上 下
2 / 8

追放

しおりを挟む
ーーーー「「「は!?」」」

周囲がざわめきたつ
「....そんな..まさか無職...無職だと!?..どうなっている!?なぜ無職なんだ!?」

ミケのおっさんはワナワナと震えて無職無職とぶつぶつ言っている
あのさ、流石にそんな無職って言われると傷つくよ?俺

1人、また1人と状況を理解してゆく




ポツリと誰かが溢した
「勇者召喚は失敗.....」


刹那の静寂の後全員に激震が走る
国王はマリーカに詰め寄り罵詈雑言を浴びせるとマリーカの顔がみるみる青ざめてゆきやがて心が限界に達したのかプツリと糸が切れたように倒れてしまった


宰相のミケはというと
「おい、お前無能だと判明したお前に用は無い即刻この国から出ていきたまえ
せめてもの温情だ無能とはいえお前は巻き込まれた側。命までは取らん。」
イカれてんなこいつ....
勝手に拉致しておいて魔王軍と戦えと言っておいて使えないと分かればすぐに放り出すのか
あんた地球に行ったらブラック企業経営者のカリスマになれるぜ


「....あの子はどうなる?」


「あの子?あぁ...あのマリーカとかいう小娘か
あやつは勇者召喚に失敗したのだ。当然死罪だな
何せ今回は国宝である《神石》まで使っておいて失敗したんだ」


そうか.....そうか、そうか!!!!
俺はまだいいこういうある日突然これからの人生が変わってしまうって経験はこれで2だからまだ耐えられる。いや、一発くらいぶん殴ってやりたいけど

けどあんなに罪悪感を感じる程自分を責めたまだ15歳の少女に暴言を浴びせ続けあまつさえ殺すっておんなじ人間のやる事か?


俺が黙っているとミケの野郎が面倒くさそうに何か言いたい事でもあるのか?と聞いてくる

「....」

「なんだ!何かあるなら早く言え!勇者召喚が失敗した以上お前に構っている暇は無いんだ!金でも欲しいのか!?お?」
ミケは俺の目の前にどさりと硬貨の入った袋を投げ捨てる
成る程金はこれから大事だ。金には罪は無い勝手にくれてやると来たんだ貰ってあげようじゃないか

「お前の言うとおり出ていってやろうけど条件がある」

「条件だと?金なら今やったじゃないか!他にもなにが欲しいと言うんだ!!」


「マリーカは俺が連れてゆく」


「...!!ならん!!あの小娘は罪人だ!勇者召喚という国の存亡をかけた計画を台無しにした以上その命をもって責任は取らせなければならない!!!!
....話は以上だ....さっさと消えろ!!」


「なら勝手に連れてゆく」



「な!?」



一瞬でマリーカを連行する兵士を無力化し彼女を奪い返すとそのまま正面の扉まで移動する


「なにを....した!?お前は【無職】のハズじゃ!?」
あまりの早業にミケには理解が追い付いていないようだが
マリーカを連れて行こうとする俺を明確に敵と判断したようで側で控えていた兵士達に俺とマリーカを捕らえるように指示を出す



「俺さ、こういう追放系の異世界転移ものって何で主人公は大人しく出ていく奴らが多いんだろうって疑問だったんだよね」


「ミケ!何をグズグズしておる!こうなればあやつはも国にあだなす犯罪者だ!はよぅ捕らえんかい!」


「勿論です国王様!お前達この際生死は問わ......!?」



「殺しはしない。けれどお前らは少し人の痛みを知るべきだな」
宰相ミケの眼前に迫るのは召喚された【無職】の男の蹴り
パキョンと自分の顎の骨が砕ける音が聞こえると数メートルは吹き飛んだ後壁に激突しそのまま意識が飛ぶ
その一部始終を見ていた国王は我先にと兵士を盾に逃げ出そうとしている

まぁ、逃がす訳ないんだけど

俺は隊列を組んで国王を逃がそうとしている兵士を回り込んでかわすとそのままの勢いで低い体勢からのアッパーキックで顎を突き上げる

「がッッ!?ピゃ!?」

何とも間抜けなうめき声をあげる国王を尻目に一息でマリーカの所へ戻ると追ってくる兵士に殺気を飛ばすと城を後にした
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

【R18】異世界転生したら投獄されたけど美少女を絶頂テイムしてハーレム作って無双!最強勇者に!国に戻れとかもう遅いこのまま俺は魔王になる!

金国佐門
ファンタジー
 憧れのマドンナを守るために車にひかれて死んだ主人公天原翔は異世界召喚に巻き添こまれて転生した。  神っぽいサムシングはお詫びとして好きなスキルをくれると言う。  未使用のまま終わってしまった愚息で無双できるよう不死身でエロスな能力を得た翔だが。 「なんと破廉恥な!」  鑑定の結果、クソの役にも立たない上に女性に害が出かねないと王の命令により幽閉されてしまった。  だが幽閉先に何も知らずに男勝りのお転婆ボクっ娘女騎士がやってきて……。  魅力Sランク性的魅了Sクラス性技Sクラスによる攻めで哀れ連続アクメに堕ちる女騎士。  性行為時スキル奪取の能力で騎士のスキルを手に入れた翔は壁を破壊して空へと去っていくのだった。  そして様々な美少女を喰らい(性的な意味で)勇者となった翔の元に王から「戻ってきて力を貸してくれと」懇願の手紙が。  今更言われてももう遅い。知らんがな!  このままもらった領土広げてって――。 「俺、魔王になりまーす」  喰えば喰うほどに強くなる!(性的な意味で) 強くなりたくば喰らえッッ!! *:性的な意味で。  美少女達を連続絶頂テイムしてレベルアップ!  どんどん強くなっていく主人公! 無双! 最強!  どんどん増えていく美少女ヒロインたち。 エロス! アダルト!  R18なシーンあり!  男のロマンと売れ筋爆盛りでお贈りするノンストレスご都合主義ライトファンタジー英雄譚!

ゆったりおじさんの魔導具作り~召喚に巻き込んどいて王国を救え? 勇者に言えよ!~

ぬこまる
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれ異世界の食堂と道具屋で働くおじさん・ヤマザキは、武装したお姫様ハニィとともに、腐敗する王国の統治をすることとなる。 ゆったり魔導具作り! 悪者をざまぁ!! 可愛い女の子たちとのラブコメ♡ でおくる痛快感動ファンタジー爆誕!! ※表紙・挿絵の画像はAI生成ツールを使用して作成したものです。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

パーティーから追放され婚約者を寝取られ家から勘当、の三拍子揃った元貴族は、いずれ竜をも倒す大英雄へ ~もはやマイナスからの成り上がり英雄譚~

一条おかゆ
ファンタジー
貴族の青年、イオは冒険者パーティーの中衛。 彼はレベルの低さゆえにパーティーを追放され、さらに婚約者を寝取られ、家からも追放されてしまう。 全てを失って悲しみに打ちひしがれるイオだったが、騎士学校時代の同級生、ベガに拾われる。 「──イオを勧誘しにきたんだ」 ベガと二人で新たなパーティーを組んだイオ。 ダンジョンへと向かい、そこで自身の本当の才能──『対人能力』に気が付いた。 そして心機一転。 「前よりも強いパーティーを作って、前よりも良い婚約者を貰って、前よりも格の高い家の者となる」 今までの全てを見返すことを目標に、彼は成り上がることを決意する。 これは、そんな英雄譚。

世界で一番美少女な許嫁が勇者に寝取られた新米剣士の受難な日々

綾瀬 猫
ファンタジー
 田舎の小さな村に住む15歳の青年アルトと、少女セリナは幼馴染。  端から見ても美男子のアルトと美少女のセリナは、お似合いの二人だった。ただの幼馴染から恋人へ、そして許嫁へとなった二人は、一生に一度の『成人の義』で、それぞれの称号を手にする。  アルトは”剣士”の称号を、そしてセリナはーーーーー  望まぬ称号を授かり、勇者一行に加入する事になった美少女セリナ。そんな勇者はセリナを一目見て気に入り、身体の契りを結ぼうとするが、セリナには想い人であるアルトの存在が…………。  ※いわゆるNTRです。そしてR18ですので、18歳未満の方はご遠慮下さいませ。  官能は初めてなので拙い性描写になると思います。そして不定期更新になるかもしれませんが、宜しくお願い致します。  タイトルにある寝取られは36話からです。でも出来れば最初から読んで主人公とヒロインにある程度感情移入して貰った方が、より作品を楽しめるのではないかと思います。  レズ要素は賢者の章の”湯浴み”からです。『聖女の章』の”甘美な時を貴女と”ではより濃厚なレズシーンがあります。    いつも読者様から温かい感想を頂いております。この場をお借りしてお礼申し上げます。皆様ありがとう! ※9月より、『ノクターン ノベルズ』様にて再投稿を開始しております。誤字脱字を修正しつつ、書ききれなった話なども折り込みたいと思っておりますので、そちらも是非ご覧くださいませ。  では、時には興奮、時には悲しみと怒りが込み上げて来る若い男女の寝取られ話をご覧下さいませ。  

神速の成長チート! ~無能だと追い出されましたが、逆転レベルアップで最強異世界ライフ始めました~

雪華慧太
ファンタジー
高校生の裕樹はある日、意地の悪いクラスメートたちと異世界に勇者として召喚された。勇者に相応しい力を与えられたクラスメートとは違い、裕樹が持っていたのは自分のレベルを一つ下げるという使えないにも程があるスキル。皆に嘲笑われ、さらには国王の命令で命を狙われる。絶体絶命の状況の中、唯一のスキルを使った裕樹はなんとレベル1からレベル0に。絶望する裕樹だったが、実はそれがあり得ない程の神速成長チートの始まりだった! その力を使って裕樹は様々な職業を極め、異世界最強に上り詰めると共に、極めた生産職で快適な異世界ライフを目指していく。

異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~

夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。 しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。 とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。 エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。 スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。 *小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み

処理中です...