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3章
65話 ゼルメリス魔導王国へ
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数日後、セバス、リーン、ガラテア、アーヴェインの四人がゼルメリス魔導王国へ旅立つ日がやってきた。
「みんなくれぐれも無理はしないようにな。何かあったらすぐに報告してくれ」
「はい。定期的に報告しに戻ってまいります」
「必ず賢者の落とし子の情報を掴んでまいります」
「私も魔導師区画の書庫などを漁ってみます」
「皆さんお気を付けて」
「任せてよっ!魔術院なんてちゃちゃっと卒業して帰ってくるわ!私がいないからってイザさんに手を出すんじゃないわよ?」
「なっ!何を言っているんですか!私はそんなことしません!貴方は3年間ゆっくり勉強に励んできていいんですよ?」
またリーンとラナがギャーギャー騒ぎながら火花を散らせている。
「まぁいいわ。私達が居ない間イザさんを頼むわね」
「あなたに言われなくともそのつもりです」
二人は笑っていた。
ホントは仲がいいのだろうか?
こうして4人を見送ってゼルメリス魔導王国の調査は彼らの報告待ちとなった。
街の住民たちはニルンハイムとイャーリスとの交易に向けて色々準備を開始した。
途中で止まっていたイャーリスまでの交易路の建設をオーク達に再開してもらう。
そして交易に向けて作物の生産量を増やすべく、それと飼料の作成も兼ねて畑の拡大を進めた。
金狐の小麦亭は臨時で来てもらっていたのだが、半数はここに残ってそのまま店を営んでくれることとなった。
そのため住民の中から調理に興味がある者を従業員として雇い入れてもらい、王都に戻る前に調理の技術をみっちり仕込んでもらうことになった。
エルフのパン屋や軽食屋も彼らから技術指導をしてもらい、数段美味しい食事を提供できるようになった。これからもずっとあの美味しい料理が味わえるのは本当に助かる。
こうして街の生活水準がまた一つ豊かになった。
こうして2国と交易をしながら1か月ほど経過し、順調に街の資金も回収できるようになったところでセバスが久々にイザの元へ帰ってきた。
リーンとガラテアもセバスに無理やり引っ付いて、ついでに帰ってきていた。
セバスに報告を聞いてる間、二人は久々に食べる美味しい食事に夢中だった。
どうやらゼルメリス魔導王国では食事は味よりも魔力を高めるのに効果があるものが優先されるらしくとても美味しいとは言えないものだそうだ。
「それで?どんな具合だ?」
「はい。アーヴェインの話によると賢者の落とし子の情報は噂程度ですがいつくかあるとのことでした。北の国の現宰相。西の国の冒険者。竜族の村の巫女。魔界へ向かったとの話も」
「うーん。でもどれも噂なんだろう?」
「そうですね。アーヴェインもどの話も人伝手に聞き流れてきた話なのでまだ信憑性は定かではないといっています。現在は魔導師区画の図書館で調査を行っているようです。もし本物の賢者の落とし子なら不老不死。歴史書に手掛かりがあるかもしれないと」
「なるほど。確かに古い歴史を持つ国なら書物に残されている可能性は高いな」
「我々も学院を卒業したらすぐにアーヴェインと共に調査を進めてみます」
「いやいや、まだ1か月だぞ?気が早いって。焦らなくていいよ」
ご飯を食べながらリーンが答えた。
「でもセバスはもう半分の過程を終了したわよね?ガラテアも私も1/3は終わってるし、このままいけばセバスは来月にも、私達もあと2か月で卒業できると思うわよ」
「え?」
「一日でも早くお役に立ちたく思って日々頑張っております」
いやいやいや。みんな早すぎだろう!そんな勢いで卒業なんてしたら怪しまれるし目を付けられるの必死じゃない?
「頑張るのは結構ですが、あなた達が目立ちすぎるのは流石に困るのですけれど」
「御心配には及びません。卒業する際は講師の皆に洗脳魔法をかけて少し記憶をいじらせていただきます。我々は1年かけて卒業したと誤認させることなどたやすいかと」
「いやいや、さすがにダメだろう。これからはあまり悪目立ちもしないように気を付けるように!記憶の改竄も禁止な!?」
ひとまずさっきの噂話がすべて本当だとするとどれこも行ったことが無い場所だし、これから行くことになるだろうし世界中の他の国の情報も欲しいな。
後日ガルやローデンハルトさんにも相談してみよう。
「みんなくれぐれも無理はしないようにな。何かあったらすぐに報告してくれ」
「はい。定期的に報告しに戻ってまいります」
「必ず賢者の落とし子の情報を掴んでまいります」
「私も魔導師区画の書庫などを漁ってみます」
「皆さんお気を付けて」
「任せてよっ!魔術院なんてちゃちゃっと卒業して帰ってくるわ!私がいないからってイザさんに手を出すんじゃないわよ?」
「なっ!何を言っているんですか!私はそんなことしません!貴方は3年間ゆっくり勉強に励んできていいんですよ?」
またリーンとラナがギャーギャー騒ぎながら火花を散らせている。
「まぁいいわ。私達が居ない間イザさんを頼むわね」
「あなたに言われなくともそのつもりです」
二人は笑っていた。
ホントは仲がいいのだろうか?
こうして4人を見送ってゼルメリス魔導王国の調査は彼らの報告待ちとなった。
街の住民たちはニルンハイムとイャーリスとの交易に向けて色々準備を開始した。
途中で止まっていたイャーリスまでの交易路の建設をオーク達に再開してもらう。
そして交易に向けて作物の生産量を増やすべく、それと飼料の作成も兼ねて畑の拡大を進めた。
金狐の小麦亭は臨時で来てもらっていたのだが、半数はここに残ってそのまま店を営んでくれることとなった。
そのため住民の中から調理に興味がある者を従業員として雇い入れてもらい、王都に戻る前に調理の技術をみっちり仕込んでもらうことになった。
エルフのパン屋や軽食屋も彼らから技術指導をしてもらい、数段美味しい食事を提供できるようになった。これからもずっとあの美味しい料理が味わえるのは本当に助かる。
こうして街の生活水準がまた一つ豊かになった。
こうして2国と交易をしながら1か月ほど経過し、順調に街の資金も回収できるようになったところでセバスが久々にイザの元へ帰ってきた。
リーンとガラテアもセバスに無理やり引っ付いて、ついでに帰ってきていた。
セバスに報告を聞いてる間、二人は久々に食べる美味しい食事に夢中だった。
どうやらゼルメリス魔導王国では食事は味よりも魔力を高めるのに効果があるものが優先されるらしくとても美味しいとは言えないものだそうだ。
「それで?どんな具合だ?」
「はい。アーヴェインの話によると賢者の落とし子の情報は噂程度ですがいつくかあるとのことでした。北の国の現宰相。西の国の冒険者。竜族の村の巫女。魔界へ向かったとの話も」
「うーん。でもどれも噂なんだろう?」
「そうですね。アーヴェインもどの話も人伝手に聞き流れてきた話なのでまだ信憑性は定かではないといっています。現在は魔導師区画の図書館で調査を行っているようです。もし本物の賢者の落とし子なら不老不死。歴史書に手掛かりがあるかもしれないと」
「なるほど。確かに古い歴史を持つ国なら書物に残されている可能性は高いな」
「我々も学院を卒業したらすぐにアーヴェインと共に調査を進めてみます」
「いやいや、まだ1か月だぞ?気が早いって。焦らなくていいよ」
ご飯を食べながらリーンが答えた。
「でもセバスはもう半分の過程を終了したわよね?ガラテアも私も1/3は終わってるし、このままいけばセバスは来月にも、私達もあと2か月で卒業できると思うわよ」
「え?」
「一日でも早くお役に立ちたく思って日々頑張っております」
いやいやいや。みんな早すぎだろう!そんな勢いで卒業なんてしたら怪しまれるし目を付けられるの必死じゃない?
「頑張るのは結構ですが、あなた達が目立ちすぎるのは流石に困るのですけれど」
「御心配には及びません。卒業する際は講師の皆に洗脳魔法をかけて少し記憶をいじらせていただきます。我々は1年かけて卒業したと誤認させることなどたやすいかと」
「いやいや、さすがにダメだろう。これからはあまり悪目立ちもしないように気を付けるように!記憶の改竄も禁止な!?」
ひとまずさっきの噂話がすべて本当だとするとどれこも行ったことが無い場所だし、これから行くことになるだろうし世界中の他の国の情報も欲しいな。
後日ガルやローデンハルトさんにも相談してみよう。
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