スパダリ社長の狼くん

soirée

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第二章

十三話※R18

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「疲れた……」

 帰宅して忍と二人きりになった途端に瞬が座り込む。忍が笑った。
「初日だからね。緊張もしただろうし、槙野に指導を任せたから君としては油断ならなかっただろうから無理もない」
「槙野さん、思ってたよりは怖くはねえけど……」
「槙野は理由もなく君を傷つける人間じゃない。大丈夫だよ。各部署から君は優良株だという声も聞こえてきた。頑張ったね」
 柔らかく髪を絡めて梳いてやる忍の手に頬を寄せた瞬の喉仏を指先でくすぐる。すぐに肌を染めた瞬に、今日一日の社内の空気を思い返さずにはいられない。

 初めは好奇の視線でしかなかった瞬を見る目は、槙野とともに瞬が挨拶に回ってから急に色を帯びたものに変化した。女性社員が瞬に夢中になるのはまだわかる。しかし一部の男性社員からも熱い視線を向けられているのはどうにもいただけない。その上瞬自身がこんなにも可愛い反応を示すことを知られてしまったら……。
(……僕のものなんだけどな)
 瞬を採用したことをやや後悔した忍が、そのまま瞬を抱き上げた。瞬の部屋のベッドに下ろし、ジャケットを脱がせる。きちんとアンボタンマナーを覚えたことさえなぜか妙に腹立たしい。
「ちょ……忍っ……まだ俺シャワーも浴びてないからっ……」
「いいよ。ほら、大人しくして。今日1日頑張ったご褒美だ」
 じたばたと抵抗する瞬を抑え込み、シャツもスラックスも剥いでしまう。ほどいたネクタイで手首を縛った忍に、瞬が恐々と視線を向けた。
「いい子だ。今日は夕食はいいよ。僕は君を食べ尽くしたいから」
指先がじわじわと乳輪を嬲る。次第に濡れていく吐息にクスッと笑った。唇を寄せて、感度を高めてやった乳首を舌で転がしてやると、瞬が堪えきれずに啼き声をあげて身を捩る。こんなにすぐに色めいた姿を見せるようではと思いながらも、愛しく思ってしまうのも事実だ。軽く歯を立ててやると、びくっと背中が撓った。
指先を挿し込み、解すようにくるりと動かす。
「ん……んぁっ……し、忍、なんで……」
涙目でこちらを見た瞬の瞼を唇でなぞる。
「君が可愛すぎるのがいけない。僕のものだとしっかり体に教えておかないと僕も気が済まないよ」
先走りを溢れさせ始めた瞬のものを眺めて、徐に懐から小さなリングを取り出す。きつく根本を止めてやると、瞬が涙をこぼした。
「なんで……っ、これ、俺嫌いなのにっ……」
「すぐにイかれては困るからね。ドライも覚えた事だし、気を失うまで可愛がってあげる。……crawl、できるね……?」
忍のコマンドに、瞬が唇を噛む。crawlやpresentなどの羞恥の強いコマンドは今まで忍は命じてこなかったのに。従いたくないのに従いたい、矛盾した二つの感情の狭間で震える腕で四つん這いの姿勢をとる。涙目で振り返った先で、忍がゾクっとするような冷たい視線を向けてくる。
 サディスティックな笑みを浮かべている忍というのは普通の関係ではまず見ることはなく、顔立ちが整っているが故に冷気を帯びたような色気が滲んだその表情にはSubだからという前提を抜きにしても毎度言葉が出なくなる。体の芯からじわじわと痺れるように快感が湧き上がる。
「……Present」
「……っ、嘘……」
「瞬……? できないの?」
冷ややかに見下ろされ、瞬がごくりと生唾を飲む。
従いたい……この人が飼い主なのだと本能が忍を求めている。
ゆっくりと手を伸ばし、尻を割り開いてこれから受け入れるそこを晒す。恥ずかしさでおかしくなりそうなのに、確実に満たされている自分に愕然とする。
忍が口角を上げる。指先がひだを確かめるようにそっとなぞる。
「……偉いね。とても綺麗だよ」
言うなり覆い被さってくる忍の体温に瞬が熱い吐息を漏らした。
脇腹や内腿、皮膚の薄いところを狙って舌で執拗に刺激を与える忍に、瞬が乱れ始める。力の抜けてしまった腕が忍を押し除けようと弱々しく抗うのを体重をかけて抑え込む。じっとりと背筋を舐め上げられた瞬の全身に鳥肌が立つ。何度も繰り返してやると、次第に体からさらに力が抜けていく。されるがままになってしまった瞬に微笑んで弱いところを隈なく攻め立てる忍に、瞬の口からは止まることのない嬌声が漏れた。挿し込まれた指が内壁を撫で、体液を絡めて濡れた音を立てる。
「グズグズじゃないか。こんなに蕩けるようになって……悪い子だな」
濡れた吐息を堪えている瞬の耳元に囁いて、そっと舌を差し込み嬲る。堪え兼ねて首を捻ろうとする瞬のおとがいを抑えてわざと音を立てると、その身が震えたのがわかった。
「耳は、やだっ……あっ……んんぅっ……や、だっ……」
耳介にそって舌を這わせ、囁きに吐息を含ませさらに弄ぶ。
「好きなんじゃないか……君が耳責めに弱いのはもうバレてるんだ、諦めてもっと濡れてごらん」
「あぅ……んっ……だめっ……」
「ほら……もう3本も入ってるのにトロトロだから痛くもないだろう?」
ぐるりと中をまさぐられて、瞬が身を捩る。
ぐちゅっと濡れた音が響く。指を巧みに動かし、前立腺を掠めては外す。焦らすような忍の指遣いに瞬の理性が崩れ始める。
「そこじゃないっ……」
懇願するようなおねだりに忍が意地の悪い顔をする。
「知っているよ? 君の弱いところは全部知ってる。どうして欲しいの? 瞬は」
「もう……挿れてぇっ……」
切ない声で悶える瞬に、忍がさすがに余裕をなくす。腰を引き上げ、ゆっくりと貫く。それだけでイってしまった瞬を追い立てるように腰を振る忍に、感度が上がりすぎた瞬が逃げようとするのを引き戻して執拗に良いところを抉る。
「あっ……あっん……っ、やだっ……怖い……っ」
「……どうして?」
首筋にいくつも所有印を刻みつける。僕のものだと独占欲を露わにする忍に、瞬が息も絶え絶えに縋り付く。
「き……っ、気持ち良すぎて……怖いぃっ……」
泣きながらのその声にこれ以上ないほど煽られてしまう。さらに質量を増した忍のものが絡みついてくる瞬の内壁をいつになく強く突くのに、瞬の体が無意識のうちに快感から逃れようと立たない腰で這いずるのを、足首を掴んで引っ張り戻す。
「無理……もう無理っ……」
閉じられない唇から唾液を流した瞬を寝バックで貫き直す。撓る背を指先でなぞり、さらに所有印を刻みつけた。
ようやく瞬が解放されるころには、瞬の体には無数の痕が散っていた。
啼き過ぎて喉が枯れた瞬に忍がミネラルウォーターを持ってきてやる。喉を鳴らして一気に飲み干す瞬の髪を撫でた忍の方は、あれほど攻め抜いたというのに平然と立っているのを恨めしそうに見上げたその顔が不意に赤くなる。
ここまで乱れてしまったのは初めてだ。熱が引くと同時に嫌でも己の痴態や羞恥を煽るコマンドが蘇り、居た堪れない顔になってしまう。顔を背けて背を向けた瞬に忍が疑問符を浮かべた。
「どうしたの?」
「なんでもねぇよ馬鹿っ……」
瞬は羞恥や緊張ですぐに肌が染まる。雄弁なその色を眺めた忍が困ったなと口元を釣り上げた。
(どうしような……ムラムラしてくる……)
首をなぞって肩を抑え、引き戻す。また押し倒された瞬が悲鳴のような声を上げた。
「もう無理だから! 今日は本当にもう……!!」
「大丈夫だよ、君は啼いていればそれでいいから」
「そういう問題じゃ……あぁっ……」




 否応なしに2回戦に持ち込まれた瞬を気絶するまで貪り切った忍が、反応のない瞬の体を指先でなぞりながら反省する。
 もともとそんなに絶倫ではなかったはずなのだが、瞬と寝るようになって確実に回数も頻度も増えている。それこそ瞬には自慰をする暇さえないだろう。
(ほどほどにしてあげないとな)
 さすがに出社初日にここまで抱き潰してしまうつもりはなかった。ごめんね、と呟いてそっと額にキスを落とす。束縛の証が無数に散った瞬の姿がただただ愛おしい。

 照明を落として瞬とともに布団を被る。柔らかな髪を撫でて、抱き寄せたまま眠りについた。

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