31 / 46
【霧首島編】
第二十九話 幽体離脱③
しおりを挟む
や、やばい!
幽体離脱していることをこいつらに気付かれたか!?
鳥居をくぐっていった『穢れ』たちは僕の心の声が聞こえたように、いっせいにこちらを振り返った。
ばぁちゃんが、反射的に式神を放つと両側から僕を覗き込んでいた、黒い『穢れ』が吸い取られるようにして消えていく。
ばぁちゃんの扱う式神は、僕が扱うよりも何倍も機敏に動き、肉眼で確認するのが難しい位の速度で僕たちの周りを円を描くように飛び交っている。
そして、赤茶けた鳥居からゾロゾロとこちらに向かって引き返してきた、穢れを背負った亡者たちを、竜巻のように巻き込んでは、力を失い真っ黒になって墜落していった。
背後からも、同じように黒い蚊柱が呻き声をあげながら、僕らを取り囲んでいて、周囲は団子状態になっている。
「ば、ばぁちゃんの式神でも、この数の穢れは全部、吸い取れないよ! このままじゃ飲み込まれる」
『急急如律令! 健! こいつらを浄化するのにあんたとの龍神祝詞じゃ、追いつかない。御神刀を抜くんだよ!』
この『穢れ』は山祇神社に向かう山道や、神社付近で遭遇した量とは、比べものにならない。
ばぁちゃんが指で印を結びながら浄化していくが、それでも、まだ周囲にうじゃうじゃいて対応しきれない。
式神の消費する量が尋常じゃないくらい早すぎて、祝詞と同時にするのは、あまりにもリスクが高すぎる。
もう、ここはいちかばちかだ!
僕は、無我夢中で御神刀を手にすると神経を集中させ、ゆっくりと鞘から引き抜いた。
その瞬間、僕の両腕にヒリヒリとした強い霊気が走り、体が熱くなって刀が眩い光を放ったかと思うと、大勢の人たちの断末魔のような声が響きわたった。
――――グギァァァァァァァァァ!
僕たちの周囲に群がっていた、黒い穢れを背負った亡者たちを、龍神様の光が一瞬にして浄化する。
抜刀しただけで、御神刀から龍神様のこんな強い力が放たれるとは思わなかった。
心なしか、あの気味の悪い人型の穢れどころか、この辺り一帯が清められたような気がして、僕は額の汗を拭うばぁちゃんを見た。
『やっぱり、あんたが一族の中で一番霊力が高いよ。龍神様に選ばれた巫だね。ばぁちゃんがようやく御神刀を抜刀できたのは、あんたが生まれた時くらいだからねぇ。それも一回きりなんだよ』
「ばぁちゃん、僕を自慢の孫みたいに言ってくれるのは嬉しいけど。今ここで、これを使用して良かったの? あのさ、これ絶体絶命の時に一回しか使えない仕様とかじゃないよね?」
『知らん。抜刀してぶっ倒れてないんだからあんたなら大丈夫だよ。それどころか、何ともないなら、あんたの霊力はばぁちゃんが思うよりももっと強いってことだねぇ』
おいおい、霊力を大幅に使うなら、一日で回数制限があるアイテムなんじゃ……?
とりあえず僕はなんともないので、次抜刀しても大丈夫そうだけど、そんな大事なことはもっと早くに言ってほしい。
「ばぁちゃん、さっきよりこの辺りは清められたみたいだけど、神社には入れないかな?」
『あの穢れはなくなったけど、祟り神がいるから禍々しいねぇ。狂れるのを覚悟で行くんなら、ばぁちゃんは止めないよ』
ばぁちゃんの言葉に、僕は息を呑んだ。
あの郷土資料館で遭遇した華夜姫らしき祟り神は、今まで遭遇してきたどの魔物よりも恐ろしく、本気で命の危機を感じた。
だが、今は梨子の命がかかっているかもしれない。
彼女を連れてきた僕の責任は重いんだから、迷っていられない。
「行くよ。梨子が贄にされる可能性があるんだから見過ごせない。祟り神を鎮めるのも、神主の役目じゃないか」
ばぁちゃんは笑って頷く。
もしかして僕の本気を、試したのかもしれない。
僕は、息を止めるようにして御神刀を携えたまま鳥居を潜った。
✤✤✤
俺と間宮先生は、集落を抜けて霧首海神社を目指した。
『民宿たけしげ』の女将さんたちは、俺たちに行って欲しくねぇから、丁寧に場所まで教えてくれたんだよなぁ。
間宮先生が保護者なら、遊び半分で集落に近付かねぇと思ったかも知れないが、甘かったな。
それにしても、なんつーか……不気味だ。
「千堂くん、ここらへんで何か感じるかい? 僕は霊感はゼロだと思ってるから、特に何も感じないんだけど……、ここは本当に雰囲気のある集落だよね」
「いや、ここには何もいないっす。霧首島全体が心霊スポットみたいなんだけど……、ここはもぬけの殻って感じで逆に不気味」
人間も霊も獣もいねぇ。
本当にもぬけの殻って感じだ。
もしかすると、普段はここにも霊がうじゃうじゃ溜まっているのかもしれないけどな。
そんなことより、本当に廃屋だらけでかなり昔の年代の家が、取り壊されずにそのまま自然に朽ちていくのを待っているようだ。
ここはほとんど、廃村に近いゴーストタウン。
限界集落ってどこもこんな感じか?
「間宮先生、この島って昔はかなり人も住んでたっぽくないですか? 家屋も多いし、建物からしても、移り住んできた人もいそうなくらい年代がバラバラっす」
「うん。壊れた廃屋の中には、昭和っぽい建物から、かなり昔の日本家屋まであるよね。人が住んでる場所ももちろんあるけど、思ったより昔は人が多かったんだろうな」
異様なくらい静かで、まるでここだけ全部死に絶えて、腐り落ちていふようだ。
今にも崩れそうな廃屋が、自分の家の隣にあるなんて身の危険を感じそうなもんだけどよ。
まぁ、人が住んでそうな家も、修繕はしてるだろうけど、もう結構古そうな感じなんだよな。
「誰も住んでいない家屋に、この島の手掛かりとか残ってないだろうか。僕も『第六感』を働かせてみようかな」
「えっ、不法侵入になるっすよ。それにこんだけ多かったら、全部回ってるうちに日が暮れちまう」
「まぁね。何も壊さないように調査しよう」
間宮先生はヘラヘラと笑って言った。
見つかったらやばそうだけど、ここはもぬけの殻だし、少し調べるくらいなら大丈夫か。
けど天気が悪くて暗いし、闇雲に探せねぇよ。
感を働かせるったってな……、俺だって雨宮じゃねえんだから、そんな特殊な霊感は持ってねぇ。それに、早く葉月に会ってやりてぇんだけど。
間宮先生は立ち止まると額に手を当てた。
この人、天然なのか?
民俗学者でオカルト好きなんて、変なやつには違いねぇけど、本当に霊能力とかないんだよな?
「僕の感だけど、こっちだと思う。あの辺りの家屋が怪しいな。廃屋だけど物がそのまま残されているから、日記や新聞がありそうだし。それに、君たちの言う念が残ってそうじゃない?」
振り返った間宮先生は迷いもなく、一区画を指さした。
幽体離脱していることをこいつらに気付かれたか!?
鳥居をくぐっていった『穢れ』たちは僕の心の声が聞こえたように、いっせいにこちらを振り返った。
ばぁちゃんが、反射的に式神を放つと両側から僕を覗き込んでいた、黒い『穢れ』が吸い取られるようにして消えていく。
ばぁちゃんの扱う式神は、僕が扱うよりも何倍も機敏に動き、肉眼で確認するのが難しい位の速度で僕たちの周りを円を描くように飛び交っている。
そして、赤茶けた鳥居からゾロゾロとこちらに向かって引き返してきた、穢れを背負った亡者たちを、竜巻のように巻き込んでは、力を失い真っ黒になって墜落していった。
背後からも、同じように黒い蚊柱が呻き声をあげながら、僕らを取り囲んでいて、周囲は団子状態になっている。
「ば、ばぁちゃんの式神でも、この数の穢れは全部、吸い取れないよ! このままじゃ飲み込まれる」
『急急如律令! 健! こいつらを浄化するのにあんたとの龍神祝詞じゃ、追いつかない。御神刀を抜くんだよ!』
この『穢れ』は山祇神社に向かう山道や、神社付近で遭遇した量とは、比べものにならない。
ばぁちゃんが指で印を結びながら浄化していくが、それでも、まだ周囲にうじゃうじゃいて対応しきれない。
式神の消費する量が尋常じゃないくらい早すぎて、祝詞と同時にするのは、あまりにもリスクが高すぎる。
もう、ここはいちかばちかだ!
僕は、無我夢中で御神刀を手にすると神経を集中させ、ゆっくりと鞘から引き抜いた。
その瞬間、僕の両腕にヒリヒリとした強い霊気が走り、体が熱くなって刀が眩い光を放ったかと思うと、大勢の人たちの断末魔のような声が響きわたった。
――――グギァァァァァァァァァ!
僕たちの周囲に群がっていた、黒い穢れを背負った亡者たちを、龍神様の光が一瞬にして浄化する。
抜刀しただけで、御神刀から龍神様のこんな強い力が放たれるとは思わなかった。
心なしか、あの気味の悪い人型の穢れどころか、この辺り一帯が清められたような気がして、僕は額の汗を拭うばぁちゃんを見た。
『やっぱり、あんたが一族の中で一番霊力が高いよ。龍神様に選ばれた巫だね。ばぁちゃんがようやく御神刀を抜刀できたのは、あんたが生まれた時くらいだからねぇ。それも一回きりなんだよ』
「ばぁちゃん、僕を自慢の孫みたいに言ってくれるのは嬉しいけど。今ここで、これを使用して良かったの? あのさ、これ絶体絶命の時に一回しか使えない仕様とかじゃないよね?」
『知らん。抜刀してぶっ倒れてないんだからあんたなら大丈夫だよ。それどころか、何ともないなら、あんたの霊力はばぁちゃんが思うよりももっと強いってことだねぇ』
おいおい、霊力を大幅に使うなら、一日で回数制限があるアイテムなんじゃ……?
とりあえず僕はなんともないので、次抜刀しても大丈夫そうだけど、そんな大事なことはもっと早くに言ってほしい。
「ばぁちゃん、さっきよりこの辺りは清められたみたいだけど、神社には入れないかな?」
『あの穢れはなくなったけど、祟り神がいるから禍々しいねぇ。狂れるのを覚悟で行くんなら、ばぁちゃんは止めないよ』
ばぁちゃんの言葉に、僕は息を呑んだ。
あの郷土資料館で遭遇した華夜姫らしき祟り神は、今まで遭遇してきたどの魔物よりも恐ろしく、本気で命の危機を感じた。
だが、今は梨子の命がかかっているかもしれない。
彼女を連れてきた僕の責任は重いんだから、迷っていられない。
「行くよ。梨子が贄にされる可能性があるんだから見過ごせない。祟り神を鎮めるのも、神主の役目じゃないか」
ばぁちゃんは笑って頷く。
もしかして僕の本気を、試したのかもしれない。
僕は、息を止めるようにして御神刀を携えたまま鳥居を潜った。
✤✤✤
俺と間宮先生は、集落を抜けて霧首海神社を目指した。
『民宿たけしげ』の女将さんたちは、俺たちに行って欲しくねぇから、丁寧に場所まで教えてくれたんだよなぁ。
間宮先生が保護者なら、遊び半分で集落に近付かねぇと思ったかも知れないが、甘かったな。
それにしても、なんつーか……不気味だ。
「千堂くん、ここらへんで何か感じるかい? 僕は霊感はゼロだと思ってるから、特に何も感じないんだけど……、ここは本当に雰囲気のある集落だよね」
「いや、ここには何もいないっす。霧首島全体が心霊スポットみたいなんだけど……、ここはもぬけの殻って感じで逆に不気味」
人間も霊も獣もいねぇ。
本当にもぬけの殻って感じだ。
もしかすると、普段はここにも霊がうじゃうじゃ溜まっているのかもしれないけどな。
そんなことより、本当に廃屋だらけでかなり昔の年代の家が、取り壊されずにそのまま自然に朽ちていくのを待っているようだ。
ここはほとんど、廃村に近いゴーストタウン。
限界集落ってどこもこんな感じか?
「間宮先生、この島って昔はかなり人も住んでたっぽくないですか? 家屋も多いし、建物からしても、移り住んできた人もいそうなくらい年代がバラバラっす」
「うん。壊れた廃屋の中には、昭和っぽい建物から、かなり昔の日本家屋まであるよね。人が住んでる場所ももちろんあるけど、思ったより昔は人が多かったんだろうな」
異様なくらい静かで、まるでここだけ全部死に絶えて、腐り落ちていふようだ。
今にも崩れそうな廃屋が、自分の家の隣にあるなんて身の危険を感じそうなもんだけどよ。
まぁ、人が住んでそうな家も、修繕はしてるだろうけど、もう結構古そうな感じなんだよな。
「誰も住んでいない家屋に、この島の手掛かりとか残ってないだろうか。僕も『第六感』を働かせてみようかな」
「えっ、不法侵入になるっすよ。それにこんだけ多かったら、全部回ってるうちに日が暮れちまう」
「まぁね。何も壊さないように調査しよう」
間宮先生はヘラヘラと笑って言った。
見つかったらやばそうだけど、ここはもぬけの殻だし、少し調べるくらいなら大丈夫か。
けど天気が悪くて暗いし、闇雲に探せねぇよ。
感を働かせるったってな……、俺だって雨宮じゃねえんだから、そんな特殊な霊感は持ってねぇ。それに、早く葉月に会ってやりてぇんだけど。
間宮先生は立ち止まると額に手を当てた。
この人、天然なのか?
民俗学者でオカルト好きなんて、変なやつには違いねぇけど、本当に霊能力とかないんだよな?
「僕の感だけど、こっちだと思う。あの辺りの家屋が怪しいな。廃屋だけど物がそのまま残されているから、日記や新聞がありそうだし。それに、君たちの言う念が残ってそうじゃない?」
振り返った間宮先生は迷いもなく、一区画を指さした。
0
お気に入りに追加
46
あなたにおすすめの小説
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる