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3章 2回目の転生 冒険者の旅立ち編
13話 人間の街 ボストンとコウモリ都市伝説
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無事魔酔の森を抜け出すことが出来た俺たちは、カロルに続く2つ目の人間の街である「ボストン」という街を目指した。
森を抜けた少し先に、コンクリートで作られたお洒落な道が作られていた。
おそらくこの道を辿れば街にたどり着くのだろう。ひたすらに道を辿ると、大きな街を囲う壁が見えてきた。30mくらいの高さで上には等間隔で赤い旗が掲げられていて風に靡かれている。
街の門には武器を持ち、鎧を着た人間の警備員が2人立っていて、1人ずつ持ち物検査を行ってから出ないと入ることが出来ないらしい。
かなり警備が厳しいんだな。この街は。
「そうだよ。この街は平和を1番に思っている街だから、魔物と人間の差別がない代わりに警備が厳しいの。」
魔物の差別がないと聞いた俺はホッとした。これで気が楽になる。
とはいってもこんな規模の大きな街、もはや街というより国みたいだ。
そんな事を思っていると、持ち物検査の順番が回ってきた。警備員に案内され門の中に入ると、両手を広げろと指示をされた。
みんなが想像してる通りの検査を受けた。
「お前、魔物だな?」
おっ、はい。そうです。
「最近は面白い魔物もいるものだな。人間に化けるなんてな。いいだろう。通れ」
あ、ありがとうございます。
差別がない街なので特に問題はなかったが、俺のスキル 変身を一蹴で見抜くなんてあの人間は一体何者なんだ。レベルが違いすぎる。
そんな事を考えていると、検査を終えたモリィがやってきた。
「コウモリさん。お腹が空きすぎて死んじゃうよ。何か食べ物食べたい。」
わかった。俺もちょうどお腹が空いてたから何か食べよう。
この街では豚の飼育をしているらしい。こんなに広い土地があれば動物の飼育をして自給自足を行えるという事だ。そしてこの街で有名な「ボス豚」という豚肉がある。高級な豚肉として街の外では扱われているらしいが、この街では手頃な価格で食べることが出来る。
よし! この豚肉を食べに焼肉屋さんに行こう!
「え! 焼肉! やったー! たのしみ!」
テンションが上がって喜んでるモリィを横目に俺はずっとあの警備員の事が気になっていた。
つい、ボーッとしてしまうくらい
「コウモリさん? コウモリさん?」
あっ、ごめん
「なに? 可愛い子でも見つけた?」
いや、そんな事じゃない。ちょっと考え事してた。
「そう。早くご飯食べ行こーよ!」
おう! 街の中心らへんのお店で少し距離があるから急ぐか。
俺たちは、お店に入り豪華な焼肉を思いっきり堪能した。
「うわー! すごい豪華なお肉!脂とかすごい乗ってるよ!」
それもそのはず、普通は高級なA5ランク並みの肉である。脂の乗りを豚に与える餌で調節し、その後検査をして指定の数値内の脂を感知出来た豚のみ出荷される。とても手間がかかっているので高いのも仕方がない。
だがこの街では、自らその工程を行なっているため手頃な価格でこの肉を食べることが出来る。
故にこの街ではこの豚肉「ボストン豚」が名物となっているのだ。
高級豚肉をたらふく食べた俺たちは、この街に泊まるため宿を探した。
「旅人の宿ってところがあるよ?」
おそらく旅人に向けた宿になっているのだろう。そこに泊まらせてもらおう。
宿の扉を開けると受付のおばあちゃんが立っていた。
「いらっしゃい。旅人かい?」
はい! そうです! とまらせていただきたいのですが。
「あぁ。いいよ。ん? お主コウモリじゃな?」
まただ! どうしてわかるんですか?
「お主他にもコウモリと言われてたんじゃな。まぁそうだろう。実はこの街にはコウモリの都市伝説があるんじゃよ。」
コウモリの都市伝説?
「あぁ。後で話してやるからとりあえずお風呂に入ってきなさい。」
わかりました。
「部屋は2部屋でいいか?」
はい。2部屋……
「いえ! 1部屋で大丈夫です!」
ちょっ! モリィ?!
「一緒に旅してるのに部屋別とかさみしいよ! せっかく2人で旅してるのに」
だからって……まぁ、俺は魔物だし。まぁいいか。
「じゃあ1部屋にするよ。はい、鍵。無くさないでね。」
ありがとうございます。
俺たちは部屋に入り、1人ずつ風呂に入って疲れを落とした。1人ずつは重要。
そしておばあちゃんが、コウモリの都市伝説を話してくれた。
それは、おおよそ100年前の話。このボストンには、街を守る戦士がいた。この戦士は元々冒険者としてこの街を訪れたのだが、その戦士の滞在中に魔王の襲撃が起こった。その魔王はベルズという人間を嫌う魔王だった。そしてその襲撃から街を守ってくれたのがその戦士だった。
その戦士は戦う時コウモリの姿になって飛びながら戦ったのだ。そう。戦士は人間ではなく人間に化けた魔物だったのだ。戦士は魔王を追い返す事に成功した。飛びながら戦えた事が勝因と言っても過言ではないだろう。それからこの街では、その戦士だけでなくコウモリまで信頼度が上がったというわけだ。
だから、魔女が襲撃してきた時も超音波にとてもビビってていたというわけか。単純に俺が強いだけなのかもしれないが。
だが、必ず魔王がまた襲撃して来ないわけではない。魔王は死ぬ時子孫に力を託して継承する。だが、街を守った戦士の力も継承されていると言われている。
誰が継承者かまだ明らかになっていないが、証拠としてベルズにやられた傷が腕にあると言われている。
「これがコウモリの都市伝説じゃ。どうだったかのう?」
なるほど。なんだかとても大事な事を知れた気がしました。ありがとうございます!
「おうおう。それはよかった。話した甲斐があったわ。」
そうして俺たちは、1日を終え就寝した。
森を抜けた少し先に、コンクリートで作られたお洒落な道が作られていた。
おそらくこの道を辿れば街にたどり着くのだろう。ひたすらに道を辿ると、大きな街を囲う壁が見えてきた。30mくらいの高さで上には等間隔で赤い旗が掲げられていて風に靡かれている。
街の門には武器を持ち、鎧を着た人間の警備員が2人立っていて、1人ずつ持ち物検査を行ってから出ないと入ることが出来ないらしい。
かなり警備が厳しいんだな。この街は。
「そうだよ。この街は平和を1番に思っている街だから、魔物と人間の差別がない代わりに警備が厳しいの。」
魔物の差別がないと聞いた俺はホッとした。これで気が楽になる。
とはいってもこんな規模の大きな街、もはや街というより国みたいだ。
そんな事を思っていると、持ち物検査の順番が回ってきた。警備員に案内され門の中に入ると、両手を広げろと指示をされた。
みんなが想像してる通りの検査を受けた。
「お前、魔物だな?」
おっ、はい。そうです。
「最近は面白い魔物もいるものだな。人間に化けるなんてな。いいだろう。通れ」
あ、ありがとうございます。
差別がない街なので特に問題はなかったが、俺のスキル 変身を一蹴で見抜くなんてあの人間は一体何者なんだ。レベルが違いすぎる。
そんな事を考えていると、検査を終えたモリィがやってきた。
「コウモリさん。お腹が空きすぎて死んじゃうよ。何か食べ物食べたい。」
わかった。俺もちょうどお腹が空いてたから何か食べよう。
この街では豚の飼育をしているらしい。こんなに広い土地があれば動物の飼育をして自給自足を行えるという事だ。そしてこの街で有名な「ボス豚」という豚肉がある。高級な豚肉として街の外では扱われているらしいが、この街では手頃な価格で食べることが出来る。
よし! この豚肉を食べに焼肉屋さんに行こう!
「え! 焼肉! やったー! たのしみ!」
テンションが上がって喜んでるモリィを横目に俺はずっとあの警備員の事が気になっていた。
つい、ボーッとしてしまうくらい
「コウモリさん? コウモリさん?」
あっ、ごめん
「なに? 可愛い子でも見つけた?」
いや、そんな事じゃない。ちょっと考え事してた。
「そう。早くご飯食べ行こーよ!」
おう! 街の中心らへんのお店で少し距離があるから急ぐか。
俺たちは、お店に入り豪華な焼肉を思いっきり堪能した。
「うわー! すごい豪華なお肉!脂とかすごい乗ってるよ!」
それもそのはず、普通は高級なA5ランク並みの肉である。脂の乗りを豚に与える餌で調節し、その後検査をして指定の数値内の脂を感知出来た豚のみ出荷される。とても手間がかかっているので高いのも仕方がない。
だがこの街では、自らその工程を行なっているため手頃な価格でこの肉を食べることが出来る。
故にこの街ではこの豚肉「ボストン豚」が名物となっているのだ。
高級豚肉をたらふく食べた俺たちは、この街に泊まるため宿を探した。
「旅人の宿ってところがあるよ?」
おそらく旅人に向けた宿になっているのだろう。そこに泊まらせてもらおう。
宿の扉を開けると受付のおばあちゃんが立っていた。
「いらっしゃい。旅人かい?」
はい! そうです! とまらせていただきたいのですが。
「あぁ。いいよ。ん? お主コウモリじゃな?」
まただ! どうしてわかるんですか?
「お主他にもコウモリと言われてたんじゃな。まぁそうだろう。実はこの街にはコウモリの都市伝説があるんじゃよ。」
コウモリの都市伝説?
「あぁ。後で話してやるからとりあえずお風呂に入ってきなさい。」
わかりました。
「部屋は2部屋でいいか?」
はい。2部屋……
「いえ! 1部屋で大丈夫です!」
ちょっ! モリィ?!
「一緒に旅してるのに部屋別とかさみしいよ! せっかく2人で旅してるのに」
だからって……まぁ、俺は魔物だし。まぁいいか。
「じゃあ1部屋にするよ。はい、鍵。無くさないでね。」
ありがとうございます。
俺たちは部屋に入り、1人ずつ風呂に入って疲れを落とした。1人ずつは重要。
そしておばあちゃんが、コウモリの都市伝説を話してくれた。
それは、おおよそ100年前の話。このボストンには、街を守る戦士がいた。この戦士は元々冒険者としてこの街を訪れたのだが、その戦士の滞在中に魔王の襲撃が起こった。その魔王はベルズという人間を嫌う魔王だった。そしてその襲撃から街を守ってくれたのがその戦士だった。
その戦士は戦う時コウモリの姿になって飛びながら戦ったのだ。そう。戦士は人間ではなく人間に化けた魔物だったのだ。戦士は魔王を追い返す事に成功した。飛びながら戦えた事が勝因と言っても過言ではないだろう。それからこの街では、その戦士だけでなくコウモリまで信頼度が上がったというわけだ。
だから、魔女が襲撃してきた時も超音波にとてもビビってていたというわけか。単純に俺が強いだけなのかもしれないが。
だが、必ず魔王がまた襲撃して来ないわけではない。魔王は死ぬ時子孫に力を託して継承する。だが、街を守った戦士の力も継承されていると言われている。
誰が継承者かまだ明らかになっていないが、証拠としてベルズにやられた傷が腕にあると言われている。
「これがコウモリの都市伝説じゃ。どうだったかのう?」
なるほど。なんだかとても大事な事を知れた気がしました。ありがとうございます!
「おうおう。それはよかった。話した甲斐があったわ。」
そうして俺たちは、1日を終え就寝した。
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