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SIDE 璃一
しおりを挟む晶が隣の部屋でお仕事仲間とお話している間の遊び相手として榊神威っていうお兄ちゃんを紹介してもらった
変な言葉を話すお兄ちゃんは、その言葉が大阪っていう所の言葉だと教えてくれた
お兄ちゃんの事を僕は『かーくん』と呼ぶことにした
かーくんは晶のお友達でお仕事も一緒にしてるって教えてくれた
そして晶のことも沢山教えてくれた
好きな食べ物、好きな色、好きな歌はスマホで聞かせてくれた
大阪の事も色々と聞いた
お好み焼きとかたこ焼きを今度一緒に作ろうって約束した
凄く楽しみ
晶に呼ばれて、かーくんはお仕事に行く事になった
かーくんが僕の好きなアニメの映画を見れるようにしてくれて、一人でお留守番する事になった
夢中で見てて、そろそろ映画が終わりそうな時に、ドアがノックされ晶が入ってきた
「待たせたな、璃一。」
直ぐ僕の側に来てぎゅーっと抱きしめてくれる
晶に抱き締めて貰うとドキドキするけど安心感もある
「あきらおかえりー」
僕も晶に抱きつく
「ただいま。璃一、少しだけ会わせたい人が居るんだ。俺のお仕事を一緒にしている人。良いか?」
「いいよ!あ、ぼくベッドのうえだ…それでもいいのかな??」
「あぁ。セイも一緒に来るから傷も診てもらおうな?」
「セイせんせいもきてくれるの?うれしい!」
朝会ったばかりだけど、セイ先生も優しくて大好き
晶が僕から離れてドアを開けに行く
何か話した後、晶に続いて背の高いカッコいい人とセイ先生、メガネをかけた髪の毛がピシッとした人と背の高いマッチョな人が入ってきた
「セイせんせい~」
手を振ると、セイ先生も振り返してくれた
「璃一、体疲れてない?少し横になる?」
直ぐに側に来てくれて頭を撫でてくれる
「だいじょうぶだよ。せなかもふもふだもん」
かーくんが、座っててもしんどくない様にって柔らかいクッションを沢山並べてくれ、それに背中を預けているから全く疲れていない
「そう。なら良かった」
「璃一、紹介するな。この人が静流、メガネをかけてるのが旬、大きい人が光一だ。」
晶が指を指しながら教えてくれる
「はじめましてりひとです。りひとってなまえは、あきらがつけてくれました。ぼくはきおくがないらしいです」
昨日セイ先生が教えてくれた挨拶を緊張しながら口にする
すると、カッコいいお兄さんが僕と目線を合わせるように屈んだ
「初めまして。俺は静流っていいます。晶の仕事仲間でありお医者さんでもあるんだ。よろしくね?」
キラキラ笑顔が眩しい
「…セイせんせいといっしょ??」
「うん。セイ先生と一緒だよ。俺にもセイ先生と一緒に璃一の治療させてくれる?」
「うん!いいよ!でもいたいのはいやぁ…」
「大丈夫、痛い事はしないよ。セイ先生も痛い事はしないでしょ?」
「うん、てんてきもいたくないよ!」
「そうか。よかったね。じゃあ俺にも璃一が怪我した所診せてもらえるかな?」
うんと頷き寝転がろうとすると、晶が支えてくれて、メガネのお兄さんがクッションを背中から取ってくれた
「ありがとう」
2人にそう言うと、二人とも「「どういたしまして」」って声を揃えて言ってくれた
セイ先生は紙をしず先生に見せながら話している
あの紙はカルテって言って僕の怪我をメモしたものらしい
「じゃあ怪我を診るね?もし痛い事があれば教えてね?」
「はーい」
そう言ってしず先生は僕の腕や足、お腹に背中、お目々や喉をセイ先生がするように丁寧に見ていった
傷のある所は消毒してくれる
「はい、お終い。怪我もどんどん良くなってきてるね。もう少しして暖かくなってきたら、車椅子に乗って外に散歩に出てもいいよ」
しず先生が頭を撫でてくれる
「くるまいす?」
「椅子に大きなタイヤが付いたものだよ。今度持ってきてあげる。」
「ありがとう!」
楽しみが増えた!
「さぁ、そろそろお昼御飯を食べようか。璃一も向こうの部屋で皆で食べる?それとも晶と2人でここで食べる?」
「うーん……」
向こうの部屋がちょっと気になる…
でも晶と2人でご飯も捨てがたい…
やっぱり寂しかったから、晶に甘えたい気持ちがあった
「向こうで食べてみたいなら抱っこしていこうか。」
晶が微笑んでくれる
「だっこ??」
抱っこ!してほしい!!
つい晶に手が伸びる
晶はその手を取って軽々と横向きに抱き上げてくれた
セイ先生が点滴を吊したやつを動かしてくれる
僕は初めて隣の部屋へ入った
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