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ストーカー、神使として頑張る③

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 麗らかな昼下がり、風の心地よいガーデンテラスで新聞に目を通す推し。
 今日も尊さが罪ならば、私刑or懲役五億年くらいに美しい。

「あれ、あの外交官捕まったんだ」

「隣国と内通していたそうだ。まあ、この記事がどこまで本当かは不明だがな」

 カーッ、推し……うちゅくしい。いっぱいちゅき。
 植木の茂みからヌッコスタイルでストーキング。
 久々の生推し……潤う……心が潤う……ひゃー! 推しの美しさに心臓が痛い! 心臓があるか分からないけど!
 あっちの国で見つけたドイツ風のカップが推しに似合う……推しが綺麗。綺麗が推し。むしろ美が推し……
 なんか落ち目の工房のおじいちゃんが作ってたから意外と安く手に入った。なんか老眼がキツイとか言ってたので、目薬っていって万能薬もどきを水で希釈したのをあげた。
 あれ、アリエッタの目を治せねーかと思ったけど精々白内障とか乱視や弱視くらいにしか効かないんだよなー。
 ガサツだからか調合とか苦手なんだよ。
 それに比べてステゴロは楽だよな。大抵殴り続ければ何とかなる。ストレス発散で目に付いたのをボコっていたら、なんかいっぱいになった。
 なので、カップの代金とあとテキトーにその辺で狩った魔物の角だの鉱石だの染料や顔料になりそうなの置いていった。
 今度、フルのティーセット作ってくれるんやて。
 是非とも推しの好みで推しに似合いそうなモンを量産してくれ。




 数年後、隣国に留学したエルストン。
 ブティック街で目に入った、たまたま通りすがりに見たとある工房直営店舗。そこはあまりの人気ぶりで、王侯貴族ですら注文しても数年待ちだという名店だった。
 だれもが知るほど超高級ブランドの陶器専門店で、己の愛用カップによく似た作風のカラーオニオンのティーセットを見て戦慄することとなる。



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