【R18】月に叢雲、花に風。

蒼琉璃

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陸、愛欲の罪と罰―其の弐―

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 陰陽寮の広い敷地には、普段都に行けない陰陽師の為に貸本屋もとい書庫が存在している。
 陰陽師関係の本は元より、エドやキョウで流行っている本が幅広く読めた。若菜は、何か手掛かりがないか書庫で調べることにした。
 今日は生憎の曇り空で、同じ高さの窓から鉛色の空が見えた。
 今日は珍しく書庫に人の気配はない。
 管理を任されている老人は耳も遠く、客が居なければうたた寝をしている。出来ればあまり人に出逢わずにこの件を一人で調べようと思った。何か分かったら朔に報告をしようと思っていた。
 天魔に関する本と上級妖魔の本を手にし、上の棚に手を伸ばそうと苦戦していると、不意に白く繊細な指がそれを掴んだ。

「……この本ですか?」

 聞き慣れました声に驚いて本を落とし、振り返った。妖艶な微笑みを浮かべた光明が背後に立っており蜜色の目を見開き彼の名を呼んだ。
まさか彼に出逢うとは思わなかった。気配を感じなかったし、まず彼が一人で立ち寄ることも無いだろう場所だ。

「光明、様――――?」

「驚かせましたか……お前の姿が見えたので、久し振りにこの書庫に寄ったのですよ。……成る程、妖魔の本ですか……? お前は休日なのに勉強熱心なのですね」

 光明は本を拾い上げると、若菜に渡す。
 若菜は耳まで痛くなるような鼓動を静めるように整えると、受け取り礼を言う。

「ありがとうございます、光明様。最近あまり勉学が出来てないので……お部屋で勉学に励もうかと……」

 当たり障りのない返事をして彼の横を通りすぎようとした若菜を制するように腕を棚に伸ばす。おずおずと光明を見上げる若菜の顎を掴むと引き上げ唇を重ねた。
「久し振りに師匠にあったのに、つれない娘ですね。ご挨拶は?」
「こうめ………んっっ!」

 柔らかな桃色の唇を舌先でこじ開け、まるで生き物が這うように口腔内をねぶり舌先をからめられると若菜は頭が真っ白になるほどの刺激に再び本を落としてしまう。

「んっ……んっ、んぅ……はぁ、んぅっ……光明…さま…んん、はっ」
 ようやく唇を離されると若菜は潤んだ瞳と酸欠気味の思考で光明を見る。
 舌なめずりをして若菜の唇の感触に満足した光明は声を潜めるようにして囁く。

「若菜。またお前は口付けが下手になったようだ。ま、無理もないですね……朔と夕霧が私を独り占めしていたのですから」

 唇を指の腹でなぞられ、若菜はビクリと身体を震わせた。朔と心を通わせ結ばれてから光明が怖い。愛してる人以外夜伽をしたくない、触れて欲しくないと言う気持ちが伝わってしまいそうだ。

「はぁ……はぁ……光明さま、や、辞めて下さい……わ、私……あの……。本を持って……行か……」

 若菜が両手で光明の胸を押し退けようとすると、蛇の目のようにきゅっと鋭く細められ両手首を掴むと壁側に身体をゆっくりと押し付けた。着物越しにひんやりと土壁の感触が広がる。妖艶な微笑みと伽羅の薫りが鼻孔を擽る。
 彼の目に映る美少女はまるで怯える小兎のようで嗜虐心を煽った。

「や、光明さま……?……んっ……んぅ、んー、ちゅ、はぁ、……んっっ……ま、待ってください…ひやぁん!」

 再び唇を重ねて激しく舌を絡ませると、着物の上から太腿を撫でられ唇がやんわりと一番の弱点である耳朶を含むと、頬を染めて背中をそらした。

「ん、相変わらずお前は耳朶が弱い。寂しい思いをさせましたね……お前が反抗的なのは、拗ねているのか……あるいは……朔への罪悪感ですか?」

「そ、そんな事は――――」
「若菜、お前は本当に嘘が下手ですねぇ……お前達が通じてる事など、私にはお見通しですよ。クックックッ……それだけ素直だという事でしょうが」

 耳元で囁かれたその言葉は鋭い洞察力で心臓が大きく波打った。嘘のつけない若菜の反応に光明は耳元で笑みを溢した。肩に手を置く若菜の手を握ると、備え付けられた机に向かう。この一室だけ畳になっており、小さな窓がついていた。
 ぽつぽつと雨の音が響いている。
 戸惑うように手を引く光明を見上げると若菜を机の前に座らせぴったりと背後に座り込む。

「私が可愛い弟子の為に勉学を教えて差し上げましょう。どうやら雨も降ってきたようだ……。お前はどうやら傘をもってこなかったようだし、貴重な本を塗らされても困りますからね」

 そう言うと、光明は若菜の帯に手をかけするすると手際よく外し胸元をはだけさせ、首筋に痕を残すように口付けられるとビクンッと身体を震わせる。着物をたくしあげると色白でほっそりとした足が見え、ゆっくりと太腿を撫でた。指先の腹が肌を這うだけでうち震える敏感な身体と柔肌が心地好い。
 久し振りに嗅ぐ桜の高貴な薫りも、一段と深まっている。
 木花之佐久夜毘売コノハナサクヤヒメから寵愛を受けたのだろう。純粋無垢な霊力が唇や肌から伝わってくるようだ。

「やっ……、光明さま、お勉強って…っ、んっ、ふぁ、だめで、す、人が……人がきちゃう…お願いです……光明さま……こんな事はもう、許して下さい」

 若菜は赤面し、涙ぐみながらいやいやと頭をふる若菜の顎を捉えて間近で獲物を捕らえるように呟く。蜜色の瞳が琥珀のように美しい。

「……ん、私の一番の愛弟子ですから【躾】と【修行】を怠らないようにしなくてはね…お前が声を出さなければ人が入ってきてもわからないでしょう?」
 
 妖艶な笑みを浮かべ、蛇の舌先を首筋に這わせ所有物であることを誇示するように処女雪のように肌に紅い痕を残していく。
 耳の縁から内側に向けて舌を這わせ、耳朶を舌全体で舐められると若菜は耐えられず声を漏らしてしまう。

「~~~~っ、あっ、耳は……許してくださ、声が……出ちゃう、はぁ、んぅ~~っ、んぁっ…はぁ……っひ、ぅ…」

「おやおや。お前の淫乱な声がイネに聞かれてしまいそうですねぇ……若菜? んっ、さぁ勉学なさい。お前がきちんと出来るなら手を止めてあげましょう。読んでみなさい」

 そう促され、若菜は素直に天魔の本を開き読み進めようとする。若菜の肩に顎をのせつつ、しなやかな指先を胸元に滑り込ませ柔らかくすべらかな乳房を揉みしだきはじめる。

「天魔……っ、は……人のよく…ぼうを糧にして…んっ…はぁ……あっ……願いを……叶え……っはぁ……」

 暖かな心地好い乳房を揉み、しなやかな指先で乳輪を焦らすように撫でると音読する声に甘い吐息が漏れる。必死にそれを抑えようとしながら、堪え忍ぶ様子が光明の嗜虐心しぎゃくしんを満たしていく。若菜の服の裾を捲し上げ、手を差し込むと内股を円を描くように撫でた。しなやかな黒豹のような筋肉質な足とは違い、柔かで暖かく張りのある滑らかな感触が欲情を煽った。

「……若菜、勉学の途中で艷声を出すなんて…まだまだ修行が足りませんね……ん?どんな事があろうとも心を乱してはいけない……クックックッ」
「っ……はぁ………っ、そんな……っ、天魔は……、だいろく……てん………まおうの……あっ、あぅぅ……臣下で、はっ……やっっ!」

 内股を撫でていた指先がそのまま花弁までたどり着くと、ゆっくりと指先で慎ましい亀裂を撫でていく。乳房に触れていた指先がゆっくりと足を開かせると、右手で花芯を撫で左手で小陰唇を愛撫すると着物の中で淫靡な蜜音が響き、若菜はとうとう本をパタリと机に落としてしまう。
 小さな蜜穴に中指を挿入し、入り口を指の腹でとんとんと刺激すると高貴な天上の華の薫りと共に蜜が絡み付いてくる。

「あっ、うぅ~~、光明さ、ま……っ、ひっ、やっ、やっやっやっ…ぁん、っっ、やはっ、はぁぁ、もう、だめ、はぁんん、できませぇん…」

 着物の上から制する弟子に、口端をつり上げて楽しそうに笑みを浮かべると、僅かに濡れた指先を若菜の口元にもって行き強引に舐めさせる。
「んっ……んくっ……」
自らの甘い愛液の味を感じながら涙ぐむ若菜の耳元で囁いた。

「おやおや……若菜、お前は本当にいけない子ですねぇ……我慢ができないのですか? ほら、甘い味がするでしょう……お前の味ですよ。さて、私も久しぶりにお前の蜜を味あわせて頂きましょうか」

 女陰から指先を離すと光明は華奢な身体を畳に押し倒した。緩んだ帯を完全に取り払うと若菜は反動で肢体を横向けになり、肌襦袢の隙間から勾玉のお守りが転げ落ちる。

 ――――カチャリ。
 
 畳の上で翡翠の勾玉の御守りが転がり、ふと光明はその勾玉を見た。
 ああ、そう言えばこの娘を陰陽寮に向かい入れた時に首から掛けていた翡翠の勾玉だ。幼い頃、呪術者に貰ったと言っていた。

「……まだこんな物を持っていたのですか?もうこれには何の効力もありませよ、棄てなさい」
 
 若菜の肩をゆっくり畳に押し付け、翡翠の勾玉を手の平に乗せた。皮肉めいた言葉に若菜は傷ついたような悲しげな表情をする。若菜のまなじりに光る筋が美しく無垢な美少女を征服したい欲求で一杯になった。

「とても、大事なものなんです……! 棄てるなんて出来ません……光明さま……お許しください!」
 この勾玉は物心ついた時から身に着けていて大切にしていた。僅かに感じる霊力から力の強い陰陽師だと思っているのだが、幼少期の記憶は霞みがかっていて、あの時の人の顔を思い出せない。
 若菜は懇願するように彼の両手首を掴む。

  ふと、光明は既視感を覚えた。
 遥か遠い昔の記憶を辿るように、光景が脳内に広がる
 ――――床に押し付けられた華奢な身体、無理矢理着物を剥ぎ取り、自分の身体の下で犯され泣き叫ぶ美しい娘。
 晴明が妻の梨花よりも唯一愛する下賎の女だ。
 下賎の女であるのに清らかで優しく美しくどこか母性を感じる。
 梨花が美しく品のある宮廷の椿ならば、詩乃は可憐な名もなき野花だ。

 激しく腰を動かしながら心地好い快楽に高揚感が増す。無力感に打ちひしがれる表情が、晴明の大切な者を引き裂く爽快感に道満の欲望を焚き付けた。既に恋仲となり近いうちに自分と夫婦になる梨花を手に入れた時よりも高揚感がある。
 小さな狐耳の生えた男児が必死に自分を引き剥がそうとしていた。

『道満様……っ、いやぁ……! お辞め下さいませ!それは、晴明様から頂いた大切なものです、はぁっ……それだけは!……それだけは、ぁあっ』
『ならば余計にいらぬものよ……、詩乃、私に従え。下賎の身分故、晴明に嫁げぬ哀れな娘を私が囲ってやろうと言うのだ……ええい、五月蝿うるさい小狐め……!』

 振り払うと、壁にぶち当たりギャンッと鳴くと狐の姿に戻った。

『由衛……!』

 悲痛な詩乃の声が響く。
 その瞬間点と線が繋がったように目を見開き、低く笑った。 
 安倍晴明は生きている。
 元々、神狐と人間の間に生まれた半妖の存在なので生きていてもおかしくはない。
 そしてこの娘は恐らく詩乃の生まれ変わりだ。だからこそ幼子だった若菜に翡翠の勾玉を御守りとして持たせたのだ。
 そう思うととてつもなく高揚感が増した。
 この異端の忌み子は自分の手の中におり、愛でられている……あの男の唯一の弱点であり、さぞかし屈辱的な事だろう。

 若菜は、師の不審な様子に怖々と声をかける。

「光明さま……?」
「そうか……お前は詩乃の生まれ変わりだったのですね……クックックッ…………これは、これは実に面白い……」
 詩乃、と呼ばれて若菜の困惑してように彼を見た。生まれ変わりとは一体何の話だろう。

「生まれ変わり……?」

 どうやら前世の記憶が蘇っているようではない。これは面白くなりそうだ。そっと勾玉から手を離すと再び着物に手をかけ大きく胸をはだけさせた。雪白の肌が、雨雲で薄暗い部屋の中でも美しく光る。そのなだらかな実に咲く華は桜の花弁のようだ。
 野花は異端の美しい娘に転生したのだ。

「お前は私の前世の妾だったのですよ。運命の巡り合わせは不思議なものよ…詩乃」
「妾………私が光明さまの妾だったの……ですか?」
「ええ。小鳥が檻に戻るように、再び私の元へと戻ってきたのですよ、若菜」

 優しく顎と唇を撫でられその言葉に目を見開いて鸚鵡返しに呟いた。
 師匠の前世の妾、それが本当なら驚くべき事だ。けれど何故か彼に『詩乃』と名を呼ばれると心が冷えるような息苦しさと不安な気持ちで一杯になる。

「んっ……っ!、はむっ……んぁ……んんっ……んっ」

 不意に薄い唇が若菜の唇を塞ぐと、柔らかな舌先を弄ぶかのように絡ませ互いの唾液を交換するようにねぶられると、手慣れた動きに若菜の頭は白く霞んでいき呼吸の合間に砂糖菓子のように甘い声が漏れた。
 その間も味わうように柔らかく白い乳房を下から押し上げるように撫でられ、何時人が入ってくるかわからぬ場所でするすると着物をたくしあげられ張りのある太股を撫で回す、頬が溜まらず赤面して着物の裾を下ろそうとする華奢な手首を掴むと自らの高貴な着物の中へと手を誘い、褌越しに固くなった陰茎を触れさせた。
 恥ずかしがる少女の手を撫で付けさせると小さな手の感触にビクビクと摩羅が波打ち口付けの間に妖艶な吐息を漏らした。

「んぁ……こうめ、さ、んんっ…や、はぁ、あ、っ~~~ん、あ、や、恥 ず……か……です…んっ、~~ふっ、んぅ………はぁ……はっ……はぁ!」

 ちゅぷりと光明の唇が糸を引いて離れると形の良い顎をなめ、首筋に食らい付いて痕を残す。
柔らかく豊かな膨らみに実るつぼみを指の腹で撫でながら耳元で囁く。

「だが、詩乃よりも、お前は良い素質を持っていますよ……女神の加護を持つ霊力も、この甘美な肉体もね、若菜」

 ぎゅっと目を閉じると涙が零れ落ちる。心は抵抗しているのに自分の身体を知り尽くした光明の指先と唇に身体は翻弄され甘い悲鳴をあげてしまう。

「はっ………んぅ~~~~んっ……っ、ぁん」

 ねっとりとした蛇の舌先が小さな薄桃色の蕾に絡まると若菜は蜜色の瞳を見開き、腰を浮かせて敏感に感じる。
 美しい曲線美の背中を指先でなぞりながら、柔らかな乳房を揉むと掌でふさいだ唇の隙間から甘い声が漏れた。最近は男色に耽っていたが、久方ぶりの女体は心地よく若菜の乳首から甘い味を感じで満足そうに低く笑みを浮かべる。

「相変わらずお前は感度が良いですねぇ、若菜。随分とお前に触れて居なかったのでお預け状態で、快楽への耐性も弱くなっているのでは?――――楽しいことをしましょうか」

 そう薄く笑みを浮かべると、手首を引き剥がし若菜の翡翠の勾玉の首飾りで若菜の手を拘束すると頭の上に持っていく。

「やっ…!光明さま、何を…こ、怖いです…やめ、やめてくださ、や、やだぁ、こんな格好……うう、はしたないで……す」

 若菜の両太股と両膝をM字に固定するように、着物の紐で縛りつけると、初めての事に緊張するように身体を震わせた。
 若菜の着物を更にはだけさせると、豊かな乳房 と丸い肩が露になり、緩んでめくれあげられた裾にはぱっくりと開いた薄桃色の亀裂と白い太股が見える。光明は動じる事もなく、自らの顎に手を置くとその痴態に笑みを浮かべ内股を撫でる。

「ふむ、良い眺めだ、安心なさい。イネには暇を与えています。とはいえ……何時門下生が入ってくるかは知れませんが……クックックッ……愛弟子が淫らな躾をされていると思われるでしょうねぇ」

 色白の傷のない内股を両手で下から撫でると、久方ぶりの薄桃色の亀裂を味あうように蛇のような舌先を這わせる。
 両の親指で小陰唇を開け、先程からじわりと溢れていた蜜を舐めとると、どうやら女神から寵愛を受けたのだろう肌艶も増し、蜜も天上の甘露な酒のようだ。柔らかな壁を味あうように舐め、唇で大きく吸い上げた。

「あっ……はぁっ、あっ……やはっ、はぅぅ……あ、あん……ぁぁあ、光明さま、指と舌はっあっ、はっ、はぁっやぁん…あっ!んんっ」

 しなやかな光明の二本の指が蜜穴にゆっくりと挿入されると、きつい窒内を味わうように上下に動かし円を描くように捏ね回す。愛液が溢れて淫らな音が響くと、間から溢れる蜜を舐めとり、少し膨らんできた花芯の皮を捲ると赤い芽を摘むように舐めとり、蠢かせ唇で吸い上げる。敏感な花芯の実をさらけ出され舌先で刺激されると火花が散ったような快楽が身体を駆け巡る
 ピチャピチャと淫靡な音が響き、若菜は腰をくねらす。

「はぁぁん!あっあっあっ、ぁあっ、光明さま、だめ、や、やぁ、やぁぁ、アソコが熱いですぅ、やぁ、ふっ……あ、いっちゃう……!」
「……ん、さねを剥くのは刺激が強すぎましたか……っ……お前の眞液で酔いそうです……はぁ」

 若菜は拘束されたまま身体を震わせ、眞液を飛び散らせ頬を染めて切ない表情で脱力する。
光明は溢れた眞液を音を立てて飲み、絶頂に達してひくつく蜜壺の心地よさを指先に感じた。きつい締め付けも久方ぶり、清浄な霊力を受け取り、精力が増してくる。ぷっくらとした大陰唇に飛び散る蜜を舐めとり再び尿道口から、花芯に向けて舐めあげ慎ましく閉じた菊門まで舌を下ろすと舌先で皺を舐めると、舌先まで挿入する。

「光明さま、そこは、いや、いやです…、ぁ、許して…くださ……んんっ、あっあっあっ!はぁん、やだ、やだ、こんなの、もう、お許し下さい」
「嫌なわりには菊門もヒクヒク震えていますよ。師匠に菊門まで舐めさせるとは…いやらしい愛弟子ですね……安心なさい、若菜が大好きなさねも愛撫していてあげますから、ね?」

 羞恥に若菜が声を震われば震わせるほど、光明の嗜虐芯を煽っていく。何度抱いても感じやすい身体と処女のような感性だ。大人しい娘なのに頑なに堕ちない所が詩乃と同じで楽しい。

「素直でない所は詩乃と同じだ」

 指の腹で花芯を下から撫で上げ、未開発の菊門を舌先でズブズブと犯される。
嫌なのに唇から甘い声が盛れてどうしようもなく快楽の涙が溢れる。舌先が離れると再び花芯を舐めとり、唇全体で吸い付くように刺激を加えると、中指をとうとう菊門に根元まで挿入し出入りを繰り返す。
 溢れた愛液を潤滑油にして、異物感とおかしな快楽に甘い悲鳴をあげた。
 いつの間にか外は激しい雨が降って、若菜の甘い歓声もかき消されてしまっていた。

「ひぅ、あっ、や、お尻に…指が、はぅ、抜いてくださ、あぁんっ、やっやっ…はぁっ、あっあっ、あん、あん、やぁ、あ、あ、だめだめ、お尻でいっちゃ、だめ、あっ、―――――!」

 腸内の粘膜を擦り、花芯を強く吸い上げた瞬間ビクビクと背中を反らして絶頂に達した。
菊門で絶頂に達する事を拒んでいたのに、快楽に勝てず達してしまって嗚咽混じりに泣く若菜の桃色の尻穴から指を離すと妖艶で嗜虐的な、天魔のような微笑を浮かべて、光明は髪をかきあげ己の着物をはだけさせた。

「何も泣く事は無いでしょう? お前の泣き顔は誰よりも愛らしいですがね、若菜。そうだ……菊門の開発は朔にさせましょうか……? 私を受け入れるようにね」

 朔の名前が出てくると耳まで赤くなる。まるで陰間のような淫靡な行為を彼に教え込まれるなんて死ぬほど恥ずかしい。そして指先で感じてしまった自分を恐ろしく思っていた。
 続けて絶頂に達して荒い呼吸を整えるように息を飲む。光明はそんな若菜の涙を、唇で吸い上げ手首の翡翠の勾玉の拘束をといてやる。

「はぁ……はぁ……ひっく…あっ……返してくださ……!」

 そして手の中で握った瞬間粉々になってしまった。哀しみに打ちひしがれる若菜に優しく微笑みかけ、柔らかな頬をしなやかな美しい指先でなぞると今までになく優しい声で囁く。

「お前には新しいものをあげましょう、もっと高価で美しく、守護の強いものをね……。さて…若菜、そろそろ私も我慢が出来なくなってきました」

「新しい……もの?」

 何故か若菜はその言葉に不安感を覚えた。
それはまるで愛人に贈り物をするかのような感覚を覚えた。それに例え新しいモノを貰っても、あの翡翠の勾玉の御守りは元には戻らない。
 師匠と弟子という関係も徐々に崩れているのだろうか。
 しかし彼が特別目に掛けて愛しているのは側近であり小姓の朔だ。 混沌とする思考の中で、光明はゆっくりと若菜の蜜を陰茎に絡ませ蜜穴に挿入する。

「~~~~~~~ッッ!!」

 一気に根元まで挿入され、亀頭が奥の粒を刺激すると若菜は背中を反らし声を失う快楽に頬を染め色白の肢体を紅色させた。処女を奪われた日から、若菜の身体をよく知る彼は挿入するだけでも快楽に悶えるツボを心得ていた。
 太股を縛られあられもない姿で貫かれた若菜は乱れた着物をぎゅっと握りしめ荒い呼吸を吐いた。一方光明は、久方ぶりの極楽浄土の蜜壺に思わず震えるため息を漏らした。

「はぁ……あぁ……っ、これですよ、こ……れ……クックックッ…絡み付く小陰唇、入口と奥の巾着、吸盤のように吸い付く壁…そしてこの粒……はぁ……若菜……私が夜伽した女の中で、最高のものだ…お前には自覚は無いでしょうが………締め付けまで覚えて、いけない娘だ」

 味わうように腰を動かすと、下半身が蕩けそうな位に心地が良い。
 そして若菜の手首を掴むと摩羅が出入りする様子を確認させるように結合部を触らせると、若菜は喘ぎながらいやいやと頭を降った。
 恥ずかしいのに羞恥がゾクゾクと快楽を感じて乱れてしまう。上の壁を擦られると愛液が溢れて雨音に混じり淫らな水音が響き渡った。

「あ、あっあっあっ、やぁ、ぅ……はぁん、手が…や、や、ぁっ、こうめい、さま、恥ずかしいです、あ、あっ、中に……や、はぁっやん、やっ」

「はぁ……はぁ、ほら、若菜の窒内(なか)に私の摩羅が入っていますよ………っ、はぁ……私の陽の気とお前の陰の気が混じりあって……っ、心地が良い、お前はまるで私の為に存在するような……もの、可愛い愛弟子を到底手放す事は……できませんねぇ。……っっ、最も、はぁ、忌み子の、お前を受け入れる先など……は、私の側より他無いでしょう?」

 縛っていた太股を解放すると若菜のお尻をあげさせ華奢な両足を閉じ自から抱え込むと、極上の蜜壺を味わうように腰を徐々に小刻みに激しく動かす。
 若菜は思わず自分の唇に指先を添えて子宮に響く快楽に翻弄された。

「忌み……子……っ、あんっ、あっあっあっ、激しっ、やぁっ、あっああっ、やぁんっあっあっはぁっ、あっう……やぁぁ――――!」

 陰陽寮に居るからこそ望まれぬ忌み子の混血児は生きていける。その事にはとても感謝しているのに、淫らな愛欲の交わりが心を引き裂いていく。
 何時もより激しい愛撫に若菜は口端から銀糸を垂らしてよがり、師匠の両膝に手を置くと絶頂を告げる間もなく達して背中を反らした。
 しかし、何時もならば躾を口にする光明だが、両足を開かせ、押さえ付けたまま、蜜壺を更に貪るように動かし、深く突き上げる度に眞液が飛び散り若菜の着物を濡らした。おかしくなりそうな若菜は彼の適度に鍛えられた胸板に手を置いていやいやと頭を降る。

「ひっ!ま、まってくださ、やあっ、やっ、あっ、やぁぁ、はぁ、はぁぁん、もう、もう、あっやっやっ、また、きちゃう、光明さま、もう、ゆる、許して……くださっ、またおかしくなっ、はぁんん、あぅぅぅ、いや!」

「っっ、はぁぁ、天上の締め付けよ……っは、はぁ、詩乃もこうして私の下でよく鳴いていましたが…お前もよく……っ鳴く……着物まで蜜で濡らしてはぁぁ…さぁ、おかしくなれ…、私の精液をたっぷり子宮に注いであげますからね」

 子宮口を奥まで擦り立てると快楽のツボを刺激され波打つ壁がミミズ千匹のように絡み付き、眞液が飛び散る蜜壺に白濁液が注がれると若菜は切なく眉をしかめ、背中を反らしてガクガクと身体を震わせた。
 絶頂に達して絡まる壁の心地よい感触を名残惜しそうにしながら抜くと、つぅ、と精液が蜜穴から流れ落ちてきた。
 白髪の美しい髪をかきあげ、口端に笑みを浮かべた。

「はぁ……はぁ……はぁ……はぅん………はぁ……ん」

 何時もなら、若菜が気絶するまで膣内なかで果てねば気がすまない光明だったが、今日は横たわって、虚ろな瞳で吐息を整える若菜に覆い被さると耳元で囁いた。

「若菜……、今日の夜私の寝所に来なさい。朔にばかり負担をかけさせたくないでしょう……良いですね?」

 朔の名前が出ると、虚ろな目にも光か灯り若菜は小さな声で返事をする。
 朔に、こんな思いをさせたくない。自分の為に犠牲になって欲しくないと言う思いだけが強くなる。
 
 その返事に満足そうにすると、光明は良い子だと囁くと耳朶に口付けた。

✤✤✤✤✤✤✤✤✤

 まだ雨は止まず、若菜は着物を整えても濡れた部分が渇くまで書庫から出ることが出来なかった。手の平には粉々になった翡翠の勾玉があった。
 光明に愛欲にまみれた淫らな行為をされるよりも、幼い頃から大切にしていた翡翠の勾玉を壊されてしまった事がどうしようもなく悲しく、胸が痛んだ。
 誰もいない書庫で涙を流して嗚咽おえつ混じりに泣いていると、扉が開く音がして着物の袖で涙を拭いた。

 人の気配がして、ビクリと体を震わせ振り向くとそこには吉良が傘を畳むと入ってきた。
 思いもよらぬ人物に驚きを隠せなかった。 
まず自分が呼ぶとき以外では自由にしている吉良が、自分の意志で主人の元に来る事は無かったからだ。

『よゥ、若菜。中々帰って来ねェから、迎えに来たぞ』

「……き、吉良? どうして此処に」

 吉良はそれには答えず、若菜の側まで行くと明らかに涙で紅くなった目の主人を片手で抱き寄せ、まるで兄が妹の頭を慰めるようにポンポンと撫でた。部屋は男と女のまぐわった匂いがする。
 特に若菜の濃厚な華の香りは吉良には良くわかった。先程、土御門光明が機嫌良く身なりを整えて出て行く様子を見掛けた。一部始終見なくても中で何か行われたかは予想ができる。

「吉良…………。勾玉の御守り、壊れちゃったの」

 子供のようにそう告げると、さめざめと涙を流して彼の胸板に頬を寄せた。
 粉々になったそれを、光明が壊したと言わないのは欲望のままに好きなだけ強姦されてもまだ助けてもらった彼に恩義を感じているのか。
吉良は溜め息をつくと、落ち着くまで抱き締めてやった。
 この光景を見たのが朔や由衛なら、間違いなくその場で土御門光明の首を取りに行っているだろう。
 
 正直に言えば人間に殺され呪術に利用された怨みから、自分を討伐しようとした陰陽師の女も殺した
そして妖魔の縄張り争いから同族にも汚い事もしてきた。自分は邪悪で忌み嫌われる呪われたものだが、それでもあの男がこの娘にしている事は胸糞が悪かった。
 この娘は酷い目に合いながらもあの男を信じたいと思っているのだ。それは、多少なりともこの娘が自分にとって無害で善良だからかもしれない。或いは若菜が自分にとって主人で特別な人間だと思っているからか。

 まるであの呪術を使うまで、自分の主人を何があっても信じたいと思っていた犬の記憶を思い出して自らを重ねてしまうのだろう。
 自分でも驚くほど彼女に感情移入している。
 それは血族のような情にも近い。
 人間にそんな事を再び感じるとは思いもしなかったが、懐かしくて心地よいものだ。 
 若菜はふと、両手を彼の胸に押し当て顔をあげる。

「私が居ないと由衛も心配しちゃうから、帰らなくちゃね……吉良、ありがとう」

 無理をして微笑む主人が痛々しく感じる。

『――――構わねェよ。お前の事は朔から頼まれてんだ。彼奴は紅雀の家族みたいなもんだしな』

 若菜の身体を支え抱き起こすと、自分の羽織を着せて夜伽で濡れた部分を隠すと肩を抱き寄せ歩き始めた。
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