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俺は世にいう童貞だ。


この歳でそれは恥ずかしいだろ。と言う人もいるだろう。


俺は女の子が大好きだ。


女の子はいい匂いがする。膨らんだ胸がある。


声が可愛い。仕草が可愛い。


前世で彼女は居た。それなりに居た。


タイミングを見計らってそういう雰囲気になると「····ごめん。無理」と言われてお終いになる。


そして俺は童貞のまま一生を終えた。


ここに転生した時だって童貞は必ず捨ててやろうと思った。


ここがBLのゲームの世界だとしても、前世と同じように女子校、共学高、など女子は沢山いる。


そして今の俺を見よう。


「んっ···ちょ、星吾っやめっ····ふ、んん」


(ど、どうしてこうなったぁぁぁあ!?)


時は遡ること10分前。


*****


昼休みに事は起こったが午後の授業も無事終わり放課後となった。


俺は部活に入りたいが、肝心な水泳部がこの高校にはない。


だから今日は諦めて明日部活見学に行こうと思った。


荷物をまとめて教室を出る準備をした。


その時だった。


突然教室のドアが開いた。


「うおっ!?···び、びっくりした~。って星吾?」


星吾は無言で俺の方へ寄ってきた。


星吾の方が身長は高いので下から彼の顔は丸見えだ。


その顔は捨てられた犬のような、でも少し怒っているような顔だった。


「お?どした?」


肩をトンと押され壁に寄せられた。


「星吾?」


「·····んで、」


「え?」


「なんで、他の人に触らせたの?」


(·····は?何言ってんだ?)


俺は理解ができなった。


でも星吾の表情を見ると辛かった事が分かった。


綺麗なその顔に涙がうっすら流れた。


(何何!?泣くほど嫌だったの?)


「な、なぁ星吾?泣かないでよ····。」


俺は人が泣くのには耐性が無いのだ。


相手が泣いてると俺も泣きたくなってくる。


もらい泣きしやすいんだ。


「春馬。春馬は俺の事好き?」 


「え?·····う~ん、···好き、だよ?」


好き、か。


俺の星吾への好きはもちろんlikeの方ね。


ここ大事よ。


「····ありがと。なら、良いよね?」


「····は?なに、がっん!?」


言葉を言い終わる前に口を塞がれた。

*****

で、今に至る。


(な、な、な、何!?え?何?)


その頃俺の頭の中は混乱状態だ。


あの綺麗な顔が、綺麗な唇が俺みたいなやつの口と重なっている。


俺の方が低いから星吾に顎を持ち上げられる感じになっている。


ヌル


「ん!?っ、あ、まって···んん~!んっふっ、あ····んん」


は初めてだった?」


「あ、ったり前、だろ!」


「そっか。嬉しいな。」


そう言ってまたキスをしてくる。


星吾の舌が俺の舌と絡み合って、どっちの唾液か分からないけど、俺の顎には唾液が流れた。


生あたたかくて、少しゾワッとする。


でも、頭がフワフワになるこのキスは少し、好き、だ。


「トロけちゃって····可愛い。」


それからどのくらい時間が経ったのだろう。


キスをしすぎて舌がジンジンしてきた。


感覚が麻痺して、星吾がキスをするのを止めると物足りなくなってしまう。


(····あ、なんか下、ムズムズしてきた。)


少し勃起してしまって恥ずかしくなる。


「勃っちゃった?····良いよ、俺でイって。」


「ん·····んんっあ、あ、まっ、···せ、ご、っんんっ、··んん~~~っ!!」


「···はぁ。上手くイけたね。偉い。」


「うう····も、無理····。」


「ん。」


人前で盛大にイってしまった事が恥ずかしくて嫌になる。


(星吾·····何でこんな事したの?)


聞こうと思ったが喉に詰まって聞けなかった。


なんか、聞いたら後悔するような気がした。





俺はこれから星吾とどう接すればいいのぉおおおお!?
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