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第二話
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三崎周也は高校時代にともに悪事を働いてきた親友である。
学校で教室前の廊下にワックスを大量に塗り付け、ツルツルの状態で向こうから獲物をおびき寄せる。
「おおい、おもしろいものがあるぜ、早くこっちへ来てみろよ」とおびき寄せ、「なんだなんだ」と聞きつけて走ってくる輩どものすってんころりんするのを楽しんだり、担任の先生のものまねをして、恥をかかせたりするなんてことは日常茶飯事であった。
そんな周也と卒業後も和希は付き合いを続けてきた。
ただ周也は人を見下すところがあって、イジられるのはいつも和希のほうである。
ちょっとした雑談でも上から目線の周也は言いたいことは口に出してしまうタイプで、味噌糞に言われるのが癪にさわってしかたがない。
「なあ、家に閉じこもってばかりいないで、少しはおもてに出て、働くことを考えたらどうや。うちらはまだ先は長いんやで。今から家に居っぱなしじゃよぉ、体が腐っちまうって。近所をふらふらしているそうやけど、就労嫌いのニートがあてもなく徘徊していると、その辺の住人に白い目で見られるっちゅうに。ただほっつき歩くんじゃなくって、仕事に出ろや。家でじっとしていることができないで、ダラダラと街を歩いて過ごすのはお前の性格やけど、人様の誤解を招くようなことはしたらあかん。ちょっとは考えなぁ」
と根っからの関西人とわかる訛りの周也に和希は、
「おぬしも相変わらず高飛車じゃのう。少しはだまっとけぃ。」と、反発してあとはそれっきり。
学校で教室前の廊下にワックスを大量に塗り付け、ツルツルの状態で向こうから獲物をおびき寄せる。
「おおい、おもしろいものがあるぜ、早くこっちへ来てみろよ」とおびき寄せ、「なんだなんだ」と聞きつけて走ってくる輩どものすってんころりんするのを楽しんだり、担任の先生のものまねをして、恥をかかせたりするなんてことは日常茶飯事であった。
そんな周也と卒業後も和希は付き合いを続けてきた。
ただ周也は人を見下すところがあって、イジられるのはいつも和希のほうである。
ちょっとした雑談でも上から目線の周也は言いたいことは口に出してしまうタイプで、味噌糞に言われるのが癪にさわってしかたがない。
「なあ、家に閉じこもってばかりいないで、少しはおもてに出て、働くことを考えたらどうや。うちらはまだ先は長いんやで。今から家に居っぱなしじゃよぉ、体が腐っちまうって。近所をふらふらしているそうやけど、就労嫌いのニートがあてもなく徘徊していると、その辺の住人に白い目で見られるっちゅうに。ただほっつき歩くんじゃなくって、仕事に出ろや。家でじっとしていることができないで、ダラダラと街を歩いて過ごすのはお前の性格やけど、人様の誤解を招くようなことはしたらあかん。ちょっとは考えなぁ」
と根っからの関西人とわかる訛りの周也に和希は、
「おぬしも相変わらず高飛車じゃのう。少しはだまっとけぃ。」と、反発してあとはそれっきり。
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