54 / 113
大阪の一週間
しおりを挟む「なぁなぁ、変やない??」
「変やない。何回鏡見んねん」
「しゃーないやん!久々にしー君に会うんやで??」
「お前はホンマ静流が好きやなぁ…」
「うん!大好きやで!!」
「ほら、もうすぐ到着やから大人しぃしとけ」
栗色の長い髪を靡かせニコニコ笑う女と、呆れたように溜息を吐く男は空港の出口へ急いだ
飛行機が到着し、静流達は関西へ降り立った
セイの腰には静流の腕が回り体を支える様に歩いている
璃一が乗る車椅子は晶が押し、荷物は組員が持つ
「迎えが来てるはずですから行きましょう」
旬を先頭に一行は出口へ向かう
出口の横では厳つい、どう見てもそっち系の人達が絵になる男女を囲み立っている
旬はその光景を見て足を止めた
続く一行も足を止め、旬の隣に居た光一は深い溜め息を吐いた
「流石にあれは無いでしょう………」
「ホントにな……」
晶も璃一も唖然としている
普段麒麟会の組員を見ていると、強面の顔であっても着ているスーツから品を感じ、大企業のサラリーマンの様にも見える為、Theヤクザです☆の様な人を見るのはこれが初めてであった
しかしここは出口付近
出来ればスルーして通り過ぎたい所だが、そうもいかず仕方無しに足を動かす
静流とセイはイチャイチャしていて皆の様子をスルーしていた
出口をくぐると一行に気づいたTheヤクザの人達は軍隊の如く揃って「「「お疲れ様です!!」」」と大きな声で挨拶をし、頭を下げる
周りに居た一般人はその光景を遠巻きに見ていた
「しー君!!」
大きな声で呼ばれ、静流が顔を上げると栗色の髪をはためかせた女が走ってくる
「あ………」
女はスピードを上げ静流へ飛びついた
その拍子にセイから腕が離れ、フラついたセイは後ろにいた璃一と晶に咄嗟に支えられた
静流は飛び込んできた女を受け止めたままだ
「しー君!会いたかった!!」
ギュウギュウ抱きしめてくる女に静流は苦笑いをこぼす
「咲良、苦しいよ…」
「そんな事言わんとって…この前会ったんいつやと思ってるん?大阪来ても、うちには会ってくれんといつもさっさと帰ってしまうやんか!」
「そりゃ忙しいからね?今回は一週間居るから許してよ」
傍から見れば美男美女が久々の再開を果たしているように見えるこの光景に、晶も璃一もセイも固まったまま2人を見ているしかなかった
10
お気に入りに追加
440
あなたにおすすめの小説
嫌われ者の長男
りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....
秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
めぐみ
BL
☆俺はお前を何度も抱き、俺なしではいられぬ淫らな身体にする。宿命という名の数奇な運命に翻弄される王子達☆
―俺はそなたを玩具だと思ったことはなかった。ただ、そなたの身体は俺のものだ。俺はそなたを何度でも抱き、俺なしではいられないような淫らな身体にする。抱き潰すくらいに抱けば、そなたもあの宦官のことなど思い出しもしなくなる。―
モンゴル大帝国の皇帝を祖父に持ちモンゴル帝国直系の皇女を生母として生まれた彼は、生まれながらの高麗の王太子だった。
だが、そんな王太子の運命を激変させる出来事が起こった。
そう、あの「秘密」が表に出るまでは。
愛して、許して、一緒に堕ちて・オメガバース【完結】
華周夏
BL
Ωの身体を持ち、αの力も持っている『奏』生まれた時から研究所が彼の世界。ある『特殊な』能力を持つ。
そんな彼は何より賢く、美しかった。
財閥の御曹司とは名ばかりで、その特異な身体のため『ドクター』の庇護のもと、実験体のように扱われていた。
ある『仕事』のために寮つきの高校に編入する奏を待ち受けるものは?
壁穴奴隷No.19 麻袋の男
猫丸
BL
壁穴奴隷シリーズ・第二弾、壁穴奴隷No.19の男の話。
麻袋で顔を隠して働いていた壁穴奴隷19番、レオが誘拐されてしまった。彼の正体は、実は新王国の第二王子。変態的な性癖を持つ王子を連れ去った犯人の目的は?
シンプルにドS(攻)✕ドM(受※ちょっとビッチ気味)の組合せ。
前編・後編+後日談の全3話
SM系で鞭多めです。ハッピーエンド。
※壁穴奴隷シリーズのNo.18で使えなかった特殊性癖を含む内容です。地雷のある方はキーワードを確認してからお読みください。
※No.18の話と世界観(設定)は一緒で、一部にNo.18の登場人物がでてきますが、No.19からお読みいただいても問題ありません。
近親相姦メス堕ちショタ調教 家庭内性教育
オロテンH太郎
BL
これから私は、父親として最低なことをする。
息子の蓮人はもう部屋でまどろんでいるだろう。
思えば私は妻と離婚してからというもの、この時をずっと待っていたのかもしれない。
ひそかに息子へ劣情を向けていた父はとうとう我慢できなくなってしまい……
おそらく地雷原ですので、合わないと思いましたらそっとブラウザバックをよろしくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる