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SIDE 晶
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昨日、虎と鷹が珍しく二人揃って休みだった
その為静流とセイと旬は龍洞財閥の本社で仕事、俺と璃一は他の護衛と共に他社へ契約の会議へ向かった
接待を受けて、帰宅するとまだ虎達は帰っていなかった
暫くして、セイの携帯に連絡が入る
「もうすぐ帰ってくるって。でもご飯食べてくるって言ってたのに、えらい早いね?」
時刻はまだ8時前
「本当だな。確か、ママが行きたがってた海鮮居酒屋だろ?」
旬に珈琲を渡し隣りに座った光一が首を傾げる
「何かあったのかもしれませんね。虎が鷹が楽しみにしていた居酒屋をやめてしまうような事が。」
旬がそう言って珈琲を飲む
その言葉に静流が慌てて電話をする
虎はすぐ出て何やら話している
トラブルがどうのこうの言っているから、やはり何かあったんだろう
そして帰ってきた二人は、トラブルに巻き込まれたにしては周りが砂糖を吐きそうなくらいに甘々な雰囲気を出している
本当に何があったんだ?
「お帰り。名刺効果はあった?」
電話の際、名刺を渡して帰ってきていいと許可を出したらしい静流が尋ねる
「はい、真っ青になって震えてました。」
苦笑いの虎に、それでもいつもと雰囲気が違う事に皆首を傾げる
「あ…あの、皆さんに2つご報告があります!!」
緊張しつつも口元がゆるっゆるの鷹に皆の視線が向く
「えっと…一つは……先程、嵐山虎吉さんからプロポーズをしていただきまして、晴れて婚約いたしました。」
顔を真っ赤にさせて報告するパートナーをデレデレな顔で見守る虎
残念な事に、今の虎の気持ちがわかってしまう
どうせ「くっそ可愛い俺の嫁!報告とか後にして今すぐ掻っ攫って3日間程鳴かせ続けてやりてぇ!」ってとこだろう
静流の周りに集まるメンバーはやはり嫁バカになる傾向があるな
皆から「おめでとー!」「やっとかー!!」「皆で合同結婚式ー!!」とか声が上がる
虎も鷹も嬉しそうだ
「婚約したなら、次は婚姻届を出しに行って、その次が結婚式ですね」
旬が自分の事のように喜んでいる
旬、お前もその2つが待ってるからな?忘れてないよな?
「婚姻届も結婚式も一緒にしようね?結婚記念日が同じだと会社の祝日にしてお祝いできるし、結婚式も招待客はどうせ被るんだから一緒にしたほうが楽でしょ?
あ、パパもママも役職についてるから、麒麟会の方は絶対に合同だよ!」
そう、裏と表の招待客を一緒にする事はできないので結婚式は麒麟会で、披露宴を龍洞財閥で行わなければならない
正直面倒だが仕方がない
「楽しみだなー」と皆が口々に言う
「あ、もう一つの報告は?」
セイが思い出したように言う
「実は、先程食事をしに鷹の行きたがってた海鮮居酒屋へ行ってきたんです。そしたら女性店員に連絡先を書いた紙を渡されそうになって拒否したんですがしつこくて。
食事どころではなくなったので帰ろうとしたんですが、女性店員が入口を塞いでどかない為他の店員を呼んだら最終店長が出てきて……
また後日お詫びをしたいと言われたんですが、お酒と少し料理も食べてたんですが無料にしてもらえたんでお詫びはもう必要ないと言ったんですが食い下がられ、静流さんから許可が出てたので名刺を渡し帰って来たんです。
なのでもしかしたら、来るかもしれません……」
うんざりしたような虎の顔に、ご愁傷様ですと心の中で言っておく
「名刺渡したら怖がってたのでどうするのかはわかりませんが、もし来ちゃったらご迷惑おかけします」
二人が頭を下げるので皆「別に構わないよ」と答える
「災難でしたね。何故か女性は狙った男の恋仲の者を見分け攻撃しますからね。ママは大丈夫でした?」
旬が鷹を心配する
「睨まれてムカついたけど、虎がその人に全く興味を示さなかったので大丈夫でした」
ヘヘッと笑う鷹が可愛かったのだろう、虎は人前にも関わらず鷹を抱きしめ頭のてっぺんに頬ずりしている
まるで静流とセイのようだ…
「ちょっと!!虎!?」
慌てる鷹に、皆微笑ましい目を向ける
「さぁさぁ、婚約者になったばかりの二人の邪魔はできないからね。二人共、明日は昼からで大丈夫だよ。明日は新組員の皆と一般組員をしごいてきてね」
「わかりました。あ、これお土産です。では失礼します」
虎はそう言って大きな袋をテーブルに置き、荷物を片手で全て持ち、もう片方の腕で軽々と鷹を抱っこして退出した
「あの虎の姿、まるで誰かさんを見てるみたいですね…」
旬の言葉に璃一が吹き出した
「しず君と光君を足したみたいだったね」
ケラケラ笑う璃一に静流と光一はお互いの顔を見て「確かにお前そっくり」と声を揃えた
それに皆が笑っていると、やっと春と樹が到着した
先程の事を報告すると、二人共喜び「次は婚姻届と結婚式だな!」と旬と同じ事を言っていて、再び璃一が吹き出したのだった
その為静流とセイと旬は龍洞財閥の本社で仕事、俺と璃一は他の護衛と共に他社へ契約の会議へ向かった
接待を受けて、帰宅するとまだ虎達は帰っていなかった
暫くして、セイの携帯に連絡が入る
「もうすぐ帰ってくるって。でもご飯食べてくるって言ってたのに、えらい早いね?」
時刻はまだ8時前
「本当だな。確か、ママが行きたがってた海鮮居酒屋だろ?」
旬に珈琲を渡し隣りに座った光一が首を傾げる
「何かあったのかもしれませんね。虎が鷹が楽しみにしていた居酒屋をやめてしまうような事が。」
旬がそう言って珈琲を飲む
その言葉に静流が慌てて電話をする
虎はすぐ出て何やら話している
トラブルがどうのこうの言っているから、やはり何かあったんだろう
そして帰ってきた二人は、トラブルに巻き込まれたにしては周りが砂糖を吐きそうなくらいに甘々な雰囲気を出している
本当に何があったんだ?
「お帰り。名刺効果はあった?」
電話の際、名刺を渡して帰ってきていいと許可を出したらしい静流が尋ねる
「はい、真っ青になって震えてました。」
苦笑いの虎に、それでもいつもと雰囲気が違う事に皆首を傾げる
「あ…あの、皆さんに2つご報告があります!!」
緊張しつつも口元がゆるっゆるの鷹に皆の視線が向く
「えっと…一つは……先程、嵐山虎吉さんからプロポーズをしていただきまして、晴れて婚約いたしました。」
顔を真っ赤にさせて報告するパートナーをデレデレな顔で見守る虎
残念な事に、今の虎の気持ちがわかってしまう
どうせ「くっそ可愛い俺の嫁!報告とか後にして今すぐ掻っ攫って3日間程鳴かせ続けてやりてぇ!」ってとこだろう
静流の周りに集まるメンバーはやはり嫁バカになる傾向があるな
皆から「おめでとー!」「やっとかー!!」「皆で合同結婚式ー!!」とか声が上がる
虎も鷹も嬉しそうだ
「婚約したなら、次は婚姻届を出しに行って、その次が結婚式ですね」
旬が自分の事のように喜んでいる
旬、お前もその2つが待ってるからな?忘れてないよな?
「婚姻届も結婚式も一緒にしようね?結婚記念日が同じだと会社の祝日にしてお祝いできるし、結婚式も招待客はどうせ被るんだから一緒にしたほうが楽でしょ?
あ、パパもママも役職についてるから、麒麟会の方は絶対に合同だよ!」
そう、裏と表の招待客を一緒にする事はできないので結婚式は麒麟会で、披露宴を龍洞財閥で行わなければならない
正直面倒だが仕方がない
「楽しみだなー」と皆が口々に言う
「あ、もう一つの報告は?」
セイが思い出したように言う
「実は、先程食事をしに鷹の行きたがってた海鮮居酒屋へ行ってきたんです。そしたら女性店員に連絡先を書いた紙を渡されそうになって拒否したんですがしつこくて。
食事どころではなくなったので帰ろうとしたんですが、女性店員が入口を塞いでどかない為他の店員を呼んだら最終店長が出てきて……
また後日お詫びをしたいと言われたんですが、お酒と少し料理も食べてたんですが無料にしてもらえたんでお詫びはもう必要ないと言ったんですが食い下がられ、静流さんから許可が出てたので名刺を渡し帰って来たんです。
なのでもしかしたら、来るかもしれません……」
うんざりしたような虎の顔に、ご愁傷様ですと心の中で言っておく
「名刺渡したら怖がってたのでどうするのかはわかりませんが、もし来ちゃったらご迷惑おかけします」
二人が頭を下げるので皆「別に構わないよ」と答える
「災難でしたね。何故か女性は狙った男の恋仲の者を見分け攻撃しますからね。ママは大丈夫でした?」
旬が鷹を心配する
「睨まれてムカついたけど、虎がその人に全く興味を示さなかったので大丈夫でした」
ヘヘッと笑う鷹が可愛かったのだろう、虎は人前にも関わらず鷹を抱きしめ頭のてっぺんに頬ずりしている
まるで静流とセイのようだ…
「ちょっと!!虎!?」
慌てる鷹に、皆微笑ましい目を向ける
「さぁさぁ、婚約者になったばかりの二人の邪魔はできないからね。二人共、明日は昼からで大丈夫だよ。明日は新組員の皆と一般組員をしごいてきてね」
「わかりました。あ、これお土産です。では失礼します」
虎はそう言って大きな袋をテーブルに置き、荷物を片手で全て持ち、もう片方の腕で軽々と鷹を抱っこして退出した
「あの虎の姿、まるで誰かさんを見てるみたいですね…」
旬の言葉に璃一が吹き出した
「しず君と光君を足したみたいだったね」
ケラケラ笑う璃一に静流と光一はお互いの顔を見て「確かにお前そっくり」と声を揃えた
それに皆が笑っていると、やっと春と樹が到着した
先程の事を報告すると、二人共喜び「次は婚姻届と結婚式だな!」と旬と同じ事を言っていて、再び璃一が吹き出したのだった
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