誰もが誰かに嫉妬する

麻木香豆

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第一章

第三話

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「芹香さんの伸び伸びとしたあの声。学校では見られない素の芹香さんを間近で見られて……すごく嬉しかった。彼女はいろんな人の憧れの的で、周りの男の人たちも彼女のことばかり見ていた。女の人も。みんなみんな……」

大貴くんは親から楽器屋を受け継いで店主さんになっていた。彼はバンドの中ではアイドル的存在で、女の子のファンが多く、取っ替え引っ替えの関係だった。
彼は優しい性格で、告白されたら断れないという理由で、とりあえず付き合って楽しんだら楽しんだだけで別れることが多かった。

それは彼も芹香さんがずっと好きだったからで、いつか告白したいと思っていたが、違う子から告白されてしまっていた。

海斗くんは芹香さんの幼馴染で、今は若いけど幼稚園の園長先生をしている。

彼はずっと芹香さんが好きだったようで、彼の隣には女の人がいたこともあったが、最近はいなくなってしまった。彼の理想が高すぎるため、なかなか恋愛関係に進展しなかったようだ。

芹香さんみたいな人はそこそこいない。わかるわ、私もそう思う。

柳さんも芹香さんのことが好きそうだったが、他の人たちに押されて遠慮がちで、大貴くんや海斗くんほどしゃしゃり出ない。

でもバンドの時は芹香さんとはいいコンビネーションだったなぁ……。

でもそんな芹香さんを落とした人は、誰だろう……。

「柳、久しぶりだね」
「おう、郁弥。店も残してくれてて嬉しいよ」
「ここ数年大変だったけど、みんなに助けられたよ」
「そうか……」
心なしか、柳さんが前よりも明るくなった気がする。

「あのさ、今日みんなに報告とお願いがあって……」
「帰国早々? なんだ、何だ?」
大貴と海斗は楽器を置いて、柳の元にやってきた。
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