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SIDE 会長
しおりを挟む全ての面談が終わった
晶が用意した書類通り、35人という数の組員が若頭に付いていくと小指を差し出そうとした
男に惚れられる男って本当に最高だ
セイと旬の方は、控えていた麒麟会の組員からの報告では古株の10名がカタギに戻ると言ったそうだ
セイと旬の質問にも素直に応じ拷問器具をつける必要もなかったとの事
そして現在地下で手術などの治療を受けているのは9名
もしセイに肉体的、精神的に攻撃しようとしたら容赦なく制裁を加える様旬には言っておいた
手術をする程の制裁を加えたと言う事は、セイを何度も攻撃しようとしたって事だ
セイの事が心配になり、急ぎセイのもとへ向かった
「セイ、旬」
部屋へ入ると、床にはまた血が落ちたままではあるが2人は和やかにお茶を飲んでいた
「静流!!」
俺が来るとは思って無かったのだろう、セイが驚いたような顔をする
「静流、そっちは終わったんですか?」
「ああ、晶の予想通り35名が晶の下につく。この件が片付き次第盃を交わすからまた準備を頼む」
「わかりました。こちらはあと一人、舎弟頭だけです」
「静流、これ。」
セイが差し出したのは書類
隣に座り目を通していく
「初めてのわりに、ちゃんと尋問できてるじゃないか。よく頑張ったな。」
セイの頭を撫でて褒めると、セイは顔を赤らめた
「静流、どうやら若頭補佐の佐山という組員が組長のスパイみたいですよ。矢沢を陥れたのも佐山で海外の傭兵部隊と手を組んで麒麟会を乗っ取る計画を立てていたようです。」
「佐山…晶が用意したリストには居なかったな。」
「そいつは樹達が面談した。組長と盃を交わしたから組長の元にいると言った奴だ。もう一人の補佐は晶に付いていくと言っていたそうだぞ。」
光一が樹達の報告を伝える
「要さん、兄さんを選んだんだ…」
セイがポツリと溢した
「意外か?」
「うん、補佐って言っても名ばかりみたいな所があったから。別に組長を慕ってる感じではなかったけど、兄さんは『アイツは小言が多い』って言ってた。」
「上司に小言が言える奴はなかなか居ないぞ。内容にもよるが、そいつは晶の為を思って小言を言っていたのかもな。まぁ、後でそいつの本気を確かめてみよう。」
佐山と言う奴には全てを話してもらわないといけないしな。
「そろそろ最後の一人を尋問しましょうか?」
「そうだな。」
「静流もここに居とくのでしょう?」
「そのつもりだ」
俺の言葉に頷いて、表に居る麒麟会の組員に最後の一人を迎えに行かせた
「静流、セイ君。次の舎弟頭は全てを知っていると思います。その為のらりくらりする可能性もあるでしょうし嘘も上手いと思います。」
「そうだろうな。」
旬の言葉に不安そうな顔をするセイ
「大丈夫。さっきまでと同じ様にしたらいい。もし取りこぼしが有ればフォローするから。お前ならできるよ。」
ギュっと強めに抱き締めると、小さく頷いた
「静流、一応ここに他の拷問具がありますから。好きに使ってください。」
意味深な顔をする旬に、セイは首を傾げ、俺は苦笑いをこぼす
それはあれか、セイを攻撃してきたら旬がスイッチを押すより先に俺が手を出すだろうとの予測か。
「光一、頼むぞ。」
念の為光一に、俺が暴走した時止めてくれるよう頼む
「怪我は勘弁だぞ」
光一は嫌そうな顔をした
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