褐色の旅人、白の国へとたどり着く

花田トギ

文字の大きさ
上 下
39 / 78
可哀そうなトゥフタ

初めての快感

しおりを挟む
「ひっ、ぐっ――!?」
 しゃぶりながら、ひくついてきた穴へとするりと指を入れると、トゥフタか腹に力を入れた。締め出されるような動きに抗って、優しく中を解していく。
「う、ぁ、や、やめっ……」
「痛いか?」
「痛くはな….い……あ、いつもと、違いすぎるっ、――こ、こんなぁ、あ、あ、あっ」
 中の膨らみの部分をつんつんつん、とつつけばそれに呼応するようにトゥフタが下半身にクル声で鳴き声をあげる。
「あー……やばい、俺も溜まってるから早く入れたくなってきたじゃないか……」
「入れるって、ほ、本気なのか?!あ、あっ、あんっ」
 指を増やしつつ、今度は胸の突起にもしゃぶりつく。蜜塗れの舌が、いつもと違う感覚らしく、トゥフタが腰をくねらせた。その動きが求愛のダンスのようで、いきり立った陰茎を穴へと合わせた。
「あ、熱いぞタシュ?!」
「ああ、興奮しているからな」
「こ、興奮!?」
「大分と慣らしたつもりだが、痛かったらいうんだぞ」
「わ、わかっ――あ、あっ、う――――うぅ―――っ」
 ゆっくりと押し開けるように挿入すると、トゥフタはタシュの頭を抱きしめた。頭の上からくぐもったうめき声が聞こえるが、痛いとは言わないのでそのままゆっくりと中へと沈めていった。
「ひっ、く、うぁっ……!」
「ほら、ゆっくり息を吐いて、吸って」
「は、はぁっ、う、動くな。動くなよ?!」
「ああ、トゥフタの中、温かいな」
「――な?!」
「ほら、俺は動いてないのに勝手に動くぞ?俺が入ってきて嬉しそうだ」
「そ、そん――んあっ!?」
 腰を持ち、最後の一突きにトゥフタがのけ反った。
「う、動くなって……!」
「でももう痛くないだろ?」
「痛くはないが……!臓器が圧迫されて口から出そうだ」
「あはは、出ないよ」
 ゆっくりとした動きで、亀頭だけを残して引き抜く。また奥までゆっくりと押し込む。何度か同じ動きを繰り返しているうちに、トゥフタの表情が穏やかになってきた。
「どうだ……?」
「よ、よくわからんが、うごいているのは分かる」
「じゃあ、これはどうだ?」
「え……?っん!んあ、ンっあ、ぅあっ」
 挿入角度を変え、腹側を擦るように突くと甘い声が漏れてくる。その声が気に入ったタシュは、何度も同じ個所を攻め立てた。連結部分の蜜がぐしゅぐしゅと泡立ってきている。
「いつもは、ここを押されて精子を出すのか?」
「そ、そうだけどっ、こん、なっ、あっ、ひっぅ」
「そんな風に甘い声を出しているのか?」
「そんなわけないだろっ!?こん、こんな、ち、違うっ」
「ほら、ここもここも、硬くなってるぞ」
「し、しらなっ、そんっあ、あぁっ!」
 シーツを握りしめ、嬌声をあげる姿が愛おしくて、その首に、胸に吸い付いた。離れた後には、薔薇の花のような跡を残した。
「ほら、口づけさせてくれ」
 覆いかぶさるようにトゥフタを包み込むと、呼吸を奪うように激しくキスをした。侵入した舌は、トゥフタの舌を引っ張り出し吸い付いていく。
「ンンっ!は、あっ、アっ、んぁっ、な、なんで、おっきくっ」
 苦しさから目元が赤くなり、潤んでいる。トゥフタを組み敷いているという高揚感でタシュは更に興奮を高めた。
「いい子だトゥフタ。しっかり受け止めてやるから、俺を離すなよ」
「な、なんだこれは……?!何かが、来るっあ、あぁっ」
「怖くない、大丈夫、俺がいる」
「いやだ、怖いっ、タ、タシュっ!」
「俺の事だけ感じててくれっ」
 腰の動きを早めると、トゥフタの好きな浅い所を刺激する。刺激するたびに、ナカがきゅうっと締め付けてくる。恐ろしいものが昇ってくるかのように、トゥフタはタシュの背中に手を回すと、力いっぱい抱きついた。
「タシュ、タシュ!ああ、ああぁっ!」
「トゥフタ、綺麗だっ」
 先に果てたのはトゥフタだった。少し経ってから、タシュも自身の精を出した。腹の中で出すと良くない気がしたので、トゥフタの腹の上に。
「……あぁ……はぁ……」
「寝起きすぐにこれは、結構疲れたかも」
「馬鹿者……」
 月の光が、綺麗なトゥフタにどろどろの液体が掛かっている様子を映し出す。美しいものは精子にまみれても美しいのだなと、なんとなく思いつつ寝そべるトゥフタの横にタシュも寝そべった。
「どうだ?これがセックスだよ。一応処女の子を相手するみたいにしたつもりなんだけど」
「……お前、何人くらい抱いたことがあるんだ?」
「それってどういう事?」
「手慣れすぎている」
「気持ちよかったって事か?」
「……言わすな、馬鹿者!」
「い、いてててっ」
 頬を膨らませたトゥフタに頬を抓られ、タシュは情けない声を上げたのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

灰かぶりの少年

うどん
BL
大きなお屋敷に仕える一人の少年。 とても美しい美貌の持ち主だが忌み嫌われ毎日被虐的な扱いをされるのであった・・・。

アルバイトで実験台

夏向りん
BL
給料いいバイトあるよ、と教えてもらったバイト先は大人用玩具実験台だった! ローター、オナホ、フェラ、玩具責め、放置、等々の要素有り

獣人将軍のヒモ

kouta
BL
巻き込まれて異世界移転した高校生が異世界でお金持ちの獣人に飼われて幸せになるお話 ※ムーンライトノベルにも投稿しています

家族になろうか

わこ
BL
金持ち若社長に可愛がられる少年の話。 かつて自サイトに載せていたお話です。 表紙画像はぱくたそ様(www.pakutaso.com)よりお借りしています。

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

貢がせて、ハニー!

わこ
BL
隣の部屋のサラリーマンがしょっちゅう貢ぎにやって来る。 隣人のストレートな求愛活動に困惑する男子学生の話。 社会人×大学生の日常系年の差ラブコメ。 ※現時点で小説の公開対象範囲は全年齢となっております。しばらくはこのまま指定なしで更新を続ける予定ですが、アルファポリスさんのガイドラインに合わせて今後変更する場合があります。(2020.11.8) ■2024.03.09 2月2日にわざわざサイトの方へ誤変換のお知らせをくださった方、どうもありがとうございました。瀬名さんの名前が僧侶みたいになっていたのに全く気付いていなかったので助かりました! ■2024.03.09 195話/196話のタイトルを変更しました。 ■2020.10.25 25話目「帰り道」追加(差し込み)しました。話の流れに変更はありません。

処理中です...