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第3部 アウラ領、開発中 第2章 ミラーシア湖観光と新しい街
55. 都市の場所選定と農家の集め方
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女王陛下と意見交換をした翌日、今度は水龍に会いに行った。
さて、水龍の考えはどうなのかな?
『ふむ。人の都市を造るか』
「ええ、そう。水龍が嫌なら造らないけど、どう?」
『うーむ。許可を出さねば勝手に人が集まって都市ができそうだな』
「それはないと思いたいんだけど……将来までは保証しかねるわ」
『それに農業の都市でもあるのだよな? 野菜ももちろん収穫するのか?』
「もちろん。それをメインにするつもり」
『ならば許可を出そう。ただし、貢ぎ物は忘れないようにな』
水龍も野菜目当てか……。
みんな物欲に負けているけどいいの、これ?
『それで、都市はどこに造るつもりだ?』
「ああ、そうね。それはこの辺に造りたいと思うのだけど」
あたしはミラーシア湖周辺の地図を取り出して広げた。
そこには王家が所有している別荘やあたしの屋敷の位置が書き込まれている。
そうじゃなきゃ地図の意味がないものね。
そして、あたしが示したのはあたしの屋敷の北西部にある川のそば。
川がすぐそこにあればなにかと便利だろうし、農業でも観光でも人が生活するなら水資源は豊富な方がいい。
川にモンスターは棲み着いていないみたいだし、森も切り開かずに済むから妥当な場所じゃないかな?
『ふむ、そこか。そこならば、まだ私の管理範囲内だな。木材なども使い放題だぞ』
「それは助かるね。じゃあ、この場所をもらうわ」
『心得た。それで、湖の観光用の土地はどうする?』
「それなんだけど、このあたりはどうかな?」
あたしが今回指し示したのは湖の北部、あたしの屋敷の東部に当たる場所。
一応、ヘファイストスを使って様子を見に行ったんだけど、この場所なら王家の別荘はどれも見えず、あたしの屋敷も確認できなかったんだよね。
ここなら開放しても問題ないかなと考えたわけ。
水龍の意見はどうなんだろう?
『湖の側はその場所になるのか。湖には入れるのか?』
「立ち入れないように制限をかけるつもり。水龍だって誰彼構わず湖に踏み込んでほしくないでしょ?」
『確かに。それではその約定で開放を許可しよう』
やった!
これでまた都市開発に一歩近づける!
『して、その都市とやら。どうやって人を集める?』
「あ……」
しまった、人を集める方法を考えていない。
箱を造ることだけ考えていたけど、人が集まらなくちゃ本末転倒だよね。
女王陛下からも最初は宿場町とかから発展していくと聞いていたし、いきなり規模の大きな街は難しいかな……。
『その様子だと、いい案は無いようだな』
「ええと、あまり考えがまとまってないね」
『ならば私からひとつアドバイスだ』
「アドバイス?」
『農家というのは無限に土地があるわけでもあるまい。あぶれた民が必ずいるはずだ。そういった者たちを取り込め。観光部分についてはわからん』
あ、なるほど。
農家は先祖代々土地を守ってきているだろうけど、それって長男だけが相続していっているだけだよね。
つまり、次男や三男には土地が無いわけだ。
そういった人たちを上手く連れてくることができれば、農家は埋まるかも。
うん、その作戦で行こう!
「アドバイスありがとう、水龍!」
『貢ぎ物は歯ごたえがある野菜がいいぞ』
ちゃっかり野菜のリクエストしてくる水龍。
その程度の要望なら受け入れようじゃない。
これでまた一歩前進だね!
さて、水龍の考えはどうなのかな?
『ふむ。人の都市を造るか』
「ええ、そう。水龍が嫌なら造らないけど、どう?」
『うーむ。許可を出さねば勝手に人が集まって都市ができそうだな』
「それはないと思いたいんだけど……将来までは保証しかねるわ」
『それに農業の都市でもあるのだよな? 野菜ももちろん収穫するのか?』
「もちろん。それをメインにするつもり」
『ならば許可を出そう。ただし、貢ぎ物は忘れないようにな』
水龍も野菜目当てか……。
みんな物欲に負けているけどいいの、これ?
『それで、都市はどこに造るつもりだ?』
「ああ、そうね。それはこの辺に造りたいと思うのだけど」
あたしはミラーシア湖周辺の地図を取り出して広げた。
そこには王家が所有している別荘やあたしの屋敷の位置が書き込まれている。
そうじゃなきゃ地図の意味がないものね。
そして、あたしが示したのはあたしの屋敷の北西部にある川のそば。
川がすぐそこにあればなにかと便利だろうし、農業でも観光でも人が生活するなら水資源は豊富な方がいい。
川にモンスターは棲み着いていないみたいだし、森も切り開かずに済むから妥当な場所じゃないかな?
『ふむ、そこか。そこならば、まだ私の管理範囲内だな。木材なども使い放題だぞ』
「それは助かるね。じゃあ、この場所をもらうわ」
『心得た。それで、湖の観光用の土地はどうする?』
「それなんだけど、このあたりはどうかな?」
あたしが今回指し示したのは湖の北部、あたしの屋敷の東部に当たる場所。
一応、ヘファイストスを使って様子を見に行ったんだけど、この場所なら王家の別荘はどれも見えず、あたしの屋敷も確認できなかったんだよね。
ここなら開放しても問題ないかなと考えたわけ。
水龍の意見はどうなんだろう?
『湖の側はその場所になるのか。湖には入れるのか?』
「立ち入れないように制限をかけるつもり。水龍だって誰彼構わず湖に踏み込んでほしくないでしょ?」
『確かに。それではその約定で開放を許可しよう』
やった!
これでまた都市開発に一歩近づける!
『して、その都市とやら。どうやって人を集める?』
「あ……」
しまった、人を集める方法を考えていない。
箱を造ることだけ考えていたけど、人が集まらなくちゃ本末転倒だよね。
女王陛下からも最初は宿場町とかから発展していくと聞いていたし、いきなり規模の大きな街は難しいかな……。
『その様子だと、いい案は無いようだな』
「ええと、あまり考えがまとまってないね」
『ならば私からひとつアドバイスだ』
「アドバイス?」
『農家というのは無限に土地があるわけでもあるまい。あぶれた民が必ずいるはずだ。そういった者たちを取り込め。観光部分についてはわからん』
あ、なるほど。
農家は先祖代々土地を守ってきているだろうけど、それって長男だけが相続していっているだけだよね。
つまり、次男や三男には土地が無いわけだ。
そういった人たちを上手く連れてくることができれば、農家は埋まるかも。
うん、その作戦で行こう!
「アドバイスありがとう、水龍!」
『貢ぎ物は歯ごたえがある野菜がいいぞ』
ちゃっかり野菜のリクエストしてくる水龍。
その程度の要望なら受け入れようじゃない。
これでまた一歩前進だね!
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