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SIDE 会長
しおりを挟むリストに名前が書かれた者を部屋に呼ぶ
「さて、身の振り方は決まったか?」
俺がそう問えば
「あの…俺…いえ、私は組長の元に居る気はありません。ですがカタギになりたい訳でもないのです。」
緊張した面持ちで必死に言葉にする組員
「へぇ?じゃあどうするの?」
あえて冷たい視線を向ける
「若頭についていきたいと思っています。勿論、若頭の今後は決まってませんが、どのような事になっても側で微力かも知れませんがお力になりたいのです。」
その言葉に嘘はないようだ
では覚悟はどうなのだろうか?
「ふーん…光一。あれを。」
光一は頷いて、組員の目の前にある道具を置く
「…これは……………」
組員は目を見開く
「お前は若頭に生涯の忠誠を誓えるか?この先、若頭よりもついていきたいと思える者が現れるかもしれないぞ?」
フッと鼻で笑ってやる
「確かに、盃を交わした親父より若頭へついていきたいと心変わりしたのは確かです。ですが、若頭以外の漢に惚れる事はありません。」
そう言い組員は目の前にあるドスを右手に取る
左手を開き小指に刃を近づける
上手く切れないのか「クソッ……」と声が漏れる
残念だが、どんなに頑張っても指を切ることはできないんだよな
「はい、合格」
俺の声にポカンとした顔を上げる
「悪いな、お前の若頭への気持ちを試させてもらった。そのドスは偽物だ、いくら頑張っても切ることはできないよ。
隣の部屋で晶が待ってる。行ってやれ。」
組員は目を潤ませ、深々と頭を下げて出ていった
「光一、あと何人?」
「晶が用意したリストでは…あと3人だな。」
「そっか。にしても凄えと思わない?晶が自分の元へ来ると予想した奴、皆躊躇もせず小指差し出そうとするんだぜ?
本当に慕われてるんだなぁ…」
「そうだな。その晶が自分に忠誠を誓ってくれる会長はどんな気分なんだ?」
「そりゃもう、サイコーだよ」
「だろうな。さぁ、あと3人早く終わらせてセイ君の方へ加勢しにいかないとな。」
「そうだな。セイには精神的にキツイだろうから。早く側に行ってやりたい。」
セイが相手をしているのは長年自分へ悪意を持ち接してきた者達だ
殺意をあらわにしてきた者もいるだろう
旬が付いているとは言え何が起こるかはわからないから、側で守ってやりたい
「次呼んで。」
どうせ後の3人も、戸惑いなく小指を差し出そうとするんだろう
その後の事は晶に任せればいい
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