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八話 映り込んだ物①
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翌日仕事が終わって、僕は梨子を駅前で拾うと、裕二の家へと車を走らせた。どうやら、一年前に都心の方に引っ越ししたらしい。
僕はそういった動画配信の業界には全く疎いのだが、梨子が言うには裕二は、毎日動画を投稿していて、オリジナルグッズを展開し、人気のインディーズゲーム会社とのコラボを行うなど手広くやっているようだ。
登録者数も年々増え、そこそこ顔が良い裕二は、女性にも人気があるらしく、この立地の都心で住める位は稼いでいるんじゃない、との事だった。
羨ましい限りだな。
まぁ、僕がやっても、間違いなく二日でネタ切れしてしまうだろうけど。
「その口振りだと、梨子も裕二の動画を見てるの? 梨子は心霊系は全部駄目かと思ったけど、そうでもないんだ?」
「私、怖いの苦手なんだけど……裕二くんの動画は、面白く紹介してくれるから見られるの」
「そっか、あの……。梨子は霊感が強い人ってどう思う? やっぱり気味悪いものかな?」
いや、僕は一体何を聞いているんだ。
完全に僕の事をどう思ってるんだ、みたいな聞き方じゃ無いか。
こんなんじゃ、下心があって梨子を助けているんだと誤解されるだろ。
梨子は突然の質問に案の定、きょとんとして僕を見ている。そして次の瞬間おかしそうに笑う。
「健くん、高校の時も同じ質問したよ。私は怖いのは苦手だし、そう言うお化けの世界の事って分からないけど……儀式とか、民俗学的には興味深いと思う。それにその人の力が本物なら、一つの才能だと思うけどな」
「そ、そうか。高校の時も質問してたっけ? さ、才能ね、いいね!」
完全に墓穴を掘ってしまった。
どうしてこうも僕は、女性と話すのが致命的に下手くそなんだろうか。職場には男が多く、女性は自分の母親と同い年位の人だけだし、なんて言い訳にもならないぞ。
そんな事を思っていると、裕二の住んでいるマンションまで到着した。結構新しいマンションのようで、外観もお洒落だな。
芸能人が住んでいてもおかしくない。
コインパーキングに車を停車し、僕達は共有エントランスから、インターフォンを鳴らして、裕二を呼び出した。
✤✤✤
裕二の部屋は都心で2LDK。この立地だと、結構な家賃じゃないだろうか。
部屋は、どうやら配信場所としても使うそうなので、小綺麗にしている。
裕二は一人暮らしだと言っていたが、掃除の仕方や、ちょっとした小物の趣味を見ても、女性の気配がする。
僕はてっきり同棲している彼女でもいるのかと思ったんだが。
まぁ、立場上芸能人と似たような職業なので、誰かと付き合っているだなんて、友達にも軽々しく言えないだろうが。
一年ぶりに会う裕二は、目の下にクマを作り、疲れた表情をしている。ここ数日で彼をこうさせてしまうような何かを、体験したんだろう。
「良かった! 本当に来てくれたんだな」
裕二は、梨子と同じように全体的に黒い靄がかかったような、まるで色失ってこちらの世界から隔離されたように、モノクロに見える。
僕達が来て、喜ぶ笑顔も痛々しく思えた。
どんよりとした印象を受けるのは、気のせいじゃないだろう。隣の梨子も、心配そうに裕二を見ていた。
ラフな格好をした裕二は、重い体を引きずるようにしてキッチンへと向かう。
「二人共、缶コーヒーか……ビールならあるんだけど、飲むか?」
「僕はいいよ、ありがとう。あんまり気を遣わなくて構わないから。それより、酷い顔だぞ。裕二、眠れてないのか?」
「私も大丈夫。ねぇ、本当に顔色悪いよ。裕二くん」
「あぁ、まぁ……。その事についても今から話すよ」
僕と梨子は顔を見合わせ、動画配信用に使っている洋間へ通された。
配信用の機材や、カメラ、パソコン等が置かれている。テレビ番組のセットとまではいかないが、ポップでホラーな飾りや、大きなソファーが置いてあった。
裕二は、そこに座ると立ったままの僕達二人を交互に見て、話し始める。
「何から話したらいいかな」
裕二は、あの時の事を話すのに、躊躇しているようだった。缶ビールの蓋を開けると、気合を入れるように一気に飲む。
「俺も本田さん達も配信用にカメラを回してたんだ。それは梨子から聞いたよな? 愛ちゃんがああなって、さすがにこれを俺のチャンネルで配信すんのはまずいかなと思ったんだ。でも、本田さんがこれはテレビじゃお蔵入りだけど、動画配信ならバズるって」
梨子の話を聞いてる限り、地上波で流せば苦情が殺到しそうだ。動画配信だからこそ、恐怖動画としてネタになるかもしれないが、加藤さんの事はフェイクではない。
「俺達は、編集を全員で分担してやってるんだ。今回は神隠しの家から帰って、他の編集に追われてたり愛ちゃんの事があったから、作業が遅れちまってな。俺達はそれまで一度も、鳥頭村の動画を見た事なかったんだけど」
「何か……映ってたの?」
裕二は頷き、ノートパソコンを立ち上げると、僕達の方へ向ける。
梨子の声が震えているのは、同じ体験を共有しているせいだろう。僕も正直、ずっと嫌な予感を拭えないのだが、ここまで来て動画を見ない訳にはいかないので、腹を括る事にした。
「俺と本田さん、秋本さんもこの映像を見ているんだけど……ちょっとお前らにも確認して欲しくて」
映像は、車内から始まる。
梨子から予め話は聞いているので、この映像は、本田さんの方ではなく裕二の方のカメラだと理解した。古い日本家屋の一軒家は、昭和の時代に建てられた物だろうか。
『この先、進むな。呪いの家』というスプレーで書かれた礼の落書きが映っている。
前半の村の様子からしても、この廃屋は綺麗に見える。玄関の扉を裕二が開けようとし、片手で断念した所で、代わりに達也が少し強引に開けた。
懐中電灯で足元を照らすと、埃まみれで、人気の心霊スポットという割には人が来た気配がない。
少なくとも直近で人の出入りはしていないようだ。
「ちょっとそこで止めてくれる?」
「えっ、何だよ。まだ問題の所にまで来てないぞ。もう何か視えるのか?」
僕が制すると、裕二は驚いて手を止めた。玄関の入口で映像が停止するのを確認すると、僕流の霊視を二人に説明した。
「説明が難しいんだけど、今から僕はこの映像を通して、六人が体験した事を、追体験出来るんだ。ええっと、なんて言ったら良いのかな、映像を通してこの家に入り込んで霊視するんだよ。VR体験するみたいな感じで……君達のあの日に降り立って、記憶を辿るんだ」
当然ながら二人共、何を言っているのか良く分からないと言うような顔だ。
僕の霊視は、何か物に触れたり接触したりするだけでなく、映像や写真を媒体に過去を追体験して、霊視出来たりする。
ただそれを霊視するだけではなく、その中で、自由に移動が出来たり、物に触れたりする事が可能になる。そして、彼らが視えなかった存在にも僕は気付けたりするんだ。
「えっと、僕が良いよって言ったら、動画を再生してくれるかな? 僕が止めてって言ったら、そこで動画を止めて欲しいんだ。今から霊視を始めるよ。それから、裕二の身に何が起こっているのか聞くから」
多分、僕の話を半分も理解出来ていないだろう裕二が頷き、梨子が心配そうに見守っている。大きく深呼吸すると、目を閉じて両手でこめかみを抑えた。
そして、手を下ろすと右手の指を二本、自分の額に当て全意識を集中させる。
徐々に、研ぎ澄まされた感覚が体を駆け巡った。
「良いよ」
目を開けると、僕の黒目が紅く光った。
僕はそういった動画配信の業界には全く疎いのだが、梨子が言うには裕二は、毎日動画を投稿していて、オリジナルグッズを展開し、人気のインディーズゲーム会社とのコラボを行うなど手広くやっているようだ。
登録者数も年々増え、そこそこ顔が良い裕二は、女性にも人気があるらしく、この立地の都心で住める位は稼いでいるんじゃない、との事だった。
羨ましい限りだな。
まぁ、僕がやっても、間違いなく二日でネタ切れしてしまうだろうけど。
「その口振りだと、梨子も裕二の動画を見てるの? 梨子は心霊系は全部駄目かと思ったけど、そうでもないんだ?」
「私、怖いの苦手なんだけど……裕二くんの動画は、面白く紹介してくれるから見られるの」
「そっか、あの……。梨子は霊感が強い人ってどう思う? やっぱり気味悪いものかな?」
いや、僕は一体何を聞いているんだ。
完全に僕の事をどう思ってるんだ、みたいな聞き方じゃ無いか。
こんなんじゃ、下心があって梨子を助けているんだと誤解されるだろ。
梨子は突然の質問に案の定、きょとんとして僕を見ている。そして次の瞬間おかしそうに笑う。
「健くん、高校の時も同じ質問したよ。私は怖いのは苦手だし、そう言うお化けの世界の事って分からないけど……儀式とか、民俗学的には興味深いと思う。それにその人の力が本物なら、一つの才能だと思うけどな」
「そ、そうか。高校の時も質問してたっけ? さ、才能ね、いいね!」
完全に墓穴を掘ってしまった。
どうしてこうも僕は、女性と話すのが致命的に下手くそなんだろうか。職場には男が多く、女性は自分の母親と同い年位の人だけだし、なんて言い訳にもならないぞ。
そんな事を思っていると、裕二の住んでいるマンションまで到着した。結構新しいマンションのようで、外観もお洒落だな。
芸能人が住んでいてもおかしくない。
コインパーキングに車を停車し、僕達は共有エントランスから、インターフォンを鳴らして、裕二を呼び出した。
✤✤✤
裕二の部屋は都心で2LDK。この立地だと、結構な家賃じゃないだろうか。
部屋は、どうやら配信場所としても使うそうなので、小綺麗にしている。
裕二は一人暮らしだと言っていたが、掃除の仕方や、ちょっとした小物の趣味を見ても、女性の気配がする。
僕はてっきり同棲している彼女でもいるのかと思ったんだが。
まぁ、立場上芸能人と似たような職業なので、誰かと付き合っているだなんて、友達にも軽々しく言えないだろうが。
一年ぶりに会う裕二は、目の下にクマを作り、疲れた表情をしている。ここ数日で彼をこうさせてしまうような何かを、体験したんだろう。
「良かった! 本当に来てくれたんだな」
裕二は、梨子と同じように全体的に黒い靄がかかったような、まるで色失ってこちらの世界から隔離されたように、モノクロに見える。
僕達が来て、喜ぶ笑顔も痛々しく思えた。
どんよりとした印象を受けるのは、気のせいじゃないだろう。隣の梨子も、心配そうに裕二を見ていた。
ラフな格好をした裕二は、重い体を引きずるようにしてキッチンへと向かう。
「二人共、缶コーヒーか……ビールならあるんだけど、飲むか?」
「僕はいいよ、ありがとう。あんまり気を遣わなくて構わないから。それより、酷い顔だぞ。裕二、眠れてないのか?」
「私も大丈夫。ねぇ、本当に顔色悪いよ。裕二くん」
「あぁ、まぁ……。その事についても今から話すよ」
僕と梨子は顔を見合わせ、動画配信用に使っている洋間へ通された。
配信用の機材や、カメラ、パソコン等が置かれている。テレビ番組のセットとまではいかないが、ポップでホラーな飾りや、大きなソファーが置いてあった。
裕二は、そこに座ると立ったままの僕達二人を交互に見て、話し始める。
「何から話したらいいかな」
裕二は、あの時の事を話すのに、躊躇しているようだった。缶ビールの蓋を開けると、気合を入れるように一気に飲む。
「俺も本田さん達も配信用にカメラを回してたんだ。それは梨子から聞いたよな? 愛ちゃんがああなって、さすがにこれを俺のチャンネルで配信すんのはまずいかなと思ったんだ。でも、本田さんがこれはテレビじゃお蔵入りだけど、動画配信ならバズるって」
梨子の話を聞いてる限り、地上波で流せば苦情が殺到しそうだ。動画配信だからこそ、恐怖動画としてネタになるかもしれないが、加藤さんの事はフェイクではない。
「俺達は、編集を全員で分担してやってるんだ。今回は神隠しの家から帰って、他の編集に追われてたり愛ちゃんの事があったから、作業が遅れちまってな。俺達はそれまで一度も、鳥頭村の動画を見た事なかったんだけど」
「何か……映ってたの?」
裕二は頷き、ノートパソコンを立ち上げると、僕達の方へ向ける。
梨子の声が震えているのは、同じ体験を共有しているせいだろう。僕も正直、ずっと嫌な予感を拭えないのだが、ここまで来て動画を見ない訳にはいかないので、腹を括る事にした。
「俺と本田さん、秋本さんもこの映像を見ているんだけど……ちょっとお前らにも確認して欲しくて」
映像は、車内から始まる。
梨子から予め話は聞いているので、この映像は、本田さんの方ではなく裕二の方のカメラだと理解した。古い日本家屋の一軒家は、昭和の時代に建てられた物だろうか。
『この先、進むな。呪いの家』というスプレーで書かれた礼の落書きが映っている。
前半の村の様子からしても、この廃屋は綺麗に見える。玄関の扉を裕二が開けようとし、片手で断念した所で、代わりに達也が少し強引に開けた。
懐中電灯で足元を照らすと、埃まみれで、人気の心霊スポットという割には人が来た気配がない。
少なくとも直近で人の出入りはしていないようだ。
「ちょっとそこで止めてくれる?」
「えっ、何だよ。まだ問題の所にまで来てないぞ。もう何か視えるのか?」
僕が制すると、裕二は驚いて手を止めた。玄関の入口で映像が停止するのを確認すると、僕流の霊視を二人に説明した。
「説明が難しいんだけど、今から僕はこの映像を通して、六人が体験した事を、追体験出来るんだ。ええっと、なんて言ったら良いのかな、映像を通してこの家に入り込んで霊視するんだよ。VR体験するみたいな感じで……君達のあの日に降り立って、記憶を辿るんだ」
当然ながら二人共、何を言っているのか良く分からないと言うような顔だ。
僕の霊視は、何か物に触れたり接触したりするだけでなく、映像や写真を媒体に過去を追体験して、霊視出来たりする。
ただそれを霊視するだけではなく、その中で、自由に移動が出来たり、物に触れたりする事が可能になる。そして、彼らが視えなかった存在にも僕は気付けたりするんだ。
「えっと、僕が良いよって言ったら、動画を再生してくれるかな? 僕が止めてって言ったら、そこで動画を止めて欲しいんだ。今から霊視を始めるよ。それから、裕二の身に何が起こっているのか聞くから」
多分、僕の話を半分も理解出来ていないだろう裕二が頷き、梨子が心配そうに見守っている。大きく深呼吸すると、目を閉じて両手でこめかみを抑えた。
そして、手を下ろすと右手の指を二本、自分の額に当て全意識を集中させる。
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