サヨウナラからはじまる恋

桜 詩

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終幕

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「おはようございます、公爵閣下」
そうフレデリックは朝食の席に登場した。
「おはようフレデリック、どうした?早いな」
微笑んでライアンは迎え入れた。

ジョージアナは予告なしの登場にどきりとした…
「閣下、今日はジョージアナとの婚約のお許しを頂きに参りました」
きっぱりというフレデリック。
「な、なんでこの席でいうよの!」
ジョージアナは家族とそして使用人たちのいるここでいきなり言われて思わず叫んだ。
「ここでもどこでもいずれは周知の事実になるじゃないか、それとも何?フェリクスみたいに舞踏会の会場で叫ぶ方がよかったのかな?」
フレデリックの言葉にジョージアナは赤面した。
「む、無理!絶対に無理!」
「全く照れ屋さんだなぁ…」
くすくすとフレデリックが笑った。
「絶対に無理ってなんだよ失礼だな」
フェリクスが言った。
「ジョージアナはそれでいいということでいいな?」
ライアンが可笑しそうにジョージアナを見た。
「しょうがないから受けてあげるのよ」
ジョージアナは立ち上がったまま言った。
「素直じゃないね、泣いたのはだれだっけ」
そっと囁かれて
「それ、ここで言ったら本当に刺すわよ!」
フレデリックは可笑しそうに笑っている。

そんなジョージアナとフレデリックを、家族は生暖かい目で見ていて、ジョージアナは真っ赤になりつつも、必死でなんでもない振りをしていた。

「まぁ、なんにしても良かったな二人とも。おめでとう」
フェリクスが笑って言った。
「ああ、後は二人で話し合って良いようにしなさい。私は何も言うことは無いよ」
ライアンが言うと、エレナも嬉しそうにジョージアナを見ていた。

「良かったねジョージアナ。良いようにしていいってさ」
フレデリックがにこやかに言い、
「とりあえず、ジーの好きな指輪でも買いに行こうか?どうせなら新しいデザインでキラッキラの買おうよ」
「分かったわよ」
ジョージアナはそういえば貰ってなかったなと思い当たった。
そしてつい嫌みを言わないとという気持ちになり、
「この場に用意してないなんておかしいと思わないの」
意地悪く言ってみた。
「あー、それ言っちゃう?確かにダメだったよね。じゃあ買いに行ってからみんなの前で求婚をやり直しするよ!」
フレデリックが言い考えだとばかりににこにこと返した。
「ジーの方が耐えれる気がしないけど」
そっと囁くように、ニヤリとしながらいうフレデリックにジョージアナは思わず言った。
「しなくていい!しなくていいから!!」
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