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しかしそれは、ある声に遮られた。

「アヤメ遅いぞ、シトラスさんがって……うわーアッキーじゃん。なんでいんの」


またまた白薔薇の騎士登場。制服は着崩し、片耳には青く細長いピアス。声のトーンがやたら大きいのは癖かもしれない。


“アッキー”と呼ばれた暁はあからさまに嫌な顔をする。まさか同郷の奴がいるとは夢にも思わないだろう。


「黒猫君の知り合い?」


「……知り合いじゃない」


あからさまに不機嫌そうな暁と興味津々なカナタ。やれやれとアヤメが助け船をだす。


「手間をかけさせた。すまないが、僕について来てくれないか。シトラスにも会わせなければいけないからな」


刀真とうま、先に戻ってすぐ向かうと伝えてくれ」


「はいはーい、了解」


少年は軽く返事をし、台風のように去っていった。そしてアヤメの案内で白薔薇の宮に向かうことになり、庭園を後にした。

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