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3章 襲撃

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 すっかり日の落ちた闇の支配する村の中。家々の窓から漏れる明かりと、気配を頼りにフラッドは駆け抜けて行く。

「なにが……」
「家から出るな! 屋内で大人しくしているんだ!!」
「えっ!?」

 叫び声を聞き付け何事かと顔を覗かせた村人に、フラッドが大きな声を放つ。戸惑いながらも、すぐに扉を閉めて家の中へと戻っていった。
 ほどなくして、叫び声の出所へと近付く。そこにあった気配は複数。一つはセグドの、そしてセグドを囲むようにして、五つ六つの獣の気配を察知した。

「またコボルトか……!」
「くっ、森へ帰れよっ」
「グルルル……」

 駆けながら呟いたフラッドの耳に、セグドの焦りをにじませた声とコボルトの唸りが届いてくる。村の入口、柵を少し内に入った辺りで斧を構えたセグドと、それを囲んでジリジリと動くコボルト達の姿を捉えた。
 番兵を務める男の腕前が素人のそれでは無いのは、その構えから見てとれる。だが、それはあくまでも二、三体を追い払うことならば出来る、といった程度だろう。
 今の彼にやれる事と言えば、牽制を繰り返し自分に引き付けることで村の他の住人の元に行かれないようにすることぐらいである。
そうやって時間を稼ぎ、村の腕の立つ者が援軍に駆け付けるのを待つことでせいぜいだった。

「きゃーっ!」
「なに!?」

 しかし唐突に響いた悲鳴が、そのギリギリで保たれていた均衡を打ち破る。弾かれたように悲鳴の方向に顔を向けるセグド。その隙を、獣は見逃すはずも無かった。

「ガアアッ!!」
「っ! しまっ──」

 吠え声に気付きセグドが慌てて振り返った時には、既に魔物は地を蹴り一気に迫っていた。均衡の崩れ、それは身のこなしにも悪影響を及ぼす。
反撃態勢を取ろうとして、バランスを乱したセグドはそのまま転倒してしまう。地面に倒れ込んだ獲物目掛け、コボルトは勝利の確信と共に爪を振り下ろして……

「グゲッ」

 しかしその爪がセグドに届く瞬間は訪れない。飛び掛かったコボルトの肉体が吹き飛ばされるのと、その場に獣たちの動揺の気配が走るのはほぼ同時だった。

「ったく……昼も夜もギリギリセーフなんて、勘弁してもらいたいな?」
「あ……あんたは」
「すぐに立って構えろ。そして俺が合図したら、さっきの悲鳴の方に行くんだ」
「! わかった!」

 気抜けした声を漏らすセグドに、強い口調でフラッドが指示を出す。吹き飛ばされ地面に落ちたコボルトは、腹部に走る一筋の割れ目から血を流して、動かなくなっていた。

「グルルルッ!」
「ギリリリッ」

 仲間を倒された残りのコボルトたちが、より濃い殺気をフラッドに向けながら唸る。たった今現れた存在が、強い敵であると認識して。

「ふっ!」
「ガッ!?」

 だがコボルトたちが攻撃に移るよりも一瞬速く、フラッドが短い息を吐き出すと同時に踏み込んでいく。虚を衝かれ慌てて構えるコボルト達だったが、すぐさまフラッドは身を翻すと反対側へと駆けていった。

「ハァッ!」
「グガッ」
「今だ、セグド!」

 敵の見せる予想外の動きに翻弄され反応の遅れるコボルトの一体にフラッドは一気に迫り、すれ違い様に横薙ぎに剣を振り抜き斬り伏せた。間髪入れずセグドに声を飛ばし、行動を促す。

「お、おうっ」
「ギオオオッ」

 頷き走り出したセグドに向かい、吠えながら襲い掛かるコボルト。だがそれはフラッドの一撃によって阻まれる。

「おまえらの相手はオレだっての、よそ見するなよ」
「グググルルゥゥ……ッ」

 剣を軽く振るい、刀身に着いた血を払いながらゆっくり振り返り言うフラッド。仲間をあっという間に三体も倒された獣人たちは、最大限の殺気と警戒心を持ってフラッドと対峙していた。

* * * * *

「おぉ、セグド! 無事であったか!!」
「村長! それが、フラッド殿に助けられまして……」
「なんと!?」

 フラッドの計らいでコボルトの包囲を抜け、悲鳴の元へと急ぐセグドを村長が呼び止めた。右手には抜き身の小剣を携えた姿で。

「それよりさっきの悲鳴は!?」
「そうじゃ、恐らくはティートの家の方からと思うが……」
「なら、さっきの声はマチーナの!? 急がないと!」
「儂も行こう、老いたりとは言え何かの役には立つじゃろう!」

 言って連れ立って二人は走り出す。話に出た家に近付くと、そのすぐそばに微かな明かりに浮かぶ三つの人影を見つけた。
 一つは倒れた少年の姿。そしてその少女を庇うように立つ少女と、少女に相対してジワジワとにじり寄る獣人だった。

「マチーナ、逃げて……っ」
「ア、アタシだってヤッシュさんに育てられたんだからっ、コボルトの一体くらい!」
「グルルル……」

 怪我をしているのか起き上がれない少年──ティートの言葉に、マチーナと呼ばれた少女が語気を強めて返す。だが剣を持つ両手の震えは、少女が恐怖を押し殺して精一杯の強がりを言っていることを物語っていた。

「村長は二人を! この野郎!!」
「グオッ!?」

 二人のことを村長に任せると、セグドは雄叫びを上げながらコボルトへと突撃していく。獲物を追い詰めた状況に気を取られていたコボルトは、向かってきたセグドへの反応が僅かに遅れ一撃を受ける。

「ギァッ!!」
「チィッ、浅いっ」

 それでも獣人の身体能力は人間よりも高く、セグドの一撃は肩口を浅く斬り付けるに留まった。傷を追いながらその場を飛び退き、距離を取って四つん這いの格好にコボルトはなった。
 暗闇の中に光る眼を吊り上げ、全身から殺気を漲らせセグドたちに対峙するコボルト。

「大丈夫か、二人とも!?」
「村長……すいま、せん……」
「は、あ……っ」

 二人に駆け寄り声を掛ける村長に、ティートは苦しげな声で礼を述べ、マチーナは放心したように地面にへたり込んだ。手にしたランプでティートを照らすと、胸の辺りに血が滲んでいるのが確認できる。

「ティート、肩を貸すから立つんじゃ。家の中に避難するぞ!」
「は、はい……マ、マチーナも」
「わかっておる! マチーナ、家の中に入るんじゃ!」
「……あっ、は……はいっ!」

 ぐったりとしたティートを肩を組んで立ち上がらせながら、村長はマチーナにも言葉を掛け我に返らせる。すぐそばでは、膠着状態にあるセグドとコボルトの姿。
 今にも飛び掛かって来そうなコボルトを睨んだまま、セグドは微かに顔を横に動かして村長たちに避難を促した。

「グガアァァッ!!」

 だがその僅かな隙は、膠着を崩すきっかけとしては十分すぎる物だった。村長たちを逃がす為に微かに逸れたセグドの意識、その一瞬にコボルトが吠え猛り地を蹴って眼前の人間に襲い掛かる。

「ぐあっ!」
「セグド!!」

 繰り出された爪の一撃がセグドの腕を薙ぐ。傷は決して深くはなかったが、しかしその一撃によって手にした斧を手離してしまう。
 数歩、たたらを踏んで後退りするセグドに向けてコボルトの追撃が飛んでくる……はずだった。
だがコボルトの動きは、唐突にそこで静止する。止めを刺そうと両手を振り上げた格好のまま、背後から突き出された剣に胸を貫かれ絶命していた。

「これでおしまい、っと」
「フラッドさんっ」

 力を失った獣人の肉体が地に落ちると、そこにはフラッドが立っていた。

* * * * *

「感謝してもしきれないな、あなたには……」
「気にするな。あんなのがいちゃ、ゆっくり休めないからな」

 傷口をもう片方の手で押さえながら言ったセグドに、軽い調子でそう返すフラッド。落とした斧を拾い上げながら、村に漂っていた戦いの気配が消えていることに気付く。

「他のコボルトは?」
「さっき言ったろ。『これでおしまい』って」
「驚いたな、あんな短い間に……」

 一体一体の強さはそれほどでもないが、獣らしく群れでの戦闘では訓練をしている兵士でも手を焼くモンスター。それがコボルトだが、それを僅かな時間で全滅させたフラッドの腕前にセグドが感嘆の声を漏らした。
 見た感じ、少しばかりの返り血は付着しているものの、傷を負った様子はまったく見受けられない。少しばかり腕に覚えはあったセグドだが、それを目にして苦笑いを浮かべるしかなかった。

「無事だったか、セグド」
「あ、村長。フラッドさんのおかげでなんとか……」
「なんと。イヴァンだけではなくこの村までも……なんとお礼を言えばいいか」
「ただのお節介だ、気にしないでくれ」

 ティートの家から出てきた村長がフラッドに礼を述べていると、戦いの終わりを感じ取ったのか他の村人たちも外へと出てきていた。近くにいた者にセグドの手当てを頼み、さらに別の者にも呼び掛ける。

「村長、大丈夫ですか?」
「儂は何ともない。じゃがティートが怪我をしていてな……家の中に休ませておるから、誰か看てやってくれ」
「わかりました」

 的確な指示を村の者に出し終え、村長はフラッドへと向き直る。騒動の直後にも関わらず、既に落ち着いた様子なのはさすが村の長といった印象をフラッドは受けていた。

「ひとまずはこれで良いでしょう。後の事は我々でなんとかしますので、フラッド殿は宿でお休みくだされ」
「そうかい。それじゃ、言葉に甘えてそうさせてもらおうかな」
「夜が明けたら儂の家へとおいでいただけますかな。改めてお礼を言わせてもらいたい」
「あぁ、わかった」

 それだけ言うと村長はまだ混乱する村人たちの元へ向かって去っていく。慌ただしさの中、宿へと戻ったフラッドを血相を変えた女将が出迎えた。

「フラッドさん、無事だったんだね! 村は大丈夫なのかい?」
「あぁ。セグドともう一人、ティート……だったか? の二人が怪我はしたが大丈夫だ。まぁ、まだ少しバタバタはするだろうが」
「そ、そうかい……セグドとティートは心配だけど、とりあえず安心したよ」

 フラッドの言葉に安堵の様子になって女将は胸を撫で下ろす。そしてすぐにハッとなると、テーブルの上ですっかり冷めた料理に顔を向けた。

「いけない、いけない。ちょっと料理を温め直すから、フラッドさんは座っていておくれ」
「助かる。さすがに空腹も限界になってたところだ」

 言ってフラッドは椅子にどっかりと腰を下ろし、料理の皿を持って厨房へと走る女将を見送る。少し待って出てきた料理を平らげた後、女将の感謝の声を背に受けながら部屋に戻ったフラッドは、ようやく眠りに就くのであった。

* * * * *

 翌朝、フラッドが目を覚ましたのはすっかり日も昇った頃のこと。久しぶりの落ち着けるベッドだった上に、昨日は立て続けの戦闘もあってかなりの熟睡だった。
 朝の挨拶に続けて「よく眠れたみたいだね」と満足げに言う女将に「おかげさまで」と返してから、宿の裏手にある井戸で顔を洗っていると村長からの使いがフラッドを訪ねて来る。
「朝食もまだなんだが」と言ったフラッドに、使いの者は「良ければ一緒にとの言伝てです」と返され、女将に一声掛けてから村長の家へと向かうこととなる。

「朝から急かしてしまいましたかな」

 村長宅に着き、通されたリビングのテーブルには既に朝食が並び、座っていた村長は開口一番そんなことを言ってきた。苦笑しつつ空いてる席に座り、朝食に手を付けていく。
 フラッドが食べ始めたのを待ってから、村長も食事を始めて少し経った頃。おもむろに村長が口を開いた。

「昨夜の事は本当にありがとうございました。おかげで大事には至らず、村を代表して感謝します」
「あー、そんなにかしこまらなくていいって。それよりセグドと、ティートの容態は?」
「幸いセグドは腕を少し怪我した程度で済みました。ティートの方は、少しばかり重いですが命には別状はありません」
「そうか、それは良かった。後で見舞いに行きたいが……」

 フラッドがそう言いかけたところで、村長の顔つきが真剣な物へと変わる。飄々とした態度のフラッドも何事かを察し、食事の手を止め居ずまいを正した。

「その前に一つ伺いたいのですが」
「……なんだい?」

 静かな、しかしやや重い口調で言う村長にフラッドもそれまでの軽い調子を控えた返事で応じる。

「フラッド殿は、この村を前にも訪れていますな?」
「なぜ、そう思うんだ?」
「これでも村長ですから……と言いたいところですが」

 やや緊張した面持ちで答えたフラッドに、村長は思わせ振りに言って続ける。

「あの時のことは、忘れられませんからな」
「……なるほどね、まぁそりゃそうだ」
「えぇ……それで、再びこの村を訪れたのは偶然とは思えないのですが、いかがですかな?」

 フラッドの脳裏で、昨日耳にした咆哮のような音が繰り返される。村長の口にした問いは、それを確信に変えるものだった。
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