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第三章 学園生活の始まりです

入寮日です

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 今日は入寮日。

 朝からとっても良い天気、雲一つない晴天です。

 筆記用具や教科書、制服などの学用品は先に寮の部屋に運ばれているので、今日持って行くのは私物だけ。

 この一か月間、王都で色々な品を買ったから私物が増えた。量は、村から持ってきたリュックとは別にトランク一個分増えたぐらいかな。多いのか少ないのか、よくわかんないけど。勿論、ライド様に買ってもらった鞄も持って行くわよ。お気に入りだし、この中には私の全財産が入ってるんだから。

「……一緒に行かなくて大丈夫ですか?」

「心配です。そこまで一緒にまいります」

 ジュリアス様とライド様が馬車の乗り口で、心配そうに私に言った。

 実はこの会話、朝からずっとしている。完全に私の保護者だね。兄さん的な存在かな。

 私が「寂しい」って一言言ったら、絶対一緒に来てくれるはず。それはすごく嬉しい。本当は一緒に来て欲しいけど、これ以上は甘えられない。だって、私知ってるもの。ジュリアス様もライド様も、本当は忙しい人なんだって。だから、仕事の邪魔はしたくない。寂しいのを我慢する。それに、私は一人じゃないからね。

 ハクアともう一人。

 まだ会ったことがないんだけど、教皇様っていう、大神殿で一番偉い人の推薦の子が一人、私のフォローをしてくれるらしいの。勉強やマナーをジュリアス様やライド様に代わって教えてくれるんだって。二人もよく知ってる子らしいよ。「信頼できる」って言ってたから安心してる。できたら、友だちになりたいな。その子とは、現地で集合することになっているの。

「行ってきます。ジュリアス様、ライド様、本当にお世話になりました。立派な聖女になれるよう、日々学園で頑張ります」

 私は教えてくれたカーテシーをしてみせた。まだまだつたないものだけど。

「行ってらっしゃい、ユーリア様」

「身体に気を付けてください。私もジュリアスも応援してます」

 ジュリアス様とライド様の笑顔に見送られて、私は一か月いた大神殿をあとにした。

 はしたないけど、私は窓を全開にして叫んだ。

「ありがとうございました。行ってきます」ってね。

『頑張らないといけないね』

 ハクアが私の膝の上でニコッと微笑みながら言った。

「うん、頑張らないと。私を支えてくれた大勢の人がいるから。その人の気持ちに答えるために。そして、私を信じ選んでくれたハクアのためにも、頑張らないといけないよね」

『身体を壊さない程度にね』

「そうだね。あっ、でも、ポーションを何本か買ってるから大丈夫だよ」

 給料が入った日に買ったの。必要になると思ってね。私の回復魔法はまだまだだし、平民だから、すぐに怪我とか治してくれないだろうし。となると、自分の身を護るものとして必要だと思ったの。

『それ、大丈夫って言わないよ』

 ハクアにそんなこと言われちゃった。呆れ顔のハクアも可愛い。

「そうかな……」

 そんな話をしていると学園に到着した。


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