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ステファニーの結婚式
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冬の前にエディントン家で行われるステファニーの結婚式に出席するために、レオノーラとキースは揃って旅行に出た。
「新婚旅行だね」
くすっとキースが笑って言った。
「ひさしぶりに家族と会えるから楽しみだろう?ブロンテ家はみんな仲が良いし」
「そうだな…あんなものだと思うが?喧嘩もしてるよ?特にステファニーとルシアンナは四六時中かな…」
「それは仲が良いからだ」
キースはにこやかに言った。
エディントン家は北方にあり、真冬には美しい雪景色が広がるという。まだその季節ではないが、アークウェインの領地から来たレオノーラとキースには寒く感じられた。
「キース、レオノーラよく来てくれた」
アンドリューが出迎える。
「おめでとうアンドリュー」
キースがガッチリと握手をする。
「キースもな…こうしてみると完璧な組合わせとしか言いようがない」
微笑んでアンドリューが言った
広間に通されると、アンドリューの家族が揃っていた。
壮年のガッチリとした金茶色の髪の男性がブレア・エディントン伯爵と、茶色の髪に青い瞳の少しふっくらとした優しそうなイリーナ夫人。
アンドリューが弟達を紹介しようとしたので、レオノーラは
「サイラスとジュリウスはわかっているし、エミリアも大丈夫」
そう言ってにっこりと微笑んだ
「兄上、レオノーラは最近まで同僚なんだから…」
「ああ!そうか…」
くすくすとエミリアが笑った。
エミリアはアンドリューの弟のサイラスの妻で、レオノーラとは友人でもあった。
「ひさしぶりだわ、結婚おめでとうレオノーラ」
エミリアは王宮でアルベルト王子に仕えている。今はアルベルトの娘のプリシラの世話役をしながら、エミリアの子供、マリエラを子育てをしながら働いている。
「ありがとうエミリア…そうか、エミリアとも親戚になる訳か…」
「そうよ?忘れてたの?」
くすくすと笑う。
「王妃様がレオノーラが結婚の報告をしてこないってぷりぷりされてたそうよ。今度会ったら怒られても知らないわよ?」
いたずらっぽく笑う。
お人形さんのように綺麗なエミリアは、母になり落ち着いた雰囲気を醸し出している。
「ブロンテ家の皆様がお着きです」
執事がつげると、アンドリューは出迎えに向かった。
「キースおめでとう!後は爵位を継げば立派な男になれるな!」
ブレアがキースにガッチリと握手をしていった。
「まだまだ若造ですよ。ご指導よろしくお願いします」
「なにレディ レオノーラ・ブロンテを射止めて花嫁にしたとキースは男の中の男じゃないか」
少しすると、アルマンとリリアナ、ステファニー、ルシアンナとラファエル、ルナが入ってきた。
「ブレア、レディ イリーナお招きありがとう」
アルマンがにこやかに挨拶をした。
「やぁ、アルマン。この日を迎えられて嬉しいよ。ステファニーは申し分ないレディだ!これほど喜ばしい事はない」
イリーナもにこにことうなずいて、リリアナを抱き締めて挨拶を交わした。
「イリーナ、式の準備は大変でしょう?」
「それほどでも…本当に身内だけですから」
と笑った。
再会の数日後に、ステファニーの結婚式は行われた。
エディントンの領地の聖堂で式が行われる。
馬車に乗った花嫁のステファニーを領民たちが手を振って歓迎する。
「アンドリュー様おめでとう!」
の声がかかる。
壮麗な装飾を施された聖堂は美しく、婚礼の儀式をより荘厳な雰囲気にしていた。
「綺麗ねステファニー…」
いつもは憎まれ口を叩きあうステファニーとルシアンナだが、ルシアンナも嬉しそうに微笑んでステファニーの花嫁姿をみている。
「お姉様もとても綺麗になったわ。キース卿と上手くいってて幸せそう」
「そうだね、キースは私に優しい。自由にさせてくれるしね」
くすっと笑った。
「…ちょっと…みんなが羨ましいな…」
そっと呟くルシアンナ。
「どうした?」
「…私はアルバートが好きよ。だけど、アルバートがどう思ってるのか…不安なの」
目線はステファニーの方に向いたままルシアンナは呟いた。
「でも、仕方ない…アルバートと知り合うまで色んな男性をエスコート相手に取っ替え引っ替えして、男性を侍らせて遊んでる様に見られていた事は事実なんだもの。自業自得ね」
「私から聞いてみようか?」
ううん、とルシアンナは珍しく弱々しく笑った。
「きっぱりフラれるのはもう少し後にしたい…弱虫なの私」
「そんなはずはない。アルバートは真面目な男だ。そんな男がいい加減な気持ちで恋人のように側に居続けたりしない」
レオノーラも小声で言った。
「…お姉様が少し羨ましいな…あんな風に情熱的に求められて」
ポツリとルシアンナが言い、いつもの気の強そうなイメージは全くなかった。
「何があった?」
「…何も…?だからこそ不安になる…真面目なアルバートだから、遊んでて我が儘そうな私なんて似合わないって」
わっと歓声が上がって、結婚の儀式が終わった。
アンドリューとステファニーは、幸せそうな笑みを向ける。
レオノーラとルシアンナも立ち上がって拍手を送る。
二人揃って結婚の装飾を施した馬車に乗り、邸に向かった。
列席した親族たちは、それぞれ歩いて邸に戻っていく。
レオノーラはルシアンナの事は気になったが、式が終わるといつものルシアンナだった。
身内だけの結婚披露パーティなので、レオノーラたち兄弟も祝いの気持ちをこめて曲を演奏する。
レオノーラはハープを弾き、ルシアンナがピアノ、ラファエルがヴァイオリンを、そしてルナが歌う。
結婚式にふさわしい、定番の愛の歌。
《 移り行く季節の中 花が踊るように 風がささやいて
君が笑って 寄り添うように ずっと側にいて
道が重なり 光あふれて 君が輝く 僕の世界で
愛を歌おう 君のために 歌を歌おう 》
ルナの歌声が伸びやかに響く。しっとりとした旋律が、美しい曲だった。
最後の旋律をレオノーラのハープが弾き終えると、拍手を送られる。
「兄弟で演奏するというのはいいものですね!」
イリーナが感激の声をあげた。
「うちは男兄弟のせいか、こんな芸はないわ!」
と生き生きと言った。
「素晴らしかったよレオノーラ」
キースがレオノーラの側に来て言った。
「そう?ルナの歌が上手だからだ」
くすっとレオノーラは言った。ルナは練習熱心で、まぁ、ピアノより歌が得意だというが…。
代わる代わる舞踊曲を奏でて、楽しくダンスの時間と移り変わり身内だけの気軽なパーティは、夜更け前にお開きとなったのだ。
「新婚旅行だね」
くすっとキースが笑って言った。
「ひさしぶりに家族と会えるから楽しみだろう?ブロンテ家はみんな仲が良いし」
「そうだな…あんなものだと思うが?喧嘩もしてるよ?特にステファニーとルシアンナは四六時中かな…」
「それは仲が良いからだ」
キースはにこやかに言った。
エディントン家は北方にあり、真冬には美しい雪景色が広がるという。まだその季節ではないが、アークウェインの領地から来たレオノーラとキースには寒く感じられた。
「キース、レオノーラよく来てくれた」
アンドリューが出迎える。
「おめでとうアンドリュー」
キースがガッチリと握手をする。
「キースもな…こうしてみると完璧な組合わせとしか言いようがない」
微笑んでアンドリューが言った
広間に通されると、アンドリューの家族が揃っていた。
壮年のガッチリとした金茶色の髪の男性がブレア・エディントン伯爵と、茶色の髪に青い瞳の少しふっくらとした優しそうなイリーナ夫人。
アンドリューが弟達を紹介しようとしたので、レオノーラは
「サイラスとジュリウスはわかっているし、エミリアも大丈夫」
そう言ってにっこりと微笑んだ
「兄上、レオノーラは最近まで同僚なんだから…」
「ああ!そうか…」
くすくすとエミリアが笑った。
エミリアはアンドリューの弟のサイラスの妻で、レオノーラとは友人でもあった。
「ひさしぶりだわ、結婚おめでとうレオノーラ」
エミリアは王宮でアルベルト王子に仕えている。今はアルベルトの娘のプリシラの世話役をしながら、エミリアの子供、マリエラを子育てをしながら働いている。
「ありがとうエミリア…そうか、エミリアとも親戚になる訳か…」
「そうよ?忘れてたの?」
くすくすと笑う。
「王妃様がレオノーラが結婚の報告をしてこないってぷりぷりされてたそうよ。今度会ったら怒られても知らないわよ?」
いたずらっぽく笑う。
お人形さんのように綺麗なエミリアは、母になり落ち着いた雰囲気を醸し出している。
「ブロンテ家の皆様がお着きです」
執事がつげると、アンドリューは出迎えに向かった。
「キースおめでとう!後は爵位を継げば立派な男になれるな!」
ブレアがキースにガッチリと握手をしていった。
「まだまだ若造ですよ。ご指導よろしくお願いします」
「なにレディ レオノーラ・ブロンテを射止めて花嫁にしたとキースは男の中の男じゃないか」
少しすると、アルマンとリリアナ、ステファニー、ルシアンナとラファエル、ルナが入ってきた。
「ブレア、レディ イリーナお招きありがとう」
アルマンがにこやかに挨拶をした。
「やぁ、アルマン。この日を迎えられて嬉しいよ。ステファニーは申し分ないレディだ!これほど喜ばしい事はない」
イリーナもにこにことうなずいて、リリアナを抱き締めて挨拶を交わした。
「イリーナ、式の準備は大変でしょう?」
「それほどでも…本当に身内だけですから」
と笑った。
再会の数日後に、ステファニーの結婚式は行われた。
エディントンの領地の聖堂で式が行われる。
馬車に乗った花嫁のステファニーを領民たちが手を振って歓迎する。
「アンドリュー様おめでとう!」
の声がかかる。
壮麗な装飾を施された聖堂は美しく、婚礼の儀式をより荘厳な雰囲気にしていた。
「綺麗ねステファニー…」
いつもは憎まれ口を叩きあうステファニーとルシアンナだが、ルシアンナも嬉しそうに微笑んでステファニーの花嫁姿をみている。
「お姉様もとても綺麗になったわ。キース卿と上手くいってて幸せそう」
「そうだね、キースは私に優しい。自由にさせてくれるしね」
くすっと笑った。
「…ちょっと…みんなが羨ましいな…」
そっと呟くルシアンナ。
「どうした?」
「…私はアルバートが好きよ。だけど、アルバートがどう思ってるのか…不安なの」
目線はステファニーの方に向いたままルシアンナは呟いた。
「でも、仕方ない…アルバートと知り合うまで色んな男性をエスコート相手に取っ替え引っ替えして、男性を侍らせて遊んでる様に見られていた事は事実なんだもの。自業自得ね」
「私から聞いてみようか?」
ううん、とルシアンナは珍しく弱々しく笑った。
「きっぱりフラれるのはもう少し後にしたい…弱虫なの私」
「そんなはずはない。アルバートは真面目な男だ。そんな男がいい加減な気持ちで恋人のように側に居続けたりしない」
レオノーラも小声で言った。
「…お姉様が少し羨ましいな…あんな風に情熱的に求められて」
ポツリとルシアンナが言い、いつもの気の強そうなイメージは全くなかった。
「何があった?」
「…何も…?だからこそ不安になる…真面目なアルバートだから、遊んでて我が儘そうな私なんて似合わないって」
わっと歓声が上がって、結婚の儀式が終わった。
アンドリューとステファニーは、幸せそうな笑みを向ける。
レオノーラとルシアンナも立ち上がって拍手を送る。
二人揃って結婚の装飾を施した馬車に乗り、邸に向かった。
列席した親族たちは、それぞれ歩いて邸に戻っていく。
レオノーラはルシアンナの事は気になったが、式が終わるといつものルシアンナだった。
身内だけの結婚披露パーティなので、レオノーラたち兄弟も祝いの気持ちをこめて曲を演奏する。
レオノーラはハープを弾き、ルシアンナがピアノ、ラファエルがヴァイオリンを、そしてルナが歌う。
結婚式にふさわしい、定番の愛の歌。
《 移り行く季節の中 花が踊るように 風がささやいて
君が笑って 寄り添うように ずっと側にいて
道が重なり 光あふれて 君が輝く 僕の世界で
愛を歌おう 君のために 歌を歌おう 》
ルナの歌声が伸びやかに響く。しっとりとした旋律が、美しい曲だった。
最後の旋律をレオノーラのハープが弾き終えると、拍手を送られる。
「兄弟で演奏するというのはいいものですね!」
イリーナが感激の声をあげた。
「うちは男兄弟のせいか、こんな芸はないわ!」
と生き生きと言った。
「素晴らしかったよレオノーラ」
キースがレオノーラの側に来て言った。
「そう?ルナの歌が上手だからだ」
くすっとレオノーラは言った。ルナは練習熱心で、まぁ、ピアノより歌が得意だというが…。
代わる代わる舞踊曲を奏でて、楽しくダンスの時間と移り変わり身内だけの気軽なパーティは、夜更け前にお開きとなったのだ。
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