れ、争いの果てに、大陸に2つの国家が誕生した。魔術を是とするオーラリアル公国、剣武術を是とするグルドリア王国だ。


しかし、別たれた2つの国は互いの主張をぶつけるように争いを続け、いつしかそんな争いに辟易した者達が、安住を求めてもう一つの国を建国することになる。それがこの国、魔術も剣武術も是とするクルニア共和国であった。


しかし、長年争っていた影響なのか、安住を求めていたはずの国民達は、最初こそ平和に暮らしていたが、段々と事有る毎に衝突が目立つようになっていった。


そんな中、2つの能力を使える人物が初めて確認された。当時の共和国の中枢の者達は、新たな可能性を持った存在の誕生に歓喜し、この共和国こそがこれからの未来を切り開く存在になるのではないかと期待し、2つの能力を持つ者をノアと呼び、称賛した。


にもかかわらず、国民達は新たな可能性の誕生には興味を抱くことはなかった。そもそも2つの能力を持って生まれてくる確率は極僅かで、言ってしまえば突然変異のようなものだった。国民達は相変わらず能力の関係で小競り合いが絶えず、時の国王はこのままでは大帝国時代の二の舞になると危惧していた。


そんな折り、当時の宰相は国王にこう助言したのだ、「国民には不平・不満を発散できる存在が必要です」と。しかし、そんな都合の良い存在に心当たりの無い国王は問い返した、「そんな存在がどこにいるのか?」と。その疑問に宰相は、「新しく生まれたノアという存在は、この国、この世界から見ても奇異な存在です。社会的にも数的弱者である彼らに、犠牲になってもらいましょう」と答えた。


当初は躊躇いを見せた国王だったが、他に取れる手段がなかったことで、宰相の提言通りの施策を実行した。すなわち、ノアは劣った存在であると国が認めてしまったのだ。


国の宣言は絶大だった。魔術師と剣術師はお互いに向けていた不平・不満を、国が認めた能無しのノアに向けたのだ。そのお陰か、共和国の国内情勢は急激に安定し、発展する事となっていった。


ノアという犠牲の元にーーー
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