215 / 363
第215話
しおりを挟む
「でも出来ることって何ですか? ダンジョンシステムは今も動いていますし、その魔天楼? っていうのも動いてるんですよね? こっちの世界から出来ることなんてたかが知れてると思うんですけど……」
「……私の目標は、この次元の穴を修復し、世界を復元させることだ。そのためにとある男を殺す必要がある……詳しくは言えん、貴様の身も危うくなるかもしれんからな」
これだけは駄目だと言われてしまえば、琉希も無理に聞き出すことはできない。
そもそも彼女の目的に関しては、好奇心こそ刺激されても、琉希の目的であるフォリアの救助には関係がないからだ。
――まあ助けてくれって言われたら考えますけど……
「全て私が原因なんだよ。私があんなものを見つけなければ、好奇心で研究しなければこんなことは起こらなかった。だから私が、私の手で全てを終わらせる……そのために今日まで生きてきた」
「貴女……案外悲しい人だったんですね」
きっと何か一つでも食い違っていたのなら、彼女はこんな終わりかけの世界で腐る人物ではなかったのだろう。
彼女が命を懸け創り上げたダンジョンシステムも、事情が事情ゆえに功罪の二面を持っているが、本来はもっと素晴らしいものになっていたはずだ。
上手く行けば今人類が抱える問題の九割以上解決できるかもしれない。それだけのことをしてのける人物が自分の罪とも言えぬ罪を背負い、仄暗い決心を胸に生きているとは、何と悲しいことだろう。
うつむく彼女の背後に回り、ゆっくりと頭に手を触れる琉希。
その感覚にびくりと体を震わせるカナリアであったが、想像していた物とは違っていたのだろう、そのまま彼女の腕を受け入れるように力を抜いた。
「……怒らないんだな。あと一言余計だぞ」
「技術や知識はあくまで存在する物、それに善悪なんてありませんよ。貴女の知識は確かに大災害を引き起こした原因かもしれませんが、それを悪用した人は恨んでも貴女を恨むことはできません」
「そう、か……」
これ以上話題に触れることも憚れ、二人の間に流れる沈黙を破ったのは琉希であった。
「ところで一ついいですか?」
「なんだ?」
「貴女嘘ついてますよね? さっき魔蝕を治す方法はないって言ってましたけど、本当は知ってますよね」
琉希の口から飛び出した言葉は、疑問ではなく断定。
確信をもってカナリアへと問いただしているのは、その真っ直ぐな目を見ても明らかだ。
確かに第一段階、即ち体表に魔力の結晶が出ている状態でも、魔力を取り入れないようにしたうえで安静にすれば、じきに吸収されてしまうのだろう。
だがそれ以外にも治療法はある。
彼女はそれを知っている上で口を噤んだと、琉希は確信していた。
「外から入った魔力が体内で悪さをしているなら、それを無理やり引っ張り出せばいいんです。体内の魔力をすべて抜き取ってしまえば肉体の変化は止まりますし、その後はいくらでも治療できるはず。実際貴女が私たちに出会った時、説明もなしに私へそれしてましたよね?」
「いや、しかし肉体の変異が起こってしまっているからな」
「それも嘘ですね」
先ほどの説明中、彼女は肉体の変異については語っていたものの、『戻せない』とは一言も発してない。
確かに嘘を吐くことは苦手であろう彼女。しかし多種多様な知識量には圧倒されるものがあり、当然それを使いこなすのに頭が回らないわけもない。
嘘を吐くのが苦手なのなら、元から言わない。
ただしすべての真実を語るわけではなく、言いにくい所は隠してしまえばいい、というわけだ。
「体内の魔力が抵抗できない程外部の魔力が増えて、その結果肉体の変異が起こったとするのなら……元々の物である体内の魔力が、外部の魔力と馴染み切ってしまう前に、外部からの魔力をすべて抜き去ってしまえば、体内の魔力に存在する記憶から、元の姿へ肉体の再変異が起こるのでは?」
当然現代社会を生きてきた琉希には、彼女の世界における魔法的な知識など皆無。
しかし先ほどカナリアが語った話に嘘などが含まれないのなら、この理論に間違いはないはず。
確信にも近い予想だ。
じっと目線を向けてきた琉希を誤魔化すことなどできないと悟ったのか、カナリアは小さくため息を吐き、ゆっくりと頷いた。
「――ああ、貴様の言う通りだ。フォリアもだが案外貴様らは聡いな」
「それなら……!」
希望が見えた。
予想は正しかった。
何故彼女が出来ないなどと嘘をついたのは理解できないが、やはりフォリアの治療方法はあった。
「それで、その治療をするのは誰なんだ?」
喜ぶ琉希へ投げかけられた疑問。
「え? それは勿論、方法を知っている貴女が……」
「無理だ、私には出来ない」
それは琉希の予想に反していた答えであった。
確かにカナリアは琉希へ、魔力を無理やり絞り出すことで魔蝕の初期段階、体表に現れた魔石を消し去ってみせた。
それは琉希自身確かに体験した物であったし、てっきりフォリアにもそれを施せば治せるとばかり思っていた。
しかし彼女は出来ないと首を振る。
こんな矛盾した話があるだろうか。いきなりすべて忘れてしまったのか?
「な、何言ってるんですか!? やってたじゃないですか!」
先ほどまで撫でていた頭を両手でつかみ、激しく振り叫ぶ琉希。
「もうやったんだよ」
しかし彼女はふざけた態度を取るでもなく、ただ淡々と語るだけであった。
「私は確かに、あの子へ治療をしたんだ。だが何を勘違いしたのか魔石を拾っていたみたいでな、魔力を抜き取った後、事前に砕いた魔石ごと爆散した」
「は!? 爆散って……は!? え!? フォリアちゃん殺したんですか? 殺しますよ?」
「わっ、私は悪くないだろ! いたたたっ!? いたぁっ!? 頭を離せ馬鹿! 殺す気か貴様!? それに死んだけど生き返った!」
治療、即ち体内の魔力をすっかり抜き去ってしまうこと。
その結果は単純。レベルが即ち体内の魔力量というのなら、魔力が空っぽになったらレベルもゼロになる。
――そうか……! フォリアちゃんは確か、あのヤバイ味の実、き、き、黄な粉の実? とかいうのを常食してましたね……!
死んだと言われて焦った琉希であったが、ふと思い出したその事実に冷静になる。
それにちょっとごつごつとした姿へ変わってしまったとはいえ、琉希は確かにフォリアが行き、動き回っていたのをその目で見ていた。
カナリアの言葉などで焦り過ぎていたのだろう。
胸をなでおろしつつ、手の内の金髪をパッと離す琉希。
「だが奇妙なことが起こったんだ。ただ生き返り、空っぽになった魔力がまた吸収されて元通りになるだけかとばかり思っていたのだが……何故か魔力の吸収が収まらず、元の数百倍にまで増えてしまったのだ。抑えることも出来ずあっという間に『魔蝕』が発症してしまってな……お前何か知らないか?」
「……っ!?」
「……私の目標は、この次元の穴を修復し、世界を復元させることだ。そのためにとある男を殺す必要がある……詳しくは言えん、貴様の身も危うくなるかもしれんからな」
これだけは駄目だと言われてしまえば、琉希も無理に聞き出すことはできない。
そもそも彼女の目的に関しては、好奇心こそ刺激されても、琉希の目的であるフォリアの救助には関係がないからだ。
――まあ助けてくれって言われたら考えますけど……
「全て私が原因なんだよ。私があんなものを見つけなければ、好奇心で研究しなければこんなことは起こらなかった。だから私が、私の手で全てを終わらせる……そのために今日まで生きてきた」
「貴女……案外悲しい人だったんですね」
きっと何か一つでも食い違っていたのなら、彼女はこんな終わりかけの世界で腐る人物ではなかったのだろう。
彼女が命を懸け創り上げたダンジョンシステムも、事情が事情ゆえに功罪の二面を持っているが、本来はもっと素晴らしいものになっていたはずだ。
上手く行けば今人類が抱える問題の九割以上解決できるかもしれない。それだけのことをしてのける人物が自分の罪とも言えぬ罪を背負い、仄暗い決心を胸に生きているとは、何と悲しいことだろう。
うつむく彼女の背後に回り、ゆっくりと頭に手を触れる琉希。
その感覚にびくりと体を震わせるカナリアであったが、想像していた物とは違っていたのだろう、そのまま彼女の腕を受け入れるように力を抜いた。
「……怒らないんだな。あと一言余計だぞ」
「技術や知識はあくまで存在する物、それに善悪なんてありませんよ。貴女の知識は確かに大災害を引き起こした原因かもしれませんが、それを悪用した人は恨んでも貴女を恨むことはできません」
「そう、か……」
これ以上話題に触れることも憚れ、二人の間に流れる沈黙を破ったのは琉希であった。
「ところで一ついいですか?」
「なんだ?」
「貴女嘘ついてますよね? さっき魔蝕を治す方法はないって言ってましたけど、本当は知ってますよね」
琉希の口から飛び出した言葉は、疑問ではなく断定。
確信をもってカナリアへと問いただしているのは、その真っ直ぐな目を見ても明らかだ。
確かに第一段階、即ち体表に魔力の結晶が出ている状態でも、魔力を取り入れないようにしたうえで安静にすれば、じきに吸収されてしまうのだろう。
だがそれ以外にも治療法はある。
彼女はそれを知っている上で口を噤んだと、琉希は確信していた。
「外から入った魔力が体内で悪さをしているなら、それを無理やり引っ張り出せばいいんです。体内の魔力をすべて抜き取ってしまえば肉体の変化は止まりますし、その後はいくらでも治療できるはず。実際貴女が私たちに出会った時、説明もなしに私へそれしてましたよね?」
「いや、しかし肉体の変異が起こってしまっているからな」
「それも嘘ですね」
先ほどの説明中、彼女は肉体の変異については語っていたものの、『戻せない』とは一言も発してない。
確かに嘘を吐くことは苦手であろう彼女。しかし多種多様な知識量には圧倒されるものがあり、当然それを使いこなすのに頭が回らないわけもない。
嘘を吐くのが苦手なのなら、元から言わない。
ただしすべての真実を語るわけではなく、言いにくい所は隠してしまえばいい、というわけだ。
「体内の魔力が抵抗できない程外部の魔力が増えて、その結果肉体の変異が起こったとするのなら……元々の物である体内の魔力が、外部の魔力と馴染み切ってしまう前に、外部からの魔力をすべて抜き去ってしまえば、体内の魔力に存在する記憶から、元の姿へ肉体の再変異が起こるのでは?」
当然現代社会を生きてきた琉希には、彼女の世界における魔法的な知識など皆無。
しかし先ほどカナリアが語った話に嘘などが含まれないのなら、この理論に間違いはないはず。
確信にも近い予想だ。
じっと目線を向けてきた琉希を誤魔化すことなどできないと悟ったのか、カナリアは小さくため息を吐き、ゆっくりと頷いた。
「――ああ、貴様の言う通りだ。フォリアもだが案外貴様らは聡いな」
「それなら……!」
希望が見えた。
予想は正しかった。
何故彼女が出来ないなどと嘘をついたのは理解できないが、やはりフォリアの治療方法はあった。
「それで、その治療をするのは誰なんだ?」
喜ぶ琉希へ投げかけられた疑問。
「え? それは勿論、方法を知っている貴女が……」
「無理だ、私には出来ない」
それは琉希の予想に反していた答えであった。
確かにカナリアは琉希へ、魔力を無理やり絞り出すことで魔蝕の初期段階、体表に現れた魔石を消し去ってみせた。
それは琉希自身確かに体験した物であったし、てっきりフォリアにもそれを施せば治せるとばかり思っていた。
しかし彼女は出来ないと首を振る。
こんな矛盾した話があるだろうか。いきなりすべて忘れてしまったのか?
「な、何言ってるんですか!? やってたじゃないですか!」
先ほどまで撫でていた頭を両手でつかみ、激しく振り叫ぶ琉希。
「もうやったんだよ」
しかし彼女はふざけた態度を取るでもなく、ただ淡々と語るだけであった。
「私は確かに、あの子へ治療をしたんだ。だが何を勘違いしたのか魔石を拾っていたみたいでな、魔力を抜き取った後、事前に砕いた魔石ごと爆散した」
「は!? 爆散って……は!? え!? フォリアちゃん殺したんですか? 殺しますよ?」
「わっ、私は悪くないだろ! いたたたっ!? いたぁっ!? 頭を離せ馬鹿! 殺す気か貴様!? それに死んだけど生き返った!」
治療、即ち体内の魔力をすっかり抜き去ってしまうこと。
その結果は単純。レベルが即ち体内の魔力量というのなら、魔力が空っぽになったらレベルもゼロになる。
――そうか……! フォリアちゃんは確か、あのヤバイ味の実、き、き、黄な粉の実? とかいうのを常食してましたね……!
死んだと言われて焦った琉希であったが、ふと思い出したその事実に冷静になる。
それにちょっとごつごつとした姿へ変わってしまったとはいえ、琉希は確かにフォリアが行き、動き回っていたのをその目で見ていた。
カナリアの言葉などで焦り過ぎていたのだろう。
胸をなでおろしつつ、手の内の金髪をパッと離す琉希。
「だが奇妙なことが起こったんだ。ただ生き返り、空っぽになった魔力がまた吸収されて元通りになるだけかとばかり思っていたのだが……何故か魔力の吸収が収まらず、元の数百倍にまで増えてしまったのだ。抑えることも出来ずあっという間に『魔蝕』が発症してしまってな……お前何か知らないか?」
「……っ!?」
0
お気に入りに追加
774
あなたにおすすめの小説
ズボラ通販生活
ice
ファンタジー
西野桃(にしのもも)35歳の独身、オタクが神様のミスで異世界へ!貪欲に通販スキル、時間停止アイテムボックス容量無限、結界魔法…さらには、お金まで貰う。商人無双や!とか言いつつ、楽に、ゆるーく、商売をしていく。淋しい独身者、旦那という名の奴隷まで?!ズボラなオバサンが異世界に転移して好き勝手生活する!
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
ブラフマン~疑似転生~
臂りき
ファンタジー
プロメザラ城下、衛兵団小隊長カイムは圧政により腐敗の兆候を見せる街で秘密裏に悪徳組織の摘発のため日夜奮闘していた。
しかし、城内の内通者によってカイムの暗躍は腐敗の根源たる王子の知るところとなる。
あらぬ罪を着せられ、度重なる拷問を受けた末に瀕死状態のまま荒野に捨てられたカイムはただ骸となり朽ち果てる運命を強いられた。
死を目前にして、カイムに呼びかけたのは意思疎通のできる死肉喰(グールー)と、多層世界の危機に際して現出するという生命体<ネクロシグネチャー>だった。
二人の助力により見事「完全なる『死』」を迎えたカイムは、ネクロシグネチャーの技術によって抽出された、<エーテル体>となり、最適な適合者(ドナー)の用意を約束される。
一方、後にカイムの適合者となる男、厨和希(くりやかずき)は、半年前の「事故」により幼馴染を失った精神的ショックから立ち直れずにいた。
漫然と日々を過ごしていた和希の前に突如<ネクロシグネチャー>だと自称する不審な女が現れる。
彼女は和希に有無を言わせることなく、手に持つ謎の液体を彼に注入し、朦朧とする彼に対し意味深な情報を残して去っていく。
――幼馴染の死は「事故」ではない。何者かの手により確実に殺害された。
意識を取り戻したカイムは新たな肉体に尋常ならざる違和感を抱きつつ、記憶とは異なる世界に馴染もうと再び奮闘する。
「厨」の身体をカイムと共有しながらも意識の奥底に眠る和希は、かつて各国の猛者と渡り合ってきた一兵士カイムの力を借り、「復讐」の鬼と化すのだった。
~魔王の近況~
〈魔海域に位置する絶海の孤島レアマナフ。
幽閉された森の奥深く、朽ち果てた世界樹の残骸を前にして魔王サティスは跪き、神々に祈った。
——どうかすべての弱き者たちに等しく罰(ちから)をお与えください——〉
転生したら赤ん坊だった 奴隷だったお母さんと何とか幸せになっていきます
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
転生したら奴隷の赤ん坊だった
お母さんと離れ離れになりそうだったけど、何とか強くなって帰ってくることができました。
全力でお母さんと幸せを手に入れます
ーーー
カムイイムカです
今製作中の話ではないのですが前に作った話を投稿いたします
少しいいことがありましたので投稿したくなってしまいました^^
最後まで行かないシリーズですのでご了承ください
23話でおしまいになります
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます(Ver.02)
京衛武百十
ファンタジー
俺の名は錬是(れんぜ)。開拓や開発に適した惑星を探す惑星ハンターだ。
だが、宇宙船の故障である未開の惑星に不時着。宇宙船の頭脳体でもあるメイトギアのエレクシアYM10と共にサバイバル生活をすることになった。
と言っても、メイトギアのエレクシアYM10がいれば身の回りの世話は完璧にしてくれるし食料だってエレクシアが確保してくれるしで、存外、快適な生活をしてる。
しかもこの惑星、どうやらかつて人間がいたらしく、その成れの果てなのか何なのか、やけに人間っぽいクリーチャーが多数生息してたんだ。
地球人以外の知的生命体、しかも人類らしいものがいた惑星となれば歴史に残る大発見なんだが、いかんせん帰る当てもない俺は、そこのクリーチャー達と仲良くなることで残りの人生を楽しむことにしたのだった。
筆者より。
なろうで連載中の「未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます」に若干の手直しを加えたVer.02として連載します。
なお、連載も長くなりましたが、第五章の「幸せ」までで錬是を主人公とした物語自体はいったん完結しています。それ以降は<錬是視点の別の物語>と捉えていただいても間違いではないでしょう。
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
クラス転移で神様に?
空見 大
ファンタジー
集団転移に巻き込まれ、クラスごと異世界へと転移することになった主人公晴人はこれといって特徴のない平均的な学生であった。
異世界の神から能力獲得について詳しく教えられる中で、晴人は自らの能力欄獲得可能欄に他人とは違う機能があることに気が付く。
そこに隠されていた能力は龍神から始まり魔神、邪神、妖精神、鍛冶神、盗神の六つの神の称号といくつかの特殊な能力。
異世界での安泰を確かなものとして受け入れ転移を待つ晴人であったが、神の能力を手に入れたことが原因なのか転移魔法の不発によりあろうことか異世界へと転生してしまうこととなる。
龍人の母親と英雄の父、これ以上ない程に恵まれた環境で新たな生を得た晴人は新たな名前をエルピスとしてこの世界を生きていくのだった。
現在設定調整中につき最新話更新遅れます2022/09/11~2022/09/17まで予定
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる