上 下
19 / 63
幼少期編

暗殺者の歓迎

しおりを挟む
私たちはその後すぐに退室して、それぞれの自室へと戻った。突然黙ってしまった私は悲しんでいると思われたのか、お母様が必死に慰めてくれた。我が母よ、ありがとう。

外で待っていたリアナがこれを見て何があったのかと聞いてきたので説明したら、ちょっと用がありますとにこやかに去っていった。きっと嫌な予感がしたのは私だけじゃない。

…そういえばお母様と言えば。なんで壁から出てきたんだろう。すっかり聞くの忘れてた。



「…まぁいいか。」



特別大事って訳でもないし。

私は頭の中の疑問を振り払い、今日の行動を考える。準備と言ったが、大前提として婚約を解消しなければならない。それはルイが私に幻滅すれば良い。しかし、だからと言ってヒロインを虐めるのはダメだ。間違いなくヒロインを傷付ける。前世の所業を教えても良いが、一番リスクが高い。笑われるのがオチか、頭を心配されるだろう。まあ、これならまだ良いが。もしも勘違いされて人殺しと言われたら真っ先に殺される。

ならば普段から私を嫌いになるようなことをしよう。



…うーん。何だろう?あれぐらいの執着となると、目が覚めるぐらいの大きな衝撃が必要だ。



「日頃から悪い印象を持たせておく?だけど、傲慢というのはダメかなぁ。絶対誰か傷付くし。」



今世のモットー。誰も傷つけず、生きる。何回確認すれば良いんだろう。



「…取り敢えず、今日は下町に行くとしますか。」



貴族のドレスから質素な服…つまり、無地のワンピースを手に取る。そして、帽子。着替えると私は早速あの通路を通って外に出た。



「…こうもあっさりだと可哀想かな?でもこれが約束だし良いよね。」



でも大きくなってきたら別の対策を考えなくてはならない。いつまでも使えるものではないから。

木々の隙間に身体を滑らせ、塀を登る。そして、完全に私は敷地から出た。



「…ここからは完全に一人だ。誰も守ってはくれない。」



今から私は庇護下にある令嬢ではなく、唯の小娘、“マリー”だ。



「…さて、行きますか。」



短い足を踏み出し、自分の為に私は動く。



***



下町へ着くと、騒々しいとも思えるぐらいの人の声で溢れている。顔を顰めたいのを必死に抑え、一つの場所へ向かっていく。



「…暗殺者ギルド“紫音シノン”。」



今回の目標はコンタクトを取ること。ただそれだけでいい。

私は賑やかな通りから外れ、暗い道を歩く。殺意の目で見てくる人が何人もいたが、私は真っ直ぐ突き当たりを目指す。絡まれないのは何でか疑問を持ったが、それに越したことはない。

前を見る。正面にはこじんまりとした家が一軒立っている。だけど…



「…違うんだよね。」



これが扉というわけではない。入り口は…右だ。

少し視線を下へ向けると、窪んだ場所がある。覗き込むと、階段があることが分かる。これが入り口だ。

石の階段を下りていく。靴の音たげが響く空間は、私の緊張を高めていくばかり。

もしも上手くいかなかったら?もしも殺されたら?

考え出したらキリがない。



「…よしっ、行こう。」



手を伸ばしたら届く距離にあるドアノブを遂に引き、私は足を踏み入れた。

まず最初に感じたのは鼻をつく血生臭さ。そして、殺意しかない空気。



「っ…」



前世なら全然平気なはずだが、やはりこの身体は慣れていない。一瞬のうちに身体は固まってしまい、指一本動かせない。



「…誰だ」

「…っわ…」



パクパクと口をさせることしかできない私はとっても滑稽に見えるのだろう。

そんな自分を幻視し、恥ずかしいと思った。怯えてばかりで何のために来た?こんなの覚悟の上だ。私は、どの存在にもおびやかされることなく、生きる為にきた。

唇を噛み、冷却していた足を動かす。情けない。笑っている前世の自分を思い浮かべる。

遂に私はギルドへ完全に入った。



「……こんにちは。」



一応挨拶をすると、なにも帰ってこない。おかしいなと首を傾げたとき、目の前に影が立ちふさがった。



「おいおい、いつからここには子供までくるようになったんだ?」



見ると、 いつのまにか黒い服で全身を包んだ男が正面に立っていた。

私は気配を感じ取れなかったことに、一瞬眉をあげる。しかし、すぐに戻しニコニコと無垢な少女を演じる。



「ここに小さな男の子は居ませんか?」

「それより貴族の嬢ちゃん、ここがどういう場所かわかってるのかな?」



その目は殺すと語っている。舐めていると思われているのだろうか。

何で私が貴族だと分かったか謎に思ったが、頷かなければ曖昧で終わる。私は質問だけに答えた。



「うん!暗殺者ギルドでしょ?しかもトップレベルの。」

「それを知ってるのか。間違ってっていうわけではないんだな。だが嬢ちゃん、なにかの依頼に来ても代償はでかいぞ?」

「違うよ。人探し。ここに男の子はいない?」

「……。」



コツコツと爪を鳴らす音が聞こえる。

苛立っている様子を見るに、私ののんびりした空気が嫌いなのだろう。私だっての時にこんな奴がいたら間違いなく殺す。それを思うにかなりコイツは感情のコントロールが上手い。

まぁ、短気なのに変わりはないけど。



「なあに?おじちゃん達、私を殺すの?」

「ここだってバレると厄介だからな。来世に期待――」

「出来ないねぇ。既に散々だから」

「はっ?」



私はさらりと振り下ろされたナイフを回避した。まさか避けられると思わなかったのか、男は固まっている。致命的な隙ですよ?



「…はっ」



息を吐き、懐へ潜り込む。そして――



「ぐぅっっ」



大袈裟なくらい男が吹っ飛んだ。私の手にはキラリと光る刃。暗闇の中ではやけに目立つ。しかし、その先にはねっとりとした血がついていた。何のというのは子供でもわかる。



「…貴様…リーダーを!!」



リーダーというのは先程の男だろう。奥にあった気配が一つ消えたのを感じ取る。そして、次の居場所は…私の背後。



「と見せかけて上なんて面白いね、おじさんたち。」

「!?」



すっと気配を感じさせることなく降りてきたナイフを跳ね返し、バックステップ。距離をとると信じられないものを見たというような目を向けられる。



「…お前は…何者だ!?」



叫び声がうるさくて耳を塞ぐと、限界までつり上がった目が見えた。あれだ、舐めてるって思われてるね。ごめんよ、ならさっさとさ攻撃やめてくれない?こちとら久しぶりの運動で疲れてるんだって。



溜息を吐くと、また視界の端で光が反射する。



キンっという音共に、気配が遠ざかる。息をつく間も無くナイフの攻防が繰り広げられている中、私はまた一人と気配が動くのを感じる。流石にヤバイなと思った瞬間。リーダーと呼ばれた男が立ち塞がった。同時に全ての暗殺者が止まる。

僅かな威圧を含みながら男は口を開いた。



「……お前ら、いい加減武器をしまえ。この嬢ちゃんは見かけより強いらしい。無駄死にする前に引け。」



その言葉に逆らえないのか、暗殺者たちはすぐに元いた席へ戻った。

リーダーが近づいてくる。



「さて、問おう。嬢ちゃん、お前は何者だ?」

「…私はマリー。ただの一般市民です」



嘘の自己紹介をすると、鼻で笑われれる。ムカつく野郎だな。



「…はっ、プロでも及ばない実力と濃い殺意を纏わせて白々しい。何処かの暗殺者なんだろう。」



ううん?何か勘違いしていないか?まあ、実力については前世で培ってきたものとしか言いようがないんだけど。

というか殺意って言っていたな。私出している自覚ないんですが。



「…あの、少なくとも暗殺者ではないですよ?っていうか、ここに小さな男の子はいませんか!?」

「…その前に」



ぐいっと腕を掴まれる。あの、私何かしました?



「なんでお前みたいなのがここを分かったのか聞かせてもらおうか。」



奥を見ると、再び立ち上がった暗殺者たち。君たち懲りないね。私疲れたんだけど。

思わず遠い目になってしまう。さっきから何の情報も入ってこない。…もう良いや、黙って通らせてもらおう。

腕を振り払い、私は中へと足を進めた。



「なっ!」

「だから急いでるんだって。私は、男の子を探してるの。いる?」



再度聞くと、何故か男の身体がぶるりと震えた。なんで?私殺意も何も込めてないよ?



「…お前、なんでそんな堕ちた目をしてるんだ?」



一瞬言われていることが理解できなくて首を傾げたが、少しして気付く。

そうか、私は市民のふりをしているけれど



元となっているのは愛梨だ。



この空気に当てられて、前世の一端が出たのだろう。それが纏っている空気。そして目。今の私の精神全てが愛梨だから乗り移ったような感じになっでいるのだろう。



マリーベルなんて欠片もない。ただの殺人鬼しかいないのだ。



「…何でだろうね?まぁ、良いじゃん。私はただの六歳の女の子。いい?」



念を押してもう一度言うと、暗器を投げつけられた。危ないから即座にナイフで叩き落とす。

私の行動に男は特別驚いた様子もなく、フードとスカーフのわずかに空いている隙間から睨んでくる。先ほどの戦闘で私の実力の高さが分かったようだ。



「…んなわけねーだろ。お前、どこかの偵察部隊か?なら手を抜かずに全力でやるが。」



こいつ、依頼という考えは無いのか?というかもうすでに殺そうとしてましたよね?あと肝心のギーアはどこなの!

私のイライラが頂点に達しそうな時、当然誰かが私たちの間に割って入った。



「…あのさぁ、なんでも良いからさっさと話を進ませない?リーダー。もしかしたら本当に令嬢かもしれないよ?面倒ごとはゴメンっていうのはリーダーの口癖でしょ?」



口を出してきたのは私より頭一つか二つ高いぐらいの少年だった。多分歳は十歳ぐらい。ギーアの歳と一致する、と一瞬期待したが、ギーアの最大の特徴である右目下のほくろとオッドアイでないため、可能性が一瞬で潰える。



思わず落胆したのが顔に出そうになり、慌てて表情を引き締める。



私の目の前で、大きな男と顔をさらけ出しにこにことした表情の少年が互いに殺意を飛ばしている。



「お前誰に向かってそんな口を」

「実力では、僕の方が上。ここでは立場ではなく実力が上。でしょ?」



男は少年を相手に黙った。



淡々と自分のよりずっと年上を相手に意見をしていた姿は、その見た目より大分大人びていた。それもそうだ。こんな人の心なんて忘れるような場所にいるんだから。そもそも暗殺者になるには相当の過去、または覚悟が必要だ。



この少年も何かしらの過去を持っているのだろうか。前世の半分…いいや、それよりもっと短い時間しか生きていないような子が?……まあ、私が自暴自棄になり始めたのもこのくらいだったから何とも言えないんだけど。

そう軽く考えていたが、振り向かれた眼を見て私は絶句する事となる。



「……ねぇ、君だって話を聞いてもらえない人が相手なんて嫌だよね?良ければオレが聞くよ。」



さらりと振り返って少年は私に同意を求めてきた。しかし私には答えられる余裕がない。

無言で少年の瞳を覗き込む。



光がない漆黒の瞳は吸い込まれそうなぐらい闇が深い。ハイライトのない目はどこかで似たようなのを見たことがあるような気がする。結論はすぐに出た。



――前世の私だ。



生きていくことを諦めて全てを投げ捨てたときの、現実に絶望した目をしている。

思わず腕を掴む。考えついたのは余計なお節介だろう。だが、私はこの少年をほっておけない。どこか…私に似ているから。幼い時に現実に絶望したような姿が。すべてを投げ出した様な姿が。

驚いたように目を丸くする少年に、私は真剣な視線を向けた。



「今日来た件についてはまた明日来る。それよりもーー貴方、暗殺者ギルドを抜ける気は無い?」



この言葉にその場にいた者全員が言葉を失った。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

お腐れ令嬢は最推し殿下愛されルートを発掘するようです~皆様、私ではなくて最推し殿下を溺愛してください~

風和ふわ
恋愛
「乙女ゲームの主人公がいないなら最推し溺愛(※BL)ルートを作ればいいじゃない!」 神から魔法の力を授かる儀式──戴聖式。 傲慢我儘令嬢と名高いディア・ムーン・ヴィエルジュは父や兄と同じ「氷魔法」を授かる……はずだった! 実際にディアが授かったのは盾や壁を実物化し、自分や他人を守護する魔法──守護魔法だったのだ。 「守護、魔法? それって……障壁……を出したりする魔法……なの? そ、それって──推しと推しを閉じ込めて……観察とか、できちゃうんじゃない!? 二次創作でよく見た、「〇〇しないと出れない部屋」とか作れちゃうんじゃない!? ……え、最高オブ最高かな??」 そこからディアは自分が乙女ゲーム「黎明のリュミエール」の悪役令嬢に転生してしまったことに気づく。 また、同じ年の戴聖式で現れるはずの主人公が現れなかったことも知らされる。 主人公がいなければ、物語にハッピーエンドはない。 「そうだわ、主人公がいないなら最推し溺愛(※BL)ルートを作ればいいじゃない! そして私は頃合いをみて殿下に円満に婚約破棄してもらって、のんびりとオタ活ライフを送るのよ!!」 そうしてディアは最推しであり、この物語のヒロインと並ぶ主人公であるクリスをヒロインに仕立て上げることで、物語をハッピーエンドに導く作戦を考えたのだった……。 *** 表紙イラスト:いよ。様(@iyosuke_114)

乙女ゲームに転生したらしい私の人生は全くの無関係な筈なのに何故か無自覚に巻き込まれる運命らしい〜乙ゲーやった事ないんですが大丈夫でしょうか〜

ひろのひまり
恋愛
生まれ変わったらそこは異世界だった。 沢山の魔力に助けられ生まれてこれた主人公リリィ。彼女がこれから生きる世界は所謂乙女ゲームと呼ばれるファンタジーな世界である。 だが、彼女はそんな情報を知るよしもなく、ただ普通に過ごしているだけだった。が、何故か無関係なはずなのに乙女ゲーム関係者達、攻略対象者、悪役令嬢等を無自覚に誑かせて関わってしまうというお話です。 モブなのに魔法チート。 転生者なのにモブのド素人。 ゲームの始まりまでに時間がかかると思います。 異世界転生書いてみたくて書いてみました。 投稿はゆっくりになると思います。 本当のタイトルは 乙女ゲームに転生したらしい私の人生は全くの無関係な筈なのに何故か無自覚に巻き込まれる運命らしい〜乙女ゲーやった事ないんですが大丈夫でしょうか?〜 文字数オーバーで少しだけ変えています。 なろう様、ツギクル様にも掲載しています。

モブ令嬢ですが、悪役令嬢の妹です。

霜月零
恋愛
 私は、ある日思い出した。  ヒロインに、悪役令嬢たるお姉様が言った一言で。 「どうして、このお茶会に平民がまぎれているのかしら」  その瞬間、私はこの世界が、前世やってた乙女ゲームに酷似した世界だと気が付いた。  思い出した私がとった行動は、ヒロインをこの場から逃がさない事。  だってここで走り出されたら、婚約者のいる攻略対象とヒロインのフラグが立っちゃうんだもの!!!  略奪愛ダメ絶対。  そんなことをしたら国が滅ぶのよ。  バッドエンド回避の為に、クリスティーナ=ローエンガルデ。  悪役令嬢の妹だけど、前世の知識総動員で、破滅の運命回避して見せます。 ※他サイト様にも掲載中です。

ヤンデレお兄様に殺されたくないので、ブラコンやめます!(長編版)

夕立悠理
恋愛
──だって、好きでいてもしかたないもの。 ヴァイオレットは、思い出した。ここは、ロマンス小説の世界で、ヴァイオレットは義兄の恋人をいじめたあげくにヤンデレな義兄に殺される悪役令嬢だと。  って、むりむりむり。死ぬとかむりですから!  せっかく転生したんだし、魔法とか気ままに楽しみたいよね。ということで、ずっと好きだった恋心は封印し、ブラコンをやめることに。  新たな恋のお相手は、公爵令嬢なんだし、王子様とかどうかなー!?なんてうきうきわくわくしていると。  なんだかお兄様の様子がおかしい……? ※小説になろうさまでも掲載しています ※以前連載していたやつの長編版です

悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!

ペトラ
恋愛
   ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。  戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。  前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。  悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。  他サイトに連載中の話の改訂版になります。

見ず知らずの(たぶん)乙女ゲーに(おそらく)悪役令嬢として転生したので(とりあえず)破滅回避をめざします!

すな子
恋愛
 ステラフィッサ王国公爵家令嬢ルクレツィア・ガラッシアが、前世の記憶を思い出したのは5歳のとき。  現代ニホンの枯れ果てたアラサーOLから、異世界の高位貴族の令嬢として天使の容貌を持って生まれ変わった自分は、昨今流行りの(?)「乙女ゲーム」の「悪役令嬢」に「転生」したのだと確信したものの、前世であれほどプレイした乙女ゲームのどんな設定にも、今の自分もその環境も、思い当たるものがなにひとつない!  それでもいつか訪れるはずの「破滅」を「回避」するために、前世の記憶を総動員、乙女ゲームや転生悪役令嬢がざまぁする物語からあらゆる事態を想定し、今世は幸せに生きようと奮闘するお話。  ───エンディミオン様、あなたいったい、どこのどなたなんですの? ******** できるだけストレスフリーに読めるようご都合展開を陽気に突き進んでおりますので予めご了承くださいませ。 また、【閑話】には死ネタが含まれますので、苦手な方はご注意ください。 ☆「小説家になろう」様にも常羽名義で投稿しております。

完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい

咲桜りおな
恋愛
 オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。 見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!  殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。 ※糖度甘め。イチャコラしております。  第一章は完結しております。只今第二章を更新中。 本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。 本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。 「小説家になろう」でも公開しています。

おデブな悪役令嬢の侍女に転生しましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます

ちゃんゆ
恋愛
男爵家の三女に産まれた私。衝撃的な出来事などもなく、頭を打ったわけでもなく、池で溺れて死にかけたわけでもない。ごくごく自然に前世の記憶があった。 そして前世の私は… ゴットハンドと呼ばれるほどのエステティシャンだった。 サロン勤めで拘束時間は長く、休みもなかなか取れずに働きに働いた結果。 貯金残高はビックリするほど貯まってたけど、使う時間もないまま転生してた。 そして通勤の電車の中で暇つぶしに、ちょろーっとだけ遊んでいた乙女ゲームの世界に転生したっぽい? あんまり内容覚えてないけど… 悪役令嬢がムチムチしてたのだけは許せなかった! さぁ、お嬢様。 私のゴットハンドを堪能してくださいませ? ******************** 初投稿です。 転生侍女シリーズ第一弾。 短編全4話で、投稿予約済みです。

処理中です...