勇者の弟子と魔王の子孫

ゆうき

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勇者の弟子編

まさかの

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「全く、親子を狙うなんて!」
 
 フェリアルの方へ向き直る。

「食事、続けなさい」

 私がそう言うと、フェリアルの親は子供達に食べさせている。

「貴方も食べなさい、あんまり食べれてないでしょ……ほら、まだまだあるし、遠慮しないで食べて」
 
 果物を見せてそう言うと、言葉が分かったのか親の方も食べ始める。

 この子が倒れたら元も子もないものね。

 しばらくして親子が食べ終える。

「まだ食べる?」

 そう言うと、親子が寄ってきて親は頭を出している。
 撫でろってことなのか?
 親フェリアルを撫でると気持ち良さそうにしている。
 どうやら懐かれた様だ。

「おぉ~、ヨシヨシ~」
「わぅ!」

 そうしていると、子供の方は膝に乗ってくる。
 可愛い……。
 私の膝の上を巡って戯れている。
 暫くフェリアル達のモフモフに癒される。

「さて、そろそろ行かなくちゃ……」
「うぅ~ん……」

 悲しそうな顔になるフェリアル達。

「それじゃあ、私はいくね……またどこかで!」

 私は歩き出すのだが……後ろからフェリアル達がついてくる。

 うーん、どうしたものか……。

「お前達、行く当てないのか?」
「うぅ? ガゥ!」

 ……分からん……。

「一緒に来たいのか?」
「ガゥ!」

 いい返事だなぁ~。

「じゃあ、これをするか……」

 魔法陣を描く。

「我が眷属、我が僕となるなら、この魔法を刻み給え……」

 そう言うと親フェリアルの身体が光に包まれる。

 暫くしてフェリアルの身体に紋様が浮かぶ。
 そうしてフェリアルが姿を変える。

 見た目13歳ほどの耳と尻尾が生えた少女が姿を表す

「ご主人、これからよろしくね」
 
 可愛らしいウィンクでそう言った。
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