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26,後継者
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アシュフォード侯爵家の舞踏会の翌朝、レナはコーデリアと遅めの朝食を揃って摂っていた。
昨夜は雰囲気とお酒に酔って、明け方まで過ごしてしまった。最後まで残っていたのがレナと等しい人達のだけだったことも、大きく影響したに違いない。
テーブルの上には新聞があり、ジョージアナがそれをレナの方へ差し出した。
「よく撮れているわ」
ヴィクターの言っていた通りにレナとヴィクターの写真が一面を飾っている。
グランヴィル伯爵令嬢 レナ・アシュフォードとアークウェイン伯爵令息 ヴィクター・アークウェインの婚約を大きく取り上げ、レナの事を誉め称え、ヴィクターの事を美辞麗句で書き連ねていた。しかも、アシュフォード侯爵家からレナのお披露目がされ、そこにプリシラとアンジェリンが参列し、コーデリアがずっと側に居たことで、レナの地位は普通以上に高まってしまっていた。
「これで、レナの事を誰も簡単に手出しは出来なくなったわね」
ジョージアナが微笑んだ。
「今朝は早くから、カードが続々と届いているわ。お茶会でもしないといけないわね。誰を呼ぶか呼ばないか……決まったらわたくしに知らせて」
ジョージアナが今度はバスケットをレナの前へ置いた。
「新しい社交界のプリンセスに、みんな興味津々なのよ」
バスケットの中にはたくさんのカードが入っていた。その人の顔となるカードなのだから、それぞれに趣向を凝らしてある。
「昨日の今日で……」
「それはそうよ。みんな乗り遅れたくないもの」
コーデリアがあっさりと言ってのけた。
「どうするの?くじ引きにする?」
くすくすとコーデリアが、笑った。
冗談だと分かっていても、そうしたいくらいの量だった。
「貴族名鑑を汚すチャンスじゃない?」
「はぁ………」
レナは貴族名鑑がはっきり言って嫌いだ。
けれど、これが無くては社交界ではやってはいけない。
しかし、ここにあるのは淑女のお手本であるジョージアナ・アシュフォードの貴族名鑑だ。
通常の情報に比べて、たくさんの事が書き込まれている。それだけに判断に参考になるのだ。
「そこでため息をつくよりも、今は目の前のフルーツジュースを飲んで、ポテトブレッドを口にした方がいいわ」
「でも、どうやって選ぶの?」
「一枚ずつ、慎重に選考するの」
コーデリアはそう言ってから、バスケットの中から一枚カードを抜き出した。
「彼女は必ず呼ぶの」
カードの名前は〝メリッサ・ブーリン〟アニスの一つ年上の姉だった。
「アニスの姉よ。どうして?」
「人前で妹のアニスと目立つことをしたのだもの。メリッサを呼んで、次の機会にアニスを呼ぶと言えば、メリッサは心強い味方になるわよ。理由はもう一つ、アニスを許せばあなたは寛大で優しい人だと思われるわ。アニスに仕返しをしたことを払拭出来るわ。アニスがこれまであなたに嫌がらせをしていたのは、みんな知っているし、より効果的」
「あなたってやっぱり凄いわ」
レナは感心して呟いた。
「もちろんお友達のシャンテルとキャスリーンもね。二心あると分かっていれば、これからは気をつけておけばいいだけ」
レナはその言葉に、頷いた。
「コーデリアには本当に感謝しかないわ。どうやってお返しをすればいい?」
「充分よ。社交界の皆が無視をしていた私に、レナは話しかけてそれから落ち目の家の私を頼りにしてくれて、こうして私の力を信じてくれてる。多少の思惑はあるけれど、私たち友達でしょ?お返しなんて必要ないの」
もうすぐ成人するコーデリアは友人であり、姉のように頼りがいがある。素直にそう言うと、親愛のこもった笑みを交わした。
「おはよう」
声と共にレナの横に座ったのはジョルダンだった。
「お父様、おはよう」
「朝から社交界の攻略法を練ってるのか?」
「違うわ。誰を呼ぶべきかの相談よ」
「昨夜は見事な作戦だったね。コーデリア」
「ありがとうグランヴィル伯爵」
「食事の後に話せるかな?……二人とも」
「ええ、もちろん」
「じゃあ、後で。私は書斎にいる」
ジョルダンの言う書斎とは、フレデリックの使う書斎とは別のロングギャラリーの側にある小さな書斎の事だ。
「何の話かしら、私も呼ばれるなんて」
コーデリアは軽く首を傾げた。
「叱られる感じでは無かったと思うわ」
「わからないわよ。頭からかけたのはやり過ぎてしまったかも」
「私がそうしようと言ったから、一緒に謝るわ」
一緒に叱られるなんて、まるで子供のようだ。
同じように思ったのか、コーデリアも軽く笑っている。
***
ゆっくりと朝食を終えて書斎に行くと、ジョルダンは椅子に二人が座ると共に口を開いた。
「最初にまず言うが、叱るためじゃない。昨日の作戦は男には出来ない勝ち方だったと思う」
レナは考えを読まれていたかのようで、コーデリアと顔を見合わせて軽く笑えてしまった。
「コーデリアの作戦よ」
ジョルダンは微笑んで頷き、視線をコーデリアに向けた。
「話というのは、デュアー公爵家の行く末の事だ」
「……グランヴィル伯爵がそうお話をされるということは、何か案が?」
「良い話なのか悪い話なのかは、君次第だが。デュアー公爵家を継ぐ人物を紹介することは出来る」
それを聞いて、コーデリアは思案顔になる。
「それは誰なの?」
「マリウス・ウィンスレット卿だ。彼はデュアー公爵家と祖先を共にする……もちろんうんと遡るし、デルヴィーニュの姓を持ってはいないが、少なくとも他のなんの繋がりもない者よりは不自然ではない」
身近な存在であるマリウスの名にレナは驚いた。
「養子に?それでわたくしと結婚を?」
「結婚はベストだとは思うが、マリウスとコーデリア次第で良いと思う。コーデリアと公爵閣下が望むなら、閣下に変わり私が手続きをする準備はある」
「でもそれは伯爵には何の利益もないのに」
「私だって、いつも利益重視で動いているわけではない。それに昨夜はレナを助けてくれた。君を娘の側に引き留めるなら、骨を折る価値がある」
「マリウスは引き受けるかしら?」
「ウィンスレット公爵は引き受けるだろう。それに、ウィンスレットの財力があればデュアー公爵家を建て直すだけの可能性があるし、マリウスは若いし能力に期待も出来る」
「ウィンスレット公爵家に建て直すお金は出させるなんて、さすが貴族的でずる賢いのね伯爵」
「けれど、コーデリアにはその方が信じられるだろう?純粋な好意を示しても、信じてくれるとは思えない」
「………話に乗るわ。お祖父様にはあなたから話して。無くしても良いと思っていたけれど……意地を張るのは止めるわ。だって楽しかったもの。意地悪な令嬢たちが、私とレナに驚いていたのが」
「それなら、交渉は進めていくとしよう」
「ありがとう伯爵」
コーデリアが立ち上がったのでレナも続けて立ち上がった。
「いや、受け入れてくれて良かった」
レナはジョルダンとコーデリアの会話を側で聞き、二人ともがいつもよりずっと、端的だったことに気づいていた。
「……レナのお父様は、私の事を見抜いてた」
「誰も生まれ育った家を、手放したくはないわ」
「ぜんぶ、レナのお陰」
きゅっと抱き締められて、
「まだこれからよ」
「大丈夫よ、グランヴィル伯爵が自ら動いてくれるのだもの。これほど頼もしい味方はいないわ」
「……もしも、コーデリアがずっと側にいられるのならとても嬉しい」
「じゃあ、早速カードを見て誰を招待するか、決めなくてはね」
「それは一番難しい事ね」
レナとコーデリアは腕を組んで部屋の方へと歩き出した。
この年の社交シーズンはまだまだ続く。
昨夜は雰囲気とお酒に酔って、明け方まで過ごしてしまった。最後まで残っていたのがレナと等しい人達のだけだったことも、大きく影響したに違いない。
テーブルの上には新聞があり、ジョージアナがそれをレナの方へ差し出した。
「よく撮れているわ」
ヴィクターの言っていた通りにレナとヴィクターの写真が一面を飾っている。
グランヴィル伯爵令嬢 レナ・アシュフォードとアークウェイン伯爵令息 ヴィクター・アークウェインの婚約を大きく取り上げ、レナの事を誉め称え、ヴィクターの事を美辞麗句で書き連ねていた。しかも、アシュフォード侯爵家からレナのお披露目がされ、そこにプリシラとアンジェリンが参列し、コーデリアがずっと側に居たことで、レナの地位は普通以上に高まってしまっていた。
「これで、レナの事を誰も簡単に手出しは出来なくなったわね」
ジョージアナが微笑んだ。
「今朝は早くから、カードが続々と届いているわ。お茶会でもしないといけないわね。誰を呼ぶか呼ばないか……決まったらわたくしに知らせて」
ジョージアナが今度はバスケットをレナの前へ置いた。
「新しい社交界のプリンセスに、みんな興味津々なのよ」
バスケットの中にはたくさんのカードが入っていた。その人の顔となるカードなのだから、それぞれに趣向を凝らしてある。
「昨日の今日で……」
「それはそうよ。みんな乗り遅れたくないもの」
コーデリアがあっさりと言ってのけた。
「どうするの?くじ引きにする?」
くすくすとコーデリアが、笑った。
冗談だと分かっていても、そうしたいくらいの量だった。
「貴族名鑑を汚すチャンスじゃない?」
「はぁ………」
レナは貴族名鑑がはっきり言って嫌いだ。
けれど、これが無くては社交界ではやってはいけない。
しかし、ここにあるのは淑女のお手本であるジョージアナ・アシュフォードの貴族名鑑だ。
通常の情報に比べて、たくさんの事が書き込まれている。それだけに判断に参考になるのだ。
「そこでため息をつくよりも、今は目の前のフルーツジュースを飲んで、ポテトブレッドを口にした方がいいわ」
「でも、どうやって選ぶの?」
「一枚ずつ、慎重に選考するの」
コーデリアはそう言ってから、バスケットの中から一枚カードを抜き出した。
「彼女は必ず呼ぶの」
カードの名前は〝メリッサ・ブーリン〟アニスの一つ年上の姉だった。
「アニスの姉よ。どうして?」
「人前で妹のアニスと目立つことをしたのだもの。メリッサを呼んで、次の機会にアニスを呼ぶと言えば、メリッサは心強い味方になるわよ。理由はもう一つ、アニスを許せばあなたは寛大で優しい人だと思われるわ。アニスに仕返しをしたことを払拭出来るわ。アニスがこれまであなたに嫌がらせをしていたのは、みんな知っているし、より効果的」
「あなたってやっぱり凄いわ」
レナは感心して呟いた。
「もちろんお友達のシャンテルとキャスリーンもね。二心あると分かっていれば、これからは気をつけておけばいいだけ」
レナはその言葉に、頷いた。
「コーデリアには本当に感謝しかないわ。どうやってお返しをすればいい?」
「充分よ。社交界の皆が無視をしていた私に、レナは話しかけてそれから落ち目の家の私を頼りにしてくれて、こうして私の力を信じてくれてる。多少の思惑はあるけれど、私たち友達でしょ?お返しなんて必要ないの」
もうすぐ成人するコーデリアは友人であり、姉のように頼りがいがある。素直にそう言うと、親愛のこもった笑みを交わした。
「おはよう」
声と共にレナの横に座ったのはジョルダンだった。
「お父様、おはよう」
「朝から社交界の攻略法を練ってるのか?」
「違うわ。誰を呼ぶべきかの相談よ」
「昨夜は見事な作戦だったね。コーデリア」
「ありがとうグランヴィル伯爵」
「食事の後に話せるかな?……二人とも」
「ええ、もちろん」
「じゃあ、後で。私は書斎にいる」
ジョルダンの言う書斎とは、フレデリックの使う書斎とは別のロングギャラリーの側にある小さな書斎の事だ。
「何の話かしら、私も呼ばれるなんて」
コーデリアは軽く首を傾げた。
「叱られる感じでは無かったと思うわ」
「わからないわよ。頭からかけたのはやり過ぎてしまったかも」
「私がそうしようと言ったから、一緒に謝るわ」
一緒に叱られるなんて、まるで子供のようだ。
同じように思ったのか、コーデリアも軽く笑っている。
***
ゆっくりと朝食を終えて書斎に行くと、ジョルダンは椅子に二人が座ると共に口を開いた。
「最初にまず言うが、叱るためじゃない。昨日の作戦は男には出来ない勝ち方だったと思う」
レナは考えを読まれていたかのようで、コーデリアと顔を見合わせて軽く笑えてしまった。
「コーデリアの作戦よ」
ジョルダンは微笑んで頷き、視線をコーデリアに向けた。
「話というのは、デュアー公爵家の行く末の事だ」
「……グランヴィル伯爵がそうお話をされるということは、何か案が?」
「良い話なのか悪い話なのかは、君次第だが。デュアー公爵家を継ぐ人物を紹介することは出来る」
それを聞いて、コーデリアは思案顔になる。
「それは誰なの?」
「マリウス・ウィンスレット卿だ。彼はデュアー公爵家と祖先を共にする……もちろんうんと遡るし、デルヴィーニュの姓を持ってはいないが、少なくとも他のなんの繋がりもない者よりは不自然ではない」
身近な存在であるマリウスの名にレナは驚いた。
「養子に?それでわたくしと結婚を?」
「結婚はベストだとは思うが、マリウスとコーデリア次第で良いと思う。コーデリアと公爵閣下が望むなら、閣下に変わり私が手続きをする準備はある」
「でもそれは伯爵には何の利益もないのに」
「私だって、いつも利益重視で動いているわけではない。それに昨夜はレナを助けてくれた。君を娘の側に引き留めるなら、骨を折る価値がある」
「マリウスは引き受けるかしら?」
「ウィンスレット公爵は引き受けるだろう。それに、ウィンスレットの財力があればデュアー公爵家を建て直すだけの可能性があるし、マリウスは若いし能力に期待も出来る」
「ウィンスレット公爵家に建て直すお金は出させるなんて、さすが貴族的でずる賢いのね伯爵」
「けれど、コーデリアにはその方が信じられるだろう?純粋な好意を示しても、信じてくれるとは思えない」
「………話に乗るわ。お祖父様にはあなたから話して。無くしても良いと思っていたけれど……意地を張るのは止めるわ。だって楽しかったもの。意地悪な令嬢たちが、私とレナに驚いていたのが」
「それなら、交渉は進めていくとしよう」
「ありがとう伯爵」
コーデリアが立ち上がったのでレナも続けて立ち上がった。
「いや、受け入れてくれて良かった」
レナはジョルダンとコーデリアの会話を側で聞き、二人ともがいつもよりずっと、端的だったことに気づいていた。
「……レナのお父様は、私の事を見抜いてた」
「誰も生まれ育った家を、手放したくはないわ」
「ぜんぶ、レナのお陰」
きゅっと抱き締められて、
「まだこれからよ」
「大丈夫よ、グランヴィル伯爵が自ら動いてくれるのだもの。これほど頼もしい味方はいないわ」
「……もしも、コーデリアがずっと側にいられるのならとても嬉しい」
「じゃあ、早速カードを見て誰を招待するか、決めなくてはね」
「それは一番難しい事ね」
レナとコーデリアは腕を組んで部屋の方へと歩き出した。
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