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二十五話 初夜①

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 悪樓は美雨を抱いたまま、豪華な婚礼布団の上に座ると、綿帽子を取り彼女を横たえた。いつの間にか小指の赤い糸は消えて、お互いの魂が再び刻まれたような懐かしい感覚がする。
 ようやく、離れ離れになっていた魂の欠片が一つになったような、穏やかな幸福感に包まれた。
 まるで水の中を漂うように、悪樓の銀色と朱色の髪が空中に流れ、蒼と金の光がキラキラと二人の周りを飛んでいた。美雨と悪樓を招き入れた本殿の扉が閉まると、綺麗な光の粒が線香花火のように消えていく。

「悪樓さん……。私もずっとこの日を待っていました。私、もうなんの不安もないんです」
「貴女は私と番うことも、交じることにも、もう、不安を感じないのだな?」

 悪樓は美雨の頬を優しく撫でると、互いの額を合わせた。優しい銀の瞳は、まるで水晶のようで美しい。美雨も、彼の好意に答えるかのように、悪樓の冷たい頬を撫でる。悪樓がそっと愛しげに美雨の指先を取り、布団の上まで彼女の手を導いて指を絡めると、そっと口付けた。
 彼は、優しく舌で美雨の唇の隙間をなぞると、それを受け入れるようにして美雨は口を開き、お互いの熱い舌を絡ませる。

「ん……んっ……はぁ………んっ………」
「美雨……ん。はっ……貴女の舌は暖かい。私の体と心を暖めてくれるようだ」

 舌の粘膜が絡まり合うと、ようやく二人の間で橋をかけながら離れた。悪樓はゆっくりと白無垢姿の美雨を脱がし、肌襦袢までくると紋付羽織を脱ぎ、長着を脱いで、美雨と同じく肌襦袢になる。美雨の華奢な体を押し潰さないように、悪樓は細心の注意を払って口付けた。
 
「んっ……はぁっ……あっ……悪樓さん………はっ、今日は一杯、貴方の妻だと言う証を私につけて下さい」
「ふふ……愛いことを言う。貴女も今夜は少し積極的なようだ、嫁御寮。そうだな、他ならぬ美雨の望み通り首筋や鎖骨に、私の跡をつけよう。私はもう貴女だけのものだから」

 美雨は頬を染めながら、悪樓にそうねだる。もう自分たちの関係を咎めたりする者もいなければ、悪く言う相手もおらず、この島の全員が二人を静かに祝福してくれていた。あんなに恐ろしいと思っていた性行為も、悪樓になら全てを委ねられる。
 悪樓は白い指先で、美雨の首筋を撫でるとそれを追うように唇を這わせ、濡れた舌で慰めるように触れた。最愛の人に強く吸い付くように口付けられると、美雨の吐息は乱れ、互いの指を絡めて存在を確認した。

「はっ……あっ、ん……はふっ……悪樓さん……」

 悪樓は、美雨の伊達締めにされた帯を緩めると、鎖骨から乳房までを慈しむように口付ける。悪樓の髪から上品な香りがして、美雨はリラックスするように、体の力を抜いた。 
 柔らかな白い乳房に舌を這わせ、大きな手のひらの中で揉まれると、美雨はシーツを握りしめる。

「美雨、貴女の乳房から鼓動を感じる……。貴女がこうして生きてる。それが私にはなによりも尊いことだ」
「はぁっ……ぁっ……んっ、あっ、あぅ……嬉しいです。悪樓さんとこうして、会えたことが……幸せで、はぁっ……あっ、あん」

 悪樓の舌が乳輪をなぞり、その先端にある蕾に絡まると、悪樓は優しく甘噛みする。甘い刺激に反応すように美雨のそれは勃起し、豊かな乳房を、優しく押し込むような慈しむ愛撫に反応した。柔らかな悪樓の唇は、小さく音を立てながら、彼女の肌に跡をつける。指先が乳頭を摘むと、ビクンと大きく美雨の腰が揺れた。

「ん………私の嫁御寮は、どこもかしこも綿菓子のように甘い。はぁ……特にこの桜の花のような乳輪がいつまでも舐めていたくなる」
「はっ、はぁっ、あ、あんっ、悪樓さっ、あっ……んんっ、はふっ……ぁっ……あ、あぁっ」

 悪樓の舌が、名残惜しそうに美雨の甘い桜色の乳頭から、音を立てて離れた。
 いよいよ着物の裾をゆっくりとめくると、冷たい指先で美雨の太腿に触れる。彼女の反応を確かめながら、身じろぐ美雨の足の付根までくれば、下着越しに指を這わせた。優しく、触れるか否かの悪樓の愛撫は、美雨の感覚を鋭くさせていた。
 じんわりと下着が濡れるのを感じ、はしたないと美雨は思いながらも、悪樓を見上げ甘い声で勇気を出し、おねだりをしてみる。
 
「あっ……あんっ……悪樓さん……んっ……あぅ……はっ……あ、あっ……もっと、触れて下さい悪樓さん。はぁっ……焦らさないで」
「ふふ……愛い。私を求めてくれるのだな、美雨。それではたっぷりと私の愛撫に身を任せて欲しい」

 濡れた下着をゆっくりと下ろすと、悪樓は美雨の髪を優しく撫でながら、糸を引く陰裂を指の腹で上下に擦る。全体を捏ねるようにして動かすと、小さな花芽を親指で優しく撫で回した。
 その度に、美雨の足先がビクンと揺れて、縋るように悪樓の胸板に顔を埋める。

「んぁっ、はっ、あ、あぁっ、はっ……あんんぅ、やっ……あ、はっ、だめぇ、あんっ、いい……気持ちいいです、はっ、はぁっ」
「美雨、何度達しても構わぬ。貴女が快感を覚えれば覚えるほど、この女陰は熟れて私を受入れやすくなるのだから」

 悪樓は、美雨の濡れた膣口にゆっくりと指を挿入する。ようやく悪樓の愛撫に慣れ始めた美雨の膣内なかは、やすやすと彼の指に絡み付いた。悪樓が膣口を優しく掻き乱すように愛撫すると、美雨の甘い声と濡れ音が本殿の中で鳴り響く。
 悪樓が美雨の花芽の裏を指の腹で刺激すると、反応するように太腿が震えた。緩急をつけるように指を動かし、速度を早めていくと、愛液と指が絡まる淫靡な音が激しくなり、美雨の体を追い詰めていく。

「はっ、んぁっ……あっ、んっ、あっあっあ、悪樓さんっ、ふっ、あっ、好きですっ、あ、んぁ、気持ちいいっ、やぁんっ……あっ、イクッ、イッちゃう」
「今日は随分と早いな、美雨。それだけ私のことを感じてくれている証拠だろうか……。構わぬ、そのまま身を任せておくれ」

 悪樓は美雨に口付ける。
 そして、彼女の膣内なかを追い詰めるようにして指を動かすと、美雨はたまらず絶頂に達した。ゆっくりと彼女と指を繋ぎながら、悪樓は下腹部まで体を下ろし、両足を広げる。
 濡れた花弁を見つめられると、美雨は真っ赤になった。
 美しい悪樓、服ろわぬ神である悪樓に自分の不浄の部分を見つめられる羞恥と背徳感は、いつまでたっても慣れない。

「悪樓さん、そんなに見ないで……恥ずかしいの」
「ふふ……見なければ愛撫はできぬぞ、美雨。安心して欲しい。貴女はとても綺麗な女陰ホトをしているし、私は、貴女の全てが愛しいのだから、隠さないで欲しい」

 悪樓はそう言って安心させるように微笑む。
 端丘の先端に実る愛らしい花芽を、悪樓は舌で転がすように舐めながら、何度も優しく深く吸い付く。そして挿入した指を上下にリズミカルに動かした。美雨は繋いだ指に力を込め、腰を快楽に震わせる。
 敏感な場所に、美しい悪樓の赤い舌が絡まる様子を見るだけで膣内あそこがぎゅうぎゅうと締まり、細い指先を締め付ける。彼に奉仕される喜びに、美雨の肉体は開いていった。
 悪樓は花芽の裏から、さらに奥へと指を潜らせると、そこを重点的に愛撫し花芽を強く吸った。美雨の膣内なかの潤う水底に存在する、快感の場所を優しく押し、脳を刺激する。

「はぁっ、ぁっ、あんっ……あぁっ、やぁっ……あっ、それ、気持ちいい、悪樓さっ……はふっ、あ、あぁっ♡ あっ、すごっ、悪樓さんっ、はぁっだめ、気持ちいい、蕩けちゃう、あっ、あんっ……やぁぁ♡」
「んっ……はっ……美雨、はっ……愛してる、はぁっ……んっ……」

 美雨がぎゅっとシーツを、握りしめた瞬間に腰を震わせて絶頂に達すると、桜貝のように慎ましい女陰から潮を噴いた。


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私事ですが、罹患後の後遺症で執筆が遅れております。お待たせして申し訳ありません。
これからもよろしくお願いしますm(_ _)m
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