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暗闇のその果てで君想う(死ネタのサッドエンド)

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雛祭り当日の夜。私は、一週間前のあの日、突然、家に1人手ぶらで訪ねてきたクロトくんを、支倉さんの話も、まともに聞かずに追い返してしまっていた。

本当は、ずっと彼のことが好きで好きでたまらなかったのに。忘れてなんかいないのに。

彼に子供がいて自分と同じ名前の人との間に出来た子供だとしってしまっていたから。子供には、罪はない。ただ、仮に幼なじみのカナちゃんだと成り済まして彼に近付いた女性に彼が騙されたのだとしても…。彼を、許せないというよりも彼の子供のために彼を拒絶したというのは綺麗事だろうか?

ドロドロとした感情に、それでも彼は私の元を訪ねてきてくれたという微かな悦び。

だって、貴方は私のことを女の子だと思って、将来の約束をしてくれたのでしょう?

私は、彼に勘違いされているのを放っておいた。

彼は、悪くない。迎えが遅くなったのも仕方ない。

私は、男で彼の子供を産んではあげれない。

カナトくんがイジメにあうかもしれない。

私と彼の名前を合わせたみたいで、面映ゆい想いも感じたけれど。だからこそ、彼らを守りたい。

世間の風評が恐ろしい。彼らを傷つける。

カナトくんのお母さんはなぜ一緒にいないのか?

追い出したのか?答えは闇のなか。

あぁ、男雛たちには悪いことをした。永遠に彼らは引き離されたままだ。持ち主である私のせいで。

やけをおこした。呑めない酒を無理に飲み干した。

めまいがした。どんどん意識が混濁して…。このまま死ぬのかな?普通だったら、急性アルコール中毒がおきるような量ではないが、私には…。致死量だったのかも知れない…。

迷惑かけるかもしれないけど、もうつかれたよ…

「主、妹背の姫よ。後生だ。起きて水を飲むか、我が妻になっておくれ。このままでは、主が死んでしまう!」

あぁ、男雛だ。お内裏様の人形。白ぽちゃ平安貴族さん。昴ってこの前は名乗っていましたね。ふふふっ。可笑しい。

「私は、貴方の妻にはなれませんよ。ごめんね。君の対の女雛はあの人が、まだ持ってるかわからないけど。」
 私の棺に女雛と一緒にいれて貰えたらいいね。死ぬつもりまではなかった…酒で全てを忘れられたら良かったかもしれないけど。もうダメみたい。

願わくば、君に幸いが訪れんことを請い願う。

遺書は書いてないから。ただの事故にしといてほしいな…。どこからか、ネコたちの声がした気もするがいずれ、何もわからなくなった……


       
サッドエンド。
死ネタですみません。作者は枠まではいきませんが、ザルです。かなりな笑い上戸なんでご安心ください。普段は、ノンアルのカクテルばっかり飲んでいます。本編は、甘い甘いハッピーエンドです。需要あるかは不明ですが書きました。
寝とりは一切ありません。この先も書く予定はないのでご容赦を。そういうのが好きなかたはごめんなさい。
タイトルが、乙女ゲームに酷似してますが、支倉の名字のネタ元です。待つを想うに変えています。下のクロトは花○葬の玄冬からです。では、次は甘い話に戻ろうかと思います。


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