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55,後見人
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セシルの知る貴族の中で、セシルもといantique roseに良くしてくれた人と言えばマリアンナが真っ先に名前が上がるのだけれど、宰相という地位にある夫を持つ彼女には、今のこの状態では頼りづらくブレンダを訪ねることに決めたのだった。
オルグレン侯爵家の馬車を借りて、セシルはギルセルドと共にアップルガース邸の門を叩いた。
来訪の報せを聞き、自ら出迎えてくれたブレンダはセシルの姿を認めるとホッとしたように顔を緩ませた。
「こんにちは、ギルセルド殿下。それからセシル」
人払いをしてあった応接間で、ブレンダはお茶を前にして前に座る二人を交互に目を動かした。
「まさか……セシルのお相手が殿下だとは……思いもいたしませんでした」
セシルはその言葉にブレンダが、単なる知り合いに過ぎない自分の力になろうとしてくれていた事を思い出す。
「すみません、レディ ブレンダ。でも、セシルも私の身分の事は知らなかったのです」
いつもよりも数段、発音を優雅に変えて話すギルセルドは、またセシルに少しばかりの驚きをもたらしていた。
「真面目に暮らしてる女の子を相手に本当に、いけない方ね。これは奔放とかそんな言葉で片付けられませんわよ」
「お怒りはもっともです」
「今回の話を聞いて、わたくしは本当に心臓が止まるかと思いましたわ。だって、セシルに身分の違う恋人がいるらしいことは知っていたのですもの。どうしてもっと、踏み込んで問い詰めなかったのかしら」
「ごめんなさい、アップルガース伯爵夫人」
セシルは身を縮めて謝った。
「いいのよ。セシル、どうせこの王子さまが上手く言いくるめたのね。そうに決まってます」
「私には厳しいですね……」
ギルセルドは苦笑している。
「当たり前ですわ、わざわざ目立つような事をして。事を大きくなさって。それが目的なのかも知れませんが、セシルの事を思うのならもっと穏便な方法もあったでしょうに」
「……ですから、レディ方のお力をお借りしたいとこうして来ました」
座ったままだが頭を下げるギルセルドをブレンダはため息混じりで見つめた。
「お考えをお聞かせくださいませ」
「明後日に、王宮に呼ばれています。それまでにセシルの味方になってくれる貴族たちを増やしたいのです。出来れば後見人になってくれる家も」
「後見人……、それでは殿下はセシルとの婚姻をあくまで望むとしう考えてよろしいのね?」
セシルはそのブレンダの言葉に、肩が揺れた。
これはやはり、そういう話なのだ。その単語を聞いてしまうと、我が事なのに、まだ現実感はどこかあやふやだった。
「もちろん……愛妾などにするつもりは毛頭ありませんから」
「でしたら……まずはレディ マリアンナに相談を。セシルの事もよくご存知だし、今の社交界であの方と同じくらい顔の利く方はなかなかいません。きっとその後見人も見つけてくださるはず……。わたくしはどれくらい、力になれるかわかりませんけれど、知っている夫人たちに、お二人の擁護を依頼する手紙を書きますわ」
ブレンダは立ち上がり、セシルの側に来ると
「手助けはあくまで、それくらい。後は、セシルが頑張らないといけないのよ。あなたもわかっていると思うけれど、身分の垣根というものは、なかなか難しいものよ」
それはセシルとて、わかっている。
この国では、上流には上流の流儀があり、中流には中流の流儀、労働者たちには労働者たちの、それぞれの中での言葉にや通じるルールがある。話す言葉を聞けば、その人がどの階級に属するのか、予測がつく世の中なのだから
今がいくらその階級を飛び越える人が少しずついるとはいえ、やはり根深いものはなかなか簡単には消え失せやしない。
「はい」
セシルは覚悟をもって頷いた。
「なんだか、急に大人びたわ。でも……セシルならなんだか、大丈夫な気がするの。あなたにはどこか、放っておけないところもあるのに、どこか人を安らげさせるというか、そんな魅力があるから。きっと、味方も増えるはずだわ。若い娘がいて、殿下にと望んでいた家以外にはね」
その言葉にセシルは笑った。
「明後日は……絶縁されに行くとか……王宮に」
その事の大きさに戦慄してしまう。けれど、ギルセルドはそこまで決意してセシルの事を拐いに来てくれたのだと思うと、それを恐いからといって止めることは出来ない。
任せておけ、と言われたからにはそうするしかない。
「……それに負けないで、頑張りなさいね」
最後はいつものブレンダらしい笑みで見送られたのだった。
―――次に二人を乗せた馬車はウェルズ侯爵家を目指しす。
「いらっしゃるのでしょうか?」
「活動的な方だからね。でも……私たちが来ることを予測してるかも知れない、それくらい頭の廻る方だと思ってる」
そして、ギルセルドの予測があたりマリアンナは在宅していた。しかも、驚きもなく……。
「ブレンダの方へ真っ先に向かうなんて、セシルはほんの少しだけ会わないうちに、わたくしの事を忘れたとでも言うのかしら?」
「侯爵夫人……そんなつもりは……。宰相閣下の奥さまですからご迷惑になっては……と」
「ふふっ、わかっているわよ」
マリアンナは微笑んで、セシルとギルセルドをガーデンにあるガゼボで人払いをして話をする。
「今さら、わたくしの前で取り繕うことないわ。望みをどうぞいってちょうだい。あなたを小さい頃から知る、お母様の友人として」
「珍しく随分性急ですね」
「……あなたこそ呑気ね、王子さま」
「セシルの後見人になってくれるような、貴族の方を探しています。どうかお知恵を拝借させてください」
そのギルセルドの言葉をうけて、マリアンナは真摯な目を向ける。
「セシル、たとえ貴族の一員になったとしても、本当の意味で受け入れられる事はとても大変な事よ。覚悟はいい?」
「はい、侯爵夫人。覚悟はしてます」
セシルは今出来る事はそれしかないと、そう思いしっかりと答えた。
「ギルセルド殿下、あなたはしっかりと支えなくちゃダメよ」
「もちろんです」
「後見には、アンブローズ侯爵がいいと思うの。穏健派筆頭ではあっても、侯爵はよくも悪くも目立つような方ではないけれど、社交界では夫婦ともに人望に厚くて家柄財政共に問題もないし、それにセシルとも面識があるから」
「私もそれは考えてました。可能であれば……」
「まぁ、そこに気づかなかったら、わたくしが力を貸すことはなかったわね。すんなり国外追放にでもなりなさいって所ね」
マリアンナは笑みを見せているけれど、セシルはぶるりと震わせた。
卓上にあるベルを軽やかに振ると執事が現れた。
「ここへ」
マリアンナのその短い言葉へ執事は一礼をして下がる。
「大丈夫。きっと時間はかかってもセシルなら上手く出来るわ」
まもなくして、さらさらと衣擦れの音と共に姿を現したのはシエラで
「……何をしにここへ来るかと、わかってたんですね」
ギルセルドが言うと、マリアンナはさぁ、と惚け
「たまたま話をしながらお茶をしていたのよ、ちょうど良かったわ」
「こんにちは、ギルセルド殿下それにセシル」
シエラは美しく笑みをつくる。
「時間があまりないみたいだから、早速話してしまうけれど。セシルをうちの養女にしてもいいかしら?これで問題の半分は……解決すると思うの」
「養女……」
「例がないことじゃないの。半分、と言ったのは後は陛下のお許しがどうなるかということね。何もかも、捨てる覚悟をしてきた二人なら元の名前をすてて、アンブローズの名を得る事も受け入れられるでしょう?」
セシルは躊躇いを一瞬だけ感じたけれど、立ち上がってお辞儀をした。
「アンブローズ侯爵夫人、ありがとうございます。こんな私をたすける為に……、よろしくお願いします」
「セシル、貴婦人の例はそうじゃないわ」
横に立ったシエラは、肩と腰に手をあて
「店でみたときから思っていたけれど、やはり姿勢はいいからすぐに覚えられるわ……、左足を一歩下げて……そう。首はこの角度」
いいわ、と声をかけられてセシルはシエラを見上げてしまう。
「娘が欲しかったから嬉しいわ。今日からは、兄が二人出来ることになるわ、ショーンとセスというの。そのうち会わせるから楽しみにしていてね」
思わぬ形で義理の両親と兄が出来ることに気づいてセシルはややぼんやりとしてしまった。
「じゃあ少しだけお茶をしてから、行動するわね」
頼もしい味方であるマリアンナとシエラに圧倒されつつも、少しずつ難問が解かれていくようで、不安は目減りしていた。
オルグレン侯爵家の馬車を借りて、セシルはギルセルドと共にアップルガース邸の門を叩いた。
来訪の報せを聞き、自ら出迎えてくれたブレンダはセシルの姿を認めるとホッとしたように顔を緩ませた。
「こんにちは、ギルセルド殿下。それからセシル」
人払いをしてあった応接間で、ブレンダはお茶を前にして前に座る二人を交互に目を動かした。
「まさか……セシルのお相手が殿下だとは……思いもいたしませんでした」
セシルはその言葉にブレンダが、単なる知り合いに過ぎない自分の力になろうとしてくれていた事を思い出す。
「すみません、レディ ブレンダ。でも、セシルも私の身分の事は知らなかったのです」
いつもよりも数段、発音を優雅に変えて話すギルセルドは、またセシルに少しばかりの驚きをもたらしていた。
「真面目に暮らしてる女の子を相手に本当に、いけない方ね。これは奔放とかそんな言葉で片付けられませんわよ」
「お怒りはもっともです」
「今回の話を聞いて、わたくしは本当に心臓が止まるかと思いましたわ。だって、セシルに身分の違う恋人がいるらしいことは知っていたのですもの。どうしてもっと、踏み込んで問い詰めなかったのかしら」
「ごめんなさい、アップルガース伯爵夫人」
セシルは身を縮めて謝った。
「いいのよ。セシル、どうせこの王子さまが上手く言いくるめたのね。そうに決まってます」
「私には厳しいですね……」
ギルセルドは苦笑している。
「当たり前ですわ、わざわざ目立つような事をして。事を大きくなさって。それが目的なのかも知れませんが、セシルの事を思うのならもっと穏便な方法もあったでしょうに」
「……ですから、レディ方のお力をお借りしたいとこうして来ました」
座ったままだが頭を下げるギルセルドをブレンダはため息混じりで見つめた。
「お考えをお聞かせくださいませ」
「明後日に、王宮に呼ばれています。それまでにセシルの味方になってくれる貴族たちを増やしたいのです。出来れば後見人になってくれる家も」
「後見人……、それでは殿下はセシルとの婚姻をあくまで望むとしう考えてよろしいのね?」
セシルはそのブレンダの言葉に、肩が揺れた。
これはやはり、そういう話なのだ。その単語を聞いてしまうと、我が事なのに、まだ現実感はどこかあやふやだった。
「もちろん……愛妾などにするつもりは毛頭ありませんから」
「でしたら……まずはレディ マリアンナに相談を。セシルの事もよくご存知だし、今の社交界であの方と同じくらい顔の利く方はなかなかいません。きっとその後見人も見つけてくださるはず……。わたくしはどれくらい、力になれるかわかりませんけれど、知っている夫人たちに、お二人の擁護を依頼する手紙を書きますわ」
ブレンダは立ち上がり、セシルの側に来ると
「手助けはあくまで、それくらい。後は、セシルが頑張らないといけないのよ。あなたもわかっていると思うけれど、身分の垣根というものは、なかなか難しいものよ」
それはセシルとて、わかっている。
この国では、上流には上流の流儀があり、中流には中流の流儀、労働者たちには労働者たちの、それぞれの中での言葉にや通じるルールがある。話す言葉を聞けば、その人がどの階級に属するのか、予測がつく世の中なのだから
今がいくらその階級を飛び越える人が少しずついるとはいえ、やはり根深いものはなかなか簡単には消え失せやしない。
「はい」
セシルは覚悟をもって頷いた。
「なんだか、急に大人びたわ。でも……セシルならなんだか、大丈夫な気がするの。あなたにはどこか、放っておけないところもあるのに、どこか人を安らげさせるというか、そんな魅力があるから。きっと、味方も増えるはずだわ。若い娘がいて、殿下にと望んでいた家以外にはね」
その言葉にセシルは笑った。
「明後日は……絶縁されに行くとか……王宮に」
その事の大きさに戦慄してしまう。けれど、ギルセルドはそこまで決意してセシルの事を拐いに来てくれたのだと思うと、それを恐いからといって止めることは出来ない。
任せておけ、と言われたからにはそうするしかない。
「……それに負けないで、頑張りなさいね」
最後はいつものブレンダらしい笑みで見送られたのだった。
―――次に二人を乗せた馬車はウェルズ侯爵家を目指しす。
「いらっしゃるのでしょうか?」
「活動的な方だからね。でも……私たちが来ることを予測してるかも知れない、それくらい頭の廻る方だと思ってる」
そして、ギルセルドの予測があたりマリアンナは在宅していた。しかも、驚きもなく……。
「ブレンダの方へ真っ先に向かうなんて、セシルはほんの少しだけ会わないうちに、わたくしの事を忘れたとでも言うのかしら?」
「侯爵夫人……そんなつもりは……。宰相閣下の奥さまですからご迷惑になっては……と」
「ふふっ、わかっているわよ」
マリアンナは微笑んで、セシルとギルセルドをガーデンにあるガゼボで人払いをして話をする。
「今さら、わたくしの前で取り繕うことないわ。望みをどうぞいってちょうだい。あなたを小さい頃から知る、お母様の友人として」
「珍しく随分性急ですね」
「……あなたこそ呑気ね、王子さま」
「セシルの後見人になってくれるような、貴族の方を探しています。どうかお知恵を拝借させてください」
そのギルセルドの言葉をうけて、マリアンナは真摯な目を向ける。
「セシル、たとえ貴族の一員になったとしても、本当の意味で受け入れられる事はとても大変な事よ。覚悟はいい?」
「はい、侯爵夫人。覚悟はしてます」
セシルは今出来る事はそれしかないと、そう思いしっかりと答えた。
「ギルセルド殿下、あなたはしっかりと支えなくちゃダメよ」
「もちろんです」
「後見には、アンブローズ侯爵がいいと思うの。穏健派筆頭ではあっても、侯爵はよくも悪くも目立つような方ではないけれど、社交界では夫婦ともに人望に厚くて家柄財政共に問題もないし、それにセシルとも面識があるから」
「私もそれは考えてました。可能であれば……」
「まぁ、そこに気づかなかったら、わたくしが力を貸すことはなかったわね。すんなり国外追放にでもなりなさいって所ね」
マリアンナは笑みを見せているけれど、セシルはぶるりと震わせた。
卓上にあるベルを軽やかに振ると執事が現れた。
「ここへ」
マリアンナのその短い言葉へ執事は一礼をして下がる。
「大丈夫。きっと時間はかかってもセシルなら上手く出来るわ」
まもなくして、さらさらと衣擦れの音と共に姿を現したのはシエラで
「……何をしにここへ来るかと、わかってたんですね」
ギルセルドが言うと、マリアンナはさぁ、と惚け
「たまたま話をしながらお茶をしていたのよ、ちょうど良かったわ」
「こんにちは、ギルセルド殿下それにセシル」
シエラは美しく笑みをつくる。
「時間があまりないみたいだから、早速話してしまうけれど。セシルをうちの養女にしてもいいかしら?これで問題の半分は……解決すると思うの」
「養女……」
「例がないことじゃないの。半分、と言ったのは後は陛下のお許しがどうなるかということね。何もかも、捨てる覚悟をしてきた二人なら元の名前をすてて、アンブローズの名を得る事も受け入れられるでしょう?」
セシルは躊躇いを一瞬だけ感じたけれど、立ち上がってお辞儀をした。
「アンブローズ侯爵夫人、ありがとうございます。こんな私をたすける為に……、よろしくお願いします」
「セシル、貴婦人の例はそうじゃないわ」
横に立ったシエラは、肩と腰に手をあて
「店でみたときから思っていたけれど、やはり姿勢はいいからすぐに覚えられるわ……、左足を一歩下げて……そう。首はこの角度」
いいわ、と声をかけられてセシルはシエラを見上げてしまう。
「娘が欲しかったから嬉しいわ。今日からは、兄が二人出来ることになるわ、ショーンとセスというの。そのうち会わせるから楽しみにしていてね」
思わぬ形で義理の両親と兄が出来ることに気づいてセシルはややぼんやりとしてしまった。
「じゃあ少しだけお茶をしてから、行動するわね」
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