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11 最終話
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「あ、何かヤバいかも…。」
それは授業中に突然に来た。こんな時に限って忠臣と一緒じゃない授業だ。
『ヒート来そう。先に帰る。』
メッセージを送って荷物をまとめる。後ろのドアからそっと出ると息を切らした忠臣が立っていた。
「ヒート来るのか?大丈夫か?」
「うん。来そう。俺いつも急なんだ。」
「そうか。もう匂う。凄いな。」
忠臣は興奮しているようだ。もうそんなに匂うのか。いつもなら焦って帰るけど今日は忠臣がいる。忠臣が守ってくれるから全然焦りがない。
「何だよその落ち着きは。俺の方がヤバい。雅人、早く帰ろう。」
周りから俺を隠して抱えるように外に出た。学校を出た途端横抱きにされる。忠臣のマンションはすぐそこだ。早足に向かう。
「あーヤバい。すごい匂うな。良い匂いだ。興奮して俺が射精しそうだ。」
部屋に着くとそのまま寝室に連れて行かれベッドの上にそっと置かれた。忠臣がすぐにのしかかってくる。今日は結構汗かいたからシャワーを浴びたい。
「なぁ、忠臣。シャワー…」
「はぁはぁ、無理だ。もう挿れたい。中に出したい。」
「あっ、ちょっと、んんっ!」
キスされてすぐに舌が入ってくる。はぁ、気持ちいい…。
「あぁ、匂いが濃くなった。堪らないな。やっと雅人と番になれる。」
ちゅう、と首筋にキスされて甘噛みされる。あ、何かダメだ…ゾクゾクする。
服を脱がされて鎖骨にしゃぶりつき乳首を吸われる。いつもよりも性急な愛撫だ。
「あっ!あぁ、あぁ、気持ちい…」
「はぁ、気持ちいいか?後で死ぬほど可愛がってやるからもう挿れさせてくれ。」
『我慢できない』と言って下を脱がされて尻の穴をなぞられた。
「ひゃ!あっ、あーっ!」
「すごいな、トロトロだぞ。はぁ、挿れるな?」
忠臣のアレも凄いことになっている。反り返って涎を垂らしている。じゅぷん、と勢いよく入ってきた。
「あっあっ!すごいっ!好き、好き、忠臣っ!イクーーーっ!」
「くぅーーっ!ダメだ雅人、良すぎる…。」
挿れただけでお互いイッてしまった。
「もっとだ、雅人、雅人、好きだ。俺の雅人っ!」
容赦なく腰を打ち付けてきた。その間もずっと中で出されているのが分かる。
「すごい、すごい、ずっと出てるっ!気持ちいいっ!」
「はぁ、あぁ、止まらない。くっ、はっ、雅人っ!射精がっ!あっ、止まらないっ!」
「イクっ、忠臣イク、好き、好き、あーーーっ!」
「好きだ、雅人っ!はぁ、噛むぞっ、噛むぞっ!」
激しく中を掻き混ぜながら頸に歯が当てられたのが分かった。
くる…。
ぶつりと歯が刺さる。そのままぐっと噛まれた。目の前がチカチカする。もの凄い快感が電気のように身体を走った。ビクビク痙攣する身体を忠臣に後ろからぎゅっと抱きしめられた。
「あーーっ!あーーーっ!好きっ好きっ、あーーーっ!!」
「うーーっ、ぐっ!んぐぅ!」
訳も分からず、喘く事しかできない。忠臣も頸に噛み付いたまま射精し続けている。気持ちよくておかしくなりそうだった。
♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎
どのくらいセックスし続けたんだろう。気が付いた時は真夜中だった。
「雅人?大丈夫か?」
「あ、うん。今何時?」
「0時半」
大学は二限目の途中で早退したから十二時間以上経ったのか。忠臣がペットボトルの水を飲ませてくれた。
「何か食べられそうか?」
「うん。…なぁ、俺たち番になれたの?」
「ん?あぁ。見せてやりたいところだけど激しく噛みすぎて…。悪い。興奮してよく分からなくなった。」
頸に触れるとガーゼのようなものが付いている。少しヒリヒリもする。
「ヒート終わったら医者に行くか。化膿したらマズイし。痛いか?ごめんな?」
心配そうな忠臣が俺の頸を優しく撫でた。
「いや、番になれたならいいよ。俺も訳わかんなかった。」
「凄かったな。めちゃくちゃ良かった。」
ちゅっちゅっとキスされる。あ、ヤバい…。キスはダメだ。
腹の奥がじゅわっとした。
「雅人、おまえ…。はぁ。」
ガバッと俺の上にのしかかってきた忠臣の目はギラギラして怖いくらいだ。でもその目を見たらさらに身体が熱くなる。
「すげーフェロモン。堪んない。雅人、するぞ。」
「あ、して。忠臣して。中に出して。」
「雅人っ!」
キスしながら性急に挿入してきた。腰をがっしり捕まえられてパンパン音がするくらい穿ってくる。
「あっ、あっ、あぁ、んっ、はぁ、気持ちっ!」
「雅人っ!はぁ、可愛い…可愛い、はぁ、あぁ。」
「イクっ!忠臣、あ、あっ!好きっ!あーーっ!」
「やばっ!めちゃくちゃ気持ちいいっ!雅人好きだっ!うぅーっ!はぁっ!」
♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎
気が付いた時は朝だった。
今はベッドの上でゼリー飲料を飲まされている。身体は怠いけど心は満ち足りている。
これが番うって事か…。嬉々として俺の世話をしている忠臣を眺めた。
「雅人、食えるうちに食っとけ。あと五日くらいは続くからな。」
幸せそうに俺を抱きしめて口の中に切ったバナナを入れてくる。
「ありがと。」
「ん。可愛いな。はぁ、可愛い…。」
バナナを食べさせながら顔中にキスしてくる。た、食べづらいっ!
「可愛いって…。そんな事ねーだろ。」
「可愛いしかないだろ。俺の番…あー可愛い。可愛い過ぎる。」
忠臣には可愛く見えるのか。不思議だな、番いって。
アルファとオメガにしか分からない関係。でも強固で甘い素晴らしい関係だ。まさかこんな気持ちを味わえるなんて。あんなにオメガが嫌だったのに。
でもこっちの世界も悪くない。
忠臣を見てると俺にはアルファは無理だと思う。マメじゃないいし、面倒くさがりだし、強くないし、優しくないし…。俺はどう考えてもオメガだな。
そうか、なるべくしてなったんだ。
でもまぁオメガも悪くない…。
幸せそうに俺にキスする忠臣を見てそう思った。
~fin.~
最後までお読みいただきありがとうございました。
リクエストがあれば番外編やっちゃいます!
それは授業中に突然に来た。こんな時に限って忠臣と一緒じゃない授業だ。
『ヒート来そう。先に帰る。』
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「ヒート来るのか?大丈夫か?」
「うん。来そう。俺いつも急なんだ。」
「そうか。もう匂う。凄いな。」
忠臣は興奮しているようだ。もうそんなに匂うのか。いつもなら焦って帰るけど今日は忠臣がいる。忠臣が守ってくれるから全然焦りがない。
「何だよその落ち着きは。俺の方がヤバい。雅人、早く帰ろう。」
周りから俺を隠して抱えるように外に出た。学校を出た途端横抱きにされる。忠臣のマンションはすぐそこだ。早足に向かう。
「あーヤバい。すごい匂うな。良い匂いだ。興奮して俺が射精しそうだ。」
部屋に着くとそのまま寝室に連れて行かれベッドの上にそっと置かれた。忠臣がすぐにのしかかってくる。今日は結構汗かいたからシャワーを浴びたい。
「なぁ、忠臣。シャワー…」
「はぁはぁ、無理だ。もう挿れたい。中に出したい。」
「あっ、ちょっと、んんっ!」
キスされてすぐに舌が入ってくる。はぁ、気持ちいい…。
「あぁ、匂いが濃くなった。堪らないな。やっと雅人と番になれる。」
ちゅう、と首筋にキスされて甘噛みされる。あ、何かダメだ…ゾクゾクする。
服を脱がされて鎖骨にしゃぶりつき乳首を吸われる。いつもよりも性急な愛撫だ。
「あっ!あぁ、あぁ、気持ちい…」
「はぁ、気持ちいいか?後で死ぬほど可愛がってやるからもう挿れさせてくれ。」
『我慢できない』と言って下を脱がされて尻の穴をなぞられた。
「ひゃ!あっ、あーっ!」
「すごいな、トロトロだぞ。はぁ、挿れるな?」
忠臣のアレも凄いことになっている。反り返って涎を垂らしている。じゅぷん、と勢いよく入ってきた。
「あっあっ!すごいっ!好き、好き、忠臣っ!イクーーーっ!」
「くぅーーっ!ダメだ雅人、良すぎる…。」
挿れただけでお互いイッてしまった。
「もっとだ、雅人、雅人、好きだ。俺の雅人っ!」
容赦なく腰を打ち付けてきた。その間もずっと中で出されているのが分かる。
「すごい、すごい、ずっと出てるっ!気持ちいいっ!」
「はぁ、あぁ、止まらない。くっ、はっ、雅人っ!射精がっ!あっ、止まらないっ!」
「イクっ、忠臣イク、好き、好き、あーーーっ!」
「好きだ、雅人っ!はぁ、噛むぞっ、噛むぞっ!」
激しく中を掻き混ぜながら頸に歯が当てられたのが分かった。
くる…。
ぶつりと歯が刺さる。そのままぐっと噛まれた。目の前がチカチカする。もの凄い快感が電気のように身体を走った。ビクビク痙攣する身体を忠臣に後ろからぎゅっと抱きしめられた。
「あーーっ!あーーーっ!好きっ好きっ、あーーーっ!!」
「うーーっ、ぐっ!んぐぅ!」
訳も分からず、喘く事しかできない。忠臣も頸に噛み付いたまま射精し続けている。気持ちよくておかしくなりそうだった。
♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎
どのくらいセックスし続けたんだろう。気が付いた時は真夜中だった。
「雅人?大丈夫か?」
「あ、うん。今何時?」
「0時半」
大学は二限目の途中で早退したから十二時間以上経ったのか。忠臣がペットボトルの水を飲ませてくれた。
「何か食べられそうか?」
「うん。…なぁ、俺たち番になれたの?」
「ん?あぁ。見せてやりたいところだけど激しく噛みすぎて…。悪い。興奮してよく分からなくなった。」
頸に触れるとガーゼのようなものが付いている。少しヒリヒリもする。
「ヒート終わったら医者に行くか。化膿したらマズイし。痛いか?ごめんな?」
心配そうな忠臣が俺の頸を優しく撫でた。
「いや、番になれたならいいよ。俺も訳わかんなかった。」
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ちゅっちゅっとキスされる。あ、ヤバい…。キスはダメだ。
腹の奥がじゅわっとした。
「雅人、おまえ…。はぁ。」
ガバッと俺の上にのしかかってきた忠臣の目はギラギラして怖いくらいだ。でもその目を見たらさらに身体が熱くなる。
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「あ、して。忠臣して。中に出して。」
「雅人っ!」
キスしながら性急に挿入してきた。腰をがっしり捕まえられてパンパン音がするくらい穿ってくる。
「あっ、あっ、あぁ、んっ、はぁ、気持ちっ!」
「雅人っ!はぁ、可愛い…可愛い、はぁ、あぁ。」
「イクっ!忠臣、あ、あっ!好きっ!あーーっ!」
「やばっ!めちゃくちゃ気持ちいいっ!雅人好きだっ!うぅーっ!はぁっ!」
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今はベッドの上でゼリー飲料を飲まされている。身体は怠いけど心は満ち足りている。
これが番うって事か…。嬉々として俺の世話をしている忠臣を眺めた。
「雅人、食えるうちに食っとけ。あと五日くらいは続くからな。」
幸せそうに俺を抱きしめて口の中に切ったバナナを入れてくる。
「ありがと。」
「ん。可愛いな。はぁ、可愛い…。」
バナナを食べさせながら顔中にキスしてくる。た、食べづらいっ!
「可愛いって…。そんな事ねーだろ。」
「可愛いしかないだろ。俺の番…あー可愛い。可愛い過ぎる。」
忠臣には可愛く見えるのか。不思議だな、番いって。
アルファとオメガにしか分からない関係。でも強固で甘い素晴らしい関係だ。まさかこんな気持ちを味わえるなんて。あんなにオメガが嫌だったのに。
でもこっちの世界も悪くない。
忠臣を見てると俺にはアルファは無理だと思う。マメじゃないいし、面倒くさがりだし、強くないし、優しくないし…。俺はどう考えてもオメガだな。
そうか、なるべくしてなったんだ。
でもまぁオメガも悪くない…。
幸せそうに俺にキスする忠臣を見てそう思った。
~fin.~
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