ずっと隣に

をよよ

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桃の章

ハズレ

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 心が折れかけた状態で僕は次の台を探す。また別の空き教室に見つけた。

 「本当に、間違ってたら言ってね!」

 「うん。」

  僕は頑張って問題を解いた。

 「最後は"い"! 一仁、何になった?」

 「せいとかい、だね。」

 「生徒会室!、……ちょっとまって怪しい、すごく怪しいよ。ほんとにあってる?」

 僕は僕に抱きつくように座っている後ろの一仁に聞いた。

 「あってるよ。」

 「本当に?、僕豪華景品が欲しいんだ。間違ってるなら言って欲しい。…それか他の人に聞きに行きたい。」

 上目遣いで聞いてみた。

 「……、全部間違ってる。」

 「え、え! 全部間違ってるの!? 一仁、答え、欲しえて欲しいなぁ。」

 更に可愛く頼んでみる。

「……。」

 もう一押しか。いけっ!これが僕の最上級の甘えただ! 僕は一仁に向き合って頑張って目をうるうるさせて見上げる。

 「お願い」

 「……っ答え、柔道だよ。」

 効いた! 一仁はこういうタイプが好きなのか。覚えておこっと。

 「柔道部のとこだ!、行こっ一仁。」



 柔道部屋に行き僕は初めてのスタンプを手に入れることが出来た。
 それからはもう早かった。頑張って台を見つけて僕は全力で一仁に甘えて答えを聞き出す。自分が一回解くのも時間の無駄だ。何故一仁がここまで答えを教えてくれないのか謎だが残りの時間すごい勢いでスタンプをゲットした。
 だが全部は時間内に取れなかった。時間ギリギリまで一仁に甘えまくったのに……。体育館に集合し、光くん達と合流した。

 「悔しい~、あと二個だったのにー。」

 「僕もあと三個だった。」

  「あれ、一仁と一緒だったのに無理だったんだ?」

 「いや、今回一仁は全然ダメだった。答えが違うのに教えてくれないし、正解聞いてもなかなか教えてくれないし。聞き出すのすっごい大変だったんだから。」

 「へぇ、どゆこと。」

 「しらないよ、気分がのらなかったのか。でもなんかすっごい可愛く?オネダリしたら教えてくれた。いやー、幼なじみの好きなタイプ?を知るってなんだか居心地がわるいね。」

 そういうと光くんと璃来くんは後ろを向いて話さなくなった。

 「愛されてるね、唯くんは。」

 陽向くんに言われた。あぁ、僕のでも通じたんだからそこそこ愛されてる。
 結果、スタンプを全部集めたのは四人でそれぞれ豪華景品を貰っていた。
 僕達はガッカリしながら体育館を後にする。


 「いーなー、かき氷器!、いつでもかき氷食べ放題だよ、しかもふわふわのやつ!」

 「僕達の中で誰かゲット出来たら食べれたのにー。」

 来年は一仁には悪いけど違う人と組んで絶対にかき氷器を手に入れる!







 夜、食堂でご飯を食べて部屋に戻ってきたところ、

 「唯、今日も大浴場行くよね!」

 「行かないよ、朝一仁に行くなって言われたの見てたでしょ?」

 「だからだよ!、あんなの聞かなくていい、絶対!、てかちょっとキモいし! 風呂くらい好きに入らせろー!、てことで行くよ。」

 「え、いや、でも。」

 「シャンプーとか持ってけば大丈夫だよ。ほら、行くぞー。」

 光くんに押し切られ今日も大浴場に行った。でもやっぱりみんなで広いお風呂に入るのは気持ちよかった。
  明日こそ授業が始まるから僕は早めに寝た。







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