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1章
2話 異世界人 魔法を知る
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食糧庫の隣の倉庫に衣服なども入っていたのでとりあえずマティアに着せられそうな服を探した。
幸いマティアが着れそうな子供用の衣服が入っていた。
が…その服は祖父の趣向を忠実に表しているようだった。
「猫耳フードのパーカーみたいな服…ジジイの趣味がうかがえる…。」
そもそも祖父の研究所だろうし祖父の好みの服なのは当然かと思った。
「ご主人様…こういうのが好み…?」
マティアは猫耳のパーカーをあざとく着こなしイザを上目遣いで見上げながら聞いてきた。
「違う!…いや違わなくもないけど!それしか無かったんだ!他意はない!…それよりも色々話を聞かせてくれ」
マティアに色々話を聞いてみた。
じいさんはエーテロイドと呼ばれる存在をマティアを含めて12体作ったらしい。
エーテロイドとは魔力をもとに作り出した人造生命体で、年を取らないようだ。魔力さえあれば活動は出来るらしい。食事をとらなくとも稼働には問題はないらしいがお腹は空くらしい。
「あとは…ご主人様がお求めなら…その…ご奉仕も…可能です…よ?」
マティアはもじもじしながら恥ずかしそうにそう告げる。
「わーっ!求めてない!!そんなこと聞いてない!!!」
(こいつ…!じいさん…ほんとに何のためにこいつを作ったんだ…!?)
「冗談です」
マティアはきりっとした顔で訂正したがその変わり身をみてイザは更にイラっとした。
(こいつ…!ほんとに何のために作られたんだ!!)
魔力とはこの世界の基本となる力で何処にでも存在する魔素を使うことで魔法を発現できるようだ。
試しに研究所から少し進んだ先にある開けた空間でマティアに魔法使ってもらった。
マティアはまず火の魔法を見せてくれた。
右の手のひらを上に向け。その手に魔力を集中している。
魔力というのがまだピンとこないイザでもマティアの右手に何かの力が収束していくのがわかった。
そして一定以上の魔力を収束させると詠唱も魔法を唱えることもなくそこに急に人の頭くらいはあろうかという炎の玉が出現した。
「えっ?詠唱は?」
「いらない」
マティアに話を聞くと魔力を集中させたらその魔力を炎をイメージして。火の属性に変換しているとのことだった。
このようにして
全属性の魔法を操って見せてくれた。
この世界に魔法が存在するのは本当らしい。
マティアが使えるのは火、水、風、土、雷の基本の5属性らしい。他にもあるそうだがマティアは使えないのでよくわからないそうだ。
火の魔法なら燃え盛る火、水の魔法なら流れる水。といったように属性魔法はそのものをイメージして魔力を属性に合った現象として具現化し行使できるということなので、イザも試して見た。
(魔力というのが何なのかはわからないけど、手に力の収束と意識を集中して…炎をイメージ…)
するとマティアの火球には及ばないがイザの手のひらからこぶし大の火の玉が発現した。
「でたっ!」
「流石ご主人様」
マティアは手をぱちぱちしてイザをほめたたえた。
色々試してみるとイザも簡単な火や水など5属性の魔法は使えるようになった。
威力や大きさはマティアには及ばないが、そのうち練習することにした。
「魔法がある世界…にわかには信じられなかったがラノベみたいな世界が本当にあるなんて…」
(というかじいさんが小さなころから俺に話してくれてた創作ネタとか本業にしていた小説のネタって実はこっちの世界で経験してきた実話…!?もっとまじめに聞いておくんだった…)
イザは顔に手を当てて後悔していた。
「ご主人様頭痛い?」
「いや、大丈夫だ」
この世界のことや、魔法に関することなどもっと詳しいことも聞きたかったがマティアは最後に作られた個体なのでそういった情報はあまり持っていないようだ。
マティアだけはこの研究室に残って爺さんが連れてきた人をサポートするように命じられていたらしい。
じいさんの言ってたことを詳しく知るためには他のエーテロイドを探す必要があるようだ。
施設内を二人でくまなく探索したが、もうこれといって得られるものもなさそうだったので外に出ることにした。一部屋だけ鎖で厳重に封鎖されている怪しい部屋があったが、嫌な雰囲気を感じたので無理に入らずスルーした。
大きなリュックに大量の水と食料を詰め込んで出口を探した。
研究所手前の広場から更に洞窟を進み1時間ほど歩くと大きな扉の前にたどり着いた。
マティアに出会った部屋との扉と同じく掌のマークがついていた。イザが触れると扉は自然と開いた。
ようやく洞窟の外に出られたようだ。
「ようやくここから俺の異世界での冒険が始まる。RPGの旅立ちみたいでワクワクするな」
「わくわくっ」
しかし眼前の景色を見てイザは固まった。
「えっ…?」
洞窟の外は片側には一面の砂漠。そしてもう片側にはとてつもない標高の山がそびえていた。
「え?異世界って最初は森とか草原からスタートするもんじゃないの?近場の街とかは?なにこれハードモードスタート?過酷過ぎない?」
「ご主人様大丈夫?」
膝と両手を地つき落ち込んでいるイザの頭をなでながらマティアは声をかけた。
「ああ。大丈夫だ」
(小さな女の子…?に心配されてるようじゃいかんな。ここからなんだ。魔法もある程度使えるようになったしなんとかなるさ)
マティアに聞いた話のよるとこの世界には魔物や魔獣といったものも存在しているようなので視界の悪い山を登るってのはリスクが高そうだ、頂上すら見えないし…
消去法で南の砂漠を抜けることにした。
遠くに陽炎が見えるほどの熱気が舞っていた。
だが、幸い魔法の練習のおかげで風魔法を使えるようになっていたので体に纏い熱さはある程度軽減できている。
…しかし夜の寒さは応えた。
「砂漠の夜は冷えるって話には聞いていたけど、これは想像以上だな…。さすがに風のバリアだけじゃどうにもならん!このままじゃ凍え死んでしまう!」
「ご主人様…マティア寒い…体で温めて…」
「お前は何を言ってるんだ?ってか肝心なことは知らないのにどこでそんなこと覚えたんだよ!」
「前のマスターから男を落とす手練手管は何よりも強力な魔法だって教わった。ふっ」
なぜかマティアは自慢げだ。
(確かに男はそういうのに弱いけど!あんのくそじじいなんて教育をしてやがるっ!)
「まぁいい、今はそれよりも…!」
(暖房の魔法とかないのかな。火の魔法と風の魔法を一緒に使えたらいいのに。)
「試してみるか。」
マティアは魔法はイメージといってたからまずは火魔法と風魔法を準備して、暖房のような暖かい風をイメージして…
イザの周囲に暖かい風の膜ができた。
「やった!出来た!少し熱いが、魔力を調整したらいい感じになりそうだ。これなら昼間は水と風の複合でクーラーみたいな使い方も出来そうだな」
(なるほどイメージの力か…向こうの世界でさんざん妄想に耽ってきた俺にはぴったりの世界かも知れないな)
何故かイザよりも魔法が得意なマティアにはこの魔法は上手く扱えなかった。
エアコンとかを知らないからイメージし辛いのだろうか?
こうして二人はイザの魔法で砂漠の寒暖差を物ともせずに
無事砂漠を抜けて草原へたどり着いた。
幸いマティアが着れそうな子供用の衣服が入っていた。
が…その服は祖父の趣向を忠実に表しているようだった。
「猫耳フードのパーカーみたいな服…ジジイの趣味がうかがえる…。」
そもそも祖父の研究所だろうし祖父の好みの服なのは当然かと思った。
「ご主人様…こういうのが好み…?」
マティアは猫耳のパーカーをあざとく着こなしイザを上目遣いで見上げながら聞いてきた。
「違う!…いや違わなくもないけど!それしか無かったんだ!他意はない!…それよりも色々話を聞かせてくれ」
マティアに色々話を聞いてみた。
じいさんはエーテロイドと呼ばれる存在をマティアを含めて12体作ったらしい。
エーテロイドとは魔力をもとに作り出した人造生命体で、年を取らないようだ。魔力さえあれば活動は出来るらしい。食事をとらなくとも稼働には問題はないらしいがお腹は空くらしい。
「あとは…ご主人様がお求めなら…その…ご奉仕も…可能です…よ?」
マティアはもじもじしながら恥ずかしそうにそう告げる。
「わーっ!求めてない!!そんなこと聞いてない!!!」
(こいつ…!じいさん…ほんとに何のためにこいつを作ったんだ…!?)
「冗談です」
マティアはきりっとした顔で訂正したがその変わり身をみてイザは更にイラっとした。
(こいつ…!ほんとに何のために作られたんだ!!)
魔力とはこの世界の基本となる力で何処にでも存在する魔素を使うことで魔法を発現できるようだ。
試しに研究所から少し進んだ先にある開けた空間でマティアに魔法使ってもらった。
マティアはまず火の魔法を見せてくれた。
右の手のひらを上に向け。その手に魔力を集中している。
魔力というのがまだピンとこないイザでもマティアの右手に何かの力が収束していくのがわかった。
そして一定以上の魔力を収束させると詠唱も魔法を唱えることもなくそこに急に人の頭くらいはあろうかという炎の玉が出現した。
「えっ?詠唱は?」
「いらない」
マティアに話を聞くと魔力を集中させたらその魔力を炎をイメージして。火の属性に変換しているとのことだった。
このようにして
全属性の魔法を操って見せてくれた。
この世界に魔法が存在するのは本当らしい。
マティアが使えるのは火、水、風、土、雷の基本の5属性らしい。他にもあるそうだがマティアは使えないのでよくわからないそうだ。
火の魔法なら燃え盛る火、水の魔法なら流れる水。といったように属性魔法はそのものをイメージして魔力を属性に合った現象として具現化し行使できるということなので、イザも試して見た。
(魔力というのが何なのかはわからないけど、手に力の収束と意識を集中して…炎をイメージ…)
するとマティアの火球には及ばないがイザの手のひらからこぶし大の火の玉が発現した。
「でたっ!」
「流石ご主人様」
マティアは手をぱちぱちしてイザをほめたたえた。
色々試してみるとイザも簡単な火や水など5属性の魔法は使えるようになった。
威力や大きさはマティアには及ばないが、そのうち練習することにした。
「魔法がある世界…にわかには信じられなかったがラノベみたいな世界が本当にあるなんて…」
(というかじいさんが小さなころから俺に話してくれてた創作ネタとか本業にしていた小説のネタって実はこっちの世界で経験してきた実話…!?もっとまじめに聞いておくんだった…)
イザは顔に手を当てて後悔していた。
「ご主人様頭痛い?」
「いや、大丈夫だ」
この世界のことや、魔法に関することなどもっと詳しいことも聞きたかったがマティアは最後に作られた個体なのでそういった情報はあまり持っていないようだ。
マティアだけはこの研究室に残って爺さんが連れてきた人をサポートするように命じられていたらしい。
じいさんの言ってたことを詳しく知るためには他のエーテロイドを探す必要があるようだ。
施設内を二人でくまなく探索したが、もうこれといって得られるものもなさそうだったので外に出ることにした。一部屋だけ鎖で厳重に封鎖されている怪しい部屋があったが、嫌な雰囲気を感じたので無理に入らずスルーした。
大きなリュックに大量の水と食料を詰め込んで出口を探した。
研究所手前の広場から更に洞窟を進み1時間ほど歩くと大きな扉の前にたどり着いた。
マティアに出会った部屋との扉と同じく掌のマークがついていた。イザが触れると扉は自然と開いた。
ようやく洞窟の外に出られたようだ。
「ようやくここから俺の異世界での冒険が始まる。RPGの旅立ちみたいでワクワクするな」
「わくわくっ」
しかし眼前の景色を見てイザは固まった。
「えっ…?」
洞窟の外は片側には一面の砂漠。そしてもう片側にはとてつもない標高の山がそびえていた。
「え?異世界って最初は森とか草原からスタートするもんじゃないの?近場の街とかは?なにこれハードモードスタート?過酷過ぎない?」
「ご主人様大丈夫?」
膝と両手を地つき落ち込んでいるイザの頭をなでながらマティアは声をかけた。
「ああ。大丈夫だ」
(小さな女の子…?に心配されてるようじゃいかんな。ここからなんだ。魔法もある程度使えるようになったしなんとかなるさ)
マティアに聞いた話のよるとこの世界には魔物や魔獣といったものも存在しているようなので視界の悪い山を登るってのはリスクが高そうだ、頂上すら見えないし…
消去法で南の砂漠を抜けることにした。
遠くに陽炎が見えるほどの熱気が舞っていた。
だが、幸い魔法の練習のおかげで風魔法を使えるようになっていたので体に纏い熱さはある程度軽減できている。
…しかし夜の寒さは応えた。
「砂漠の夜は冷えるって話には聞いていたけど、これは想像以上だな…。さすがに風のバリアだけじゃどうにもならん!このままじゃ凍え死んでしまう!」
「ご主人様…マティア寒い…体で温めて…」
「お前は何を言ってるんだ?ってか肝心なことは知らないのにどこでそんなこと覚えたんだよ!」
「前のマスターから男を落とす手練手管は何よりも強力な魔法だって教わった。ふっ」
なぜかマティアは自慢げだ。
(確かに男はそういうのに弱いけど!あんのくそじじいなんて教育をしてやがるっ!)
「まぁいい、今はそれよりも…!」
(暖房の魔法とかないのかな。火の魔法と風の魔法を一緒に使えたらいいのに。)
「試してみるか。」
マティアは魔法はイメージといってたからまずは火魔法と風魔法を準備して、暖房のような暖かい風をイメージして…
イザの周囲に暖かい風の膜ができた。
「やった!出来た!少し熱いが、魔力を調整したらいい感じになりそうだ。これなら昼間は水と風の複合でクーラーみたいな使い方も出来そうだな」
(なるほどイメージの力か…向こうの世界でさんざん妄想に耽ってきた俺にはぴったりの世界かも知れないな)
何故かイザよりも魔法が得意なマティアにはこの魔法は上手く扱えなかった。
エアコンとかを知らないからイメージし辛いのだろうか?
こうして二人はイザの魔法で砂漠の寒暖差を物ともせずに
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