【R18】月に叢雲、花に風。

蒼琉璃

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第二部 天魔界編

漆、天と地の暴君―其の四―

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 紅雀は物怖じする事もなく、鼻歌を歌いながら天魔の女中に案内された脱衣場で着物を脱ぎだした。ここは、魔王専用の湯殿ゆどのでキョウの都にある銭湯せんとうのように大きい。
 念の為、外の入り口には霧雨に命じられたのか女中が立っていてくれているというのでひとまず安心した。若菜は陰陽寮でも、女中が入り終わった後にこっそりと入浴していたので、他の女性の裸体を見た事が無く頬を染めながら、服を遠慮がちに脱いでいた。

『あら、なぁに恥ずかしがってるんだい? こんなに広い銭湯を、私達だけで貸し切りなんてこんなそうそう贅沢ぜいたくできるもんじゃないよ。しかも、魔王の湯殿なんてさ、落語みたいじゃないの』
「う、うん、わぁっ……! ほ、本当に広いね」

 タオルで前を抑える若菜の両肩を押しながら、二人は湯殿へと入る。黒曜石のような素材で出来た湯船、不思議な壁画が描かれた壁に夕焼けのような赤紫に染まる空と、硝子戸がらすど越しに美しい庭園が見えた。
 二人は、その神秘的な光景に喜びながら庭を見ると桶に汲んだお湯で体を濡らす。

『若菜、私が洗ってあげるよ……ふふ、こんな風に一緒に湯浴みするのは初めてだねぇ。朔の式神になった時は、まだまだ青くってさぁ、恥ずかしがって洗わせてくれなかったんだけど、主は娘の方が私は楽しいわ』
「ふふふ、紅雀は美人だから……朔ちゃん、恥ずかしかったんだね」

 紅雀は、事実上朔の初体験の相手。人間の女性にならば嫉妬の心も湧いてくるが、式神が主人の傍にとどまる為には霊力が必要になる。
 とはいえ、彼女のように美人で艶やかな女性がいいのだろうか、と悩んだ時期もあったが。
 昔から姉弟を何かと気にかけてくれる紅雀を、式神ではなく家族のように若菜は思っていた。
 髪を華やかな香りのする湯で洗い、紅雀は背中越しに豊満な胸を背中に押し付けてくる。

「べ、紅雀……んっ」
『若菜、あんたの肌はすべすべだねぇ。ふわふわの金糸のように綺麗な髪だわ。うなじからでもあんたの清浄な霊力の香りがするよ』

 そう言うと、紅雀のふっくらとした唇が耳の付け根に口付ける。美女の唇から蛇の舌先が現れると若菜の耳朶を挟みなぞるように舐めた。
 若菜の小さな喘ぎ声に満足すると、南蛮渡来の石鹸サボンによく似た泡の出る固形物に触れ、泡立てた指先でゆっくりと腹から胸元を辿る。

「んんっ、はぁっ、ぁ、お耳、んぁ、恥ずかしい……ゃ、あっ、ああっ……くぅん」
『はぁ……初心で可愛いねぇ。耳が性感帯ってのは吉良から聞いてるよ。可愛い桜貝みたいに桃色じゃあないか。はぁ、それにしても柔らかい……異国の血が入ると、人間ヒトの胸はこんなにも心地よくなるのかねぇ? ま、私は張った胸もどちらも好きだけどさ』

 恥ずかしそうに、耳まで紅くなる若菜に興奮したように紅雀は耳朶を二股の舌で挟みこんだ。柔らかく耳朶を甘噛みされると子犬のように若菜は鳴く。
 胸の間を指先でなぞり、乳房の下付近を両手で洗うように、撫でては持ち上げると柔らかな甘い果実が揺れる感触を楽しむ。
 紅雀の指先は優しく、異性のような強さは無いが按摩あんまされるような心地よさがある。背中越しに感じる乳房が、妙に母性を感じて安心感したように背中をもたれさせた。

「あっ、ぁぁっ、んっ、あっ、ぁぅ、んっ……はぁっ、やぁ、んっ、あっ……べ、紅雀。あの、んっ、はぁっ……お、女の人と、その、どうしたら良いか……わた、わたし……わから、はぁっ、ないの……」
『あんたは、何もしなくていいんだよぅ。全部私に任せておけばいいのさ。んんっ」

 戸惑う若菜を、金色の蛇の瞳で見つめると、濡れ始めた密色の瞳で恥じらい頬を染める少女の唇に深く口付け、隙間から舌を強引に挿入させた。
 甘い唾液を含む舌先を、二股の舌で絡ませると、快感が二人の間で広がり女達の甘い吐息が混じり合って溶ける。
 口腔内で水音を響かせながら白桃のようなまろやかな乳房を揉みほぐし、薄桃色の乳輪を指の腹でなぞる。口付けから吸収する霊力さえも、極上の香りと極上の澄んだ霊力で、紅雀は興奮したように頬を染めた。
 銀糸を絡めながら、唇を離し艶やかに吐息を吐いて緋色の唇を舌で舐めると、紅雀は満足するように淫らに微笑んだ。

『はぁ……可愛いねぇ。どこもかしこも桃色じゃないの。んふふ、ほら……、ちょっと乳輪を撫でただけでこんなに立ってきて……優しく撫でてあげるわねぇ』
「う、ん、あっ……ひぁっ! やぁ、ん、あっあっ、そこ、んん、触れられたら、すごく……んん、声が響いて恥ずかしいの、紅雀」

 肩越しに若菜の乳房を見つめ、指の腹で焦らすように乳輪を撫でていたが、可愛らしく突起した胸の蕾を確かめるように指で押し上げると、鈴音のようなひときわ愛らしい甘い声が響いた。
 敏感な薄桃色の突起を、紅雀は優しく指の腹で刺激し、甘い香りのする首筋から肩をしっとりと舐めると、若菜の瞳に涙がたまってビクビク体を震わせた。

『大丈夫よぅ、あの無愛想な女中が誰も入らないように見張っているんだからさ。痛くないでしょう? 傷口は避けて……ここは念入りに洗わないとね』
「あっ……んっ! ひぁっ、ぁあっ、やぁん、あっ、ああっ、紅雀……んっ、ふぁっ……、ぁ、そ、そんなふうに……洗われたら、わたし、わたし」

 紅雀は、若菜の傷口を避けると恥毛の無い亀裂を泡のついた手のひらで覆い、優しく上下するように撫でた。幼子のような亀裂の奥にある花穴まで指を辿らせると、花芯まで優しく戻ってきて泡立て愛撫する。
 その間にも柔らかな乳房を泡で包み込むように撫で、固くなり始めた蕾を撫でた。しっとりとして執拗な紅雀の愛撫に、若菜の声は甘く掠れて震え始める。

『んふふ、朔の精液をつけたまま眠っちまってたんだもの、すみずみまで綺麗にしなくちゃね……女でないと行き届かない所もあるんだよ。あら、あら……泡に混じってほら、あんたの蜜が混じってきちゃったわよ?』
「やっっ……」

 昨日の行為を思い出してしまい、若菜は真っ赤になってうなだれた。優しく程よい力加減で表面的を愛撫されると、泡に混じってぬるぬるとした光る愛液の淫らな音が聞こえると、若菜は思わず自分の顔を覆った。
 耳元の紅雀の吐息も熱くなって刺激され次々と蜜が溢れ始める。
 恥らいを捨てられない、いじらしい若菜の反応を見ていると、自然と欲情するように椿のような紅雀の花弁が濡れてくるのを自覚した。

「あっあっ、あんっ、だめ、だめ、ぁ、――――っ!!」

 ぷっくらと亀裂から見えた花芯を丁寧に洗った瞬間、若菜は紅雀にもたれかかりながら控えめに絶頂に達した。その瞬間に溢れ出す清浄な霊力の香りに思わず紅雀は喉を鳴らす。
 呼吸を整える若菜の頬に口付け、お湯で泡を洗い流すと、今度は若菜と対面するように体を向けさせ、豊満な乳房を押し付けるようにして抱きしめながら唇を重ねた。
 乳輪を擦り合わせ、妖艶な美女は無垢な美少女の舌先を誘うように、ねっとりと絡ませると甘い唾液を吸い取った。

『んっ……んん、はぁ、久しぶりの若菜の霊力……はぁ、酔っちまいそう。こんな、んん……上等で美味しい霊力を味わったら、舌が肥えちまう……んん』
「んん、はぁっ……ゃ、あっ、ちゅ、ああんっ、はぁっ、あっ、あっあっ、あ、んんぅ……ぁ、べにすずめ、気持ちいい、やぁ」

 唇を合わせ、紅雀の指先が若菜の花弁に触れると、しなやかな二本の指で心地よい亀裂を確認するように撫で、上下に愛撫しゆっくりと小さな花穴に指を挿入する。
 入口付近の上層部の壁を押すように、優しく撫でると、じわじわと奥から愛液が溢れて纏わりついてくる。唇を離して、中腰のまま抱きついてくる若菜の背中を撫でた。
 しっとりと絡みつき押し返してくるような、禁断の果実を味わうように、紅雀は花弁の膣内なかで指を動かす。

『はぁ、若菜……気持ちいいのねぇ。ここを押すとあんたの甘い蜜が溢れて、はぁ、ふふ。素直で可愛いわぁ……ん……んぅ……私に魔羅は無いけどさ、子宮の奥が立ち上がるみたいな気持ちになって、

 若菜の可憐な薄桃色の乳輪を、蛇の二股の舌先で舐めると、優しく固くなってきた桜花色の蕾を吸う。それに反応して腰をピクピク震わせる無垢な少女の膣内なかをゆっくりと優しく、そして親指で花芯を撫でると、若菜は体を固くさせて、声にならない悲鳴をあげた。
 絶頂に達した若菜の蜜を指に纏わせた紅雀は、妖艶に赤い舌で味見するように舐めると、頬を紅潮こうちょうさせうっとりとする。

『んん、はぁ……美味しい。感じて霊力が濃くなると、蕩けちまいそうちなる。由衛に変わってあの人と一緒に、あんたの式神になりたいくらいだわぁ……さて。そろそろ、霊力を分けさせて貰うよ』
「はぁ、はぁ……う、うん」
『なぁに、恥ずかしいの? ちょいとくらい声が大きくなったて誰も聞いてやしないよ。ここは天魔界だよ、欲望の都さ。女同士でするのが不安なら、私が手を握ってあげる』

 そう言うと、若菜を風呂場の床に横たえ太腿を開けると妖艶な美女が四つん這いになって、悪戯っぽく舌舐めずりをする。若菜は頬を染めまつ毛を震わせながら、伸ばされた指先を握ってもらった。
 何度もこういった儀式を、式神達としているが羞恥心が消えることはいまだに無い。紅雀は慎ましい薄桃色の亀裂をゆっくりと指で開いてうっとりと鑑賞する。
 可憐な牡丹ぼたんから、透明な蜂蜜が垂れるように溢れると、紅雀は取りこぼさないように舌で受け取り、喉を鳴らして飲んだ。

「んぁっ、やはっ……あっ、あぁっ、ぁ、あっああっ、紅雀、した、舌がうねうねして、やぁぅぅぅ、あっあっ、だめ、だめ、また、い、いっちゃうっ」
『んんっ……んふふ、男も女も私の蛇の舌には弱いのよ。夜伽向きの舌さ。んっ、はぁ……あんたはここが好きでしょう、はぁっ、ん……いいのよ、いつでもいっても』

 開いた牡丹の花弁の奥に潜む、桃色の実を舌で絡め取ると、陰茎を扱くように舌で愛撫をする。根本から先端までじわじわと追い詰めるように舐め、ふっくらとした唇で花芯を掘り起こすように刺激した。若菜は華奢な体を何度もビクビクと震わせながら自分の指を噛んだ。
 花芯を徹底的てっていてきに攻めながら、顔を押し付けて深く唇全体で花弁を吸う。
 優しく甘く、清浄な香りが立ち込める花弁に、紅雀はうっとりとしながら、執拗に舌先で転がし皮を向くと優しくそれを丁寧に吸い上げる。

「――――っっ、ああっっん!!」
『はぁ……ちゅ、若菜、達したんだねぇ。はぁ、奥から濃くて、高級な甘酒みたいな愛液が溢れて……はぁ、辞められなくなっちまうよぅ。んん、はぁ……んっ……はぁ』

 震える恥毛の無い花弁を、紅雀は執拗に舐める。彼女の濡れた頭に指先を置いて逃れようとするが、ぴったりと張りつく柔らかな唇があまりにも心地よくて密色の瞳を潤ませながら、淫らに腰をくねらせた。
 天上の華から滴る蜜を追いかける蝶のように、紅雀は舌を尖らせると少女の溝を下から上へと駆け上げ執拗に舐めては、音を立ててすする。
 興奮した紅雀は、それでは飽き足らず自分の花弁に指を忍ばせ、熟れた椿のような華を自らの指でかき混ぜ、呼吸を荒らげた。

「あはっ、やぁぁ、紅雀、あっ、あっあっあっ、はぁっ……やぁん、んぁっ、あっん……ぁっ、はぁ、あふっ、ぁ、また、気をやってしまいそう、はぁ、はぁっ……」
『はぁ、じゃあ、ここを噛んであげるわね。んんっ、ちゅ、あっ、ああ』

 紅雀が手淫する淫らな音と、若菜の愛らしい花弁を舐める音が湯殿に響き渡り、優しく敏感な快楽の実を甘噛みした瞬間、二人は同時に絶頂に達して、潮を吹いた。
 呼吸を乱す若菜の柔らかな裸体に覆い被さり、紅雀が濡れた花弁を擦り合わせようとした時、湯殿に足音が響いて、湯煙の中から人影が現れると若菜は思わず真っ赤になって、紅雀に抱きついた。

「きゃっ……!」
『ちょっと、誰だい? ここは第六天魔王の湯殿だよ!』

 若菜を護るように抱き寄せ、体を起こした紅雀が男を睨みつけるように言うと、程よく鍛えられた肉体を惜しげも無く晒した朔が現れると口元に、ニヤリと笑みを浮かべ言う。

「何だお前ら、お楽しみ中を邪魔しちまったようだな?」
「さ、朔ちゃん」

 式神が霊力を欲するのは、朔の器から本能的に情報を得ていた魔王だったが、美女と美少女の淫らな儀式と、若菜の潤んだ蜜色の瞳に恥じらって思わず体を隠してしまういじらしさに、一気に陰茎が大きくなるのを感じた。
 まさか、こんな所で鉢合わせするとは思わなかったが若菜だけが持つ『神の繭』の力を探らねばならない。
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