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第三章
第42話
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ばぁん、とトリガーのようなものをひかれたあと、目の前が真っ暗になった。そしてそのあと目にしたものは……いつもの仏壇からの景色だった。
三葉が部屋の掃除をしていた。倫典はまだいるのだろう。テレビの音が聞こえる。お前は仕事いかないのか。
ん、まて。湊音! 遺骨ジュエリーも彼の首にぶら下げているぞ。そのまま学校に行ってしまったら……。
ピンポーン
……倉田だ。あいつはここに戻したってことだよな。わざとだろ。
「はーい」
倫典がいるから少し安心感はあるが……あいつは俺が今頃湊音に入って学校に行っていると思ってるから仏壇に俺が戻っていることだなんてしらないだろう。
少ししたら倉田とともに三葉、倫典もこの部屋に入ってきた。倉田はすぐさま仏壇に手を合わせる。そして俺に目を合わせた。さっきみたいに笑わないのか。
俺に背を向けてからはニコって笑って営業スマイルか、笑顔は。三葉はお茶を用意して倫典と並んで倉田を正面に座っている。
「朝早くからすいませんね、法事が入っておりまして。お時間もお作りいただきまして」
「いえ、今日は少し遅めの時間に出勤予定で……あ、その。彼も同席してもよろしいでしょうか」
倫典は会釈する。そんなに緊張するところではないだろうが。
「いえいえ、構いませんよ。こないだもいてみえたかたですよね」
「はい、三葉さんの恋人です」
お、スパッといった。男らしいなぁ~。俺がいないところでそんなカッコつけやがって。この調子でのぞいているのも楽しいなぁ。
お、墓のパンフ出した。墓の打ち合わせだな。でもだったら前もって倫典も教えて欲しかったんだが。事後報告か?
「それはそれは。確かにこんな美しいお方と私の2人一緒ですと心配ですもんね」
「もぉ、倉田さんったら」
「あなたに先にとられてしましましたか。とても悔しいですねぇ」
「あら」
微妙な空気が生まれたぞ、三葉も倫典も苦笑い、と思ったが倫典は目が真剣だ。
「三葉さんはものじゃないです。とるとらないとかじゃなくて僕を選んでもらいました」
倫典!
「おやおやおや~若いって本当いいですね、勢いがあって」
「す、すいません。大それたことを言ってしましました」
「いえいえ、ではお墓のことですが」
「はい」
ん、倉田が俺を見た。と思ったらただチラッと見ただけか。
「では皆さんでどれにするか選びましょうかね。三葉さんは大体お決まりですかね」
皆さん……その意味は。
「一応私はもう決めています。場所も和樹さん、大島家の皆さんが眠っている霊園の近く、ここの霊園をと」
お、近くに。それは助かるな、ありがとう。そこも倉田の紹介の場所なんだろうか。
「ありがとうございます。とても綺麗なところですし、若い世代の方々が今から土地だけを購入されています」
「じゃあうちが先にお墓が建つことになるんですね」
「そうではないですよ。親さんが亡くなって建てられたとか、三葉のところみたいにペットが亡くなられて立派なお墓を建てている方もいます」
なるほど、その手もあるのか。スケキヨも一緒に入れて欲しいなぁ。
「きっとご主人も喜ばれますよ」
またチラッて見た。ああ、大好きなスケキヨと後々には三葉といっしょに、って倫典は。
「もしかしたらこのお墓に倫典さんも入るかもしれませんからね」
「えっ」
何と言う話をする。不謹慎な男だな、坊主のくせに。
「すいません、不謹慎でしたね」
って優雅に出されたお茶を飲むな、倉田。倫典は三葉を見てる。
「倫典くんは、どう?」
三葉まで!
「僕は、かまいません。三葉さんの好きな人、愛した人ですし。僕も大島先生にとてもお世話になりました。反対に僕なんか一緒にお墓に入るだなんていいのかなって、て! 三葉さん。これってまさか僕……」
……。
「も、もしもの話。でもそう思ってくれてきたら和樹さんも嬉しいだろうし、歓迎してくれるだろうし、私も大人数だったら寂しくない」
……二人とも。
「いやいや、二人とも仲が良くて私が入る余地がありません。参りました。本当に失礼極まりないことを言いました。申し訳ございませんでした」
そうだ、そうだ! 倉田、お前の入る余地はねぇぞ!!!
っ!
倉田、目つきが怖い。と思ったらまた微笑んだ。しまった、この声はやつに聞こえるのか。
「それでは少し大きめのこちらのタイプがおすすめですね。もしかしたら今後ご家族も増えるかもしれませんしね」
「!!! 家族っ!!!」
二人して声合わせて驚くな。
……家族……家族……。俺と三葉の間には子供ができなかった。病院ではどちらが悪いわけではなかった。もしかしたら倫典とだったら……悔しい。でもそんなことは言ってられない。
でも三葉に似た可愛い子供見たいよなぁ。倫典に子供ができたら倫典の親たちは援助してくれないだろうか。流石に可愛い孫を見たらせめて祝金だけでもくれるんじゃないか?
「家族欲しいです。僕は新しく家族を作りたいんです。前の家とはもう離れて、僕と三葉さんでこれから築いていきたいんです」
「倫典くんっ」
なぬ! もう親とは決別するのか。それは悪くはないが、今後のことを考えて少しは仲直りした方がいいんじゃないか、俺んとこの実家も死んでるし、少しは援助があると、なぁ、三葉。
「そうね。私も倫典くんと新しく家族を作りたい。って何、倉田さんの前ですいません」
三葉?! しかも気づいたら机の下の方で手を繋いでるじゃないかっ。
「いえいえ、それはそれでいいことじゃないですか。ヤキモチ妬いてしまいます」
倉田ももう少し何とかしろよ、俺はひどい放置プレイだな!!
「和樹さんも、スケキヨも和樹さんのご家族も私の家族も私たちの家族。でも倫典くんのご家族も私の家族もよ。いくら自分たち独立するからと言って完全に切り離しちゃダメ。ちゃんと決めたらご挨拶だけはしたい」
「三葉がそういうなら、なのかなぁ。僕は嫌だけど」
お、三葉。ナイスアシスト!
「ではでは、お墓はこちらのプランにして、どうしますかね。『大島家』で作りますか? 『大森家』で作りますか?」
あっ、そこか!
三葉が部屋の掃除をしていた。倫典はまだいるのだろう。テレビの音が聞こえる。お前は仕事いかないのか。
ん、まて。湊音! 遺骨ジュエリーも彼の首にぶら下げているぞ。そのまま学校に行ってしまったら……。
ピンポーン
……倉田だ。あいつはここに戻したってことだよな。わざとだろ。
「はーい」
倫典がいるから少し安心感はあるが……あいつは俺が今頃湊音に入って学校に行っていると思ってるから仏壇に俺が戻っていることだなんてしらないだろう。
少ししたら倉田とともに三葉、倫典もこの部屋に入ってきた。倉田はすぐさま仏壇に手を合わせる。そして俺に目を合わせた。さっきみたいに笑わないのか。
俺に背を向けてからはニコって笑って営業スマイルか、笑顔は。三葉はお茶を用意して倫典と並んで倉田を正面に座っている。
「朝早くからすいませんね、法事が入っておりまして。お時間もお作りいただきまして」
「いえ、今日は少し遅めの時間に出勤予定で……あ、その。彼も同席してもよろしいでしょうか」
倫典は会釈する。そんなに緊張するところではないだろうが。
「いえいえ、構いませんよ。こないだもいてみえたかたですよね」
「はい、三葉さんの恋人です」
お、スパッといった。男らしいなぁ~。俺がいないところでそんなカッコつけやがって。この調子でのぞいているのも楽しいなぁ。
お、墓のパンフ出した。墓の打ち合わせだな。でもだったら前もって倫典も教えて欲しかったんだが。事後報告か?
「それはそれは。確かにこんな美しいお方と私の2人一緒ですと心配ですもんね」
「もぉ、倉田さんったら」
「あなたに先にとられてしましましたか。とても悔しいですねぇ」
「あら」
微妙な空気が生まれたぞ、三葉も倫典も苦笑い、と思ったが倫典は目が真剣だ。
「三葉さんはものじゃないです。とるとらないとかじゃなくて僕を選んでもらいました」
倫典!
「おやおやおや~若いって本当いいですね、勢いがあって」
「す、すいません。大それたことを言ってしましました」
「いえいえ、ではお墓のことですが」
「はい」
ん、倉田が俺を見た。と思ったらただチラッと見ただけか。
「では皆さんでどれにするか選びましょうかね。三葉さんは大体お決まりですかね」
皆さん……その意味は。
「一応私はもう決めています。場所も和樹さん、大島家の皆さんが眠っている霊園の近く、ここの霊園をと」
お、近くに。それは助かるな、ありがとう。そこも倉田の紹介の場所なんだろうか。
「ありがとうございます。とても綺麗なところですし、若い世代の方々が今から土地だけを購入されています」
「じゃあうちが先にお墓が建つことになるんですね」
「そうではないですよ。親さんが亡くなって建てられたとか、三葉のところみたいにペットが亡くなられて立派なお墓を建てている方もいます」
なるほど、その手もあるのか。スケキヨも一緒に入れて欲しいなぁ。
「きっとご主人も喜ばれますよ」
またチラッて見た。ああ、大好きなスケキヨと後々には三葉といっしょに、って倫典は。
「もしかしたらこのお墓に倫典さんも入るかもしれませんからね」
「えっ」
何と言う話をする。不謹慎な男だな、坊主のくせに。
「すいません、不謹慎でしたね」
って優雅に出されたお茶を飲むな、倉田。倫典は三葉を見てる。
「倫典くんは、どう?」
三葉まで!
「僕は、かまいません。三葉さんの好きな人、愛した人ですし。僕も大島先生にとてもお世話になりました。反対に僕なんか一緒にお墓に入るだなんていいのかなって、て! 三葉さん。これってまさか僕……」
……。
「も、もしもの話。でもそう思ってくれてきたら和樹さんも嬉しいだろうし、歓迎してくれるだろうし、私も大人数だったら寂しくない」
……二人とも。
「いやいや、二人とも仲が良くて私が入る余地がありません。参りました。本当に失礼極まりないことを言いました。申し訳ございませんでした」
そうだ、そうだ! 倉田、お前の入る余地はねぇぞ!!!
っ!
倉田、目つきが怖い。と思ったらまた微笑んだ。しまった、この声はやつに聞こえるのか。
「それでは少し大きめのこちらのタイプがおすすめですね。もしかしたら今後ご家族も増えるかもしれませんしね」
「!!! 家族っ!!!」
二人して声合わせて驚くな。
……家族……家族……。俺と三葉の間には子供ができなかった。病院ではどちらが悪いわけではなかった。もしかしたら倫典とだったら……悔しい。でもそんなことは言ってられない。
でも三葉に似た可愛い子供見たいよなぁ。倫典に子供ができたら倫典の親たちは援助してくれないだろうか。流石に可愛い孫を見たらせめて祝金だけでもくれるんじゃないか?
「家族欲しいです。僕は新しく家族を作りたいんです。前の家とはもう離れて、僕と三葉さんでこれから築いていきたいんです」
「倫典くんっ」
なぬ! もう親とは決別するのか。それは悪くはないが、今後のことを考えて少しは仲直りした方がいいんじゃないか、俺んとこの実家も死んでるし、少しは援助があると、なぁ、三葉。
「そうね。私も倫典くんと新しく家族を作りたい。って何、倉田さんの前ですいません」
三葉?! しかも気づいたら机の下の方で手を繋いでるじゃないかっ。
「いえいえ、それはそれでいいことじゃないですか。ヤキモチ妬いてしまいます」
倉田ももう少し何とかしろよ、俺はひどい放置プレイだな!!
「和樹さんも、スケキヨも和樹さんのご家族も私の家族も私たちの家族。でも倫典くんのご家族も私の家族もよ。いくら自分たち独立するからと言って完全に切り離しちゃダメ。ちゃんと決めたらご挨拶だけはしたい」
「三葉がそういうなら、なのかなぁ。僕は嫌だけど」
お、三葉。ナイスアシスト!
「ではでは、お墓はこちらのプランにして、どうしますかね。『大島家』で作りますか? 『大森家』で作りますか?」
あっ、そこか!
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