あと、100歩

君の側まで

君の背中を追い掛けてもう何年になるだろうか？
小さな頃から君だけを追い掛けて、君を目標に生きてきた。
それでも、君はどんなに手を伸ばしても届かない場所に居てどんどん前へ突き進んでいて本当に僕が進む道はここであっていただろうかと悩むこともあった。そんな時、君は立ち止まって今自分がどこにいるのかを示してくれた。それはとても嬉しかったが逆に申し訳なかった。たかが僕のことで君の歩みを止めてしまうのは本当に心苦しくて、足でまといな僕が居なかったら君は立ち止まることもなくもっと高みを目指せただろう。それでも、君はつまづく僕を放ってはおけないから僕がつまづく度に振り返ってくれるんだ。でも、もうそんなことはしなくてもいい。
だって、やっと君と同じ景色を見られるところまで来た。何度もつまづいて落ち込んでいる僕を、君は呆れた顔をしながらも僕がついてきていることを確認していた。でも、そんなことはしなくていい。
君が僕を待たなくても良いぐらいには、僕は成長した。今度は僕が君を支えていきたい。だから、君よりももっと強くなって君に頼りにされるようにこれからも精進していきたいと思ってるんだ。
　君が一人で隠れて泣いてるのも僕は気付いていた。だからこそ、僕は君がもっと笑顔で居られる世界を作るんだ。その為にはまず君と同じ景色を見られるようにこれからも頑張るつもりさ。まだまだ君との距離はあるけれど、それが今の僕の目標だ。


君との距離まであと──