物語の中の小さな恋

 転校して不安ばかりだった僕に、千沙ちゃんが話しかけてきてくれた。
 椋 鳩十の物語が大好きな僕と千沙ちゃん。すっかり仲良くなった僕たちは、椋鳩十の物語を読みつくすほどに読んだ。
 僕には、物語を書くという、ヒミツの楽しみがあった。
 そして千沙ちゃんは、自分の将来の夢を僕に言ってくれた日から、僕の書いた物語を読んでくれるようになったんだ。
 物語がはぐくむ、幼くてちょっぴり不器用な小さな恋の物語。
 本編五章で贈ります。
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