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第九章 災厄 編
ヨルムンガンド討伐 16
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この世界という自分達が背負っているものの大きさに、少しだけ重い雰囲気の中、食卓をみんなで囲んだ。食事も終わり、みんなが席を離れようとしたときに僕は一声かけた。
「みんな、この後少し良いかな?」
「えっ、良いですけど?どうしたんですか?」
僕の問い掛けに困惑ぎみながらも、シルヴィアが了承してくれた。
「少しみんなを元気付けようと思ってね!」
そう言って、割り当てられている僕の部屋へみんなを先に〈空間転移〉した。
(さて、すぐに準備しなきゃ・・・)
収納から取り出し、いそいそと準備すると、僕もみんなに遅れて移動した。
僕が部屋に現れると、みんな困惑した表情をしてキョロキョロしていた。
「あっ!ダリア、一体な・・・ダリア?」
ジャンヌさんが僕の事を目を見開いて凝視してきた。その視線は、まるで別人を見るような感情が込められているようだった。
「・・・ダリア君!ついにその服を着てくれたのですね!!」
フリージアが感極まった表情で僕を見つめてくる。以前彼女から着て欲しいと渡されていた服なのだが、あまりのデザインにずっと拒否していたのだ。
白を基調にした膝丈程のワンピースなのだが、フリルや袖にピンクのレースがふんだんにあしらわれ、胸元には水色の大きなリボンが目を引く。それだけでなく、髪には赤い花柄のヘッドドレス、足には膝までの黒いソックスを履き、フリージアが懇願していた衣装を完全に着こなしてきたのだ。
正直どこからどう見ても、女の子の服装だ。しかし、ジャンヌさんとアシュリーちゃんを除くみんなは、溜め息を吐きながら恍惚とした表情で僕を見つめ、先ほどまでの少し暗い雰囲気もどこかに吹き飛んでいるようだった。ちなみに、アシュリーちゃんは目をキラキラさせながら、物語の登場人物が目の前に現れたような感動した表情をしていた。
「ほ、本当にダリアなのか?で、では、やはりダリアは本当は女の子・・・」
驚愕の表情から若干青ざめた顔にでそんなことを言うジャンヌさんは、どうやら混乱しているようだ。確かに昔から女の子に間違われる顔だし、こんな衣装を着た自分を鏡で見るとため息を吐きたくなる。ただ、みんなが喜んでくれればと、それだけなのだ。
「ジャンヌさん、何度も言いますが僕は男ですよ。こういった服を着るとみんな喜ぶので・・・どう?みんな?」
少し吹っ切れたような笑顔で、みんなに向かって両手を広げながら着ている服を見せる。
「あぁ、もうもう、本当に完璧です!私の目に狂いはなかった!最高に似合っています!!」
フリージアが怖いくらいの勢いで僕の服装を褒め称えてくれる。彼女がこの格好をすることになった元凶でもあるので、ある程度予想はしていたが、予想を上回るほどの興奮だった。
「・・・凄い。本当にあの物語の通り・・・はぁ、良い・・・」
「あぁダリア君・・・その姿も素敵です!」
「ん、やっぱりダリアは素晴らしい!」
「ダリア様・・・神々しいです!」
メグ、シルヴィア、ティアも口々に僕の姿を誉めてくれているのだが、こっちが心配になるほどの目付きで凝視してくるので、少し怖い。シャーロットに至っては胸の前で手を組んで、祈ってきそうな勢いだった。
「凄いのダリアお兄ちゃん!あの本の主人公みたいなの!やっぱり男の娘は実在したの!」
そういえばアシュリーちゃんもフリージアと同じ本を読んでいるみたいなことを言っていたので、まだ幼い彼女もフリージア並みの感動をその表情に現していた。
「い、一体みんなどうしたというのだ?た、確かに似合ってはいるが・・・」
一人困惑気味のジャンヌさんはみんなの興奮状態に付いていけないでいるようだった。そんな彼女にフリージアが音もなく忍び寄り、なにか耳打ちしている。きっとまた同志を増やそうという考えなのだろう。
そうしてしばらく、みんなの色々な要望に応えていた。みんなが注文する格好をしたり、衣装を変えたりと忙しくしていたが、みんな心の底から楽しんでいるようで僕としても嬉しかった。ちなみに、いつのまに持ってきたのか、ジャンヌさんはフリージアから本を借りてパラパラと読み進めていた。彼女の才能のお陰なのか、結構な厚さの本を数分で読み終え、何故か彼女は頬を上気させながら、僕のことをチラチラと本を目隠しのように使って盗み見るようにしていた。
そうして、結構な時間になってしまったので、今日はこれで休むこととなった。明日は王国の禁書庫の本を読むということを決めて、みんなそれぞれの部屋へと戻っていった。心なしか、みんなの肌艶が良くなっているようだったが、元気になったようで良かったと胸を撫で下ろした。
去り際、ジャンヌさんが僕に耳打ちをするように『またこの姿を見せて欲しい』とモジモジしながら懇願してきた時には苦笑いで了承したのだが、短時間でこんなにも彼女を取り込んでしまうようなあの書物には、一体どんな物語が記されているのか気になってしまった。
(いつの日かフリージアから借りて読んでみようかな・・・)
もし自分も彼女達のようになったらと考えると少し怖いが、そんなことを考えながら彼女達を見送って、自分も明日のためにしっかり精神を休めようと眠りについた。
ドラゴン襲撃開始まであと3日ーーー
今日は朝から王国の国立図書館地下2階、つまり禁書庫で古い文献から情報を集めようと作業している。当初は本を持ち出して作業しようかとも考えたのだが、司書さんに持ち出されるには本の種類や冊数などを記録し、国王陛下から許可を取らないといけないという少し面倒な手続きがあったので、その場で読ませてもらっている。
幸いにして、ある程度の人数が入っても大丈夫なくらいは広いし、机もあるので作業には問題なかった。ここで一番力を見せたのは、ジャンヌさんとシャーロットだった。ジャンヌさんの速読と、シャーロットの情報分析力が相まって瞬く間に得られた情報を書き記していくのだ。他のみんなも頑張っているが、彼女達2人の強力な組み合わせは、他の追随を許さぬ早さだった。そこに僕の才能でみんなの認識速度を上げているので、お昼が過ぎる頃にはあらかたの書物からの情報収集は終わりを迎えようとしていた。
「ふぅ、中々そう上手くはいかないか・・・」
作業を一段落させ、シャーロットが纏めた書類を確認していたのだが、これといった具体的な対抗策の記述はなく、行き詰まりから抜け出せずにいた。
「王国は魔法というより、自然現象の研究が盛んだったのですね」
メグも一息入れたようで、そんなことを言いながら隣の机に腰を下ろした。彼女の言う通り、過去の文献からはその国の特色が色濃く見えた。公国では魔法を応用した技術について、王国では自然現象から起こりうる現象についての研究が盛んに行われていたらしい。それは王国の言葉で『科学』と名付けられ、魔法と融合することで更なる力を発揮できないかと考えられていたらしい。
(そういえば王国が開発したあの兵器は、科学と魔法の融合の結果完成した技術なのかも・・・)
シャーロットが言うには、何らかの方法で使用者の魔力を強制的に引き出し、自然界の魔力を集め、兵器が自動的に魔法の圧縮・解放を行ってくれるものらしい。その為、使用者に高位の魔法の才能がなくても、第五位階相当の威力の魔法が放てるという画期的なものらしい。
「まぁ、中には夢物語のような記述が書かれている書物もあったがな」
ジャンヌさんが一冊の書物を差し出しながら、そんなことを言ってきた。その書物を受け取りパラパラと捲っていると、聞きなれない用語がびっしりと書かれていて、読む前に心が折れそうだった。
「ジャンヌさん、これには何て書いてあるんですか?」
自分で読み解くよりも彼女に聞いた方が早いだろうと考えて、書物を閉じながら彼女に内容を聞いた。
「簡単に言えば、魔法で自然現象を操り、新たなエネルギーを作り出すことが出来ないかの考察が書かれているようだ」
「新たなエネルギーですか?」
ジャンヌさんの言葉にフリージアが訝しげに聞き返す。
「私にもよく分からないが、この書物では空気を圧縮することで超高温のプラズマというものが発生する可能性が書かれている」
「・・・可能性ということは、実際には出来なかったと?」
「そのようだな。しかも、そのプラズマというものはすぐに拡散してしまうため、何らかの方法で留める事が出来ないと実用化不可能ということで、研究は終わっている」
正直ジャンヌさんの話はよく分からないが、何となく僕の使っている天叢雲を思い浮かべる。
(あれは2つの魔法で発生させた嵐を圧縮しながら、無理やり接触させて雷を発生させている。それに近い考えなのかな・・・?)
そうはいってもすぐに拡散をするような事はなかったし、その原理なんて僕には分からない。ただ、出来たから使っているというそれだけの事だ。
(後で試してみるか・・・)
そう考えていると、シルヴィアがここに置かれている中では薄い本を持ってきながら口を開いた。
「あ、あの、みなさん、この本を読んでみてください」
「みんな、この後少し良いかな?」
「えっ、良いですけど?どうしたんですか?」
僕の問い掛けに困惑ぎみながらも、シルヴィアが了承してくれた。
「少しみんなを元気付けようと思ってね!」
そう言って、割り当てられている僕の部屋へみんなを先に〈空間転移〉した。
(さて、すぐに準備しなきゃ・・・)
収納から取り出し、いそいそと準備すると、僕もみんなに遅れて移動した。
僕が部屋に現れると、みんな困惑した表情をしてキョロキョロしていた。
「あっ!ダリア、一体な・・・ダリア?」
ジャンヌさんが僕の事を目を見開いて凝視してきた。その視線は、まるで別人を見るような感情が込められているようだった。
「・・・ダリア君!ついにその服を着てくれたのですね!!」
フリージアが感極まった表情で僕を見つめてくる。以前彼女から着て欲しいと渡されていた服なのだが、あまりのデザインにずっと拒否していたのだ。
白を基調にした膝丈程のワンピースなのだが、フリルや袖にピンクのレースがふんだんにあしらわれ、胸元には水色の大きなリボンが目を引く。それだけでなく、髪には赤い花柄のヘッドドレス、足には膝までの黒いソックスを履き、フリージアが懇願していた衣装を完全に着こなしてきたのだ。
正直どこからどう見ても、女の子の服装だ。しかし、ジャンヌさんとアシュリーちゃんを除くみんなは、溜め息を吐きながら恍惚とした表情で僕を見つめ、先ほどまでの少し暗い雰囲気もどこかに吹き飛んでいるようだった。ちなみに、アシュリーちゃんは目をキラキラさせながら、物語の登場人物が目の前に現れたような感動した表情をしていた。
「ほ、本当にダリアなのか?で、では、やはりダリアは本当は女の子・・・」
驚愕の表情から若干青ざめた顔にでそんなことを言うジャンヌさんは、どうやら混乱しているようだ。確かに昔から女の子に間違われる顔だし、こんな衣装を着た自分を鏡で見るとため息を吐きたくなる。ただ、みんなが喜んでくれればと、それだけなのだ。
「ジャンヌさん、何度も言いますが僕は男ですよ。こういった服を着るとみんな喜ぶので・・・どう?みんな?」
少し吹っ切れたような笑顔で、みんなに向かって両手を広げながら着ている服を見せる。
「あぁ、もうもう、本当に完璧です!私の目に狂いはなかった!最高に似合っています!!」
フリージアが怖いくらいの勢いで僕の服装を褒め称えてくれる。彼女がこの格好をすることになった元凶でもあるので、ある程度予想はしていたが、予想を上回るほどの興奮だった。
「・・・凄い。本当にあの物語の通り・・・はぁ、良い・・・」
「あぁダリア君・・・その姿も素敵です!」
「ん、やっぱりダリアは素晴らしい!」
「ダリア様・・・神々しいです!」
メグ、シルヴィア、ティアも口々に僕の姿を誉めてくれているのだが、こっちが心配になるほどの目付きで凝視してくるので、少し怖い。シャーロットに至っては胸の前で手を組んで、祈ってきそうな勢いだった。
「凄いのダリアお兄ちゃん!あの本の主人公みたいなの!やっぱり男の娘は実在したの!」
そういえばアシュリーちゃんもフリージアと同じ本を読んでいるみたいなことを言っていたので、まだ幼い彼女もフリージア並みの感動をその表情に現していた。
「い、一体みんなどうしたというのだ?た、確かに似合ってはいるが・・・」
一人困惑気味のジャンヌさんはみんなの興奮状態に付いていけないでいるようだった。そんな彼女にフリージアが音もなく忍び寄り、なにか耳打ちしている。きっとまた同志を増やそうという考えなのだろう。
そうしてしばらく、みんなの色々な要望に応えていた。みんなが注文する格好をしたり、衣装を変えたりと忙しくしていたが、みんな心の底から楽しんでいるようで僕としても嬉しかった。ちなみに、いつのまに持ってきたのか、ジャンヌさんはフリージアから本を借りてパラパラと読み進めていた。彼女の才能のお陰なのか、結構な厚さの本を数分で読み終え、何故か彼女は頬を上気させながら、僕のことをチラチラと本を目隠しのように使って盗み見るようにしていた。
そうして、結構な時間になってしまったので、今日はこれで休むこととなった。明日は王国の禁書庫の本を読むということを決めて、みんなそれぞれの部屋へと戻っていった。心なしか、みんなの肌艶が良くなっているようだったが、元気になったようで良かったと胸を撫で下ろした。
去り際、ジャンヌさんが僕に耳打ちをするように『またこの姿を見せて欲しい』とモジモジしながら懇願してきた時には苦笑いで了承したのだが、短時間でこんなにも彼女を取り込んでしまうようなあの書物には、一体どんな物語が記されているのか気になってしまった。
(いつの日かフリージアから借りて読んでみようかな・・・)
もし自分も彼女達のようになったらと考えると少し怖いが、そんなことを考えながら彼女達を見送って、自分も明日のためにしっかり精神を休めようと眠りについた。
ドラゴン襲撃開始まであと3日ーーー
今日は朝から王国の国立図書館地下2階、つまり禁書庫で古い文献から情報を集めようと作業している。当初は本を持ち出して作業しようかとも考えたのだが、司書さんに持ち出されるには本の種類や冊数などを記録し、国王陛下から許可を取らないといけないという少し面倒な手続きがあったので、その場で読ませてもらっている。
幸いにして、ある程度の人数が入っても大丈夫なくらいは広いし、机もあるので作業には問題なかった。ここで一番力を見せたのは、ジャンヌさんとシャーロットだった。ジャンヌさんの速読と、シャーロットの情報分析力が相まって瞬く間に得られた情報を書き記していくのだ。他のみんなも頑張っているが、彼女達2人の強力な組み合わせは、他の追随を許さぬ早さだった。そこに僕の才能でみんなの認識速度を上げているので、お昼が過ぎる頃にはあらかたの書物からの情報収集は終わりを迎えようとしていた。
「ふぅ、中々そう上手くはいかないか・・・」
作業を一段落させ、シャーロットが纏めた書類を確認していたのだが、これといった具体的な対抗策の記述はなく、行き詰まりから抜け出せずにいた。
「王国は魔法というより、自然現象の研究が盛んだったのですね」
メグも一息入れたようで、そんなことを言いながら隣の机に腰を下ろした。彼女の言う通り、過去の文献からはその国の特色が色濃く見えた。公国では魔法を応用した技術について、王国では自然現象から起こりうる現象についての研究が盛んに行われていたらしい。それは王国の言葉で『科学』と名付けられ、魔法と融合することで更なる力を発揮できないかと考えられていたらしい。
(そういえば王国が開発したあの兵器は、科学と魔法の融合の結果完成した技術なのかも・・・)
シャーロットが言うには、何らかの方法で使用者の魔力を強制的に引き出し、自然界の魔力を集め、兵器が自動的に魔法の圧縮・解放を行ってくれるものらしい。その為、使用者に高位の魔法の才能がなくても、第五位階相当の威力の魔法が放てるという画期的なものらしい。
「まぁ、中には夢物語のような記述が書かれている書物もあったがな」
ジャンヌさんが一冊の書物を差し出しながら、そんなことを言ってきた。その書物を受け取りパラパラと捲っていると、聞きなれない用語がびっしりと書かれていて、読む前に心が折れそうだった。
「ジャンヌさん、これには何て書いてあるんですか?」
自分で読み解くよりも彼女に聞いた方が早いだろうと考えて、書物を閉じながら彼女に内容を聞いた。
「簡単に言えば、魔法で自然現象を操り、新たなエネルギーを作り出すことが出来ないかの考察が書かれているようだ」
「新たなエネルギーですか?」
ジャンヌさんの言葉にフリージアが訝しげに聞き返す。
「私にもよく分からないが、この書物では空気を圧縮することで超高温のプラズマというものが発生する可能性が書かれている」
「・・・可能性ということは、実際には出来なかったと?」
「そのようだな。しかも、そのプラズマというものはすぐに拡散してしまうため、何らかの方法で留める事が出来ないと実用化不可能ということで、研究は終わっている」
正直ジャンヌさんの話はよく分からないが、何となく僕の使っている天叢雲を思い浮かべる。
(あれは2つの魔法で発生させた嵐を圧縮しながら、無理やり接触させて雷を発生させている。それに近い考えなのかな・・・?)
そうはいってもすぐに拡散をするような事はなかったし、その原理なんて僕には分からない。ただ、出来たから使っているというそれだけの事だ。
(後で試してみるか・・・)
そう考えていると、シルヴィアがここに置かれている中では薄い本を持ってきながら口を開いた。
「あ、あの、みなさん、この本を読んでみてください」
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