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本編

流されてない、断じて流されてない!※

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 ……え、なに、これ、え、キスされてる? なんで?

 キャパオーバーな出来事に身体が固まり拒否も甘受もできないでいる。
 その間にも角度を変えながら触れるだけの口付けが落とされ、ついでと言わんばかりに首や耳を撫でられるから堪らない。
 息が漏れ出そうになり軽く唇を噛んで耐えようとするとそこをぺろりと舐められた。

「さざっ、んう」

 声を出すために小さく口を開けた隙に肉厚な舌が口内に入り込み、言葉が継げなくなる。
 さすがに止めようと漣さんの肩を押そうとするけど、逆に手を捕まえられて壁に押しつけられた。

「ふ、ぁ、はなっ……ん」

 俺の舌を舐めたと思えば歯茎を舌先でなぞられたり上顎をくすぐられたり、繰り出されるそれら全てに翻弄され、少し正気が戻ってきていた頭がまたぼーっとしてきた。
 漣さんにキスされても嫌じゃない俺が確かにいる事実に混乱する。
 それを隠すように俺からも彼の舌に自らのそれを絡めた。

 まじ、この人、キスうま……。

 もうなんか気持ちいいし良いかと思い始めていた頃、唇が解放される。
 荒い息のまま漣さんを見上げると、彼はぺろりも自分の唇を舐めたところだった。その仕草に壮絶な色気を感じ、カッと頬が熱くなる。


「はっ、蛍くん、蛍。かわい……。かわいいけどエッロい、最高。蛍を邪な目で見てるとかいう奴ら全員どうにかしちゃいたいなあ」

 いつのまにか潤んでいたらしい目元に手を添えられるとぽろりと涙が落ちた。

 蕩けたような顔を向けてくる漣さんを見ているとあらぬところが熱くなったような気がする。困った。
 そっと膝を擦り合わせると漣さんの視線がそこに落ちる。困ったリターンズ。見ないで欲しい。

「蛍、俺とキスしただけでこうなったの? ……気持ちよかった? 嬉し……」

 瞳の奥にただならぬ熱を孕んだ彼の目が俺を射抜く。
 嬉しそうに笑う漣さんの声にどきりと心臓が高鳴った。
 ……高鳴ったと同時に俺の俺を布越しに愛おしそうに触られ、変な声が出た。
 たちまち家出していた理性が帰ってくる。


「え? え、待っそこ、ちっ、ちんこだけど!?」

「あれ、酔い覚めちゃった? ……さっきも言ったけど、俺、チャンス逃すほど子どもじゃないんだよね」

 また整った顔が視界いっぱいに広がって、唇を塞がれる。
 熱烈な口付けに応えるのに精一杯になってるうちに、彼の右手が俺のTシャツの中に侵入していた。

 なに、なんだ、なにするんだ!?


「っひ、え!? なんかやだ、う、ぞわぞわするっ」

「顔真っ赤。ちょっとでも感じるなら才能あるよ、蛍。可愛い……。いずれここだけでもっと気持ちよくなれるようになろうね」

 乳首の周りをゆっくりと指先で円を描くように触られて、ちょっとだけ腰がざわりとした。
 散々焦らされた後ぎゅっと乳首を親指で押されるとわけのわからない感覚が背中を走り、怖くて視界が滲む。

「あ、やだ、なんでぇ? もっ……ふぁ、ゃっ……」

「ああ、ごめん、ごめんね。怖い? 大丈夫だよ。ちゅーしよっか」

 胸まで上げられたTシャツは下げられないまま、あやすようにちゅっちゅと口付けられて逆に涙が止まらなくなった。

「ふっ、ん、んぅ」

「はーっ、かわ……。こんな綺麗なピンクなことある? やべ、どこまでやっていいかな」

 俺の胸をいじる手を止めないままぶつぶつと独り言を言う漣さんに段々と恨めしい気持ちが募っていって、口内に差し込まれた舌を軽く噛む。

「……蛍?」

「胸っ、もうやだって、言ってるのに」

 乱暴に涙を拭いてから睨むように漣さんに視線を向けたのに、ごくりと喉を鳴らされた。

「いや、それは逆効果……。わかった、わかった。じゃあこっちにしようね?」

 にっこりと綺麗な笑みを浮かべたその顔に思わず見惚れ、その隙にと言わんばかりに器用にベルトを外され下着まで一気に膝まで下ろされた。

 その鮮やかな犯行に、俺は一切反応できなかった。

 ゆるく勃ちあがった陰茎が漣さんの目の前に晒される。
 恥で顔全体に熱が広がるのがはっきりと分かった。


「……さ、漣さ」

「マジ? こんなとこまで可愛いんだ……。やばいなあ、保護した方がいいんじゃない?」

 真剣な顔のイケメンにちんこを見つめられるという羞恥プレイに耐えられなくなった俺は咄嗟に手で自身を隠すが即座に手を取られ、今度は漣さんの手でそれを直接握られた。

「あっ、や……っ……、く、」

 亀頭を親指の腹でゆっくりと撫でられて声が抑えられなくなる。
 手の甲を口に当て必死に耐える俺の顔をじっと見ながら、立派に体積を増やした陰茎が流す先走りをすくいそれごと亀頭を手のひらで包み込んだ。

 じわじわと迫り来る快感に眉を寄せた。
 やらしい水音を耳が拾い、もう何がなんだかわからなくなってくる。

 カリ首をさすったり裏筋を指先でなぞりあげたり、俺の反応を伺いながら攻める漣さんの顔が見れなくてぎゅっと目を閉じていた。


「……ふっ、ぅ…………、ひぁ!?」

 焦らすようにゆっくりゆっくり手を上下させる動きに、もう許して! と思っていた時、不意打ちで乳首を摘まれ脚がピンと伸びた。

「やっぱり才能あるよ、蛍。ね、そろそろイキたいよね? あー、ほんとにかわい……、好き、好きだよ。……俺のこと、見てほしい」

 胸を弄られながら陰茎を一気に擦りあげられる。
 漣さんの口から溢れる愛を乞う言葉に頭が擦り切れるような感覚を覚えた。


 ……俺のことが好きだって言った?


「ぁっ、う、でちゃっ……漣さんっ離し、ん、んぅ、んんん~~~っ!!」

 最後の最後でまた噛み付くようなキスをされ、喘ぎ声が漣さんの口内に飲み込まれていく。
 足の指を丸め快感を少しでも逃そうと脚に力を入れたけど抵抗虚しく、オナニー覚えたての中学生みたいな量の射精をしてしまい、呆然とした。
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