28 / 100
第1部 〝ペットテイマー〟ここに誕生 第6章 アイリーンの街の危機
28. オーク部隊の存在
しおりを挟む
「デイビッド教官、本当にそれだけのオークが潜んでいたんですか?」
私はシラタマと一緒に冒険者ギルドで冒険者の皆さんを治療して周りながら、現在治療中のデイビッド教官に聞いてみる。
デイビッド教官もかなりぼろぼろなんだよね。
「ああ。昨日、俺とお前でオークを倒しに行かなくて正解だった。〝ウルフのコロニー〟の中には普通のオークだけじゃなく、ハイオークやオークマジシャン、オークシャーマン、オークバーサーカーまでいたからな。なんとか半数程度は倒せたが、半数ほどは生き延びさせてしまった。そいつらも〝オークの砦〟がある方に逃げ帰っていったし、嫌な予感がするなんてものじゃない」
〝オークの砦〟とは古い時代の砦にオークが棲み着き、乗っ取った場所のことだ。
この地方にあるオークの一大拠点であり、奥にはオークエンペラーがいるとまで伝えられている。
ただ、オークたちも下手に侵攻を行えば逆に攻められることがわかっているから、巣穴を増やすとか旅人などを襲うとかそういうことくらいしかしないんだよね。
それが、なんでいきなり大規模な侵攻を行おうとしてきたんだろう?
私が知っている限りだと、オークバーサーカーってオークの中でも上位種のはずなのに。
「オークバーサーカーを仕留めることができただけでも幸いだったな。オークマジシャンとオークシャーマンの多くは逃がしてしまったが、ハイオークは討ち取れた。被害も大きかったが、まあまあの戦果だろう」
「そうですか。……あ」
「……魔力切れか? もう何本もマジックポーションを飲んでいるだろう? 無理をせずにもう休め」
「いえ、私にできることはこれくらいなので」
私はマジックバッグから新しいマジックポーションを取り出して一気に飲み干した。
魔力が回復したことを確認したら、デイビッド教官の回復を続ける。
「それで、シャーマンの呪いを受けた人たちも大丈夫なんですよね?」
「それは大丈夫だ。最初から一気に混戦状態へ持ち込めたからな。強力な呪術を扱わせる暇など与えなかった。街の施療院にいる解呪師でも十分なんとかなる程度だ」
「よかった」
「今日は戦死者が出なかったからな。骨折者は出たから長期の離脱者が出るのは仕方がないが、それでも治療の見込みがあるのは嬉しい限りだ。せめて、もうしばらく時間を稼げれば一般冒険者も金属鎧を使える季節になる。それからなら砦を逆に攻められるが、いまは耐えることしかできないのが歯がゆい」
「……はい」
〝オークの砦〟も〝砦〟というだけあって防御設備が整っている。
門扉や壁などは崩れているけれど、それでも守りやすく攻めにくい形になっているらしい。
金属鎧がまともに使えないこの季節じゃ無理だよね。
「さて、俺の治療はもういい。俺はギルドマスターに今日の結果を報告してくる。お前は、そろそろペットたちを連れ帰って休め」
「え、でも」
「マジックポーションの飲み過ぎも体に毒なんだ。街の施療院からもたくさんの応援が来ている。これ以上無理をしてお前まで倒れると余計な手間が増えるからな」
「わかりました。もう少しだけ治療をしたら帰ります」
「そうしろ。これ以上マジックポーションを飲むような無茶はするなよ」
「はい!」
デイビッド教官と別れたあと、あと数人だけ治療をさせてもらってメイナさんのところに帰った。
メイナさんも私が相当無茶をしてきたことはすぐに気がついたらしく、食事を食べて体をお湯で清めたらすぐに寝ろって言われたよ。
もっとも、体をお湯で綺麗にし終わったらすぐに眠気がやってきて寝ちゃったけど。
今回の一件、これ以上大事にならなければいいなぁ。
********************
「……そうか。オークジェネラルまで出張ってきてたか、デイビッド」
「はい。いかがしますか、サンドロックギルドマスター」
「今回出陣した連中以外でジェネラルのことを知っているのは?」
「いません。シズクに聞かれましたが、バーサーカーで押し通しました」
「シズクなら勘違いしてもおかしくないか。どの程度、強さに差があるかなんてわからないだろうからよ」
「彼女も頑張りすぎですからね」
「〝ペットテイマー〟の能力に目覚めてからその傾向が顕著に出てやがる。低級冒険者なんてもっと気楽でいいのによ」
「1年間助けてくれたこの街のためになりたいんでしょう。私の怪我もすべて治してもらいました。装備も予備のものになりますが明日も出陣できます」
「デイビッド、今日出陣していなかった連中を率いて〝ウルフのコロニー〟を調査してこい。なにか残しているかもしれねぇ。ただ、街門が閉じる前の時間には帰ってこい。夜襲を受けると危険だ。あと、今日はいなかったようだが、アーチャーにも気をつけろ」
「わかりました。それでは」
「おう。明日の午前中はシズクを鍛えてやる日だ。シズクはそっちに気を向けておいてやるから、そっちも気を抜かずに行ってこい」
「はい。シズクが間違ってもついてこないようにしてください」
「今日の様子だと心配でついて行きかねないからな。少々強めに訓練して午後は動き回る気力を削いでおくよ」
「よろしくお願いします。では」
********************
「げほっ!?」
「シズク、気が散ってるぞ? そんなに外の様子が心配か?」
「いや、だって、デイビッド教官があんなに怪我をして帰ってくるだなんて……」
「デイビッドだってオークバーサーカー相手だときついんだよ。そら、お前もついていけるようになりたいんだったら、もっと死ぬ気でかかってこい!」
「はい!」
今日も朝早くからデイビッド教官たちはオークたちがいないか見回りに行ったらしい。
私は昨日、魔力を使いすぎた反動で朝起きるのが遅くなってしまったけれど、冒険者ギルドにきたあとサンドロックさんに聞いたところによるとそうなんだって。
それでサンドロックさんも今日は1日ギルドで待機任務だから、丸一日私の訓練をつけてくれるらしいけれど、今日は普段に比べてかなり厳しい。
でも、オーク相手に勝てるようになりたいんだったら、これくらいはできるようにならないといけないんだよね!
よし、もっともっと、力をつけよう!
そして、いつかは私もオーク討伐の輪の中に入れるようになるんだ!
私はシラタマと一緒に冒険者ギルドで冒険者の皆さんを治療して周りながら、現在治療中のデイビッド教官に聞いてみる。
デイビッド教官もかなりぼろぼろなんだよね。
「ああ。昨日、俺とお前でオークを倒しに行かなくて正解だった。〝ウルフのコロニー〟の中には普通のオークだけじゃなく、ハイオークやオークマジシャン、オークシャーマン、オークバーサーカーまでいたからな。なんとか半数程度は倒せたが、半数ほどは生き延びさせてしまった。そいつらも〝オークの砦〟がある方に逃げ帰っていったし、嫌な予感がするなんてものじゃない」
〝オークの砦〟とは古い時代の砦にオークが棲み着き、乗っ取った場所のことだ。
この地方にあるオークの一大拠点であり、奥にはオークエンペラーがいるとまで伝えられている。
ただ、オークたちも下手に侵攻を行えば逆に攻められることがわかっているから、巣穴を増やすとか旅人などを襲うとかそういうことくらいしかしないんだよね。
それが、なんでいきなり大規模な侵攻を行おうとしてきたんだろう?
私が知っている限りだと、オークバーサーカーってオークの中でも上位種のはずなのに。
「オークバーサーカーを仕留めることができただけでも幸いだったな。オークマジシャンとオークシャーマンの多くは逃がしてしまったが、ハイオークは討ち取れた。被害も大きかったが、まあまあの戦果だろう」
「そうですか。……あ」
「……魔力切れか? もう何本もマジックポーションを飲んでいるだろう? 無理をせずにもう休め」
「いえ、私にできることはこれくらいなので」
私はマジックバッグから新しいマジックポーションを取り出して一気に飲み干した。
魔力が回復したことを確認したら、デイビッド教官の回復を続ける。
「それで、シャーマンの呪いを受けた人たちも大丈夫なんですよね?」
「それは大丈夫だ。最初から一気に混戦状態へ持ち込めたからな。強力な呪術を扱わせる暇など与えなかった。街の施療院にいる解呪師でも十分なんとかなる程度だ」
「よかった」
「今日は戦死者が出なかったからな。骨折者は出たから長期の離脱者が出るのは仕方がないが、それでも治療の見込みがあるのは嬉しい限りだ。せめて、もうしばらく時間を稼げれば一般冒険者も金属鎧を使える季節になる。それからなら砦を逆に攻められるが、いまは耐えることしかできないのが歯がゆい」
「……はい」
〝オークの砦〟も〝砦〟というだけあって防御設備が整っている。
門扉や壁などは崩れているけれど、それでも守りやすく攻めにくい形になっているらしい。
金属鎧がまともに使えないこの季節じゃ無理だよね。
「さて、俺の治療はもういい。俺はギルドマスターに今日の結果を報告してくる。お前は、そろそろペットたちを連れ帰って休め」
「え、でも」
「マジックポーションの飲み過ぎも体に毒なんだ。街の施療院からもたくさんの応援が来ている。これ以上無理をしてお前まで倒れると余計な手間が増えるからな」
「わかりました。もう少しだけ治療をしたら帰ります」
「そうしろ。これ以上マジックポーションを飲むような無茶はするなよ」
「はい!」
デイビッド教官と別れたあと、あと数人だけ治療をさせてもらってメイナさんのところに帰った。
メイナさんも私が相当無茶をしてきたことはすぐに気がついたらしく、食事を食べて体をお湯で清めたらすぐに寝ろって言われたよ。
もっとも、体をお湯で綺麗にし終わったらすぐに眠気がやってきて寝ちゃったけど。
今回の一件、これ以上大事にならなければいいなぁ。
********************
「……そうか。オークジェネラルまで出張ってきてたか、デイビッド」
「はい。いかがしますか、サンドロックギルドマスター」
「今回出陣した連中以外でジェネラルのことを知っているのは?」
「いません。シズクに聞かれましたが、バーサーカーで押し通しました」
「シズクなら勘違いしてもおかしくないか。どの程度、強さに差があるかなんてわからないだろうからよ」
「彼女も頑張りすぎですからね」
「〝ペットテイマー〟の能力に目覚めてからその傾向が顕著に出てやがる。低級冒険者なんてもっと気楽でいいのによ」
「1年間助けてくれたこの街のためになりたいんでしょう。私の怪我もすべて治してもらいました。装備も予備のものになりますが明日も出陣できます」
「デイビッド、今日出陣していなかった連中を率いて〝ウルフのコロニー〟を調査してこい。なにか残しているかもしれねぇ。ただ、街門が閉じる前の時間には帰ってこい。夜襲を受けると危険だ。あと、今日はいなかったようだが、アーチャーにも気をつけろ」
「わかりました。それでは」
「おう。明日の午前中はシズクを鍛えてやる日だ。シズクはそっちに気を向けておいてやるから、そっちも気を抜かずに行ってこい」
「はい。シズクが間違ってもついてこないようにしてください」
「今日の様子だと心配でついて行きかねないからな。少々強めに訓練して午後は動き回る気力を削いでおくよ」
「よろしくお願いします。では」
********************
「げほっ!?」
「シズク、気が散ってるぞ? そんなに外の様子が心配か?」
「いや、だって、デイビッド教官があんなに怪我をして帰ってくるだなんて……」
「デイビッドだってオークバーサーカー相手だときついんだよ。そら、お前もついていけるようになりたいんだったら、もっと死ぬ気でかかってこい!」
「はい!」
今日も朝早くからデイビッド教官たちはオークたちがいないか見回りに行ったらしい。
私は昨日、魔力を使いすぎた反動で朝起きるのが遅くなってしまったけれど、冒険者ギルドにきたあとサンドロックさんに聞いたところによるとそうなんだって。
それでサンドロックさんも今日は1日ギルドで待機任務だから、丸一日私の訓練をつけてくれるらしいけれど、今日は普段に比べてかなり厳しい。
でも、オーク相手に勝てるようになりたいんだったら、これくらいはできるようにならないといけないんだよね!
よし、もっともっと、力をつけよう!
そして、いつかは私もオーク討伐の輪の中に入れるようになるんだ!
10
お気に入りに追加
824
あなたにおすすめの小説
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!
僕は弟を救うため、無自覚最強の幼馴染み達と旅に出た。奇跡の実を求めて。そして……
久遠 れんり
ファンタジー
五歳を過ぎたあたりから、体調を壊し始めた弟。
お医者さんに診断を受けると、自家性魔力中毒症と診断される。
「大体、二十までは生きられないでしょう」
「ふざけるな。何か治療をする方法はないのか?」
その日は、なにも言わず。
ただ首を振って帰った医者だが、数日後にやって来る。
『精霊種の住まう森にフォビドゥンフルーツなるものが存在する。これすなわち万病を癒やす霊薬なり』
こんな事を書いた書物があったようだ。
だが、親を含めて、大人達はそれを信じない。
「あての無い旅など無謀だ」
そう言って。
「でも僕は、フィラデルを救ってみせる」
そして僕は、それを求めて旅に出る。
村を出るときに付いてきた幼馴染み達。
アシュアスと、友人達。
今五人の冒険が始まった。
全くシリアスではありません。
五人は全員、村の外に出るとチートです。ご注意ください。
この物語は、演出として、飲酒や喫煙、禁止薬物の使用、暴力行為等書かれていますが、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。またこの物語はフィクションです。実在の人物や団体、事件などとは関係ありません。
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
末期の引きこもりが魔王のペットになって全力で愛でられます。
雪野ゆきの
恋愛
引きこもり生活かれこれ300年。久しぶりにお外に出て徹夜明けのテンションでふざけて魔王のペットに志願してみました。当然警備のヒト怒られて帰ったけど魔王が家まで追って来た!?ちょっと私今裸なんだけど……。え?養いたい?私を?マジか。
魔王がやっと自分の癒しを見つけて不器用ながらも全力で愛でるお話。
なろう、カクヨムでも投稿しています。
異世界でネットショッピングをして商いをしました。
ss
ファンタジー
異世界に飛ばされた主人公、アキラが使えたスキルは「ネットショッピング」だった。
それは、地球の物を買えるというスキルだった。アキラはこれを駆使して異世界で荒稼ぎする。
これはそんなアキラの爽快で時には苦難ありの異世界生活の一端である。(ハーレムはないよ)
よければお気に入り、感想よろしくお願いしますm(_ _)m
hotランキング23位(18日11時時点)
本当にありがとうございます
誤字指摘などありがとうございます!スキルの「作者の権限」で直していこうと思いますが、発動条件がたくさんあるので直すのに時間がかかりますので気長にお待ちください。
ペットになった
アンさん
ファンタジー
ペットになってしまった『クロ』。
言葉も常識も通用しない世界。
それでも、特に不便は感じない。
あの場所に戻るくらいなら、別にどんな場所でも良かったから。
「クロ」
笑いながらオレの名前を呼ぶこの人がいる限り、オレは・・・ーーーー・・・。
※視点コロコロ
※更新ノロノロ
【魔物島】~コミュ障な俺はモンスターが生息する島で一人淡々とレベルを上げ続ける~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
【俺たちが飛ばされた魔物島には恐ろしいモンスターたちが棲みついていた――!?】
・コミュ障主人公のレベリング無双ファンタジー!
十九歳の男子学生、柴木善は大学の入学式の最中突如として起こった大地震により気を失ってしまう。
そして柴木が目覚めた場所は見たことのないモンスターたちが跋扈する絶海の孤島だった。
その島ではレベルシステムが発現しており、倒したモンスターに応じて経験値を獲得できた。
さらに有用なアイテムをドロップすることもあり、それらはスマホによって管理が可能となっていた。
柴木以外の入学式に参加していた学生や教師たちもまたその島に飛ばされていて、恐ろしいモンスターたちを相手にしたサバイバル生活を強いられてしまう。
しかしそんな明日をも知れぬサバイバル生活の中、柴木だけは割と快適な日常を送っていた。
人と関わることが苦手な柴木はほかの学生たちとは距離を取り、一人でただひたすらにモンスターを狩っていたのだが、モンスターが落とすアイテムを上手く使いながら孤島の生活に順応していたのだ。
そしてそんな生活を一人で三ヶ月も続けていた柴木は、ほかの学生たちとは文字通りレベルが桁違いに上がっていて、自分でも気付かないうちに人間の限界を超えていたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる