7 / 45
7
しおりを挟む
(···額当てたの間違いだったなぁ。)
(だって、主人公にめっちゃ睨まれたよ?絶対高原の事好きでしょ。····俺終わったな。)
明日学校行きたくないなぁなんて思っていると1人の男の子を見つけた。
「うわぁぁあああん!ま、ママァ!お兄ちゃぁあ!ううっ、どこぉ!」
どうやら迷子らしい。ここは人通りが少ない道だけどすぐ近くに大通りがある。
「君?大丈夫?」
俺がそう聞くと男の子は更に泣いた。
「大丈夫!変な人じゃないよ!」
どうにか泣き止んでもらおうとポケットの中を探すと、アメが入っていた。
「はい!アメ食べる?」
イチゴ味のアメをあげると男の子は泣き止んで落ち着いてきた。
「今日は誰と来たの?」
男の子は赤い目と小さな口を少しずつ動かして教えてくれた。
「···ま、ままと···お兄ちゃん·······」
「君の名前は?」
「·····ま、そーま。」
「そうま君?」
「うん。」
「じゃあ、今からお母さんとお兄ちゃんを探しに行こっか!」
「うん!」
そうま君と手を繋いで大通りに向かって歩いていく。
沢山人が居て驚いたのかそうま君は俺の足にギュッとしがみついてきた。
(ヴッ····可愛い。)
こんな弟欲しいな。
「そうま君。肩車してあげよっか?」
そう言うとキラキラと目を輝かせた。
「お母さんとお兄ちゃん見えた?」
そうま君は俺の頭を小さな手で優しく掴んで言った。
「ううん。いなーい。」
その声は案外楽しそうだった。
家族を探し始めて30分が経った。
流石に心配になってきたのか俺の頭を掴むそうま君の手に力がこもった。
「ままぁ···にぃに····どこぉ··········?」
そろそろやばいと思った時、
「あっ!ままだ!まーまー!」
そうま君が声を投げた先を見ると1人の女性と背が低めな男の子を見つけた。
「そうま!心配したんだよ!」
2人の額には汗がついていた。
(優しい家族だな。)
母と思われる人は俺を見て、
「本当っにありがとうございます!この礼は必ずさせてもらいます!」
「ありがとうございます。」
律儀だな~と思った。
「いえいえ。お礼なんて大丈夫です。それより息子さんがご無事で良かったです。」
「いえ!そんな訳には行きません!!」
「いや···本当お気持ちだけで十分です。」
「そんな·····せめて名前だけでも!」
結構グイグイ来るなと思いながらも名前だけならと思い教えた。
「園川春馬と申します。」
「園川春馬さんですね。」
お母さんがメモを取っていた。
(·····ん?いやいやいや。俺なんかの名前書いたってなんの利益にもなりませんよ?)
流石にそこまで言えることは出来ず黙って終わるのを待っていた。
すると、隣にいたそうま君のお兄さんが声をかけてきた。
「春馬さんは桜坂高校の生徒ですか?」
「え?はい。····えっと、あなたは·······」
「あ、俺はそうまの兄の柳川浩史と申します。この度は誠にありがとうございます。」
(丁寧な子だな····。)
「いや····そういえば君は青葉中の生徒?」
「え?」
「あ、いや制服がそうなのかなって。」
(変なやつって思われたかな。)
「はい。青葉中3年です。」
(3年生か。大人っぽいな。あとなんか妙な色気がある。クソっ!俺にも色気を分けてくれ······!!)
その後はまた礼を言われてさよならをした。
ブーブー
LINEが来た。
(ゲッ!)
相手は今日交換した高原だった。
『急に聞いて驚いたよね。ごめんね。』
『大丈夫ですよ。それより本当に体調には気をつけてくださいね。』
『あぁ。春馬も。』
とこんな感じで会話は途絶えた。
(てか春馬って·····早速呼び捨てか。マジでやめて欲しいわ。そーゆーのを無自覚でやるから俺が主人公に睨まれるんだろ?)
嫌だ!俺は死にたくない!!
まぁ、死なないけどね。
時刻は5時。
「やばっ!」
その日は急いで家に帰った。
(だって、主人公にめっちゃ睨まれたよ?絶対高原の事好きでしょ。····俺終わったな。)
明日学校行きたくないなぁなんて思っていると1人の男の子を見つけた。
「うわぁぁあああん!ま、ママァ!お兄ちゃぁあ!ううっ、どこぉ!」
どうやら迷子らしい。ここは人通りが少ない道だけどすぐ近くに大通りがある。
「君?大丈夫?」
俺がそう聞くと男の子は更に泣いた。
「大丈夫!変な人じゃないよ!」
どうにか泣き止んでもらおうとポケットの中を探すと、アメが入っていた。
「はい!アメ食べる?」
イチゴ味のアメをあげると男の子は泣き止んで落ち着いてきた。
「今日は誰と来たの?」
男の子は赤い目と小さな口を少しずつ動かして教えてくれた。
「···ま、ままと···お兄ちゃん·······」
「君の名前は?」
「·····ま、そーま。」
「そうま君?」
「うん。」
「じゃあ、今からお母さんとお兄ちゃんを探しに行こっか!」
「うん!」
そうま君と手を繋いで大通りに向かって歩いていく。
沢山人が居て驚いたのかそうま君は俺の足にギュッとしがみついてきた。
(ヴッ····可愛い。)
こんな弟欲しいな。
「そうま君。肩車してあげよっか?」
そう言うとキラキラと目を輝かせた。
「お母さんとお兄ちゃん見えた?」
そうま君は俺の頭を小さな手で優しく掴んで言った。
「ううん。いなーい。」
その声は案外楽しそうだった。
家族を探し始めて30分が経った。
流石に心配になってきたのか俺の頭を掴むそうま君の手に力がこもった。
「ままぁ···にぃに····どこぉ··········?」
そろそろやばいと思った時、
「あっ!ままだ!まーまー!」
そうま君が声を投げた先を見ると1人の女性と背が低めな男の子を見つけた。
「そうま!心配したんだよ!」
2人の額には汗がついていた。
(優しい家族だな。)
母と思われる人は俺を見て、
「本当っにありがとうございます!この礼は必ずさせてもらいます!」
「ありがとうございます。」
律儀だな~と思った。
「いえいえ。お礼なんて大丈夫です。それより息子さんがご無事で良かったです。」
「いえ!そんな訳には行きません!!」
「いや···本当お気持ちだけで十分です。」
「そんな·····せめて名前だけでも!」
結構グイグイ来るなと思いながらも名前だけならと思い教えた。
「園川春馬と申します。」
「園川春馬さんですね。」
お母さんがメモを取っていた。
(·····ん?いやいやいや。俺なんかの名前書いたってなんの利益にもなりませんよ?)
流石にそこまで言えることは出来ず黙って終わるのを待っていた。
すると、隣にいたそうま君のお兄さんが声をかけてきた。
「春馬さんは桜坂高校の生徒ですか?」
「え?はい。····えっと、あなたは·······」
「あ、俺はそうまの兄の柳川浩史と申します。この度は誠にありがとうございます。」
(丁寧な子だな····。)
「いや····そういえば君は青葉中の生徒?」
「え?」
「あ、いや制服がそうなのかなって。」
(変なやつって思われたかな。)
「はい。青葉中3年です。」
(3年生か。大人っぽいな。あとなんか妙な色気がある。クソっ!俺にも色気を分けてくれ······!!)
その後はまた礼を言われてさよならをした。
ブーブー
LINEが来た。
(ゲッ!)
相手は今日交換した高原だった。
『急に聞いて驚いたよね。ごめんね。』
『大丈夫ですよ。それより本当に体調には気をつけてくださいね。』
『あぁ。春馬も。』
とこんな感じで会話は途絶えた。
(てか春馬って·····早速呼び捨てか。マジでやめて欲しいわ。そーゆーのを無自覚でやるから俺が主人公に睨まれるんだろ?)
嫌だ!俺は死にたくない!!
まぁ、死なないけどね。
時刻は5時。
「やばっ!」
その日は急いで家に帰った。
30
お気に入りに追加
3,383
あなたにおすすめの小説
ボスルートがあるなんて聞いてない!
雪
BL
夜寝て、朝起きたらサブ垢の姿でゲームの世界に!?
キャラメイクを終え、明日から早速遊ぼうとベッドに入ったはず。
それがどうして外に!?しかも森!?ここどこだよ!
ゲームとは違う動きをするも、なんだかんだゲーム通りに進んでしまい....?
あれ?お前ボスキャラじゃなかったっけ?
不器用イケメン×楽観的イケメン(中身モブ)
※更新遅め
BLゲームのモブに転生したので壁になろうと思います
雪
BL
前世の記憶を持ったまま異世界に転生!
しかも転生先が前世で死ぬ直前に買ったBLゲームの世界で....!?
モブだったので安心して壁になろうとしたのだが....?
ゆっくり更新です。
勇者になるのを断ったらなぜか敵国の騎士団長に溺愛されました
雪
BL
「勇者様!この国を勝利にお導きください!」
え?勇者って誰のこと?
突如勇者として召喚された俺。
いや、でも勇者ってチート能力持ってるやつのことでしょう?
俺、女神様からそんな能力もらってませんよ?人違いじゃないですか?
社畜だけど異世界では推し騎士の伴侶になってます⁈
めがねあざらし
BL
気がつくと、そこはゲーム『クレセント・ナイツ』の世界だった。
しかも俺は、推しキャラ・レイ=エヴァンスの“伴侶”になっていて……⁈
記憶喪失の俺に課されたのは、彼と共に“世界を救う鍵”として戦う使命。
しかし、レイとの誓いに隠された真実や、迫りくる敵の陰謀が俺たちを追い詰める――。
異世界で見つけた愛〜推し騎士との奇跡の絆!
推しとの距離が近すぎる、命懸けの異世界ラブファンタジー、ここに開幕!
俺の異世界先は激重魔導騎士の懐の中
油淋丼
BL
少女漫画のような人生を送っていたクラスメイトがある日突然命を落とした。
背景の一部のようなモブは、卒業式の前日に事故に遭った。
魔王候補の一人として無能力のまま召喚され、魔物達に混じりこっそりと元の世界に戻る方法を探す。
魔物の脅威である魔導騎士は、不思議と初対面のようには感じなかった。
少女漫画のようなヒーローが本当に好きだったのは、モブ君だった。
異世界に転生したヒーローは、前世も含めて長年片思いをして愛が激重に変化した。
今度こそ必ず捕らえて囲って愛す事を誓います。
激重愛魔導最強転生騎士×魔王候補無能力転移モブ
悪役転生したはずが主人公に溺愛されています
zzz
BL
死んだ。そう気づいて目を開けると、全く知らない世界にいた。
いや、全くと言ったら嘘になる。
俺はこの世界を知っていた。
なぜならここは、俺も開発に携わったゲームの世界だったからだ。
そして俺は主人公である勇者に転生……ではなく、勇者に嫌がらせをし、最終的に殺される悪役に転生していた!
死ぬのはごめんだがケツを狙われるのもごめんなんだけど!!?
噂の補佐君
さっすん
BL
超王道男子校[私立坂坂学園]に通う「佐野晴」は高校二年生ながらも生徒会の補佐。
[私立坂坂学園]は言わずと知れた同性愛者の溢れる中高一貫校。
個性強過ぎな先輩後輩同級生に囲まれ、なんだかんだ楽しい日々。
そんな折、転校生が来て平和が崩れる___!?
無自覚美少年な補佐が総受け
*
この作品はBのLな作品ですので、閲覧にはご注意ください。
とりあえず、まだそれらしい過激表現はありませんが、もしかしたら今後入るかもしれません。
その場合はもちろん年齢制限をかけますが、もし、これは過激表現では?と思った方はぜひ、教えてください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる