裏切りの蜜は甘く 【完結】

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SIDE セイ

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総会まで後2日

俺達は最終局面を迎えていた

総会は当初ホテルを貸し切って行う予定だったけど、解体ショーがあるのでそういう訳にもいかなくなった

麒麟会が持つ屋敷で行われる事になった為、その準備に旬さんと春人さんが中心となって動き、樹さんは死亡届などの偽造書類や財産の処分等に奔走していた


俺は兄ちゃんと総会に参加する関係者について問題がないか確認作業に追われ、俺は解体ショーに向けて麒麟会のお抱え医師達とのミーティングに大学での勉強と、とにかく忙しかった


光一さんと璃一、兄ちゃんに付いてきた組員達は訓練と言う地獄のメニューを静流から毎日出され必死にこなしていた


少し見学に行って驚いたのが、璃一の動きだった


暗殺者だったのは知っていたけど射的は百発百中だし、体術も他の組員に負ける事がなかった

二刀流の刀を使いこなし、戦っている時の璃一はあの子供の様な無邪気な顔は欠片も残っていなかった


静流は静流で、各所との連携を図り穂高さん達とも密に連絡を取っていた


皆がとにかく忙しく、深夜12時を過ぎてから一日の報告会という会議を行う事も多かった


老師会を今回の総会で撤廃する為、老師会のメンバーが誰とどんな関係なのか、何処と繋がっているか、麒麟会と龍洞財閥を裏切っていないか綿密に調査した


そうしたら出るわ出るわ真っ黒い汚れの数々………



「静流!いくらなんでもこれは放置しすぎでしょ!?」


「うーん…これ程とは思わなかったんだよ」


「裏で何かしてるのは分かってたんでしょ?何でその時にちょっとずつでも処分しないかなぁ……」



寝室のベッドの中で書類を読む静流を睨む



「他にもやる事が多くてね?なかなか手が回らない案件が多かったんだよ。俺も1から10まで指示出す時間もないから偵察程度に済ましてたんだ。セイと晶が来てくれたおかげで本当に助かってるよ」


俺の睨みなんて軽くスルーしてポンポンと頭を撫でてくる


そうは言っても、この所本当にお互い忙しくて寝る時間も起きる時間もバラバラで相手も起きている時顔を合わせるのは会議の時だけ


会議中は静流不足を補う為に膝に寝そべったり、後ろから抱きしめて貰ってるけどそれじゃ足りない


俺っていつからこんなに欲深になったんだろ?


静流は平気なのかな……


以前俺と会えなかった時はご飯も喉を通らなかったって言ってたけど、今は会えることは会えるから平気ってこと??


「………セイ?」


「何?」


「そろそろ寝る?」


「うん、静流はまだ起きとくならスタンドちゃんと消してね。」


書類を静流に渡し背を向けて横になる


明日は朝から最終会議とチェックがあるから、10時には起きて準備しないと間に合わない


今は深夜1時

最近睡眠時間が4時間とか3時間だったから、久しぶりにたくさん寝れる



カチッ


スタンドを消す音が聞こえゴソゴソと横になる静流の気配がした


ギュッと後ろから抱き締められる


こんな風に寝るのも久しぶりだな……


さわさわ…………サワサワ……………


静流の手が腹や脇腹を触ってくる


「…………………」


ゆっくり指が移動してきて胸へ辿り着いた


ピクッと身体が反応してしまう


指が乳首を掠め徐々に形が変わっていく



………何で触ってくるんだよ

この前もこうやって触ってきて、身体が火照って来た所で静流は爆睡した

今回だってどうせ途中で寝てしまうんだろうし、それなら最初から寝ればいいのに


できるだけ反応を返さないよう寝たフリを決め込むが、静流の行動は一層激しくなる


乳首を弄り始め、項にキスをしたり舐めたりと俺の感じやすい所を重点的に攻め始めた


「…………っ……………んっ……………」


耳を舐められ甘噛されついに声が漏れてしまう


「………セイ起きてるでしょ?こっち向いて」


耳元で掠れた声で囁かれる

それだけで身体がゾクゾクする



「嫌………」


「どうして?」


「寝るから。静流も最近あまり寝てないんだから、寝れる時に寝たほうがいいよ」


静流から体を離そうとモゾモゾ動くと身体を抑え込まれた


「この前の事、怒ってるんだね。ごめんね?」


「別に。疲れてるのはわかってるから。」


抑え込まれて身動き一つ取れなくなったので体の力を抜いた


「それでも…自分から触れた癖に寝落ちするとかムカついたでしょう?これだけ忙しいのも色々と俺が放置したからだし。」


「わかってるなら、これからは放置しないでちゃんと対処するようにして。」


「うん。ねぇ、眠ければ寝てても良いからもう少しセイに触れてもいい?」


「……触れるだけ?」


「後は…キスもしたいかな?」


「ふーん…俺寝るから、その邪魔はしないでね?」


どうせ静流も満足したりまた寝落ちするんだろうから、俺はもう寝よう


仰向けに体位を変えて目を瞑る


「………セイ……………」


とても小さい声で俺の名前を呼んだ静流は額に優しいキスを落とした


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