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SIDE セイ
しおりを挟む昨日はあれから、璃一が起きて、兄ちゃんが一緒にご飯が食べれない事を伝えると璃一は泣きそうになった
けど兄ちゃんが璃一に手紙を残していっていたので、文句も言わずにご飯もしっかり食べてくれた
昔流行った『連想ゲーム』をしている時に兄ちゃんが帰宅した
出ていった時より顔色は随分マシになっていて、璃一は兄ちゃんに会えてとても嬉しそうだった
『連想ゲーム』をして分かった事だが、璃一はここに来るまで普通の生活を送った事が無かったようだ
いくら貧乏でも食べた事があるような物でも璃一は知らないし、逆に普通の人が知らない様な事を知っている
一番驚いたのは俺が『機械といったら?』の問いに『M1906自動拳銃』と璃一が答えた事だ
璃一が寝てから晩酌している兄ちゃんにその事を話すと難しい顔をしていた
璃一が答えた拳銃は昔の拳銃で小型の物だそうだ
もしかしたら璃一は拳銃と関わりがある生活をしていたのだろうか
調査を速めるべきだと判断した
そしてついに会長達と会う時間になった
会う場所は璃一の離れ
璃一を一人にしたくないから、兄ちゃんと話し合った末ここで会うことにした
佐山さんを璃一に付けとくと璃一が休まらないし、要さんは璃一と仲良くなったけど、誰が実際組長の手の者か分からないから俺と兄ちゃんと榊さん以外は今は側に付けたくないのだ
昨日から組長と龍崎には監視が付いていて、姐さんも車で帰ってきた所を捕まえた
榊さんはすぐ解放されたようで、兄ちゃんの元へ戻ったが今日、瀧本さんが来ると知って凄く嫌そうな顔をしていた
俺達が話している間だけ榊さんが璃一と一緒に居てくれる
朝ごはんの時間に顔合わせをしたが、璃一は警戒する事なく榊さんを受け入れ、榊さんも即効で璃一を甘やかしだした
兄ちゃんが嫉妬してるのを必死で抑えているのは面白かった
「セイ、準備は出来てるか?」
璃一の離れに作った俺の部屋に兄ちゃんが入ってくる
「うん。」
「じゃあ、最終確認だ。まず璃一の事は基本的な事は話す。でもそれ以上の事はわざわざ話さない。」
「うん。その後挨拶だけ璃一にさせる。」
「ああ。で、セイの事だが俺の弟だと話せば会長の事だから直ぐ察してくれるだろう。けど他の連中はそうじゃないから今までの経緯を話す。」
「うん。あとは上納金についてだね。無茶して麒麟会のセキュリティに侵入しなくて良かったよ。うちの分は榊さんが調べてくれたからね。俺は俺がした事を簡潔に話すだけにしとく」
ある意味兄ちゃんに丸投げなんだけど…
「それでいい。静流に下手に情報を与えれば、全てを丸裸にされるからな。けど下手に警戒するなよ?そこにも静流は絶対に気付いて突いてくるからな。」
「気をつける。」
俺達は確認し合った後、璃一に仕事の話しを隣でする事を伝え、その間璃一は榊さんと遊んだり映画を見て過ごす様に伝えた
少し寂しそうにしていたが、兄ちゃんが昨日の夜一緒にご飯が食べれなかったので今日の昼は一緒に食べようと言うと嬉しそうに笑っていた
インターホンが鳴る
俺は珈琲の準備をしにキッチンへ
兄ちゃんはインターホンを確認してから玄関へ向かった
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