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「先生、樹里がつわりで全然食べないんです。」
「少しは食べてるよ。果物とか…ゼリーとか。今日はプリン少しも食べたし…。」
「それだけだろ?お腹に子どももいるのに…。おまえが死んだら…。」
「慎一郎は大げさだなぁ。死なないよ。」
「あはは、旦那さん。死なないから大丈夫ですよ。」
医者が笑って俺を見ている。
笑い事じゃない。樹里は最近、果物くらいしか食べない。しかもほんの少しだけだ。
つわりで気持ち悪くて夜もぐっすり眠れないみたいだし…。
「お腹の子も順調です。水分は摂ってますね?」
「はい。」
樹里は先生がくれたエコー写真を嬉しそうに見ている。
「樹里…、うぅ、う、」
「え?何で泣いてるの?」
「俺が代わってやりたい。樹里、ごめんな。」
「大丈夫だから。樹貴の時もそうだったし。」
樹里が俺の背中を優しく撫でる。
樹貴の時もつわりが酷かったんだな。それを一人で…。
「う、うぅ、…樹里、樹里ぃ、うっ、」
想像しただけで涙が止まらなくなる。
「旦那さん、ずっと続く訳じゃないから。それにあなたが泣いてもどうにもなりません。とにかくしっかり番いさんを支えてあげて下さい。」
診察室で号泣する俺に医者がピシャリと言った。
何とか泣き止んで待ち合い室で会計を待つ。
ふと見渡すと男のオメガとその番いばかりだ。
男オメガの専門医って言ってたしな。
どのカップルもアルファがオメガにべったりくっついている。中には周りのアルファに威嚇しているやつもいる。
バカだな。誰がおまえのオメガに手を出すんだよ。
それにしても俺の樹里が一番可愛いな。
スラリとして整った顔をしている。それだけじゃなく楚々とした雰囲気で品がある。
あのアルファ、さっきからこっちを見てるな。
俺のオメガを勝手に見るんじゃない!俺は抱き込むようにして樹里を隠した。
右隣のカップルは四人目の子どもを妊娠しているらしい。アルファがオメガの腹に手を当ててうっとりしている。時々頬にキスしたりしている。
左は初めての子どものようだ。歳の差カップルか…。
オメガのことをあーたんと呼んでいる。いい歳した大人がキモいな。
あーたんにぎゅっと抱きついて首筋に顔を埋めている。
みんな人前でイチャイチャしまくってる。番いだから仕方ない。
まあとにかく俺の樹里が一番だな。
少し痩せてしまった隣の樹里をじっと見つめる。
「ん?何?」
「いや、樹里が一番可愛いなって。」
「は?何言ってんの。全く…」
照れて下を向いてしまった。
はぁ、もうめちゃくちゃ可愛い。
抱き寄せて耳や頬にキスをしたら怒られた。
俺の親にも報告して樹里の体調が良くなったら会うことになった。
正直に言うとオメガとの結婚は反対しているが、子どもが二人もいるのだから仕方がないと言っている。
別に許してくれなくてもいいし、樹里を傷付けたりするようなら縁を切るつもりだ。
俺は大学の同級生と起業しているから金には困らない。祖父から譲り受けた遺産もある。
今年大学を卒業した後はフルリモートで仕事をする予定だ。
樹里と子育てしながらずっと一緒に過ごすのだ。
「樹里、夕飯は何何いい?」
「うーん、何かさっぱりしたものが良いな。」
「分かった。買い物に行ってから樹貴を迎えに行くから。」
「うん。ありがとう。何から何までごめんね。」
「謝るなよ。俺は今すごく幸せなんだ。」
「ふふ。」
照れたように樹里が可愛く笑う。その顔を見るだけで勃起する。
樹里の体調が良くないのと妊娠初期なのでしばらくセックスしていない。
再開してからは毎日してた。今でもすごくしたいけど我慢だ。
でもちょっとイチャイチャするくらいなら…。
そう思って樹里が座っているベッドに入り込んだ。
「え?」
「しないけど、ちょっとだけイチャイチャしたい。」
「もう…。」
まんざらでもなさそうだ。
恥ずかしそうに頬を染めている。
妊娠するとフェロモンがでなくなるけど樹里からはほんのりと良い匂いがする。
首筋に顔を埋めて思いっきり吸い込んだ。
「はぁ、堪んないな。くらくらする。」
「何?」
「樹里の匂い。頭から食いたくなる。」
「ええ?やだよ。」
「例えだよ。」
「ふふふ。」
いや、本気かもしれない。他のヤツに取られるくらいなら食べてしまうだろう。
誰にも渡したくない。俺だけのオメガだ。
「樹里、愛してる。」
「うん。…僕も。」
見つめ合ってどちらからともなく口付けた。
角度を変えて何度もキスをしてそっと押し倒す。
樹里の腹を撫でながらまたキスをする。
「お母さんをちょっと返してもらうぞ。」
「ふふ。僕のこと貸してるの?」
「ああ。樹貴にもこの子にもおまえのことをちょっとの間貸してるだけだ。後で全部返してもらう。」
「何それ。変なの。」
言葉とは裏腹に嬉しそうだ。
本当は思いっきりのし掛かって貪りたいが、身体が心配なので腕枕をして優しくキスをし続けた。
「少しは食べてるよ。果物とか…ゼリーとか。今日はプリン少しも食べたし…。」
「それだけだろ?お腹に子どももいるのに…。おまえが死んだら…。」
「慎一郎は大げさだなぁ。死なないよ。」
「あはは、旦那さん。死なないから大丈夫ですよ。」
医者が笑って俺を見ている。
笑い事じゃない。樹里は最近、果物くらいしか食べない。しかもほんの少しだけだ。
つわりで気持ち悪くて夜もぐっすり眠れないみたいだし…。
「お腹の子も順調です。水分は摂ってますね?」
「はい。」
樹里は先生がくれたエコー写真を嬉しそうに見ている。
「樹里…、うぅ、う、」
「え?何で泣いてるの?」
「俺が代わってやりたい。樹里、ごめんな。」
「大丈夫だから。樹貴の時もそうだったし。」
樹里が俺の背中を優しく撫でる。
樹貴の時もつわりが酷かったんだな。それを一人で…。
「う、うぅ、…樹里、樹里ぃ、うっ、」
想像しただけで涙が止まらなくなる。
「旦那さん、ずっと続く訳じゃないから。それにあなたが泣いてもどうにもなりません。とにかくしっかり番いさんを支えてあげて下さい。」
診察室で号泣する俺に医者がピシャリと言った。
何とか泣き止んで待ち合い室で会計を待つ。
ふと見渡すと男のオメガとその番いばかりだ。
男オメガの専門医って言ってたしな。
どのカップルもアルファがオメガにべったりくっついている。中には周りのアルファに威嚇しているやつもいる。
バカだな。誰がおまえのオメガに手を出すんだよ。
それにしても俺の樹里が一番可愛いな。
スラリとして整った顔をしている。それだけじゃなく楚々とした雰囲気で品がある。
あのアルファ、さっきからこっちを見てるな。
俺のオメガを勝手に見るんじゃない!俺は抱き込むようにして樹里を隠した。
右隣のカップルは四人目の子どもを妊娠しているらしい。アルファがオメガの腹に手を当ててうっとりしている。時々頬にキスしたりしている。
左は初めての子どものようだ。歳の差カップルか…。
オメガのことをあーたんと呼んでいる。いい歳した大人がキモいな。
あーたんにぎゅっと抱きついて首筋に顔を埋めている。
みんな人前でイチャイチャしまくってる。番いだから仕方ない。
まあとにかく俺の樹里が一番だな。
少し痩せてしまった隣の樹里をじっと見つめる。
「ん?何?」
「いや、樹里が一番可愛いなって。」
「は?何言ってんの。全く…」
照れて下を向いてしまった。
はぁ、もうめちゃくちゃ可愛い。
抱き寄せて耳や頬にキスをしたら怒られた。
俺の親にも報告して樹里の体調が良くなったら会うことになった。
正直に言うとオメガとの結婚は反対しているが、子どもが二人もいるのだから仕方がないと言っている。
別に許してくれなくてもいいし、樹里を傷付けたりするようなら縁を切るつもりだ。
俺は大学の同級生と起業しているから金には困らない。祖父から譲り受けた遺産もある。
今年大学を卒業した後はフルリモートで仕事をする予定だ。
樹里と子育てしながらずっと一緒に過ごすのだ。
「樹里、夕飯は何何いい?」
「うーん、何かさっぱりしたものが良いな。」
「分かった。買い物に行ってから樹貴を迎えに行くから。」
「うん。ありがとう。何から何までごめんね。」
「謝るなよ。俺は今すごく幸せなんだ。」
「ふふ。」
照れたように樹里が可愛く笑う。その顔を見るだけで勃起する。
樹里の体調が良くないのと妊娠初期なのでしばらくセックスしていない。
再開してからは毎日してた。今でもすごくしたいけど我慢だ。
でもちょっとイチャイチャするくらいなら…。
そう思って樹里が座っているベッドに入り込んだ。
「え?」
「しないけど、ちょっとだけイチャイチャしたい。」
「もう…。」
まんざらでもなさそうだ。
恥ずかしそうに頬を染めている。
妊娠するとフェロモンがでなくなるけど樹里からはほんのりと良い匂いがする。
首筋に顔を埋めて思いっきり吸い込んだ。
「はぁ、堪んないな。くらくらする。」
「何?」
「樹里の匂い。頭から食いたくなる。」
「ええ?やだよ。」
「例えだよ。」
「ふふふ。」
いや、本気かもしれない。他のヤツに取られるくらいなら食べてしまうだろう。
誰にも渡したくない。俺だけのオメガだ。
「樹里、愛してる。」
「うん。…僕も。」
見つめ合ってどちらからともなく口付けた。
角度を変えて何度もキスをしてそっと押し倒す。
樹里の腹を撫でながらまたキスをする。
「お母さんをちょっと返してもらうぞ。」
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「ああ。樹貴にもこの子にもおまえのことをちょっとの間貸してるだけだ。後で全部返してもらう。」
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